アル 2020-08-16 00:24:07 ID:b880c11d9 |
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信じる?信じるだと?戯けが。
我は暴君、伝説上でそうあるべしと成り、現に我はそうなっている、その我を信じるだと?貴様はサーヴァントをなんだと思っている。
いい加減身の程を知るがいい、貴様は我を手放せ、さもなくば死ぬぞ。
(いい加減、実感が必要だ、己のマスターは何を抱えているか、簡単に言えば爆弾だ、爆発した瞬間マスターは魔術師、協会、代行者、英霊、魔術世界に関係する全ての者から目をつけられる、時計塔の方針は既に知り得ているが、マスター本体を全力で殺しに来たら守れるとは思えない。
つまり、心配しているのだ、故に突き放し、危険に晒さないようにする、なぜこんな感情を抱いているのか自分でも分からない。
見せて来た答え、それを持っていたマスターの手首を掴み、捻りあげる、このままへし折る事だって出来るが、あくまでする事は忠告だ)
ッ……!、…たとえ王様が別の時代を生きた英霊でも、自分の欲のままに動く暴君でも、……王様と同じ今を生きれるなら…王様と一緒に居たいんです。
(腕を捻り上げられ、痛みに顔が歪みそうになるがぐっと堪えて彼の目を見つめる。蛇に睨まれた蛙のように、一瞬たじろぐが、彼の瞳がどこか揺れていることに気づいて意を決したように話し始めて。確かにマスターとして魔術師として力も腕前も無さすぎる自分にはサーヴァントとの契約だけでも大変なことだった。しかも呼び出しに応じてくれたのはかの英雄王で。そんな超一流サーヴァントをもつ新米マスターなんていつか狙われるのも時間の問題だろう。戦うとなってもこちらの魔力が無さすぎるせいで王様には迷惑をかけてしまうかもしれない。自分も殺されてしまうかもしれない。……それでも、それでも、出会うことのない彼と出会い、好きになって後悔したことは一度もない。死ぬのは怖くないといえば嘘になるが、今は一人になる方が恐ろしかった。彼の不器用な優しさにつぅ、と一筋の涙を零しながら震える声で呟けば、ぽす、と貴方の胸に頭を預けて)
……だって、こんな奇跡………二度ないじゃないですか…ッ、
──愚か者が、我相手にそこまで言って見せたのはエルキドゥとシドゥリ以来だ、貴様の行いは普段ならば許される事でもなく、即刻首を落としているところだが。
貴様に死ぬ覚悟があるのなら、我はもう貴様を見果てた、殺す価値さえ貴様にはない、故に、貴様が死ぬことは我が許さぬ、この我が見果てた女だ、他の誰にも奪わせん。
(正直言って、自分はこのマスターが気に入っている、それがどうだ、なぜ手放そうとしていた、財宝は須らく我のもの、手放したことなどなかった、それは失うことがなかったからだ。
失う財宝というのは使い尽くせぬものである、それにマスターは当てはまったのだろうか、それは知る由もないが、とにかく、このマスターの命は首の皮一枚で繋がった)
………それ、すごい殺し文句ですよ…
(頭上から降ってきた言葉に涙を流しながらも目を見開いて。ぽたぽたと床に涙を落としながら王様の言葉を聞いていたが、途中から言葉に棘はあるもののものすごいことを言われているのでは?と気づいて、涙が引っ込んで。それからどんどん真っ赤な顔になり、耳まで赤くなれば、顔を上げようにも上げられなくなり、ボソリとそう呟いて。)
この程度が貴様への決め手となるか、所詮雑種よな。
(マスターが言うのならばこれ以上ことだってしてやるのもやぶさかではない、しかしこの程度でもマスターにとっては決め手となったらしい、王の寵愛を賜るに相応しい女とは到底言えないマスター、鼻で笑って突き放す)
そっ、そんなことないですッ…!
(ギルガメッシュの言葉にばっと顔を上げて拗ねたような顔を見せて。確かに先程の言葉には翻弄されてしまったが、子供扱いしないでほしい。一応年頃の、伝わっているのかイマイチ分からないが、恋する女の子なわけで。そんなことを思いながらむぅ…と頬を膨らませて)
そうか、ならばそれを我に示して見せよ、示せなければ戯言だぞ?
(子供扱いするのは仕方ない、こっちは英霊、言い方を変えれば何千年と生きるもの、それに加え自分はウルクの王である、そんなことを言われても、自分が見た中ではやはり子供、そう見られたくなければ行動で示せ、具体的には言わないが、まぁそれくらいは自分で考えろということだ)
ッ……、
(王様の言葉に顔を赤く染めながら何も言い返せなくなってしまう。見た目は若者のように見えても、彼はもう何千年と生きてきた人で、ましてや一国の王でもあった。経験も、今まで彼が出会った人たちに勝てる要素なんて1つもないと思うが、彼に馬鹿にされたままなのも嫌で。でもどうしたら…とぐるぐると頭の中で悩んでいたが、不意に背伸びをして、少し貴方の服の襟を掴んで引き寄せれば、軽く触れるだけのキスをして。…………何してるんだ私。自分でやっといて真っ赤になりながら、ふい、と横を向いて)
───。
(不意だったものでしばらく硬直する、いや、何せ、こういうのは初めてだ、自分の襟を掴み、あまつさえ引き寄せて口付けをするなど、万死に値する行為であり誰もやらないことだった。
故に笑うことも、怒ることも、殺意を向けることも無く、少しの間呆然としてしまう)
……あ、の……お、王様………?
( 殺されるかな、と思いぎゅっと目をつぶって彼の反応を待っていたが、いつまでたっても何も起こらないのでそーっと目を開けてみて。呆然とした表情で固まっている彼を見れば、そ、そんなにショックを受けたかと少し悲しくなりながらも、心配になって恐る恐る声をかけて)
───未知なる体験を起こした褒美をとらす、受け取れ。
──ハハ、フハハハハハハハ!!人に価値はないと思っていたが……いや何、貴様は別のようだ。
(無言で右手をスっと上げ、未知を起こした、自分に行った相手にますます興味が湧き、褒美をとらすと言ったと同時に宝物庫から霊薬の小瓶がゆっくりと相手の手元に落下し、少し経つととんでもない高笑いをして、マスターの顎をガっと掴む、そして紅い瞳で覗き込むとそう伝えた)
えッ……これ、さっきの薬ですよね…!?貰っていいんですか……!?
(自分の手のひらの上に霊薬を置かれれば、目を丸くして貴方を見て。あんなに凄い薬私なんかが貰ってしまって良いのか!?と思いあわあわとしていると、急に笑いだした貴方にギョッとして。それから顎をガっと掴まれ、瞳を覗き込まれればその美しい紅い瞳に頬を赤く染めて)
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