誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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>霧さん
「んっ……」
(抱き寄せられ、血を吸われる。牙をたてられ、痛いのかもと思いきや……別に肉を千切られるわけでもないためか、そんなに痛くはなく、吸われているときは身体の力か抜けていくような、変わった感覚に陥った。不快と言うわけでもなく、幻はされるがままに無抵抗で居続けた。)
>エステラさん
(光と耳鳴りが収まった頃、エステラさんが餓狼さんから抜け出し這って進んだ後……ようやく幻も動き出す。)
「……えっと、多分危ない人だけど……一応……」
(と、餓狼さんに近づき、生きているかどうかを確認するためにそっと脈を図る。……どうにか生きているようで、今は気絶しているようだ。)
「…………」
(生きていることを確認すると……躊躇はしたものの、握っていた幻の血入りのイチゴ味の薬を……そっと餓狼さんのすぐ近くに、ひとつ置いておく。本来なら、彼は人を傷つける相手で、回復のためのものを置いておく必要はない。……が、幻にとっては「人の役に立つ」ことが全てなため……傷つける相手とわかっていても、なにもせずに放っておくのは、出来なかった。
薬をそっと置いた後、幻は這って出ていったエステラさんのもとへ駆けつける。)
「!いた…あの、お姉さん?大丈夫ですか?……その、これ飲めますか?回復薬なんですけど…。」
(と、駆け寄ってからエステラさんに負担がないように楽な体制に変えようとし、リュックからもう一本の瓶を取り出して、飲めるかどうかを確認する。無論、能力の使用でしびれた身体も、餓狼さんに与えられたダメージも、疲労感も……薬を飲むか、血を接種すれば回復するだろう。そして回復すれば……十全な状態で堺さんを追うことも可能だろう)
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