奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>クロさん、ニクスさん、Ⅸさん
似蛭:
あ、そうだった!ちょっと待ってー!
(肝心の触り心地を確認するのが目的だったにも関わらず、凶暴な魔力からあまりにもギャップの激しいナマモノが生まれて呆気に取られていた似蛭は、クロさんのその言葉で我に返り、慌てて「ニヘー」と鳴き続けるもちぬいを"ひょいっ"とその脇を持ち上げる。持ち上げられた猫みたいになりながら「ニヘー。ニヘー。」と鳴くもちぬいの感触を確かめながら、氷華とクロさん達の元へ戻ってくる。)
似蛭:
お、おぉ~~……これは想像以上にもちもち……でもってなんかふわふわしてる。
氷華:
感触的には一番しっくり来てる感じか?どれ、儂にも触らせ――――
???:
ニ"ッ………
(もちぬいを持ってきて感触を確かめる似蛭に、想像していた凶暴さは無いと判断した氷華がそのもちぬいに触ろうとした瞬間、それまでのほほんと間延びした顔つきをしていたそのもちぬいの顔が、いきなり凶悪なヒトツメの顔面となり牙を剥き出しにして、氷華の伸びてきた右手に思いっきり噛みついた。
噛みつかれた氷華の方はというと、冷たい笑みを浮かべながらビキビキと青筋を立てて、爆発寸前の状態に達していた。)
>デネブさん、ナナさん、アルタイルさん、龍さん
「了解なの~♪」
「はい、その作戦で行きましょう!あ、でも龍さんは制服が届くまで待たなきゃいけないんですよね」
「ん~、近くに隠れられる場所とかかあれば~…」
(ナナさんとデネブさんが出した提案に2人とも賛成したが、ひかりはそこであることに気付く。制服を待つ間、龍さんはどこで待機させるのかということだ。その発言を聞いた夏苗は龍さんが隠れられそうな場所を探して辺りを見渡して。学園は自然に囲まれた中にポツンと建っているが、意外にも隠れられそうな場所が少なかった。しかし、1箇所だけ隠れられそうな茂みがある。見渡している途中の夏苗はまだそれに気付いていないようだが…)
>似蛭さん、氷華さん
IX「おぉふ……」
ニクス「…急に、凶暴になった……」
クロ「……魔力を注いで自我の生えたもちぬい、本人の根本的な気質とか性格を引き継ぐのかもね。氷華さん大丈夫?その……気になるならこの子持ってみる?」
???「ぷえっぷえー。ぷえ、ぷややー。」
急に凶暴になった似蛭さんのもちぬいと、その反応に爆発前状態になり緊迫する2人。クロは苦笑いしつつ、一応氷華さんのフォロー。クロのもちぬいは誰相手でも人懐っこそうで、触感も大体氷華さんと同じである。当のクロのもちぬいは、氷華さんの手を「大丈夫ー?」と心配してくれてそうに鳴きつつ、大人しくクロに差し出されている。
>クロさん、ニクスさん、Ⅸさん
氷華;
おお、すまんな小僧。どれ、それじゃ遠慮なく。
(気を遣ってくれたクロさんにそう返すと、氷華はひょいっとクロさんのもちぬいを手に持ってみる。似蛭が言っていたように、程よくふわふわ、もちもちとした感触は確かに触り心地の良い枕のようだった。気になる点があるとすれば、なぜこんなクッションのようなナマモノモドキになってしまうかという事くらいだが。)
似蛭:
…あ、ねえババア。そいつ頭よじ登って―――
(さて、クロさんのもちぬいを持つために似蛭のもちぬいを手放した氷華であったが、足元に"ポテッ"と着地した似蛭のもちぬいは、凶暴さが鳴りを潜める事無く、気配を殺して氷華の背後から頭まで一気によじ登ると、その頭頂に牙を立てて噛みついた。…流石の似蛭でもそこまでする事は無いつもりなのか、その光景を見て普通にドン引き。氷華の方は頭からドクドクと血を流しながらクロさんのもちぬいの感触を無性に確かめ続けているようだった。)
>All
「こうも暑いと、外に出てる人少ないね」と沖に停泊させてるプール付きの船で涼みながら双眼鏡で覗き「一般開放しているプール付きの船はだいぶん賑わってるだろうな」と普段は私有地として立ち入り禁止にしている港を見ながら「食堂も使えるようにしたし、料金は子供100円大人500円で看板とCMや広告を出したのが」と ニコリとして、薄着ではあるが働く修たちを見ながら言って
>月さん 凛夏さん 了さん
「ほんほん?ただ焼きゃええっちゅう話やないんけ?。
こりゃなルナらやに任せてええなぁ?ウチは鉄板とか元作っとるさかい怪我せんようするんやで~。」
知佳は2人がたこ焼き器に油を塗っていく様を見て「そうするんだ~」とでも云うかの様に見ていた。
正直に言えばたこ焼きやお好み焼きを作るのは初めてである。
それどころか料理さえ月さんが家に来てから始めたものの為知識は完全に2人より少なかった…知佳の中では焼けばああなると思っていた節さえある。
軽く2人の頭を撫でると立ち上がって再び料理場へ向かいいくつかのボウルを持ってきた、中身はトキ途中の元である。
知佳はボウルを一つだけ持って混ぜているが他のボウルには札から生成したのであろう式神がおり一心不乱に混ぜていた。
>凛夏ちゃん、知佳ちゃん
月「凛夏ちゃんは、たこ焼き好き?私は好きだよ!でもでも、やっぱり一番好きなのは焼きそばかな!あ、いちごのお菓子とかも好き!あとあと…」
(そう言って、機械が温まるのを待ち)
月「大分熱くなったけど焼けるかなー!」
(そうわくわくしていた。そう、早く食べたいのだ。)
>凜夏さん、月さん、知佳さん、了さん
とある神社の賽銭箱を前に手を合わせて目を瞑り一心不乱に祈っている一人の女性。
エメラルドグリーンの長髪と身を包む真紅のワンピースが特徴的のその女性の瞳からは薄っすらと涙が流れていた。
彼女……いや、正確に言えば禁忌は家族の変貌振りに深い悲しみを堪えきれなかったのだ。
時は2ヶ月前に遡る。
斑鳩刹那という一人の女性の行方不明。
刹那は禁忌にとって家族同然の存在であり、禁忌にとっては自分自身であり姉妹の様な存在であるユーリの恋人でもあった。
特に恋人のユーリは刹那の行方不明を知ってから全力で刹那を捜索していた。
深い悲しみを現すように涙を流しながら何かに取り憑かれる様に刹那を探し続けるユーリは正直見ていられない程に痛々しかった。
だが、探せど探せど刹那は見つからなかった。
そして彼女の魔力を頼りに捜索を続ける程に現実は無情にもユーリの心を蝕んでいった。
そして数日前
ユーリは………聡ってしまった。
もう二度と刹那は………戻って来ないのだと。
『うあああああああああああああああああああああっ!!!!』
声の限り全力で叫ぶユーリ。
止めどなく溢れてくる涙。
悲しい、悲しい、悲しい。
1番愛していた女性。
彼女の為ならどんな事でも頑張れた。
刹那と一緒に居る為ならどんな相手にも立ち向かえた。
だがもう彼女は……刹那は居ない。
そんなどうしようもなく残酷な現実を聡ったユーリは心を閉ざしてしまっていた。
家族とも禄に話さず、それどころかその時からもう人の姿を見せる事も無くなっていた。
時は戻る。
そんな心を閉ざしてしまったユーリを何とかしてあげたい。
だが現状禁忌にもお手上げ状態で藁にもすがる思いでこうして神社に神頼みという普段の禁忌を知る者であれば彼女らしくないと思う様な事をしていた。
それほどまでに禁忌も精神的に参っていたのかも知れない。
(『……刹那がいつか……ユーリの元へ帰ってきますように……。』)
ひと目見て解るほどに心が弱々しい。
そんな心の衰弱は彼女を良く知る者で彼女の魔力を感じ取る事が出来る者であれば直ぐに分かることだろう。
そう、例えば………禁忌と魔力を分け合った恋人の様な存在とか。
>ひかりちゃん、夏苗ちゃん
ナナ「魔法で出来ればいいのにー!」
デネブ「ダメだよ。アルにも散々言われてたでしょ。彼に魔法は使用禁止って。怒られるよ?」
(そう言って、じゃ、行って来るよ。と言って、デネブは建物の中へ…)
ナナ「隠れる場所?なら、ナナちゃんが魔法でぇー…」
龍「ナナさんの提案は遠慮しておきます」
(間髪入れず、重なるように否定した)
>凛夏ちゃん、知佳ちゃん、禁忌さん、ユーリさん
(焼くのをわくわくしながら待っていたが、急に後ろを振り向いたルナ。そして、凛夏ちゃんに焼くのもうちょっとかかるみたいだから、待っててね。と言って、何かを感じたルナは外に出た。そう、見習いだから、魔力の察知とかは全く出来ないが、悲しみ、怒り、そのような感情が何故か近くにあると分かってしまう。不思議なことだったのだが、彼女自身は分かっていなかった。)
「あの…どうかしましたか?大丈夫ですか?」
(誰だろう?と思いつつ、心配で声をかけた。そして、知佳お姉ちゃん呼びましょうか?と。知佳お姉ちゃんなら、誰で、どんな用なのかわかるかもしれない。と思ったのだ。)
>禁忌さん 月さん 凛夏さん 了さん
「ほうかの?確かに熱うな……………………
………すまん…ちょいと席外すで、先やっとってええさかい火傷だけ気ぃつけてな。」
たこ焼き器と鉄板に手を翳し温度を気にしていたが急に耳を立て扉の方へ振り向いた。
己がよく知る魔力…最も強大でもっとも優しいと思っていた魔力……しかしそれを持つ者にしてはあまりにも…あまりにも弱々しく感じたのだ。
知佳は月さんと凛夏さんに謝罪し火傷だけはしないように言うと部屋を飛び出して行った、家族であり我が子同然の月さんを置いていくのは少々酷だと思ったが同年代(?)と仲良くなる為と考えて1人で部屋を出た。
すぐさま行かなければならない…会わなければならない…そのような思考が知佳の頭を埋めつくしていた。
勢いよく玄関口の扉を開けて表に出る、その角を曲がった先に彼女はいる…
曲がり角を曲がった知佳が目にしたのは…涙を流し祈っていた…最も敬愛する番、禁忌さんだった。
声をかける訳でもなく、そっとしてあげる訳でもないく知佳は駆け寄って禁忌さんを包み込んだ。
腕で抱き寄せたのはもちろん尻尾も巻き付けて抱擁した。
そして短く 「どないしたん」 と囁いた。
>凜夏さん、月さん、知佳さん、了さん
涙を静かに流し瞼を閉じながら祈っていると聞き慣れない声に意識を戻す。
そこには嘗て知佳と共に居た少女、神童月が居た。
禁忌にとっては一度だけ出会った事のある少女。
だが如月知佳の関係者という密接な繋がりが禁忌の認識を高めていた。
『………済まない。……見苦しい姿を……見せてしまったな。』
そう言いながら頬に流れる涙を拭き取る。
が、それはある意味で間に合わなかったと言えるだろう。
>17341
尻尾と腕で抱き寄せられ、成すがままに抱擁される禁忌。
元々月が来た時点でも取り繕う様に装った平静さである。
最愛の人に抱擁された状態で自身を心配する言葉を聞かされて平静さを取り繕える筈も無かった。
『…………知佳…………済まない……………。………少しだけ………このままで…………っ…っ………うっ……あ…………うあああああああああっ!』
惜しげもなく晒す涙。
苦しみを体現する様なその慟哭は聞いている方も痛々しくなる程に悲痛に満ちていた。
禁忌が知佳に対して涙を流したのはこれで2回目。
だが、今まで涙はおろか自身の弱みすら禄に見せたことのない禁忌からすれば驚きを通り越して余りある事だ。
これも惚れた弱みというやつなのだろうか。
『……私は……っ……どうしようなく……無力だったのだな……。』
涙を流しながらも禁忌は自分の事を心配してくれる知佳と月に事の次第を話し始めた。
自分の分身とも言える妹のユーリの存在。
そのユーリと恋人関係だった女性でニシの組織に所属していた斑鳩刹那が少し前に謎の失踪を遂げ行方不明になってしまった事。
刹那が行方不明になりユーリは自身の身を顧みず懸命に捜索したが手掛かりすら見つけられずに捜索が打ち切りになってしまった事。
そして恋人ともう会えないという非情な現実に………ユーリは心を閉ざしてしまった事。
家族、それも妹がそれほど苦しんでいるのに自分は苦しみを肩代わりしてやる事すら出来ない。
そんな歯痒さと無力感に禁忌は心を痛めていたのだ。
>禁忌さん 月さん 凛夏さん 了さん
「ほうかほうか…………
────────この阿呆者。
まぁたそうやってウチに相談もせんで抱え込んどったんけ…
ウチとの約束を忘れたっちゅうは言わせんで。
「2人で背負う」
そう約束したやないか、そりゃぁ…悔しいやろう…悲しいやろう。
どうにかしてやりたい思うて何も出来へん苦しみはウチもよぉわかっとる、せやから何度でも言ったるで。
1人でやらんといてや。」
知佳は何も言わずに禁忌さんの話を背中を撫でながら聞いていた。
まただ、此方に、そして周りになんの相談もなく1人でどうにかしようとする。
そして1人ではどうにもならないようなことを失敗して1人で抱え込み嘆く……
知佳は話を終えた禁忌さんから少し体を話すとゴツンと己のデコを禁忌さんのデコにぶつけた。
「あんさんはなぁんにも悪ぅない。
あんさんは神さんやない、なぁんでも出来るわけやないんや…そう背負い込まんといてな。
ウチな、その刹那はんの失踪事件と全く同じモンを追っておったんよ。
うちの仕事友……とある人っ子の願いでな…
東のボス…薫っちゅうモンも居らんなってもうたんや…その人っ子はまだ諦めとらん、まだ骸も見つかっておらんさかい死んだとは限らんのやで。
つまりまだ見つかる可能性があるって事や。
見つからん嘆くんは早いで、鬼の旧友は故郷とも呼べる住処を見つけるのに数百年掛けたんや…まだ早いで。」
知佳は言葉を続けた。
似たような事件を追っていることを、まだ諦めてないことを。
泣くのは早いと言いたいのだ、同じように親愛なる友を失った彼が諦めてない事を。
>知佳ちゃん、禁忌さん、ユーリさん
「……」
(二人の様子を静かに見守っていたが、そっと手を伸ばして、いい子、いい子と頭を撫でた。ギリギリ手が届いた。)
「あのね、お姉さん。大丈夫だよ。きっと見つかるよ。ね?なんでか理由は分からないけど…そんな気がする。私はお父さん、お母さんを探しているけど、きっとお父さんもお母さんも離れなきゃいけない理由があって、今は私を探してくれていている。そんな気がする。だから、私はお父さん、お母さんを探しているの。一度も諦めた事ないし、ずっと探してるって信じてる。きっとお姉さんのお友達もそうなんじゃないかな。」
(そう言って、真剣な眼差しで、そう話した。いつものルナとは違った、はっきりとした意思の強さ。そう、まるで変身した時のような。彼女が魔法少女となれる「素質」でもあるのかもしれない。そして、続けて、「これは昔先生から言われたことだけどね」と続けて話す。)
「今は悲しいだろうから、泣いてもいいよ。でも、その後は笑顔にならなきゃ。知佳お姉ちゃんや、お姉さんのお友達が悲しむよ。それに探してる人も見つかった時悲しむ。
どんな辛い事があったとしても、笑顔で許すこと。それは神様にしか出来ないかもしれない。でもそれが一番のつよさにもなる。それが周りの人を救う事になる。」
(そう言って、お姉さん、負けないでね。と言って、じゃあ、私は凛夏ちゃんの所に戻るね、知佳お姉ちゃん。と笑顔で戻って行った。ルナが笑顔でいる理由…その一部が垣間見れたかもしれない。周りを悲しませない為、いつか迎えに来てくれると信じてる両親の為、自分が意地悪されても反抗しない理由。が。全て、自分の為では無く、周りの為。なのだ。)
>月さん 知佳さん 禁忌さん 了さん
凛夏「………。」
(人の声がしていたので外の方を見てみると2人が誰かを慰めている?らしい様子が見えた。けれど…何も出来ない、何の助けにもなれない。慰める為とか、元気付ける為とか、幾らでも理由を付けて言葉をかけてあげられた筈なのに、足が動かなかった。いや、"動こうとすら"考えず只々能面のような無表情で3人を見つめていた。
優しくそれどころか人が悲しんでいる様を見て自分は"不幸じゃない"と安心すらしてしまっていた。
…あぁ、やはり根本的な部分が。正義を気取っていても心の奥底では悪なんだろうか。いや、悪ですらない人でなし、なんじゃないだろうか?自分が幸せじゃないから他人が不幸であって欲しいと願ってしまう。だから動かずに、ただ見つめるだけ。
…異常。その2文字が頭をよぎる、前まではこんな事無かったのに、なんて目を伏せる。いつからかは分からないけれど、自分の中の何かが壊れてしまったのかもしれない。本当に最低な自分を嘲笑した後、少し悲しげに3人を見つめて部屋に戻っていった)
「…………ごめんなさい……」
>凛夏ちゃん
「ごめんね!お待たせ!うん!これならいい感じに焼けるかも!」
(ルナがさっさと戻った理由。それは知佳お姉ちゃんなら、あのお姉さんを元気にしてあげられる。そう思ったからだ。其れに、凛夏ちゃんを一人にさせてしまったこと。それが気になったからだ。でも、飽く迄心配しているようには見せない。そっと理由を聞かないで笑って側にいる事で、凛夏ちゃんを少しでも心配事から遠ざけたかった。それがルナなりのやり方だった。)
「知佳お姉ちゃんが材料全部用意してくれたから、後は焼くだけだね!焼こう!」
(そう言って、ウキウキと材料を持って来た。式神に、式神さん、ありがとう。と律儀にお礼まで言った。)
>デネブさん、ナナさん、アルタイルさん、龍さん
「龍さんに魔法は使用禁止…?」
「何かそっちも色々苦労してそうなの」
(学園の中へ向かっていくデネブさんを「行ってらっしゃい(なの)」と2人は手を振りながら見送った後、ナナさんと龍さんのやり取りを見てひかりは「どういうことですか?」というように首を傾げ、夏苗は何かを察したのか「苦労していそうだ」とジト目で述べて。…ちなみに、校舎の外にはジャージ姿の生徒達が多いため制服を着た生徒は見つかりづらいが、校舎の中に入れば制服を着た生徒達は簡単に見つかるだろう)
>凜夏さん、月さん、知佳さん、了さん
>17343
知佳からの叱咤激励に禁忌は思わずハッとしていた。
そう、黄泉に完膚なきまでに敗北したあの時に禁忌が知佳の前で始めて涙を流したあの時。
込み上げる悔しさ、情けなさを噛み締めながらも確かに交わした約束は確かに存在した。
どんな困難も二人で乗り越える、そう言ったのは自分の筈なのに同じ過ちを繰り返す自分自身が情けなくなる。
そんな時、唐突に当たる自分の額と知佳の額。
まるで母親が小さな子供に言い聞かせる様な仕草に戸惑いながら流れる涙を拭きもせずに聞き入っていた。
そして知佳の話を聞き終わると頬を伝う涙を拭き静かに呟いた。
『………そうだな。………確かに………その通りだ。済まない知佳。……知佳にはまた情けない姿を見せてしまったな。』
若干の涙声だが、精一杯の笑みを浮かべる禁忌。
>17344
そんな中、ふと背丈に似合わず禁忌の頭を撫でる月の言葉に禁忌は驚きを隠せなかった。
神童月の言葉、それは彼女の見た目以上に彼女の心の底の強さを体現するかの様な強い意志を感じさせるものだったから。
その強さに意識を取られそうになるが戻っていく彼女の後ろ姿に向けて禁忌はたった一言ポツリと呟いた。
『ありがとう。……『ルナ』……。』
始めて口にする彼女の名前。
それは禁忌が彼女に対して歩み寄ろうとするはじめの一歩となるキッカケだったのかも知れない。
ルナが戻る直前までこちらを気にする様に見ていた彼女も同じ様に部屋に戻っていくのを確認すると禁忌は心の中で礼を言う。
そして二人の背中を見送った禁忌はルナの事を思い返しながら知佳に向き直り言った。
『本当に強いのだな………ルナは。……私なんかより………よっぽど心が強い。………少し………嫉妬してしまいそうだ。』
見た目の年齢以上に風格漂う何かをルナの言葉から感じ取っていた禁忌はありのままの感想を口にしながら苦笑する。
その表情は切なげに部屋に戻っていったルナの背中を見つめていた。
>禁忌さん 月さん 凛夏さん 了さん
「そうやねぇ…何時だって童にゃ驚かされてまうわぁ…
時代を引っ張るんも切り開くんも新しきヒトばかりさかい…ウチら古きヒトはその背中を見もるんが役目さな……」
知佳は禁忌さんの言葉に頷いて肯定する。
いついかなる時代もその時代に生まれついた者が新しい道を沢山見つける、険しいものも苦しいものも引っ括めてかき集めていくのが若者なのだ…。
それはそれとして知佳は月さんが部屋に戻ったのを確認すると素早く顔を近ずけて接吻をした。
あまりにも子供っぽい独占的な考えなのだが自分以外に嫉妬したのが…アレだったようだ。
まるで何事も無かったかのように身を引くと若干赤い微笑みで言葉を続けた。
「そ れ と 「私なんか」っちゅう言葉は禁止や禁止。
ウチはそげな事言う禁忌はんは嫌や。
胸を張りぃ、頭を上げぇ、キリっとしんしゃい……折角のべっぴん顔が台無しやぎ、微笑んでんが禁忌さんに似合っとるんやから、
今考えても仕方あらん、こういうんは焦れば焦るほどドツボんハマったるんや…見れるもんも見えんなってまう。
急ぎたい気持ちは分かる、やけどね…それで焦ってまうんはアカン。」
まっすぐ禁忌さんの瞳を見つめながら言葉を言い切る。
焦りとは、焦燥とはそれ程までに見えるべきもの、見るべきものを覆い隠してしまう。
そのせいで己もまでが消えてしまうのはさらなる被害者を連鎖的に増やすキッカケにもなりかねないのだ…。
>月さん 知佳さん 禁忌さん 了さん
凛夏「へ?…あ、そうだね。こんな感じ…かな?」
(声をかけられると若干焦りながらも返事をして、自分もたこ焼き器に向かって素を流し込みながら焼いていく。…さっきの事、気付かれていないと良いんだけど…
たこ焼き器を使った事があまり無かった凛夏だが、式神さんが混ぜてくれた素が良かったのと、月さんの手際が良かったのもあって素人にしては順調に焼き上げていく)
「え、何これ…た、楽しい…!」
(型に流し込んでたこを入れ、ある程度経ったらひっくり返す…この一連の流れに楽しさを覚えたらしく、次々と焼いていく。
月さんが手伝ってくれるおかげもあってか順調に進み、既に半分程度たこ焼きを焼き終えていた。…凛夏が焼いたものは形が崩れているのもあるが)
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