誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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(/すみません、以後気をつけます)
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( 現在、カウンター裏に移動した夜明ヶ原によれば、提案を拒否するどころか、日常を守るとまで言明していた。
[古いクラシックが流れ始めるが、悲倉の心の中は常にグノシエンヌだ]
… 日常を守る?
自らの親指の付け根を噛んだ。
…日常を守るだと?
口の中で鉄の味がじんわりと広がる。
…僕はこの日常というやつが気持ち
悪くて気持ち悪くて耐えられない
間接照明の淡い光をぼんやりと反射するフローリングに一滴、二滴と赤黒い液体がこぼれる。気づけば、自分は、いつもの悪癖で親指の付け根を噛んでいた。そこには、明確な歯型と共にわずかに出血しているが、気にする様子もなく、その手をポケットにしまい込む。
さっきよりも、悲倉の頬の血管の浮き具合は、現状のストレスが発散された悲倉の感情を表すように、おさまっている。)
「 愚鈍だな 」
( 堺らを接待し始める夜明ヶ原を尻目に、悲倉は懐から取り出したしわくちゃの一万円札をカウンター上に置き伏せる。こうして、夜明ヶ原の立場、日常は守るべきだという、自分とは正反対の立場を理解したところで、店を出ようと踵を返す。
結局、なんとなくだが、夜明ヶ原の言う通り、この提案に対しての彼女自身の答えは初めから予想がつくものだったのだろう )
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