誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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『 あの…やっぱりですね 』
「 どうした? 」
『 電話で、は、母親と父親の方がです…ね、こんな僕のために…こんなっ…僕のために、うぅっ…ずみません、少し、』
( これから俺が食べる予定である肉、いや男が泣き出した)
「 なんだよ、結論を言ってくれ 」
( 男が泣き止むまでの間、しばらくの沈黙を経るとその男の口からは失望に値する言葉が吐き出された。やっぱり生きたい、と。 )
「 そうか 」
『 あの、ですので今回の件は…なかったことにできませんか…?』
「 なかったことか 」
( ゾンビの男は辺りを見渡した )
「 いいよ、もう消えろ 」
『…は、はい…今回の件は本当にすみませんでした! それじゃあ失礼します 』
( 男が踵を返すその時、ブチっと生々しい音が鳴る )
『 …え 』
( 男の肩には魔物のような青緑色の手が置かれ、その一本一本の指で、男のスーツを、ワイシャツを、皮膚を、肉の筋を貫いていた )
『 …いがぁぁぁ』
「 黙っとけ 」
(ゾンビの男は、その男の腕を一瞬にして引きちぎると、男が悲鳴をあげるより前に頭を乱暴に鷲掴んではボールを投げるかのように吹っ飛ばした。勢いよく飛ばされた男は、半ば気を失いながら、今いたハイキングロードより向こうへ、つまりは芝生エリアの、そこそこ太い木の根元にまでドサリと落下。腕がちぎられた男は、ぐったりとしながら偶然、痩せ方の女の子と目が合う )
『 た…すけ…て 』
「 もううんざりなんだよ。お前ら人間は、失わないと分からないんだ 」
( ゾンビの男が、男の落下地点、堺美波のいる地点に少しずつ近づいてくる )
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