「自称」守り神 2020-08-29 14:13:53 |
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…さ、入って入って…、
(安心したように微笑むと家へ近付く。手を離し鍵に手をかけてガチャ、と音を鳴らし施錠を解除してドアを開ける、まるでドアマンのような振る舞い…紳士さが出ていて。)
お邪魔します
(一応ここら辺の礼儀はちゃんとしているようで、彼の家の中へ足を踏み入れる前にそう言って。そして一歩、初めての彼の家へ入ると、珍しそうに辺りを見渡す。実は“人の家に来る”こと自体、経験が多くなく慣れていない部分もあり、どこか緊張していて)
はーい、どうぞ。
(声を弾ませ返事をすると自分は彼の後ろから出て自室へ移動、鍵置きにそのまま置くとリビングの方へと進む。『…緊張しなくて良いんですよ、上着も脱いで下さい。』と声をかける、此処は自分の家。特に隠す必要性もないか、と考えつつもパソコンの方をチラチラと見る。…何か嫌な予感がする、)
なぁ、なんだこれ
(上着を脱いで、引っ込めておいた耳と尻尾を出す。これで緊張が少しは解れたらしい。リラックスした様子で後についてリビングへ向かう。長い間神社暮らしだったため、家にあるテレビ、冷蔵庫等の最低限の電子機器しか分からない。彼の部屋の中にある色々なものに興味津々で、パソコンを指差してそう訊ねるとマウスに手を掛け)
ちょっ…、それは『パソコン』って言う…携帯の巨大版みたいなものです。此処で決定、こっちで入力…、中は覗かないで下さいね。
(『待って』と言いかけるも疑われない様に何とか堪える、操作方法を説明した後ビシッと指を差し『…覗かないで下さい』と警告する。…彼は約束を守る人だと信じてキッチンへ行きお茶を用意、ついでにお菓子も。あとお土産。鼻歌を歌いながらサクサクと準備を進めて)
(使い方を教えてもらったら、必然的に沸き上がってくる使ってみたいという好奇心。彼に教えてもらった通り、決定、入力……を繰り返しパソコンをカタカタと弄ってみる。中を覗くつもりはない……が、無意識に電源はついて、自分の名前が載っているフォルダを発見。なんらかの拍子で中を開いてしまい、ディスプレイ上一面に自分の写真が表示され)
?!……俺の、写真……?
…どうか、しました?
(準備を整え彼の方へと出向く…も、様子がおかしい。どうやら見られたようだ、…外部への情報を防げれば良い。口封じの作戦なのか今は気づかないフリをして向かいに座り『…気に入ったんですか?』と声をかける、上手くいくかは分からないがやるだけやってみる)
これ、どういう事だ……?
(自分の写真が表示されたまま、パソコンの画面を見せて、単刀直入に訊ねる。瞳は真っ直ぐ彼に向けられているが、怒りは感じられない。ただ、どうしてここに自分の写真があるのか、理由を聞きたいだけらしく)
…、撮ってたんですよ、いつも背後から。
(顔は口角を上げたまま、目を細くして告げる。起こっていないのならば口止めの必要も無い、そう判断したのか否か…隣へと移動してその画面をスクロール、すると二段、三段とドンドンと隠し撮りが出てくる。彼の方を向き『…だから、そばにいてくれますよね、』と声をかけて彼の顎に手を当てこちらに向かせる、…勿論、変な事をしたい訳では無い。ただこうするしかなかった…そんな思いを抱きつつもジーッと見つめていて)
……っ、なん…で、
(笑顔の筈…なのに、その笑顔からは恐ろしいものを感じる。反論や怒りをぶつけることが出来ず、豹変した彼に怯えるように声も小さくなる。先程まではぴんと立っていた耳や尻尾が垂れ下がっており、恐怖心、のようなものが籠った瞳で彼を見上げていて)
へぇ、そんな反応するんだ…、
(少し距離を取り胡座をかく、興味深そうに観察…なのだろうか、反応を伺っていて。正にS、…いや、自分にとっては愛情表現なのだろう、側に近付けば優しく手を握り『…返事は、Yes or No…どっちかな』と答えを待つ。出来るだけ怖がられない様に抱きしめて頭を撫でる、姿勢としては彼の肩に頭が乗り背中に手を回している状況になっている)
そばに……っ、
(答えはNO、ふるふると首を振る。先程まで抱いていた信頼が、彼から向けられる自分への愛情が、歪んでいるように感じて。彼のことは、告白までした……だから嫌いではない。しかし、こんな性格の彼は知らない。好意より恐怖が勝ってしまったようで、自分の身体から彼を引き離そうとし)
…そっか、変な事してごめん。
(首を振られれば残念そうに離れる、流石に彼の為にならない。元の位置に戻れば『…食べますか、!』と明るい声を出す、カップに手をかけ口元へ送る、次にお菓子を頬張る。何故此処まで悪気なく過ごせるのだろうか、別人格の様な豹変ぶり。…性格上実際にそうなのだ。原因は元彼、振られる思いを経験した時、離れたく無い…何としてでも。という思いを付けてしまったのだろう、)
っ…ん……
(彼の豹変ぶりに、まだ理解が追い付いていないのだろう。折角用意して貰ったお茶やお菓子にも手を付けられないで、彼のその呼び掛けにも曖昧な返事をしてその場に立っていて)
一颯、一颯っ!…
(再び側に近づき顔を覗き込む、そのまま額にデコピンをかます。お茶が冷める前に飲んで欲しいのだ、ヒョイと持ち上げお姫様抱っこをするとそのまま座り半強制的に膝の上へ。『…おーい、』と声をかければまた顔を覗いて)
いっ……
(デコピンに小さな声を上げると反射的に額を押さえる。彼の膝の上、顔を覗かれ驚いたのか視線を逸らし。呼び掛けに返事をするように「……何だよ」とは呟き)
お茶、冷めますよ。しっかりして下さーい、
(ゆっくり下ろし、自分の座っていたソファの上に座らせる。困ったように苦笑いを浮かべれば相手の方に勧める、少しぬるいかもしれないが仕方がない。彼が手をつけるまで待っているのかじっとしていて)
ん……
(勧められるままカップに手を付ける。そのまま中の飲み物を一口飲むと、側のお菓子も手に取って頬張り。少し落ち着いたのか、ふぅと息を吐き)
…落ち着きました?、…あ、失礼、
(心配そうに彼の方を見れば頬を緩める。『何しましょう…』と言おうとするもプルルルル、と携帯が鳴る。ポケットから取り出して困り眉、宛名を見れば先程の彼。どうしようかと画面を見つめていて)
(もう一口、カップに口をつけ、完全に落ち着きを取り戻した……ところで鳴る携帯の着信音。彼の携帯を覗き込んで画面を確認、それをパシッと取り上げるとボタンを操作。通話できる状態にして耳に当てて)
……もしもし
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