失恋酒〆

あははっ、そんな事言われたの初めてだよ。お兄さんの同僚って変わってるのが多くてさ。
(相変わらずスマホを触りながらそう答え、「例えば…何だろ。全体的に色々ヤバいのが多い。」…どう考えても笑顔で話すべきことでは無いのだろうが、平然と同僚の「ヤバい」失敗談等を語り始め)

…そーいや不二さんって、お仕事は何してるんですか？(相手の話を聞いてればふと相手の事を本当に知らないよな、なんて思ってれば純粋な興味から問い掛けて)

お兄さんのお仕事？あははっ、秘密だよ。
(仕事の事を問われた途端、はぐらかすように笑うと人差し指を自らの唇に当てて。「あんまし人前で言えるもんじゃないかな～。皆戸くん的にお兄さん、何してそう？」誤魔化すように相手に質問を返し)

何してそうって、そうですねぇ…(仕事についてはぐらかされてしまえば問い詰めたくなるものの、自らの唇に人差し指を当てるその仕草に思わずドクンと心臓が高鳴り顔が赤らみ。そして相手から問われれば呟きながらうーん、と考えるも分からず「モデルさんとかですか…？」とやや当てずっぽうに答えて)

モデルかぁ～…昔は読者モデルやってたこともあったよ。だけど今は違うかな。ぶー。
(相手の解答を聞けばどこか幼稚な効果音と共に指で×印を作り、「残念。お兄さんの仕事当てられなかったから賞品のスイーツは無しだね～。」また楽しそうに笑うとスマホに目線を移し)

っ…ふふ、賞品のスイーツってどう言うことですか(幼稚な効果音を口でつけるその仕草にドキドキと何故だか高鳴りが収まる気配はなく、何故こんなに男相手にドキドキするんだとモヤモヤしだして。そして楽しげに笑うその様子につられて笑いながら返して)

ん～？皆戸くんがお兄さんのスイーツを食べられる権利。
(相手の言葉にスマホを見ながらそう返し、「皆戸くんが当てられなかったからお兄さんが一人で全部食べちゃうってこと～。早く来ないかな～。」好物を心待ちにする子供のように忙しなく体を揺らして)

ふふ、そうだったんですね(相手からの返答になる程、なんて笑えば相手の仕草と見た目のギャップに相変わらずドキドキと鼓動が忙しく聴こえる事に内心で戸惑いを感じていて)

あ、来た～！
(店員が相手の注文した商品とスイーツを運んで来たのを見ればスマホから顔を上げて楽しそうに笑い)

わ、すっげぇ…(お互いの注文した品が届いては相手の注文したスイーツを見ては一度メニューで見てたとは言えど流石に自分では食べきれなさそうなそれに思わず感嘆の声を漏らして)

あははっ、美味しそ～。
(途端にスマホをポケットに収納すると子供のように目をきらきらとさせて)

…ホントにそれ、1人で食べきれるんです？(相手の子どもの様な笑顔にドクンと心臓が飛びはね、それを悟らせたくないと相手に話しかけて少しでも自分で気を紛らわそうとし)

うん、お兄さん一人で食べる～。
(相手にそう問われれば楽しそうに笑い、手には既にスプーンを装備していて)

ふふ、それなら良いんです(相手の楽しげな様子を見ていると此方も楽しくなるもので目を細めながら「頂きます」と手を合わせてから此方もフォークを手に取ってチョコケーキを一口サイズにカットしてから食べ始め)

ん～…本当に美味しいな～。
(スプーンでクリーム部分と果物を取ると口に放り込み、表情を緩ませて)

ホント、美味しそうに食べますねぇ(相手の美味しそうに食べるその様子を見ながら微笑みつつ呟きながらもコーヒーを挟みつつチョコケーキを食べており)

美味しいからね～。
(楽しそうに笑いつつもスイーツの量はどんどん減っていき)

スゴいな…(自分でもチョコケーキを食べながら相手の食べる様子を見ていたが、みるみる減っていく様子に感嘆の声を漏らしていて)

あははっ、ありがと～。
(相手の言葉を聞いて笑えば最後の一口を放り込み)

アッサリ食べ終わっちゃいましたね(自分は普通サイズのチョコケーキを食べてた筈なのに相手が同じタイミングで食べ終えた事に思わずフフと笑いながらそう話してはコーヒーをゴクと飲み)