誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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>夜明ヶ原窓子
「 愚鈍だらけだなぁ 」
( 先日、あんな事件が起こったと言うのにすっかり世の中は元どおりになっていた。
駅近くの商店街を歩く人々の中に、この日常をひどく嫌う存在がいる。全身黒一色で、こうすれば人々の視線、視界から免れるとでも思い込んでいるのか、フードを深くかぶった不審者と称するに相応しい男。そこから僅かに覗かせるのは、肉食獣のような目に、いくつもの血管の浮き出た頬。そして、その青年の、冗談でも恵まれたとは言えない細々とした骨のような脚でたどり着いた場所は、ある喫茶店だった )
「 木造かよ 」
( その喫茶店の看板には、読み方は分からないが、calmeとかいてある。情報によると、夜明ヶ原窓子が経営している店だ。現在は休業中なのか、窓から見える限りではやっていなさそうだが詳細は不明と言える )
「 残念だ。おしゃべりでもしながら砂糖一杯のコーヒーが飲みたかったのに 」
( 先程から独り言を放つ青年は、周囲の人々からは白い目で見られた )
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