奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>如月知佳さん
『良し。善は急げと言うし早速連れて行ってくれ。ホラ知佳早く早く♪』
隣で非常に幸せそうな顔で浮かれている知佳の手を取ると恋人繋ぎをして歩き出す。
知佳とこうして手を繋ぐ事もそうだが、想い人とこうして一緒の時間を過ごすというだけで禁忌にとってはとても楽しい時間である。
>禁忌さん
「……ふふッ♪ほなら行こか、妖ノ宮へ…」
禁忌さんが恋人繋ぎをしてくるのに対し知佳も握り返しながら隣を歩き出す。
自分は今とてつもなく幸せ者だ…そのことをかみ締めながらカランコロンと足音を鳴らしながら歩いていく…。
──────────────────────
──場所は変わって妖ノ宮前……──
「ほな…ついたで、此処が妖ノ宮…ウチが知る中で最もええ場所や…。」
何度もここへは来ているのだが感慨深そうに知佳らその少し古い様な雰囲気の建物を見つめる。
スライド式の古典的な扉の上には「妖ノ宮」という文字の木管が下げられており扉には「開店中、来たれ妖怪 来たれ人間、疲れたなら酒を飲もう、腹が減ったならばメシを食おう。
いざいざ皆の者いらっしゃい。」
そう書かれた札が掛かっていた。
>如月知佳さん
『此処が妖ノ宮か。………フム、中々に趣きのありそうな店だな。さあ知佳。早速入ろう。』
振り袖姿で知佳を引きながら待ち切れないと言わんばかりにスライド式の扉に手を掛けると入口を静かに開けた。
楽しみのあまり鼻歌が時折混じっているが、それほど禁忌も心がウキウキ状態なのだ。
>禁忌さん
【鬼店主】
「おうらっしゃい!ってチーじゃねぇか?!
こんな時間に酒引っ掛けにくるたァ珍しいな、注文はいつものでいいな?嬢ちゃんはどうする?ウチはなんでも揃えてるから大抵のもんだったら出せるぜ?
…んで?今回の連れ込み人は随分と美人じゃねぇか、今度は何やからして仲良くなったんだよ?」
【如月 知佳】
「ウチの番。」
【鬼店主】
「へぇ…番………番?!」
【周りの客】
「?!?!?!?!?!?」
店に入るや否や豪快な声が響く、筋肉質な肌に立派な双角…そしてエプロンと言った非現実的な姿の店主の声だ。
時間帯的にサラリーマンなどの人間は少なかったが、することが無く暇つぶしに来た妖や見回り中のような格好をしたスーツ姿の青年、そして純粋にご飯を食べに来た子供などで賑わっていた。
この店はその気になれば空間的に広げることが出来る為常連客用の席が用意されている、その中で知佳専用の場所は入って真っ直ぐのカウンター席だ…それも2席。
普通は一人一席なのだが知佳は友人を連れ込んだりその場で仲良くなった人を連れ込む為それ用である、恋人繋ぎのまま店内へ入った知佳は何処か気を緩めたようにカウンター席へ座り禁忌さんにも隣に座ることを促した。
そして注文をしてないにもかかわらずそのカウンターには酒とツマミが出される、知佳はいつも最初は同じものを頼むからだ。
それはそれとして隣に禁忌さんをチラリと見た鬼店主はカウンターに肘をつき首を傾げながら知佳に聞くと知佳は躊躇うことなく「番」だと言い放った、その瞬間店全体の視線がギョッとするように禁忌さんに向けられた。
>如月知佳さん
店に入ると同時に豪快に響く声。
顔を向けるとそこには筋肉質な肌に立派な双角とエプロンを着けた店主の姿がある。
知佳に促されるままに知佳の隣のカウンター席に座ると禁忌の存在を案の定気にした店主は知佳に禁忌との関係を早速聞き始めるが、知佳の大胆な爆弾発言にその場は色々な意味で修羅場と化そうとしていた。
向けられる周囲の視線。
だが知佳が臆さず口にしたのだ。
私も知佳の番に釣り合う相応の振る舞いをしなければな。
そう判断した禁忌は店主に軽く会釈すると共に特に動揺する事も無く口を開いた。
『済まない。自己紹介が遅れてしまったな。我は禁忌。如月知佳の恋人だ。これからは知佳と共にこの店のリピーターになりたいと思っている。宜しく頼むよ。……あ、注文がまだだったな。私は特に苦手は無いので摘みは店主のオススメをお願いしたい。それから酒はテキーラのロックを。出来るかな?』
スラスラと自己紹介を済ませると軽く注文を済ませる。
それにしても臆せず自己紹介する事といい、いきなりテキーラのロックといい中々に肝の座った恋人だ、周囲にはおそらくそんな風に思われたかもしれない。
>禁忌さん
【鬼店主】
「はいよ、テキーラロックだな…ツマミは…チーと一緒のでいいな?
…んにしてもあのチーに番とはなぁ……くぅ…先越されるとは思わなかったぞ?…見てろよチー?…ぜってぇ俺だって美人で優しい妻を迎えてやるってんだ……」
【知佳】
「ふふっ♪頑張りぃ?料理はできるんやから胃袋掴まれる者がきっと居るはずさかい気長に待っとればええんや。
ところであのってなんや…そんなにおかしいんか?ウチが番持ったこと、前々から言うとったやん。」
【鬼店主】
「確かに言ってたがよォ…「自分を守ってくれて止めてくれる人」って希望だったよな?
チーより強い者なんてそうそういねぇだろ。」
【知佳】
「おったんだからええやん、禁忌はんは強いでぇ?
あんさんもウチもそうそう敵わん程や。
興味本位に手を出すなや?そんときゃウチがぼこぼこにしたるからなぁ?」
【鬼店主】
「まじか?!そんなに強いんかアンタ。
あと俺はそんな戦闘狂じゃねえって…
まぁたしかに肝っ玉は座ってるし堂々としてるからなぁ、知ってるか?
初めてここに来る奴らはだいたいビクビクしてるんだ、だからあんまり注文もしてくれねぇでさぁ…
アンタはその心配が無さそうで良かったぜ、じゃんじゃん頼んでくれよ?
それとリピーターになるんだったよな、こちとら大歓迎よ。
今度暇な時にでも来てくれればアンタの席を用意するぜ、これから長い付き合いになりそうだな…よろしくな?禁忌。」
禁忌さんの注文を受けた鬼店主はすぐにその注文作業に取り掛かる、グラスを取り出すとそこに手をかざす…すると四角い氷がグラス内に複数落ちる。
そしてこれまた別の棚からテキーラを取り出すと注ぐ、ツマミは知佳用で作り置きしていたイカゲソとチーズと言ったシンプルな物を出した。
それを禁忌さんの目の前に出しながら鬼店主感慨深そうに知佳と話す。
暫く話した後今度は禁忌さんに話しかけてきた、まるで種族差など関係ないように笑いかけながら色々と話す。
深い詮索はしないところを見るにそれなりの気遣いはしているようだ。
>如月知佳さん
『ああ。こちらこそ宜しくお願いするよ。ところでさっきの話だが………店主。心配する必要は無いと私は思うよ。他者を外見で判断せずに相手を受け入れる包容力。客を幸せに出来る程の料理スキル。必ず店主の魅力は気になる異性に伝わる筈だ。私も応援しているよ。』
そう言い、気になる異性がまだ居ないことを気にしている様子の店主に禁忌は気さくに微笑んだ。
その笑顔は知佳との告白があった事により以前より断然魅力的な笑顔だった。
そしてテキーラのロックが到着するとグラスを持ち、知佳の手元にグラスを翳した。
『知佳。ここに連れてきてくれてありがとう。知佳とのこれからの幸せな未来を私は願う。乾杯。』
ここまでの感謝の気持ち。
それを惜しげなく言葉にした禁忌は知佳の避けのグラスに静かに自らのグラスを軽く打ち付けた。
>禁忌さん
【鬼店主】
「おー、言ってくれるねぇ!
んじゃこれもサービスしよう、見た目はちっとアレだが上手いんだ。
其れに「こちら側」の食べもんなんだ…こォれがまた再現するのに苦労したんだぜぇ?
さ!じゃんじゃん食べてくれ、俺からの新婚祝いだ!」
禁忌さんの言葉に鬼店主はニヤリといささか豪快に笑う。
嬉しそうに言葉を返した鬼店主は「よし!」と手を打ち合すと素早く料理を作り始める、揚げる様な音や焼くような音、そして煮込むような音が店内に鳴り響く。
そしてしばらくして禁忌さんの前に戻った鬼店主は知佳と禁忌さんの前のテーブルに1つの料理を置いた。
其れは先端が丸まりゼンマイのような形状、手前側が丸い球体の形になっている不思議な料理を出した、其れはこちら側…「妖界」で食べられる植物を再現したものだ。
【知佳】
「ほにほに……やぁっとそれ完成したんやな…ええことやええことや…。
ちぃとここで焦げなこと言うんも恥ずかしいんやけど………せやな、ウチらの未来を願って…乾杯。」
知佳は出された料理を懐かしそうに見たあとに禁忌さんの方へ向き直る、そして照れるように頬をかくと自身のグラスを持ち上げて大事な言葉を言いながら禁忌さんのグラスに打ち合わせた。
【周りの客】
「ヒューヒュー!」
「おめっとさん!めでてぇなぁ!」
「まさか先を越されるなんてぇ………」
途端に周りから囃し立てる声が上がった。
>如月知佳さん
捲し立てる周囲の声を肴にテキーラに口をつける禁忌。
中々に早いペースで煽っているにも関わらず酔う様子はおろか全く動じる事も無い。
……ただ、妙にテキーラを飲んでいる禁忌は見た目の美貌も相まって妙に横顔が艶めかしく見えるのは気のせいではないだろう。
『……ッ………。……美味いな。酒は散々嗜んできたが………今嗜んでいるこの酒は……1番美味い。きっと、知佳と居るからなのだろうな。フフッ、そうだ。知佳。少し良いだろうか。』
そう言うと禁忌は自分の反対側の空いているカウンターに振り袖のポケットから取り出したミニサイズの黒い敷物を被せる。
そして
『ワン、ツー、スリー。』
カウントダウンの後にパチンと指を鳴らすと共に敷物を取り払うとカウンター席の上にあまり見覚えのない酒のボトルが乗っていたのだ。
『知佳。良かったら飲んでみて貰えないだろうか。』
見覚えのないボトルに中身の名前を明かさない禁忌。
普通なら怪しく思う者もいるかも知れない。
………だがそのボトルは本当に酒に精通している者には………もしかしたら見覚えがあるかもしれないモノだった。
口当たりがまるで風が身体を吹き抜けたかの様なスッキリしたモノでありながら味自体は濃厚という不思議な味、そしてアルコールがスッキリした体内をまるで流水の様に流れていく為に悪酔いが起こりにくいという感覚を齎す。
それらが途轍もない人気を生み出し、嘗て僅かな期間だけとある地域限定で販売された酒。
そう、禁忌が手品の様に取り出したボトルこそ正にその酒だったのだ。
因みにその酒の製造主は桐恵だったりするのだがそれは禁忌以外多分誰も知らない事だろう。
>禁忌さん
【知佳】
「……っふはァ……ホンマに……上手いなぁ…
んー…?どしたどしたん?………お酒?…見た事あらへん銘柄やな……
どれどれー……………くはァ…ええなぁこれ………ホンマに上手い…ウチ結構色々なもん飲んどったつもりやけど…之は初めてやなァ……」
知佳は禁忌さんの隣でチビりと飲んではツマミを齧り、また少し飲んではツマミを齧りと無限ループに入っていた。
だが禁忌さんに話しかけられるとそのループは止まり其方の方を見る……知佳はそのボトルを見た事がなかった、知佳は殆ど暮らしている場所から動かない…そのため他の地域の限定品などには鈍かった…禁忌さんからボトルを受け取り少しだけ注いでから飲むとふにゃぁっと微笑みがこぼれる…どうやら気に入ったようだ。
それをさておいて鬼店主の方は唖然とした表情で禁忌さんの取りだしたボトルを見ていた。
【鬼店主】
「おいおいおい!!!そりゃ限定品だったやつじゃねぇか?!
名前は忘れちまったけど滅多に手に入れられなくて終わっちまった奴だ……まさか実物を見れる時が来るとは………」
そう感嘆の声を漏らしていた…。
>知佳ちゃん、了さん、凛夏ちゃん、神威くん
雪花「リュナちゃんはどこにいらっしゃるでしょうかー?タラッタッタッター」
(そう言いながら、何故か特に意味のないメロディーや、効果音?を口ずさみながら探し始める。そして、前方には雪音達が見えた。)
雪花「アマのおねー様ですわ!其れにアマのおねー様のお友達!」
雪音「開けてみよ!」
(そう言って開けたら…どうやらビンゴのようだ。ルナの部屋のようだ。確かに物が少なく、小学生女子らしいとは言えないが、ランドセルや、教科書があるから、間違いない」
月「……?」
(誰だったけ?そうぐるぐる考えても、一向に答えが出なかった。多分…女の人…?だったかな?と思っているが、確信が無いから自信がないのだ。ルナはもう隠れんぼをしている事、すっかり忘れていた。)
>如月知佳さん
『良く知っているな店主。ああ、その通りだ。知佳。これは本当に嬉しい事があった時に幸せな気分を充分堪能出来る様に、と願いを込めて私と桐恵で創り上げた自作の酒だよ。知佳と両思いの関係になれた。私にはこれ以上ない程の幸福感だよ。………しかし、この幸福感を私達だけで独占するのは勿体無いと私は考えている。そこで……だ。』
先程の敷物を今度はテーブルの一部に広げて被せる禁忌。
するとその敷物はテーブルの形に沿う筈が明らかに何かがあるかの如く盛り上がり被さった。
そして敷物を間髪入れずに取り払う禁忌。
そこには目の前の酒のボトルと同じモノが3本現れたのだ。
『店主。私からの差し入れだ。今この店にいる酒が飲める全員に振る舞ってやってくれないか?』
幸福感を多くの者と分かち合う。
それは妖ノ宮の様な多くの種族が集う飲み屋には外せない要因となるはずだ。
だからこそ……禁忌はこの喜びを今いる他の客とも分かち合いたかった。
知佳と多くの者が知り合いなのだろうということは先程の反応を見る限り間違いないのだろうから。
並べられたボトルを店主に渡す禁忌。
そして声高々に他の客に聞こえるように宣言した。
『遠慮は要らない。普段味わえないからこそこういった場を通して交流するモノだと私は思うよ。生憎本数はそこまである訳では無いが、限りある中でここにいる皆にも是非とも堪能して欲しい。』
禁忌にとってこの店はとても居心地が良かった。
知佳といる事もそうなのだが、何よりも店の雰囲気なのだろうか。
気兼ねすることもなく、ありのままの自分自身が出せている気がする。
そんな幸運に感謝する様に禁忌はこの場の皆に限定である酒を盛大に振る舞った。
>アリスタさん、ドガルガさん、メフィストさん
ウルソード「GARUU…!?GARRRRUA!!??………RA…楽ニシTE…クRE…MOウ…誰モ傷ツケTAク無I…GARRRRURRAAA!!!!」
ウルソードは攻撃を無防備で受けると、途切れそうな意識の中、一時的に自我を取り戻すと苦しそうに「楽にして欲しい」と必死に訴えるとそのままアリスタさんに向かって武器を構えずに突撃する。
佛失「あのクソ狼、自我を取り戻し始めたかぁ!ならば機能リセット装置…がぁ!」
紅音「『憑依武装』!そうはさせねぇよ!…おい!そこの獣の女神!そいつを楽にさせてやれ!こいつは任せろ!」
ガルフ(我が同胞を楽にしてやってくれ。頼む。)
佛失はウルソードが自我を取り戻そうとしているのを見てイライラしながら焦ると、リセット装置なる小型の機械を取りだし今にも作動させようとする…
だが、ガルフを憑依武装させた紅音が爪先でリセット装置に斬りつけ、装置を吹き飛ばすと、紅音はアリスタさんを「獣の女神」と呼び、ウルソードを楽にしてやれと少々荒々しく言い、佛失の妨害し、紅音に憑依しているガルフも楽にしてやってくれと願った。
>禁忌さん
【知佳】
「………///////………禁忌はんなァ……流石に…恥ずいんやけど……
嫌やないねん!嫌やないねんけど…思いが詰まっとることが分かって嬉しいんやけどな?
……ほなけど………アカン…ハズカシイ………。」
【鬼店主】
「かぁ~……可愛い見た目して男前じゃねぇか!
よっしゃ、テメェら!知佳の番の禁忌がめっちゃくちゃ上等な酒を振舞ってくれるってよォ!
酒に釣られたみたいに聞こえるかもしれねぇがアンタも俺らの仲間だ、何か困った事があったらここを頼ってくれよ?」
【周りの客】
「WEEEEEEAAAA!!!」
禁忌さんの行動は店の中の心を鷲掴みにした。
1部は酒に釣られた者もいるだろうし元々知佳の番だと認めていた者もいたが今禁忌さんは仲間として認められた。
妖の仲間と言うのは「信頼出来る家族以外の存在」を意味するのだ。
一人顔を赤くしてチビチビと酒を飲んでいる知佳を置いて妖ノ宮内は大盛り上がりとなった。
>佛失さん 紅音さん ウルソードさん
「……………成程、ならば今直ぐに楽にしてやる…我が同属よ……最後に自我を取り戻した貴様に尊敬と敬意を表そう。
眠るような死を。痛みの無い消滅を。その魂に救済を………魂喰。」
ウルソードさんの言葉、そして紅音さんの頼みを聞いたアリスタ(牙狼)は怒りを収めた。
自我は消えてなかったらしい、最後にその言葉を吐き出せたウルソードさんに心からの敬意を払いながらアリスタ(牙狼)は1つの力を発動した。
それは痛みもなく苦しみもない魂からの消滅を与える物である、ウルソードさんに言葉を言い終えるやいなやアリスタ(牙狼)の身体は一回りも二回りも巨大になる。
そしてその顎を大きく開けるとウルソードさんを地面ごと勢いよく喰らった、今のアリスタ(牙狼)の口の中は普通のものでは無い…喰らったものを溶かす唾液も、肉々しい口内もなくただ暖かな草原を思わせる空間が有るだけである。
その中でウルソードさんは苦しまずに溶けるように消え去るだろう。
>アリスタさん 沸夫さん風月さん
「仲間が戻って早速ピンチか」と丸い装置を投げて「機械部分破壊しな」と2人して丸いものを放り投げる(ジャミング装置)
>雪音さん 天音さん 瑠音さん 月さん 雪花さん
>翼さん 知佳さん 神威さん 了さん
凛夏「あ…えと、月ちゃん……いるの?…すぅー…ここ、かな……」
(どうやらこの部屋が当たりだったらしい。しかしここに月さんが居るとは限らないので、呼びかけながら隠れられそうな場所を探す。
すると押し入れに目がいき、一旦呼吸整えると半分ほど開けた。まだ凛夏に月さんの姿は見えていない)
>如月知佳さん
『ああ。ありがとう。』
大盛りあがりになる店内の中、禁忌は店主に礼を言うと顔を赤くして酒をチビチビ飲んでいる知佳に語り掛ける。
『済まないな知佳。』
悪気があった訳では無いのだが、ここまで塩らしくなってしまうと少しやり過ぎだったか、と少々申し訳無さがこみ上げてくる。
その罪悪感から苦笑しながら禁忌は知佳に謝罪した。
『………本当の事を言うと………知佳が羨ましかったんだ。』
酒の勢い……というにはまだ充分シラフなのだがその場の雰囲気がそうさせるのか。
禁忌は知佳に語り掛ける様に呟き始めた。
『他愛無い話を交わし合い和気藹々と酒を飲み交わす。ここの店は実にいい雰囲気をしている。そんな中で知佳は………周囲から慕われていた。愛されていた。異端は決して凡人には理解されない存在。………そう心のどこかでまだ思ってしまう自分がいる。………だが、ここの者達は違った。相手がどんな種族、ましてやどんな存在でも関係ない。酒と料理で笑顔を浮かべ合い心から楽しくしているのがわかる。それを見て………私もその輪の中に入ってみたい、……そう思ったんだ。』
そう、ただ単純に羨ましかった。
理由なんてそれ以外に存在しない。
禁忌は知佳に語り掛ける………というよりは自分自身に言い聞かせる様に心の内を吐露していた。
>禁忌さん
【知佳】
「………なぁんや…そんな事け……。
大丈夫…大丈夫やよー、あんさんももうその輪の中に入っとる…皆の心を鷲掴みにしとるわァ…」
知佳は先程からずっと酒を飲み続けていた、席に着いた時から…空き瓶が知佳の前に何個も置いてある。
その為禁忌さんよりも早く酒が回り始めていた…少し火照った顔で「にひひぃ」と微笑むとおもむろに禁忌さんを抱き寄せて撫で始めた。
「んふふー…可愛い可愛い禁忌はん……ウチのだぁいじな旦那はん……もう羨ましいなんて思わせんでぇ…ウチがずっと隣にいたる…それに異端とか…凡人とかウチらはぜぇんぜん気にせんよォー…
みぃんな…「心」を見るんや、ここが澄んでいるならいくらでもウチらと仲良ぉなれる……人殺しとか非人道的な物事とか関係あらへん…そんなんじゃココは変わらへんから…。
せやから禁忌はんも悩まんでなぁ…ぜぇんぶウチが受け入れたる…背負ったる…ぜぇんぶなぁ。」
今の知佳は酒が回っている…しかし理性はあった、シラフでは恥ずかしいが言っておきたいことは言っておきたかったのだ。
自分の思いを、願いを。
>アリスタさん、ドガルガさん、メフィストさん
ウルソード「AAAAAAA…!アRIガトU…」
ウルソードはアリスタさんの口の中で何処か満たされたような口調で感謝の言葉の呟くとそのまま溶けて消える。
紅音「…あっちは方がついたな。…さて、人数的には圧倒的にお前の方が不利だが、どうすんだ?まだやんのか?佛失!」
アリスタさんの方を見ていた紅音は「方がついた」と何処か安心そうに呟くと、佛失の方を向いて煽るように憑依武装させている爪を構えながら言う。
佛失「…ッチ。『魔機武装ォ!』………クソッ!今日はこの辺にしといてやる!5010!そしてそこの獣人に意味不明な男2人!覚えてろぉ!ギャハッハッハ…!」
すると佛失は舌打ちをして『魔機武装』とブレスレットを構えながら叫ぶとトリガリングを武装させる。そして飛びながら乱れ撃ちを紅音やアリスタさんに放つと、捨て台詞を吐いて逃げる。
紅音「おい待て!……ッチ、いやまた今度痛いのをぶちかましてやるか…それより、大丈夫か!そこの獣の女がっ!?」
紅音は追いかけようとするが、舌打ちをしてまた今度と諦めるようなことを口にすると憑依武装を解いて、ルンルンした足踏みで大丈夫かと言ってアリスタさんに近づこうとするが、何処からか現れたウルフヘアの男と角のようなものがおでこに生えたショートカットの女子高生に踏まれて阻止される。アリスタさんから見ればその2人はすぐに人間ではないとわかるだろう。
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