誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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>悲倉 鈍間 >椿原 帝
(段ボールを盾にするような形のタックルが当たる直前、天都は更にマフラーの中から、服の襟の裏を通して、左腕に垂らすような形で細長い何かを仕込んでいた。相手の言葉も、右から左へと流れていく程の集中力が、今天都には宿っていた)
距離を取らない―――引きずり込んでくる、か―――
(そして、タックルがヒットしようという瞬間、盾にしていた段ボールの影から鈍間の手が伸び、左手の甲を掴まれ、偶然左手に持っていたライターが手からこぼれおち、段ボールへとライターの火が迫っていく。そして勢いのままに引っ張り込まれ、段ボールよりも前方に引きずり出された―――その時だ)
……僕を引きずり込んだのはお前だ。
(やはり鈍間の言葉には反応せず、そう念押しするように言葉を発した。それが起こったのは次の瞬間。段ボールがいきなり火の手を上げた―――時計にしまうよりも前にアルコール消毒液を染み込ませておいた段ボールにライターの火が引火したのだった。肌を焼く熱気を帯びた火炎の壁が倒れ行く二人に迫ってくる形になる。しかし、天都にとってこれは注意を引く囮だった。自分の身体が重力に従って地面に落ち行く最中、燃えた段ボールにこする形でスイッチを入れた懐中時計から鈍間の身体に向かって注射筒のような物が飛んでいく―――それは主に動物捕獲用に使われる麻酔銃の弾頭だった。そして掴まれた左手を思いっきり、今度はこっちが引き寄せるように水の膜が張るアスファルトの地面に振り下ろす―――左腕から垂れていたのは銅線だった。先が切られており、絶縁体に包まれているはずの銅線部分が剥き出しになっており、マフラーの中の小型のポータブルバッテリーに繋がっている。それを水浸しの地面に躊躇なく接触させようとしていた―――相手がわざわざ自分の手を掴み、しかも右肩はある程度負傷している―――自分の身体さえも囮にして相手の両手の自由を奪ってから放った殺人道具三連のコンボが自分含めた二人に襲い掛かってくる。例え、自分に減速がかかり、予想以上の衝撃が襲ってくるとしても―――)
>病院all
まぁ。
(再び自責の念に駆られる窓子を見て、あの時の鈍間を思い出しながら、一旦区切ってから自分の考えを喋り出す)
弾丸も彼には有効打にはなっていなかったからね。どんな攻撃も彼が反応できる限りは相手や武器の時間を遅くしたり、自分の身体の一部の時間を遅くすることで対処できるんだろう。油断とかをしていなかったとしても、もう少し彼に攻撃を加えられただけで逃げられてはいただろうと思うよ。
(彼に致命傷を与えるなら不意をつくか、それこそ物量差で圧殺するか―――そんなところだろうと思いつつ)
それか彼が時間を遅くしてはいけない身体内部に何か攻撃するかかなぁ。
(血管。重要臓器。身体内部なら、彼も遅くは出来ないだろう。時間のラグにより逐一エネルギーが生じるとしたら、血管を遅くしたら解除後に一気に血が流れた時に逆流などのリスクがあるし、重要臓器は言わずもがな、だ。とにかく油断云々を問うなら、相手の能力をどう攻略するか考えてからだ、と)
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