誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
通報 |
>堺さん、一之瀬さん
うーん・・・そうね、私もそう思うわ
(虫の足がゆっくりと身体に戻っていくのを見れば考えるそぶりをするが彼の言ってることが自分の考えとほぼ同じな為、同意するようにそう言ってきて)
>一之瀬 翔
「そうなんか…よかったぁ…見つからんかったらどないしよかと思ったわ」
(安心したのか安堵のため息を付き、何故か顔をそらす相手に?を浮かべながら、相手の問いかけを聞いて)
「あのお医者センセーが頑張ってくれたおかげやわ、代々の怪我人は安全な所に移動できたで……助けられんかった人も居るんやけどな…」
(瓦礫の下にある肉片や血溜まりを見れば、顔を背けて)
>天都 上矢 >夢野 桃華
>夜明ヶ原 窓子 >一之瀬 翔
「大丈夫やでお医者センセー。触られるんやったら、そっちの方が好都合やし………センセーはスプーン曲げって、聞いたことあります?」
(ニコニコしながら天都や夢野達の方を見てまるで鈍間に言うように問いかける。日向の異能力『サイコキネシス』所謂"念道力"は物体を浮かせたり、あるいは一定の条件下で物理的干渉(潰したり曲げたり等)ができるのだが、人間を含む生物には触らなければ発動が出来ないし、物理的干渉も触った状態でなければ出来ない。その代表的なのが、触った状態のスプーンをグニャグニャに曲げるスプーン曲げ)
「もしまだ攻撃しよるんやったら…スプーン曲げとおんなじ事になるだけや」
(考えたら分かるだろう、人間スプーン曲げが何を意味するかなど)
>天都 上矢
……。ありがとう……ございます……。
(メモを恐る恐る受け取るが、ここまでしてくれた人に初めて遭い、感情が溢れそうになっているのかメモをくしゃりと両手で潰す勢いで握りしめると)
>黒条 世良
>一之瀬 翔
ごめんなさい……人が……苦手で……。今日は……帰ります……。あの……これ………。
(いろいろと考えてくれてる相手の優しい接し方に落ち着いた所で、これ以上迷惑はかけれないと感じ、貰った缶チューハイを黒条世良に返そうとすると)
>all
……何者……だったんだろ……あの人たち。
(先日は襲ってこない能力者、あるいは能力を持ってることを気にせず普通に接してくる人々に何人もあったこともあり、複雑な気持ちが顔に出ている中、今日はオフで買い物のために街を歩いていると)
>176
(/ 承認ありがとうございます。グロテスクな描写については積極的に控えていきます )
>all
>176
( 背後から押さえ込まれる。肩甲骨あたりに強い負荷がかかり、両手の自由が効かない )
「 …くそっ 」
( 想起する忌々しいヤツの言葉。反芻させられる忠告。
ーー手足が拘束された鈍間を、分厚いガラス越しに眺めながら、黒衣を着たそいつは長々と語る。
『 悲倉鈍間くん、君の異能力は神秘的であると同時に、致命的かつ重大な欠陥を抱えている。
私が考えるに、君の異能力、それは触れた熱量を有する物体、つまり、触れさえすれば宇宙のありとあらゆる固有物体の持つ運動速度を減速させる能力、…いや、より正確には、その物体の持つ時間の低速化ともいうべきだろう。
それが証拠に、触れた物体の運動速度は、本来はゼロへと収束していくはずなのにも関わらず、物理法則から逸脱して、スローモーションのような現象が起こる。それはきわめて神秘的だ。なぜなら、この世界の時間と、その物体の持つ時間との連続性を奪っているに等しいからねぇ。いわば、この時空間に亀裂を入れているようなものだ。…もっとも、熱力学ならまだしも、現代の物理学では、時間の存在には否定的だ。だからこそ、君の異能はきわめて神秘的なのだよ。
…だが、致命的かつ重大な欠陥とは、そもそも君のその異能、【手で触れなければ発動しない】ということだ。だから決して、手が使えない状態になってはならないよ。…もしそうなったとしたら、呼吸器系の疾患を抱える君は、その時点で何の価値もない、人間的にも単なる劣等存在でしかないからねぇ 』
ーー現在、後ろから拘束された鈍間は、黒マスクの中で、唇を噛みしめる。そして、この忌々しい拘束から免れるために、背中から、地面に向けて後ろの銀の瞳の女を押しつぶすぐらいの勢いで倒れこもうとする。 不運なことに、否、幸運なことに、横目で見る限り地面にはビルのガラスの破片だらけだ。しかも、そこからまだ煙が出ていることから、それらガラス破片は火災によって熱されたものだろう。そこに倒れ込めば、鈍間自身もダメージを負う。しかし、それ以上に後ろの女の方は致命的だろうと予測する。)
>>悪食
( 窓の外ではいくつものパトカーのサイレンが街中で鳴り響いている。それに消防車や救急車、空中に舞うドローンも総動員されているようだ。一方、窓の内には、薄暗い部屋の隅に体育座りをして、何度も、スマホの動画を再生している男がいた。緑がかった肌、目の下の人間らしからぬ真っ赤なクマ。気力のない爬虫類のような目には、スマホに映った燃え盛る建物が反射されている )
「 …これは 」
( 動画は15分前に投稿され、4万回再生、バット数は4643、いいね数は34。コメント欄を見てみると、「 気持ち悪いだの」「 子供じみているだの 」「 人の命をなんだと思っているだの 」、安全圏にいる部外者の自己陶酔したコメントばかりだ )
「 お前らこそ生死をなんとも思っていない、空っぽ人間どもめ 」
( 動画いいね数は、35になった )
>鈍間達ALL
便利な能力ね、ありがとう、気をつけるわ。
(桃華が投げ渡して来た縄を、鈍間の腕を抑えているのとは反対の手で受け取った。
その瞬間ほんの僅か、そう、ほんの僅かに抑えつける力が弱まった、鈍間の反撃は丁度そのタイミングで繰り出される)
何!?
(「まだ動くかもしれない」と、頭の端にはちらついていた、まったくの無警戒だった訳では決して無い。
それでもその反撃をほぼまともに受けてしまったのは、夜明ヶ原が「戦い慣れしていない」という要素と、鈍間が「ある程度自分への身の危険も覚悟した上で」繰り出したものだという要素が噛み合った故だ。
だからきっと鈍間が思い描いた通りに、二人は背中から地面へと倒れ込む。
――しかし、そこから先はおそらく、思い描いていたのとは違う絵になるだろう)
きゃあっ……!
(背中から熱された硝子破片の上に倒れ込んだことによる「衣服越しの熱によるダメージ」と。
体の上に人の全体重が乗ったが故の「重量によるダメージ」が同時に襲い掛かって来る、呼吸器官が圧迫され、背中の熱に絞り出す様な叫び声をあげる。
……だがそれ以上の物は無い、それ以上にダメージは襲ってこない、夜明ヶ原が自分の周囲に展開していたセーフティーゾーンによる守りが未だ効力を失っていなかったからだ。
そしてそれは、彼女と密着する形になりゾーン内に入った鈍間も同じだ。
倒れ込みながら咄嗟に前方へ夜明ヶ原が伸ばした手は、その意志とは関係無しに「鈍間を背後から抱きかかえる」様な形になっており。
彼を襲うのは、彼が下手なことさえしなければ、倒れ込んだ際の衝撃のみになるだろう)
>悲倉 鈍間 >夜明ヶ原 窓子
「はぁ…ホンマ、『救える』って思ったんやけどなぁ…残念やわ。」
(静かに諦めた様な声をもらせば、先程まで笑顔を絶やすことのなかった日向が、嘘の様に真顔になってゆっくりとラムネを口し、自分の腕を後ろにした状態で後ろに倒れた鈍間に近付こうとして)
>all
>186
( 背の衝撃。閃光による影響は取り除かれつつ今、目を思い切りに開けると、自身の腹部あたりには女の手があった。どうやら、倒れ込んだ際、さっきまで鈍間の両手の自由を奪う形で拘束していた女の腕は、鈍間の腹部あたりに回っていたらしい。おかげで手の自由は確保された。幸運である。鈍間は、その幸運に貪るように、女の手の甲に自身の手を置く形で触れた )
「 …減速発動 」
( 鈍間が小さくそう呟くと、銀瞳の女の身には何かが起こった。鈍間は、自身に巻きつく女の両手を払う。そして、その場で立ち上がる。しかし一方で、女はうんともすんとも言わずに、その場に倒れているだけである。見る限りだと、こちらが予想した致命的外傷はないらしい )
「 なぁ、女。君には世界がどう見えているんだ?あらゆるモノの動きが加速して見えるのか?それとも認識すら曖昧で何も見えない?だとすると、脳への伝達情報も遅れていることになるな。僕としては、おそらく前者だと思っているんだ。触覚だけではなく、光も音もあらゆる情報が、君にとっては加速している世界。だが、こちらから見ると、君が単にとてつもなく、ノロマになっているだけなんだけどな 」
( 鈍間は、女のすぐそばで屈み込み、靴の側面に装備してある小さな回転式ナイフを取り出す。そうして、幼児のように乱暴な持ち方をしたその刃の先を、女の首元へ向ける)
「 どういうわけか、こちら側の存在が、今の君側の存在に対して何らかの衝撃を加えると、結果として、その何十倍もの圧力を加えることになるらしい。君にとっては、君以外の全てが加速している世界なのだから当然と言えば当然だが、何だか腑に落ちないんだよな。…まぁ、殺してしまえばもはやそんなものは関係ないか 」
( 迫り来る大阪日向の存在など気にする様子もなく、鈍間は、そのナイフを勢いよく女の首元めがけてゆく )
>堺さん、一之瀬さん
いや、お詫びと言ってはなんだけど貰っていって
(缶チューハイを返そうとする彼女を手で制すると首を横に振ってそう言っては「それなら私も帰ろうかなぁ~」と少し屈んでたのを身体を伸ばしつつ言えば未開封のお酒入った袋を取り帰ろうとして)
>悲倉 鈍間 >大阪 日向 >一ノ瀬 翔 >夢野 桃華 >夜明ヶ原 窓子
のろまだとか愚鈍だとか色々言っているが―――
(再び動き、能力を発動して実質的に拘束した窓子に向かって屈みこむ鈍間を睥睨する。警戒していたことや、相手がナイフを手に持ったりしている時間の分、相手がナイフを振り下ろそうとするより先に天都は鈍間のすぐ横から時計のスイッチを静かに押した)
君は果たしてこれより俊敏に動けるのかな?出来なかったら―――それはもう愚鈍としか言いようがない。
(そう言うや否や懐中時計から2m程の棒状の物が凄まじい勢いで懐中時計の中から伸びるように出現し、先端が鈍間の脇腹へと向かって行く)
>堺 美波
礼を言われるようなことは何も……あ、あぁ……読めなくなってたらまた言ってね……?まだあるから……
("何もない"と言いたかったが、クシャクシャになってしまったメモを見て苦笑いで懐中時計を指さし)
(スイッチを押して起動された懐中時計の中から凄まじい速度で伸びるように2m程の棒状の何かが出現して先端が鈍間の脇腹へ向かって行く)
>悲倉 鈍間 >大阪 日向 >一ノ瀬 翔 >夢野 桃華 >夜明ヶ原 窓子
のろまだとか愚鈍だとか色々言っているが―――
(再び動き、能力を発動して実質的に拘束した窓子に向かって屈みこむ鈍間を睥睨する。警戒していたことや、相手がナイフを手に持ったりしている時間の分、相手がナイフを振り下ろそうとするより先に天都は鈍間のすぐ横から時計のスイッチを静かに押した)
君は果たしてこれより俊敏に動けるのかな?出来なかったら―――それはもう愚鈍としか言いようがない。
(そう言うや否や懐中時計から2m程の棒状の物が凄まじい勢いで懐中時計の中から伸びるように出現し、先端が鈍間の脇腹へと向かって行く)
>堺 美波
礼を言われるようなことは何も……あ、あぁ……読めなくなってたらまた言ってね……?まだあるから……
("何もない"と言いたかったが、クシャクシャになってしまったメモを見て苦笑いで懐中時計を指さし)
(/文章をミスしてしまいました、修正しておきます。もうしわけございません)
>鈍間達all
ちょっ...自分を犠牲にしてまで...!
(窓子に拘束されたまま後ろに倒れこんだ鈍間を見て、瞬時に縄を準備して、2人の上空にテレポートしてから落下するまでの間に投げ縄結びにして)
...遅かった!おねーさん!!!
(異能が発動されるのを見て急いで投げ縄を窓子に引っ掛けて引っ張り、距離を取らせようとする。同時に鈍間に向かって、残っている5発の銃弾を打ち込もうとして)
ももはね、本当はあなたのこと、殺っちゃってもいいと思ったんですよぉ。でも、せっかく他のみんなが助けてくれようとしてたのに、勿体ないことするなぁ。
(桃華には怒りの感情は無かった。ただ、その瞳は相手を人間として見ていないようだった)
>悲倉 鈍間
「……やめろゆうとるがな…鈍感なやっちゃな」
(いきなり動き出した相手に少し驚きながらも、相手の持つナイフを空中に浮かせようと能力を発動しようとし)
>黒条 世良
>一之瀬 翔
え……あ……ありがとうございます……いただきます……。
(いつもは申し訳ないと言って遠慮する自分でも、相手の気軽な様子を見て、握りしめていてぬるくなった缶チューハイを鞄に入れる。酔って気分が良くなっていた相手を覚ましてしまったかなと心配したのか、「気を付けて……」と付け加え)
>天都 上矢
ありがとうございます……。すみません……今日はもう……帰ります。
(日中の大阪日向といい、黒条や一ノ瀬といい、優しくも変わった人に会ったため、自分のメガロマニア利用者に対する考えが変わりそうで、複雑な気持ちをリセットするために、相手が出してくれた椅子からゆっくり立ち上がり帰ろうとすると)
>all
>191
>192
( ナイフが手元から離れていくと思えば、複数の弾丸と何者かが、真横から迫り来る。 )
「 …あ? 」
( 突如とした長い棒の打突の成すがままに、その力の方向に向かって地面と平行にぶっ飛んでいく。しかし、天都と桃華の連携の悪さの結果として、5発の弾丸は地面を撃ち抜いた )
「 邪魔ばかりしやがって…っ! 減速発動!」
( 鈍間が、片手で力強く棒を握ると、その凄まじい勢いの速度は途端に衰えていき、ついには、靴底とコンクリ地面との間で激しい摩擦を生じさせながら、その棒を受け止めきる。たどり着いた地点は、さっき鈍間がいくつもの六芒星を描いた場所であった )
「 待ってろ、殺してやる 」
( 天都をにらみつける鈍間が、棒を空中に乱暴に手放すと、それはスローモーションさながらの様子で地面に落ちていく。そして、地面とのバウンドの際も、まるで重力が働いていないかのような(実際には重力通りのバウンド高さなのだが]ゆっくりとした上昇を見せる。そうして、鈍間がそれを強く蹴りつける )
「 解除 」
( その一言で蹴りつけられた棒は、プロペラの回転に近い鋭さ、弾丸並みの速度を持ってして、天都、桃華、大阪のもとへ襲いかかる )
「 時間のラグが作り出すエネルギーは、何十倍になってこの世界に返ってくる。リサーチャーは僕にそう教えてくれたんだ。だから、僕は劣等存在なんかじゃない!」
( しかし一方で、鈍間の足元はふらつき、地面にポタリポタリと血が垂れる。どこから血が出ているのかを事前に知っている動作で、鈍間は、黒マスクとアゴの間に震える手で血を確認する )
「 だめだ…かえらなきゃ… 」
( 一歩、二歩、三歩と下がり、六芒星の描かれた位置に立つと、そこからはオーロラのような光が映り出す )
「 じゃあな、愚鈍たち 」
( 先ほどよりも顔色の悪い鈍間は、地面の六芒星と一緒に文字通り、跡形もなく消え失せる。同時に、夜明ヶ原への減速効果は失われた )
>一之瀬 翔 >夢野 桃華
「っ!!!?お二人さん!危ない!!!」
(天都や夢野の方向に飛んでいく棒を見て、急いで二人の前にでて能力を発動するが、あまりの速さに能力の発動が遅れ一部は止まったが、一部は日向の腹を掠めてしまい、)
「きえた…?…ふぅ……二人共……大丈夫…やな?アカン…フラフラして……きおっ…た…ラ…ムネ」
(鈍間が消えたのを見ると後ろを振り向き、傷はそこまで深くはないが能力の発動しすぎで、体内の糖分が一気に減ってしまう…『低血糖』の状態になってしまい。日向が地面に倒れると同時に日向が浮かせていたナイフや棒は地面に落ちて)
>悲倉 鈍間 >大阪 日向 >一ノ瀬 翔 >夢野 桃華 >夜明ヶ原 窓子
時間のラグ……?な!?―――ま、まずッ!?
(仕舞いこんであった物干し竿で突き飛ばしたはいいが、咄嗟に能力を使って凄まじい速度で返され、反応が遅れる)
君!?―――い、異種に仕舞いこんで―――
(一歩先に出た日向が腹で物干し竿を一瞬受けるのと懐中時計の中に物干し竿を仕舞いこむのはほぼ同時だった。そのまま身体を切り飛ばしそうな威力だった物干し竿は一瞬で跡形もなく懐中時計に光の粒子となって吸い込まれていく)
大丈夫か!?ラムネ―――低血糖か……ひとまずはこれを。
(地面に倒れた日向にあらかじめ彼に渡して置いたラムネを取って口の中に入れる。それと同時に相手が光に飲まれて消えゆく姿を見て歯噛みする。相手は一人ではない、組織的な犯行―――天都はメガロマニアのチップによって爆弾を仕入れていたと思っていて、複数犯だとは思っていなかった。メガロマニアがあれば単独でも出来るとは思っていたからだ―――普通ならそれをまず考えるはずだが、メガロマニアという物の存在を知っているが故の盲点だった)
とにかく、これでひとまず収まったとみるしかない、か……済まない、僕が病院まで運ぶよ
(今、自分がすべきことはさっきのように怪我人の搬送、そして病院へ連絡し対策を練らなくてはいけない)
>堺 美波
大丈夫かい?不安なら送っていくけれど……
(美波の雰囲気が少しだけ変わったかな?とは思ったものの、まだまだ不安なのは変わらず、そう提案して)
>鈍間達all
嘘っ!?
(今まで合同で戦うことが少なかった桃華は、チームワークが最悪だった。周りの状況が把握し切れずに行動してしまったことを後悔していると天都が投げた棒が自分の方に飛んできて、日向が自分の前に立って能力を発動させる。そして、倒れた日向と日向を病院に運ぼうとする天都をみて、自分は何も出来なかった、とさらに後悔して)
ごめんなさい...ももがちゃんと周りを見てなくて...おにーさん達に迷惑かけちゃったし、あの人も逃がしちゃった...本当に...ごめんなさい
(泣きそうになりながら必死に謝り、生まれて初めて自分のことを守ってくれた人達なのに、こんな目になんて自分は最低だと思って落ち込んで)
>鈍間達ALL
(圧迫されていた呼吸器が、鈍間が離れたことで正常な活動を取り戻した。
失った酸素を取り戻す様に大きく空気を吸って、二度、三度と咳き込む。
思わず閉じた瞼を開いた時――「光景が一変していた」)
(何、これ……!?景色が、彼の動きが……!)
(立ち昇る黒煙、上空の白雲、何もかもが、夜明ヶ原が知るそれよりも数段早くなっていた。
背中に走る熱と痛みに邪魔されて、短い間でも陥っていた呼吸困難により酸素が周りきっていない脳が、状況を理解するにはあまりにも周りの動きが早すぎる。
鈍間の声も上手く聞き取れない)
……ッ。
(喉元にナイフが向かって来る、ここに来てようやく状況を理解した、周りが加速しているのではなく「自分が遅くさせられた」のだ。
「やられた」と己の油断と失策に歯噛みする余裕も無く、突き出されるナイフに咄嗟に手を動かす。
それも、指の先が僅かに喉と刃の間に差し込まれる程度にしかならなかった。
だが――指に刃先が喰い込み、出血と共に死を覚悟した次の瞬間、「正常な速度の世界」で起きた一瞬の――そう、夜明ヶ原にとっては本当に一瞬の攻防により、確かに彼女の背に届きかけていた死神の鎌が消える)
はッ、はっ、はぁっ……!!
(帰って来る、通常の世界。
荒く呼吸を繰り返しながら、背中の熱と火傷の痛みに跳ね返る様に身体を起こす)
ごめんなさい、油断したわ!私のせいで取り逃がした!
(一瞬の油断が稀代の無差別テロリストをみすみす逃がす結果に繋がってしまった、と、自責と後悔の念に顔を顰める。
それでも心の何処かで、ここにいる誰も「殺人犯」にはならずに済んだと安堵しながら)
>悲倉鈍間
「 …いて…ぇっ 」
( 薄暗い空間。巨大なモニターやデスクトップの画面で薄っすらと照らされる鉄製の地面。そこには大きな六芒星が刻まれ、その中心に血まみれの青年、悲倉鈍間がもだえながら、倒れている。黒い布マスクは既に赤黒いマスクと化していて、水々しさで気持ちの悪いそれを剥ぐと、鈍間の鼻や口元からの流血、顎から頬に至る両側面に浮かんだ雷のような模様をした血管から血がこぷこぷとこぼれているのが露呈した。棒の打突で砕かれた肋骨、銃弾の貫通した腹、そして全身のヒリヒリとした火傷並みの激痛は、鈍間の顔を歪ませた )
「 …何見てんだ…、はやく痛み止めと抗生物質をもってこいよ! 」
( 僕は、隣にいるソイツを睨んだ。フードをかぶり、額に六芒星が描かれているのだけが見えるソイツは、僕をテレポートさせた存在で、決して仲間ではない。
ソイツから、痛み止めと抗生物質、それぞれの丸い容器が渡されると、僕はそれをガブ飲みした )
「 …お前のテレポートは欠陥だらけだ 」
( 無反応のソイツの異能は、劣化版テレポートとでも、言い表せるだろう。なぜなら、六芒星が描かれた地点間での転送しかできない上に、六芒星1つ2つでは、転送の成功確率は30パーセントと実用性の低いものになっている。だから、今床に刻まれているようなバカでかい六芒星1つか、もしくは、今回のように4つ5つと複数描かなければならない。よって、コイツの異能はゴミ以下。僕がこんな悲惨な状態なのはコイツのせいだ )
『 やぁ、悲倉鈍間くん。そんなに怒らなくとも大丈夫だ。複数ドローンから見ていた私が考えるに、今回のメガロマニア保有者との接触、情報取集は成功していると言えるだろうねぇ 』
( リサーチャーと複数の黒衣を纏った医者もどきらが来た )
「 …リサーチャー。だけど、僕はボロボロだ 」
『 とりあえず治療部屋にまで運ばせよう』
( 黒衣を纏った医者もどきたちが、血まみれの鈍間をゆっくりと台に乗せる。そこで点滴やら麻酔やらが準備されながら、治療部屋へと向かっていくようだった。その間、リサーチャーは隣で鈍間に向けて長々と語った )
『 悲倉鈍間くん、私が考えるに君がボロボロなのは私の指示に従わなかった君に原因がある。私は、バランスを取るよう言ったはずだ。それに反して君は、複数の爆弾の保有速度を減じたこと、例の、君が蹴っ飛ばした棒の保有速度を減じたこと、そして、夜明ヶ原窓子の保有速度を必要以上に減じたこと、そのどれもがコントロールバランスが取れていない。きわめて非合理だ。いいかい?君の異能とは、諸刃の剣なのだよ。君が、物体の持つ運動速度、つまりは時間を、低速化させればさせるほど、その分、君の身体にはとてつもない負荷ががかる。血管や神経、それに支えられた器官は大きく傷が付くわけだ。特に最後の、棒の保有速度を、限りなく0に近い速度にまで減速させたのはまずかった。あれで君の細胞組織は複数箇所、破壊されただろう。何度も言うように、時間のラグから生ずるエネルギー、即ちバグエネルギーとは危険なのだよ。これからは、自らの身体の脆弱性を踏まえた上で弁えた行動をとるべきだ。それじゃあ、到着したようだから、治療後はゆっくりと休むといい 』
( 鈍間が治療部屋へと入っていくのを確認した、リサーチャーと呼ばれる男は、鉄製の床をした廊下を少しばかり歩く )
『 此度は、多くの異能力者の情報を得た。ざっと50人ほどか。そのうち、サイコキネシスの保有者、大阪日向は鈍間の作り出したバグエネルギーに抗う術を持っていた。初めてだ。あのエネルギーを前にして殺害されなかったのは。
ほかに興味深いのは、夜明ヶ原窓子。彼女の異能力、セーフティゾーンは、使い方と条件を変えるだけで超効率化させた殺人兵器にもなり得る。実に素晴らしい。その他、異能力者の秘められたポテンシャリティを私がこの目で見ていないだけで、人知を超えた領域は、まだまだこの先、彼らの観測を通じて発掘されていくだろう。
しかしながら、メガロマニア管理運営者よ。君は一体、何をしようとしているんだ?』
トピック検索 |