誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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>悲倉 鈍間 >椿原 帝
(後ろで誰かが倒れ込む音が雨の中でも聞こえてくる。迂回させたが、完全に射線から外れることはできなかった―――分かっていたことだった。だが他の方法も思いつかなかった。天都の能力は超人的な何かを自発的にするような能力じゃない。中に入っている物も一般人である天都が手に入れられるものばかりだ。防ぐ方法がないわけでもない。だがそれはあの距離では中野さんをも巻き込むものばかりだった。最低でも被害を被るのは避けられなかった―――)
君、病院に連絡を。そして中野さんをそのまま安全なところまで。
(振り返らずとも椿原にそう言う。その時にはもう完全に目は据わっていた)
…………ふぅ。
(限りなく最悪の気分だ―――そう思うと彼は自然と息を吐き、そして無言のままスイッチを押した。そのカチッという音も雨音に消される中、静かに鈍間の右肩へと飛び出したのは、さっき自分に打ち込まれた弾丸だった)
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