誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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(/ 承認ありがとうございます。グロテスクな描写については積極的に控えていきます )
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( 背後から押さえ込まれる。肩甲骨あたりに強い負荷がかかり、両手の自由が効かない )
「 …くそっ 」
( 想起する忌々しいヤツの言葉。反芻させられる忠告。
ーー手足が拘束された鈍間を、分厚いガラス越しに眺めながら、黒衣を着たそいつは長々と語る。
『 悲倉鈍間くん、君の異能力は神秘的であると同時に、致命的かつ重大な欠陥を抱えている。
私が考えるに、君の異能力、それは触れた熱量を有する物体、つまり、触れさえすれば宇宙のありとあらゆる固有物体の持つ運動速度を減速させる能力、…いや、より正確には、その物体の持つ時間の低速化ともいうべきだろう。
それが証拠に、触れた物体の運動速度は、本来はゼロへと収束していくはずなのにも関わらず、物理法則から逸脱して、スローモーションのような現象が起こる。それはきわめて神秘的だ。なぜなら、この世界の時間と、その物体の持つ時間との連続性を奪っているに等しいからねぇ。いわば、この時空間に亀裂を入れているようなものだ。…もっとも、熱力学ならまだしも、現代の物理学では、時間の存在には否定的だ。だからこそ、君の異能はきわめて神秘的なのだよ。
…だが、致命的かつ重大な欠陥とは、そもそも君のその異能、【手で触れなければ発動しない】ということだ。だから決して、手が使えない状態になってはならないよ。…もしそうなったとしたら、呼吸器系の疾患を抱える君は、その時点で何の価値もない、人間的にも単なる劣等存在でしかないからねぇ 』
ーー現在、後ろから拘束された鈍間は、黒マスクの中で、唇を噛みしめる。そして、この忌々しい拘束から免れるために、背中から、地面に向けて後ろの銀の瞳の女を押しつぶすぐらいの勢いで倒れこもうとする。 不運なことに、否、幸運なことに、横目で見る限り地面にはビルのガラスの破片だらけだ。しかも、そこからまだ煙が出ていることから、それらガラス破片は火災によって熱されたものだろう。そこに倒れ込めば、鈍間自身もダメージを負う。しかし、それ以上に後ろの女の方は致命的だろうと予測する。)
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