奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>ナツさん、キタアジト
外導「そりゃあなんとも、自分が言うのもなんすけど物好きっすね。今明言したはずなんすけどね……いつか自分が、手のひら返すように団員たちを「捨て駒」にするかもしれない、って言ったんすけどねぇ……。ま、だったらせめて上手いところまではついて行けばいいっすよ。来る者拒まず、去るものも拒まないのがキタの流儀だと思ってるっす。………まぁ、悪全般的な考えだと、「去るもの」は出た時点でだいぶ問題視されるんすけどね。ナッちゃんなら調べられるし、そもそもその時期もこっちに所属してたから分かるかもしれないっすけど……直近で起きた裏切り者事件の話っすよ。アレがあるんで、まぁそこだけは窮屈かもしれないっすよね。」
外導は呆れつつも、暗に「深入りしすぎて利用されないようにな」と外導なりの忠告を挟む。裏切り者事件というのは…そう遠くない時期に起きた、本名は夢見ルカで、キタにいた頃は「ルサルカ」と名乗っていた少年が魔法少女に助力するためにミナミの隊員と交戦し、裏切って消息をくらましたという話だ。
余談として、一応懸賞金も出ているが……肝心の夢見ルカがとある一般家庭に居候?状態なことから手が出しにくいのと、真相は定かではないとはいえ、「ホクシチ襲撃」の際に禁忌と交戦して、禁忌が本気だったかどうかは不明としても生き残り、撃退していたらしいという情報が回ったことで、一般隊員たちの間では倒して捕まえるという認識より、「見かけたら逃げろ」の認識になっているらしい。
外導「……ところでナッちゃん?今ん所誰も来てないっすけど、自分一応紳士は気どってるんすよね。…ナッちゃんの方をちゃんと確認してないんであれなんすけど、なんつーか…隣接されるところ見られるとボスのメンツ的にアレなんすけど?」
と、外導は若干動揺でも感じているのか、予防線を貼る感じでナツさんにそう声をかける。
>銀河さん、アルタイル支部
IX「……そういわれても、思い当たる節はないんだよな。まぁ強いていえば、「適合率が高い」とか教会の神父やシスターには言われてたよ。適合、がなんの事かは分からないけど……「神に愛されてる」とか、そういう事は言われていたから……予想だけど、多分「かみさま」との親和性みたいなのか?……あぁ、それと。ちょうど今後ろから来てるっぽいかも、「かみさま」が。」
銀河さんが来たそこは、もはや跡形もなくなって木材は燃え尽き、瓦礫のようなものだけが散乱している旧教会……というよりは、雪原の一部とかしていた。
周囲には木々があり、銀河さんたちがたっている所から半径300mほどは開けた雪原と、湖。そこがIXが育てられた場所であり…教会だった場所には、不恰好に削られた石で出来た十字架が立てかけられていた。……きっと、墓なのだろう。
そして後方からは……遠くから目視できる距離に、白いモヤに包まれた人影があった。目に当たる部分だけが蒼くぼやけて光る、白い巨人。少し強めの風と雪がまじる気候の中、苦も感じずにただ歩を進めるそれは……旧支配者の系列。呼び名は様々だが、大抵はこのふたつの名のどちらかで呼ばれる。「イタクァ」、あるいは「ウェンディゴ」と。
イタクァ『………』
イタクァは唸り声も、そもそも敵意すらも見せない。IX達から距離をだいぶ置いた場所に立ちどまり、ぼんやりと見下ろしているだけ。じっと、IXを見ている。銀河さんの知る「情報や逸話通りのイタクァ」なら…それはただ無造作に宙を歩き、時折遭遇する者たちを風にまきあげ、連れ去っていく……そういった感じの、人間からすれば「歩く災厄」のような感じだ。神聖視できる存在ではない。……なのにそのイタクァは、ただじっと見ているだけだ。IXを…………見守るように。
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