チャットファンさん 2020-09-03 20:51:48 |
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あ、本の話がしたいです
(実は何を話そうかなんて全く考えていなかった。話題が無いわけではない。話したいことが多すぎて選びきれない、というのが事実である。数秒黙り込んだ後、二人の共通の趣味として先ずはこれからか、とそう切り出し)
ジャンルっていうより……僕も、久我さんみたいに本に詳しくなりたいんです
(今睨み付けられても、そう簡単には怯まない。ここで敢えて彼に対する憧れを露にして「どうしたら貴方みたいになれますか」と訊ね)
……それこそ、色んな本読めや。
(彼は静かに溜め息を漏らし、「…ん」無愛想に黒革のしっかりとしたカバーが掛けられた「銀と夜」とタイトルがある一冊の本を手渡し、「…この本、やるから次来るまでに読んどけ」とだけ述べて)
……はいっ
(手渡された本は初めて見るもので。彼から「次来るまで」と、自分の存在が避けられていないことを知って、嬉しさを噛み締めながら返事をすると、有難うございます!と頭を下げ)
……あ、と……もし良かったら、名前、教えてくれませんか?
(柔らかくなった彼の表情、思わず見惚れてしまう。今まで経験したことのない感情。衝撃で話したかったことは全て飛んでいってしまった。しかし、折角彼からそう聞いてくれたのだ。ここで会話を終わらせるのは勿体無い気がして)
綾兎、さん……
(彼から教えて貰った名前を繰り返し、「いい名前ですね」と微笑んで。ここで、すっかり自分の自己紹介を忘れていたことに気付き)
あ、僕は柏木です。柏木渚。21歳です!
、ありがとうございますっ
(まただ……、再び柔らかくなった彼の表情を見て、一緒に心臓の鼓動も速くなる。彼に名前を褒められても、直ぐに言葉が出て来なかった。明らかにいつもと違う感覚に戸惑いつつも御礼を伝え)
あ、はい。お疲れ様でした!
(なんだか考え込んで黙ってしまっていたが、彼の言葉にハッとして。自分もそろそろ……と荷物をまとめると一言。)
じゃあ、また明日
凄く面白かったです!僕が普段手に取らないようなジャンルだったんですけど──
(彼からの問いを待ってましたと言わんばかりにつらつらと感想を語って、満足げに口角を上げると、「ありがとうございました」と本を返そうと差し出し)
……ああ…その本は持って帰ってくださって構いませんよ。
(差し出された本を首を左右に振りつつ手で突き返し、「俺が昔読んでいた本なので…もうあげますよ。」口調こそ無愛想なものの表情は少しだけ穏やかで)
え……!ありがとうございます!
(あまりにも面白かったので、今日これを此処で買おうと考えていた。……が、彼からのその言葉に本当ですかと目を輝かせ、きゅっ、と目を細めてお礼を伝え)
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