チャットファンさん 2020-09-03 20:51:48 |
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……ブックカバーはお掛けしますか?
(お金が乗せられたキャッシュトレーを下げると後ろのケースから四枚ほどのブックカバーを取り出し、カウンターに並べてそう聞いて。「…ご不要でしたらそのまま持って帰ってくださって結構ですが。」少し面倒くさそうな様子で首を傾げて)
…あ、大丈夫です。有難うございます
(ブックカバーで更に時間を取らせてしまうのは申し訳無い気がしてお気遣い有難うございます、と微笑んで小さく頭を下げる。よく考えれば、ブックカバーのサービスなんてどこの本屋でもやっているようなことだが、今はそこまで頭が回っていなくて)
…お買い上げ、ありがとうございました。
(不要だと言われればブックカバーをケースに収納し、形式的に頭を下げ。「……またのご来店をお待ちしております。」マニュアル通りの文章を読み終わった彼が本の陳列作業へと戻った時に休憩時間が今終わったのだろうか、バックヤードからぞろぞろと数人店員が姿を現して。)
あ、こんにちは──
(本を受け取ってそれを両手で抱え。読むのが楽しみだというようにワクワク気分で出口に向かうと、顔見知りの店員さんが出てきて、笑顔で挨拶をし)
(/どう繋げましょう?次の日に飛ばしても、軽くイベント的な物を起こしてもいいと思いますが……)
(/了解しました!)
《次の日》
(最早訪れるのが日課となっている書店。今日もまた新しい本との出会いを見付けるべくドアをくぐる。…と、昨日担当してくれた彼が目に入り近付いていって)
あ……、昨日は有難うございました!
……あ?ああ…。
(急に声を掛けられた彼は一瞬そちらを睨み、威嚇するような低い声を出して。だがすぐに昨日の客だと気付けば誤魔化すように返事とも呼べない返事を返して)
貴方の……!……えーと…、久我、さん?
久我さんのお陰で助かりました!
(彼のネームプレートを見て名前を理解し、改めて言わないと気が済まないのか、勤務中だというのに全く気にしない様子でお礼を伝え。)
……どうも……あの。今、仕事中ですので…。
(彼の目は話している間中訝しげに相手を見ていたが、礼を言われればとりあえず頭だけは下げてみせ。その両手には本を抱えたまま急ぐかのように断りの言葉を口にすると猫背で奥の参考書コーナーへと消えて。彼が去ってしばらくすると顔見知りの女性店員が「あ、柏木さん。いらっしゃいませ。」と親しげな笑顔と共にお辞儀をするが「柏木さん。……今の、久我さんでしょ?あの人、関わりにくいからやめておいた方が…」彼に聞こえないよう声を落とすと苦虫を噛み潰したような表情でそう続けて)
?、そうなんですか?──でも、結構良い人みたいですし……、
(仕事中、だと去ってしまう彼に「あ、すみません!」と謝罪の言葉を口にするも 時既に遅く。彼は早足で奥の棚へと消えてしまった。あまりに一瞬の出来事だったためきょとんとしていると、背後から聞き慣れた女性の声。こちらも微笑んで挨拶を済ませると、彼女の言葉に不思議そうにしながらもそう答え。一言付け加える。「でも、僕はもっと話してみたいな、って思っちゃいました」持ち前の好奇心が働いたのか、今まで2回会ってみて確信した。自分はあの店員さんが気になっているらしい。単に気になっているといっても恋愛感情は無く、友達になってみたいという思いが強く。)
(「…決して悪い人ではないんですけど、何と言うか…あまり話してくれないんですよ。」女性店員は困ったような表情に変わるとそう続けたがレジのヘルプに呼ばれ、「じゃあ私はこれで…」申し訳なさそうにお辞儀だけして去って行き)
あ、お仕事頑張って下さいね
(笑顔で顔見知りの店員さんを送り出す。また明日来てみようと、自分も書店の出口へと歩き出し)
《次の日》
(いつもの道、いつもの時間に書店へと入っていく。そして目的の人物を探すべく店内を見渡し。「……いたいた」三度目に見る彼の背中を見つけると、躊躇いもなく近付いていくと同時に、昨日のことを謝りたいという感情もあって)
あの、久我さん。昨日はお仕事中すみませんでした!
………いえ……何か、お探しですか?
(彼は平積み作業をしていたが顔を上げ、ゆっくりと振り向いて首を左右に振り。億劫そうにそう問いかけて)
あ……えぇと……お薦めの推理小説、ってありますか?
(そうか、普通は謝罪や雑談目的で店員さんに話し掛けないのか、改めてそれを再認識する。しかし、折角の彼からの問いに「いえ大丈夫です」とそう簡単にこの会話を終わらせるなんてことは出来ない。丁度一昨日買った小説も読み終わった所だし、丁度いいかとそう訊ね)
…そうですね。……本格的なものなら、アガサ・クリスティやアーサー・コナン・ドイルなどでしょうか。
(彼は静かにそう言い、「……初心者向けのものでしたら、……さんの作品がよろしいかと。」平積みしていた本の海から二、三冊の本を抜き出して)
(彼が差し出してくれた本の中から一冊を手に取ると、表紙をパラパラ捲って。推理小説は結構読んだつもりだったが、今回薦められたのは初めて見る作家さん。内容的にも、文の書き方的にも自分の好みぴったりで)
わ……有難うございます!これ、読んでみます
(これを買わない理由が無い、ということで、お買い上げすることに決めた。大切そうに本を抱えると、にっこり笑って御礼を言って)
……そうですか。お役に立てたようで何よりです。
(彼は礼に素っ気なく返し、「…では、作業がありますので…」参考書やビジネス本の山を抱えて若い年代の人々が居る奥の棚へと早足で歩いていって)
(一見素っ気なく見える彼の対応にももう慣れた。いつか彼方の方から話し掛けてくれたら嬉しいな……なんて。そんなことを考えながら此方もレジへと足を運び、新しい小説を片手に店を出て)
《次の日》
(昨日薦められて買った本をつい先ほど読み終え、達成感と共に書店の中へ。これを薦めた張本人である彼を見つけると、小走りで近くへと寄って)
こんにちは、久我さん。
昨日久我さんが薦めてくれた本、凄く面白かったです!
……ああ…そうですか。…それは、良かったです。
(今日の彼は珍しく作業中ではなく、声を掛けられるのにも少しだけ慣れた様子で振り向いて)
推理小説、お好きなんですか?
(今は作業中では無いため、途中で遠くへ行ってしまうことも無さそうだ。これは一種のチャンスだと心の中で小さくガッツポーズして。まずは共通の趣味を見つけようと、彼の横へと移動してそう投げ掛け)
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