奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>クロさん
ベアード:
うむ。味自体はかなり美味だぞ。なんでも襤褸山というババアの生家でしか採れぬ代物らしくてな。ババアが言うオススメの食べ方というのが、この天麩羅での食べ方だそうだ。
……しかし美味なのは良いのだが、丸1か月間食事を出されるたびに蓮根がついてくるのは、流石の我でも堪える……。姉君が言うには、この蓮根1つだけで異常な栄養価が含まれているらしい。一般の人間が採る1日の栄養分、だそうなのだ。
(そこまで言うと、ベアード(似蛭)には珍しく少しげんなりした様子の表情を浮かべる。1日の栄養分が含まれている蓮根が1日3食しかも毎日他の食事と一緒に出されていた時期があった、それだけ聞けば、いかにこの蓮根が市販の蓮根とは異なる特産天然物というのが分かると思う。だがどう考えても、それは大食い兼悪食の似蛭とベアードの胃袋を持ってしてもかなり無理を言わせているとしか思えない。1か月間出されていたのが若干トラウマ気味にもなっているのか、ベアードは"ババアの顔が蓮根に見えてくる……"と、何食わぬ顔で美味そうに蓮根を頬張る氷華を恨めしそうに見つめていた。)
>月宮さん
もふ「めへへへ、まぁ、警戒しちゃうのは仕方ないかもねー。…もふだって、みっちーと会う頃とかは周りに頼れる人とかいなかったしー、目のおかげで不気味に思われてたからねー。昔はね、こういうゆるーい感じじゃなかったんだー。もうちょっと拗ねてた感じ。……でもま、今となっては変えられてみて、こうなってよかったーって思うよ。星奈ちゃんもそう思う?」
>ベアードさん、氷華さん
クロ「むぐむぐ……うん、確かにこれは美味しいけど、丸一ヶ月蓮根出されたらまぁ……げんなりしちゃうよね。美味しいんだけどね、むぐむぐ…。」
ぱくぱく、と蓮根の天ぷらが美味しいのか肉じゃがと一緒にもりもり食べているクロ。
クロ「襤褸山かー。あんまり僕側だと把握できてないけど、大雑把に言えば妖怪とか悪魔みたいな人ならざる存在が多く住んでる山だっけ。………だからこのレンコンも変わったものなのかな、ヘルフォヴィアで言う特産品みたいな……」
クロ自体は一応、この地域にある危険地帯、あるいは何かしらのテリトリーは大雑把に把握しており、襤褸山のことも一応耳にはしている。だからもしかして蓮根になんか変わった成分あるのかな?と栄養価の観点でも気になってきている。
ただ、その後呟いた「ヘルフォヴィア」なる地名らしき名は、少なくともこの世界で聞き覚えのないものだが。
>クロさん
ベアード:
我もババアと姉君から名前を聞いただけでな。その山について詳しい事はあまり知らされていないのだ。ババアは"魔境"とも言っていたが……しかし…その、へる…ふぉ…?なんだそれは?
(一通りこの世界での一般常識や知識を知枝達から教えてもらったベアードではあるが、襤褸山の仔細については知らされていない事を明かす。…それもそのはず。襤褸山の主は氷華の父親で、ベアードとは切っても切れない腐れ縁、どころか出会い頭に殺し合いを始めてもおかしくない相手である。意図的に知枝と氷華が襤褸山の事をボカして説明したのだろう。だがベアードは襤褸山の事よりも、クロさんの口から出てきた"ヘルフォヴィア"なる固有名詞が気になり、蓮根の天麩羅を肉じゃがの出汁に漬けて口にしながら尋ねていた。)
>ベアードさん
クロ「……ん?ヘルフォヴィア…え、あれ?ごめん、呟いておいてなんだけど…僕にとって覚えがないものかも。えっとね……たまにあるんだよね。こう、何気なく話してて、僕の口からなんかの例えみたいに言葉が出るんだけど……その、よく振り返ってみると、その発した言葉に覚えがないというか…。つまりね、ヘルフォヴィアって今言ってみたはいいんだけど……僕にはそれが何なのかはわかんない。でも多分……場所とか地名なのかな?……もしかしたら、記憶を失う前の、「クロ」になる以前に覚えてたことかも。」
と、クロは自分でも不思議そうに首を傾げつつ、推測を述べる。事実、「クロ」はヘルフォヴィアという言葉が何を示すのか、それを知らないが……ヘルフォヴィアというのは、「クロ」になる前の彼がいた、ある世界の国のことだ。…少なくとも魔法が表沙汰に知れ渡ってないここでは、ヘルフォヴィアという言葉はどこにも知られてないかもしれないが…人ならざる存在が住む場所、例えば「魔界」のような所であれば、噂程度に知れ渡っている可能性がある。ヘルフォヴィア……「かつて滅びた、居場所なき者達の住処となる国」のことを、知る誰かがいるかもしれない。
>クロさん
ベアード:
記憶を失う前……それって言うと、我とクロくんが出会って間もない頃に話してくれた"悠久の彼方"から来る前の話だな?我もそこそこ長く生きてる方だが、そのような土地名は知らん。…とすれば、我より長く生きてるような化生共が知ってるかもしれんな。………例えば「ヤツ」とか。
(クロさん自身でも覚えのない固有名詞。彼が記憶を失う前に覚えていたのかもしれない事だとすると、それはかつて自身とクロさんが夢の中で明かし合った話の事なのだろうと推測する。だが、正直クロさんが過ごしたであろう年月と自身の生きた歴はかなり差がある。名称からして、魔界に携わった上に自身より長生きのモノであれば何か知っているのかもしれないと思い―――咄嗟に頭に浮かんだのは「因縁の相手」の顔だった。思い出すだけで腹が立つ案件らしく、箸を口に咥えたまま"バキッ"と音を立てて箸を噛み折っていた。)
>ベアードさん
クロ「んーと、ベアードさんが誰を浮かべてるかはその様子を見ればわかるけど…その人どこにいるかも分からないし、当たるなら他がいいかもね。まぁでも…別にそこまで僕は固執してないよ。かつての僕のことは気になるのは確かだけどさ……今となっては、クロとして生きて、ベアードさんと似蛭さん、あとは気心知れた連中と生きていられれば……それでいいかなぁって思うんだ。」
と、クロは箸を噛み折るベアードさんをみて苦笑いをしつつ、からからと本音混じりの笑みを浮かべてそう言った。
クロ「…そういえば、今日は何しようかとか、なーんにも考えてなかったんだよね。ベアードさんか似蛭さんでやりたいことってある?なんでもいいよー。遊ぶだけじゃなくて、なんか気になるなら調べ物するとかでもいいし。」
>クロさん
ベアード:
そうか。クロくんが気にしないというのであれば、我もそれについては深掘りしない事にする。
しかし、気になる事か……そうだな。それなら―――
(肉じゃがと蓮根の天麩羅、白米と味噌汁をそれぞれ口に運んで胃の中に流し込んで食事を終えたベアードは、自身が最近最も気になる事を洗いざらい頭の中で思い浮かべてみる。そうして、顎に手を当てながらポツりと呟いた。)
ベアード:
―――どうしたら上手く"料理"を作れるようになるか、だな…。
(その一言。たった一言を呟いただけで、光野研の食卓の空気がザラッと変わる。
未だに食卓に並べられている蓮根の天麩羅を口に運んでいた氷華は、珍しく戦慄した様子で箸を口に咥えたまま硬直し、その表情は絶望の色に染め上げられた。
ソファの上で突っ伏し寝転んでいる知枝も、体勢はそのまま、しかして明らかに"ビクゥッ!"と恐れ慄きガタガタと震えだす。
食卓周辺を慌ただしく作業していた魔具達ですら、ベアードの口から放たれたその言葉に恐慌状態に陥り、部屋の片隅にお互いの身を寄せ合ってガタガタガタと凄まじい震動を起こしていた。)
>クロさん
ベアード:
そうか。クロくんが気にしないというのであれば、我もそれについては深掘りしない事にする。
しかし、気になる事か……そうだな。それなら―――
(肉じゃがと蓮根の天麩羅、白米と味噌汁をそれぞれ口に運んで胃の中に流し込んで食事を終えたベアードは、自身が最近最も気になる事を洗いざらい頭の中で思い浮かべてみる。そうして、顎に手を当てながらポツりと呟いた。)
ベアード:
―――どうしたら上手く"料理"を作れるようになるか、だな…。
(その一言。たった一言を呟いただけで、光野研の食卓の空気がザラッと変わる。
未だに食卓に並べられている蓮根の天麩羅を口に運んでいた氷華は、珍しく戦慄した様子で箸を口に咥えたまま硬直し、その表情は絶望の色に染め上げられた。
ソファの上で突っ伏し寝転んでいる知枝も、体勢はそのまま、しかして明らかに"ビクゥッ!"と恐れ慄きガタガタと震えだす。
食卓周辺を慌ただしく作業していた魔具達ですら、ベアードの口から放たれたその言葉に恐慌状態に陥り、部屋の片隅にお互いの身を寄せ合ってガタガタガタと凄まじい震動を起こしていた。)
>ベアードさん、氷華さん、知枝さん
クロ「あー料理かぁ。ベアードさん、料理作りに挑戦したんだね。じゃあ今日はその辺に関してやってみる?」
上手く料理を作りたい、という言葉を聞いてなんとも可愛らしい、と思い微笑みつつ、普通にそう提案してみた。で、何気なく周囲を見て……それでようやく異変と、ざらっとした空気に気づく。控えめに見てもそう、空気が悪くなったというか不穏というか……魔具や氷華さん、知枝さんの様子を見て(え、もしかしてメシマズ?メシマズなのベアードさん??)と察するクロ。だがまぁ、彼氏としてそういう提案をした以上付き合おうとは思っている。……元より夢魔なので、普通の生物よりかは物理的ダメージも軽減できるし、多分大丈夫……と思っている。
嫌な予感は、してはいるが。
>クロさん
ベアード:
一言言っておくぞ。我が料理下手というワケではないぞ。似蛭がこの間麻婆豆腐とやらを作ろうとして、試しに出来上がったソレをババア達に食わせたら阿鼻叫喚の地獄絵図が出来上がっただけで、決して我が料理下手というわけじゃないんだぞ。本当だぞ。
(料理作りについて乗り気な様子を見せてくれたクロさんに一瞬だけ"ぱぁっ"と顔を明るくさせるが、言い訳がましく身振り素振りも含めて自身が料理下手である事を否定し始めると、明るくなっていた顔は真顔になっていき冷や汗ダラッダラである。一方、恐らく試食させられたであろう光野研の面々の空気は完全にお通夜状態。)
>もふさん
えぇ、わたしもそう思うわ。あの子が、差し伸べてくれた手を取ってよかったって…今ならそう言える。………でも、ここだけの話…手を取らなければよかったって思ったことも少なからずあったけど…
>ベアードさん
クロ「あー…そうなんだね、うん。じゃああれだね、簡単な料理から学んでみて、それで徐々にハードル上げて行った方がいいかな?」
内心、(似蛭さんどれだけアカンやつ作ったの…?)とちょっと恐れているふしはあるものの、簡単なものならそうそうおかしなことにはならないだろうと思い、何がいいかメニューを考えてみる。
余談だが、クロは自炊はある程度できるが、別に上手くはない。普通に食べれる、くらいのものを作れるだけだ。
>クロさん
ベアード:
簡単な料理……因みに、簡単な料理ってどんなのだ?我―――もとい、似蛭でも作れるようになれるか?
(間が悪そうに胸の前で両の人差し指をツンツンと突き合わせながら、クロさんに尋ねるベアード。自分がどんな料理を作る事が出来るのかを把握できていないのもそうだが、そもそも"潜在的に料理が致命的に出来ない才能"を持つ人間もこの世の中にはいる。果たして、ベアードと似蛭がそれに該当するかどうか。それは、知枝と氷華の様子からしても分かるだろう。)
知枝:
(やだやだやだやだやだやだやだやだもうみたくないもうみたくないもうみたくないもうみたくない…)
氷華:
(……母様。近いうち、儂もそっちへ逝きます。)
(氷華は遠い目で途方を眺め、知枝はとうとう両手で頭を抱えていた。…その様子だけで、それぞれがベアードと似蛭の料理にトラウマを刻み込まれているようだった。)
>ベアードさん
クロ「…………………んー、そうだね。単純に、切る事と炒めることだけなら……じゃあ、野菜炒めとかいいかもね。できればそんなに扱いの難しくないやつばかりにして、洗って、切って、炒める。やることはだいたいそんな感じだから…それから挑戦してみてもいいかも?」
言葉を発するまでにやたら間があったのは、視界の端に見えた犠牲者二名の様子が見えたからだが…とりあえず提案しておいて無しにするのも申し訳ないので、挑んでみるだけ挑んでみる。で、試食は自分一人でやればいい…少なくとも、野菜炒めで間違いが起きるとしてもめっちゃ焦げたりするくらいのはずだから……問題は無い、ハズ。
>クロさん
ベアード:
洗って、斬って、痛める…よぅし!わかったぞぅ!
(クロさんから教えられた手順を、何か絶妙に致命的な部分を履き違えて飲み込んだようなそうでもないようないややっぱり間違えてる状態で、ベアードは台所へ向かっておもむろに冷蔵庫から野菜―――キャベツ、もやし、にんじんを取り出しては、まな板を置いてその上に並べ置く。野菜を水洗いする手順だけは問題ないようだが、切る必要のある野菜を"斬る"と捉えてしまっているためか、機械のグローブで覆われた手の甲から機械式ブレードを生み出してそれで野菜を斬ろうとする。……当たり前の話だが、包丁でやるべきだしそもそもそんなもので斬ろうものなら台所が半壊する。)
>ベアードさん
クロ「すとっぷすとっぷすとっぷ!!!!ちょちょちょちょっと待って!!それはやりすぎ!ただの野菜相手に対人か対物体用の機械はやりすぎ!えっとちょっと待って……はい、これ僕が魔力で即席で生成した包丁、これ使って!一見殺傷性が薄い刃物に見えるかもしれないけど、包丁はそういう機能面は追求しなくていいから、こういう感じの手頃なものを使うこと!ブレード使うのは禁止!……念の為だけど、見本はあった方がいいよね。僕が材料の半分を切ってみるから、それよく見ててね。手はこうして……力加減はこんな感じで、ほんとにあんまし力入れずに………」
慌ててベアードさんを止めたクロは、ベアードさんがなるべく大きな間違いをしないように見本を見せるべく、1度手本を見せる手段をとった。クロ自身もなかなか拙い様子だが……少なくとも、参考にはなるはずだ。……そのはずだ。
>クロさん
ベアード:
……こんな細いモノで、しかもこんなやり方で切れるんだな。
(手本を見せてもらっているというのに何処か納得し切れていない様子のベアード。…料理がダメなタイプには幾つかの種類がいる。1つは、"味見をしないヤツ"。2つ目は、"レシピを見ないヤツ"。3つ目は、"分量を弁えないヤツ"。4つ目は、"これら3つに加えて自分は料理が出来ると思い込んでるヤツ"。料理が出来ないと自覚は出来ているものの、ベアードのソレは最早"才能"に近い。クロさんの見本通りにもう半分の材料を手に取ってまな板の上に置き、同じようなやり方をして切り始める。……で、結果として出来上がったのが"短冊切り"。念のために言っておくと、クロさんから教えてもらったのは短冊切りとはまた別の切り方だ。このように、仮に出来たとしても結果が望む通りのモノにならないのがベアードと似蛭の調理スキルである。)
>もふさん
ぷふっ…そんな可愛らしい理由じゃないわ
(もふさんの発言を聞いて思わずクスッと笑うと、紅茶を1口飲んでから手を取ったことを後悔した時のことを話し始めて)
もふと一緒にいて、後悔したことはなかったわ。……でも、彼女は…そうだった。一緒に過ごした日々はとても楽しかったし、充実していた。…でも、私と一緒にいたばかりに危険な目にも合わせてしまった。今になってもずっとその時のことが忘れられなくて、後悔してるの。
今だってどこで何をしているか、生きているのかさえ全く分からないから…
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