奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>アリスさん
モブ「うぇっマジか!?よーし、じゃあ頑張るっきゃねぇなぁ!!」
子供とはいえ、一応モブたちからすればお嬢と呼んで可愛がっている(主にいわれたことをやったり自主的に手伝ったりしてるだけではあるが)ので、割となにかしてもらえることはちゃんとご褒美と思ってるらしい。……彼らの名誉のために言っておくと、決して全てがそういう趣味では断じてない。カタカナ四文字の社会的不名誉な呼び方のアレではない………キタのモブの中にガチなやつが極小数いることを除いて。
もふ「めへー、ご褒美はともかくもふは負けず嫌いだから頑張るよー。」
外導「まぁゲームなんで、やっぱ勝ちたいっすよねー。逆にアリスっちが勝ったら好きな誰かにひとつお願いごとをしていい、ってことにするっすか。」
外導が口約束とはいえそんな条件を追加し、彼らは逃げる側としてゲームを進行するが……とりあえず、まずモブのゲームの腕はよくない。端的に言えば見つかりやすく読みやすい、いかにも初心者な動きをしている。外導ともふは…まぁちょっと上手いくらいの腕だろう。
>ナツさん、キタアジト
モブたち「んー、それはなんとも友人から向けられればありがたい言葉ではあるんだけど…」「なんかその光景が予想できるっつーか。」「多分普通にやってみたら大半の観客はシーン、としてて滑ってるような。」「んで、その様子を見たナツさんが内心でひっそりと笑ってる様子がありありと浮かぶというか。」
外導「なんなら録画もされてアジトでばらまかれそうっすよね。あ、ちなみにそんときは多分自分も内心で笑って高みの見物してるっす。」
>アルタイル支部、銀河さん
IX『…っ!?』
取れる、と思っていたIXは突如起こった予想外の事態に対処しきれず…小石の直撃を受ける。銀河さんが加減したとしても、上空からの加速と小石が向かい側から飛んできたことで、1部の小石は常に張っていた身体を保護する風の膜を破り、服と皮を突き破り人体に突き刺さった。風の膜のお陰で貫通まではしなかったものの、それは明確な痛手。攻撃の勢いも止まり、明らかに不利。
IX(効果が、無かった。カウンター食らった。あの魔法、見たことない……右手、ダメージで感覚鈍ってる。どうしよう、殺せない。役割はたせない。……どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよ)
IXは殺害が成功したことはあっても、失敗した経験がほとんどない。その殆ども、あくまでシミュレーションか訓練…実践の失敗はない。自分の中の想定が崩れ、アイデンティティとしていたものが失われようとしていることで、動転する思考。それはあくまで隕石をくらい、空中でよろめいている間の数秒間の出来事。
プランが崩れ、そもそも等の目的も忘れ、動転し続けたIXは……
IX(どうしようどうしようどうしようどうし--------)
思考が停止し、身体だけが動いた。IXの体躯が地面に着地する寸前で魔法の反応。IXの目の前にいる銀河さんを吹き飛ばすためだけの、魔力で起こした暴風。後ろにあった木々の幹に打ち付け、枝葉を吹き飛ばし幹にミシミシと悲鳴をあげさせるほどの暴風を、躊躇なく放った。暗殺や殺害目的というよりは…「滅殺」するような、制御も思案もない力任せの戦い方を、IXは本能的に選んだ。
>龍さん、繭さん
維吹「そうなんですか、」
(「ここは公共の場だから戦わないにしても少し怖いな…」と思いつつ返事をする)
>村田さん 龍さん
繭「はい!ちょっと前に知り合ったんですよ、村田さんと龍さんもお知り合いだったのですね、良ければご一緒に回りません?ゲームセンターなんて初めて行ったので」
(一緒に回ろうかそう提案して)
>斑鳩刹那さん
『了解した。』
大方のゾンビを蹴散らし最初のボスが登場すると今度は刹那からの指示が飛ぶ。
どうやら刹那も中々にやる気になっている様だ。
その事を嬉しく思いながらユーリはボスの弱点を寸分違わず撃ち続ける。
するとボスも弱点を責め続けられた事が原因か、弱点をモロに晒しながら硬直する。
どうやら弱点を的確に攻め続けた事でチャンスが訪れたらしい。
『刹那。ボスが動かなくなった。私と共に頭部を撃ち抜き続けて欲しい。』
今プレイしているこのガンシューティングゲームは二人プレイの場合にはそれぞれのプレイヤーの攻撃力は減少しているが、二人が同じ箇所を撃つ事でシンクロショットが成立しゾンビに与えるダメージが増加するというシステムが存在する。
二人プレイではこのシンクロショットを如何に上手く出来るかがゲーム攻略の鍵となっている。
その証拠として動かなくなったゾンビの頭部には二人のパレットアイコンとは別にショットの文字のアイコンが出現している。
どうやら弱点を二人によるシンクロショットで撃ち抜かなければ硬直状態のボスに思った様にダメージを与えられないらしい。
ボスの硬直を確認したユーリは刹那に素早く指示を出すと即座に頭部を狙い撃ち続ける。
後は刹那とのシンクロショットを成立させるのみだ。
>ユーリさん
「分かった」
ユーリの指示が出るやいなや、素早く標準を頭へと切り替える。弾丸をリロードする時に発生する隙もごくわずかに、拳銃はマシンガンのように弾丸を放ち続けた。
硬直状態のボスは弱点である頭部の弾を喰らい続けると、やがてゆっくりと倒れる。「First Stage Clear!」という文字が画面に現れるが、その後現れたアニメーションは通常のものと違う。通常ならボスを倒した主人公二人が街を脱出する内容だったが、今回の主人公二人は街の入り口で立ち止まっていた。どうやら森と出口、どちらに行こうか迷っているらしい。
『あ、あれは「Bonus Stage」……!クリアするとゲームセンター側からプレゼントが来るという伝説の……!しかし難易度は高く、10段階中の9、いや最高難易度の10ほどあるとの噂……!』
『難易度4以上のステージをノーミスでクリアすると出るというが……二人プレイだった場合、「二人とも」ノーミスであることが条件……まさか達成しちまうとはなあ!』
やたらと都合のいい観客たちが、異変の正体をご丁寧に説明してくれる。その間にもアニメーションは進み、街の出口に行けば通常ステージ、森に行けばボーナスステージと表記されている。それを見て、刹那は不敵に微笑みながら口を開いた。
「何か……結構ヤバいステージがあるみたいだね。どうしようか?」
>外導サマ、もふ、モブズ
ほらほらァ、逃げる気あんのぉ!?
離れすぎるとバットサーチで見つけるわよ!
さっ、捕まえたァ!
(アリスが操るオバケ、リジーは
バットサーチという能力を使用して
遠くの相手を見つけてしまう。
バットサーチもありモブが見つかって
モブが捕まって檻へと入れられる。
残りはもふと外導サマだけ。)
>斑鳩刹那さん
『No Ploblem。それに今日はこれだけの観客がいる。是非とも盛り上がって欲しい。』
イヤに発音の良い声で自信有り気に言うユーリは迷う事なくボーナスステージである森の方を選ぶ。
すると通常であればそのままステージが始まる筈なのだが、難易度の選択画面が現れた。
どうやらボーナスステージに限定適用された難易度らしく難易度によって敵の体力、攻撃力、敏捷性、当たり判定の範囲等に変化が生じる様だ。
難易度選択画面には【Easy】【Normal】【Hard】の3つが表示されている。
【一体どれを選ぶつもりなんだ?】
【Easyでも難易度6か7はあるって噂だからな。ここは無難にEasy、よく行ってもNormalじゃないか?】
【いや、この二人ならもしかしたらHardもワンチャンあるかも………。】
そんな観客の期待を他所にユーリは空いた片手で選択ボタンを押す。
そしてデフォルトでEasyに固定されている矢印が3つの選択肢を行ったり来たりし始めた。
【流石に簡単には決められないみたいだな。】
【熟練者でもHardまでいけば中々クリア出来ないからな。無理も無いよ。】
中々決まらない選択肢に観客達はそれぞれの想いを口にしていた。
しかしそれにしては………一つだけ妙な事があった。
それはユーリが選択に全く関係無いボタンを時折押していたのだ。
方向キーを疎らに押したかと思えば関係ないボタンを何かのコマンドの様に迷い無く入力している。
そんな奇妙な行為に周囲も違和感を感じ始めた―――その時だった。
突如鳴り響いた突発な効果音
それと共に難易度選択画面には一つの変化が生じていたのだ。
そこには
【Easy】【Normal】【Hard】
ここまでは変わらないのだがその隣に
【Very Hard】【PLAYER MUST DIE】
2つの新たな難易度が追加されていた。
【なっ!何だアレはっ!?】
【隠しコマンドっ!?あんな選択肢見た事無いぞっ!?】
隠しコマンドによって突如出現した異例の難易度に観客達は驚きの声を挙げていた。
だがそれも無理も無い。
Easyでさえ上級者でも気を抜けばワンコインクリアは困難と言われる程の難易度なのだ。
Very Hardは言うまでもなく、ましてやその上の難易度である【PLAYER MUST DIE】などどれ程の鬼畜な難易度なのか。
【PLAYER MUST DIE】
意味は【プレイヤー死すべし】
正にプレイヤーを文字通り殺しに来ているとしか思えない様な頭の狂った難易度設定をしているとしか思えなかった。
その上【PLAYER MUST DIE】のアイコンだけアイコンウィンドウが禍々しいモノとなりアイコンを二体の死神が支えているグラフィックとなっている。
妙な凝り具合に製作者のこの難易度への気合の入れ具合が見て取れる様だ。
『【Very Hard】は設定難易度の10に該当している。そしてこの【PLAYER MUST DIE】はガンシューティングの世界に住む猛者達のやりこみ要素の一つとして製作者が遊び心を込めて作った難易度。敵の攻撃力はボスなら一撃でも貰えば即死。雑魚敵のゾンビでも2発貰えばおしまい。敵の体力は2倍。敵の速度は1.5倍程に強化され、ゾンビの出現頻度、場所も大幅に上がっている。そして最大の違いは………雑魚敵がシンクロショットでなければ倒せない仕様になっている。』
やはり鬼畜と言っても差し支えない。
いや、それすら生温く思える様な頭のおかしいレベルの難易度に大抵のプレイヤーなら裸足で逃げ出す程だろう。
『私は一向に構わない。貴女に選んで欲しい。刹那。…………私と共に人外の世界に踏み込んでみる?』
そんな難易度でもユーリは余裕の表情を崩さない。
いや、そもそも隠しコマンドを知っている時点でユーリは過去に何度もこの難易度をプレイしているに違いない。
そうでなければこの余裕に説明がつかないのだ。
>アリスさん
モブ「げぇー!?あっさり捕まったー!?」
外導「あちゃー、見つかんの結構早かったっすねぇ…あ、やべ」
モブが見つかった一方、アリスさんの方にちびオバケからの知らせがあった。外導のキャラがマップの四隅のうちの一つで、不動状態で隠れていたらしい…どうやら外導は定石を知っているような感じだ。外導のいる位置へ向かえば遠く、檻から離れる……そして外導が追われている間に、片方のもふが何処かから檻の解放を実行するかもしれない。
ちなみに、外導のキャラを捉えることが出来たなら…もっているランタンの色が水色、つまりは当てにくい代わりにスタン時間が長いものだ。
>外導サマ、もふ、モブズ
もふを先に狙おうかしら。
それ、行くわよ。
もふー、覚悟しろー!
(報告を受けて悩みに悩んで
もふを先に探すことにする)
>雪音さん
凛夏「ほんと?あ、ありがとう…!!私は…漫画か小説……かな。うん、行こう…本屋さん」
(雪音さんに了承されると嬉しさから笑顔で感謝を伝え。誰かと手を繋ぎながら歩くのは久しぶりなのでその手の温かさが心に沁みて少し泣きそうになるがすぐに表情を戻す。雪音さんに買う本について話すと手を繋いだまま遅れないよう歩き出す)
>キタアジト・外導さん
ナツ:
それが本当に"内心からでも笑えるネタ"であれば良いんだけどね~。所謂"お蔵入り"になりそうなネタとかだったらボクが闇ネットに横流ししてブラックジョークに変えたげるよ~。元々笑えるネタすらも笑えないネタに変えちゃうような地獄門みたいな場所だけど。
>アルタイル支部・Ⅸさん
銀河:
―――っとっとっと!
(先の動作とは明らかに様子が異なるⅨさんの動き。先ほどまで何かしらの策を講じるかのように慎重じみていたモノから転じて、今のⅨさんの様子は……どう考えても"動転している"。
端的に言うならば、思案する事も策を講じる事もしないでただ力任せに魔法を行使している"だけ"。…というか、むしろ考えすぎて思考も何も纏まらないままヤケクソになって攻撃しているとしか思えなかった。暴風によってコートを捲り上げられ、左手でバッとそれを戻してから、理性ではなく本能の赴くままに力を行使するⅨさんを見据え、銀河は少しばかり思案する。)
銀河:
(マスク越しだからあんまし分かんないけど…ありゃ相当狼狽えてるねぇ。もしかして、実戦経験とかあんまり無くて、マニュアル通りの事しか出来ないタイプだったりするのかね…?……ふむ。こりゃちょいとばかし"荒療治"になるかもしれないけど、失敗や挫折を知らないモノに進歩無し、とも言うからね。ここはちょっくら一肌脱いで、世の中、中々自分の思う通りに事は運ばないという事を、"ぼく"が教えてあげましょう―――!)
(本能的な暴走状態に陥っているⅨさんの気が済むまで、そしてその魔力が一時的に底を尽きるまで、彼の魔力と力をとことんまで絞り出させる策を講じた銀河は、一瞬だけ"過去の自身"を垣間見せながらも、シルバーレイクスタイルから"ギャラクティカ"へと魔法スタイルを変更した。右手には地球上の文明技術とは根底から異なるような黒い剣を握り締め、左手には小規模のブラックホールを、頭の上には"銀河"を模した光輪が現れる。)
>ユーリさん
「私を選んでくれるなら……そうだね、行こう」
ユーリの表情を見て、刹那は再び銃を構える。その標準は、まっすぐに「Player Must Die」と禍々しく描かれたロゴに定められていて。一瞬ユーリに向かって不敵に微笑むと、すぐに画面に視線を戻す。決意を示すようにロゴを撃ち抜くと死神の悲鳴が響き、「Game Start」という赤い文字が画面いっぱいに表示されていた。
『あの二人……マジでやるのか』
『というかアレ見てみろ!よくゲーム内の処理が落ちないな………』
ゲームが始まった瞬間の画面は、どよめく観客たちが実況しているだろう。筐体やソフトもスペックの限界を尽くしただろうゾンビの数は、玄人はだしとも呼べる。さらにゾンビの強さや速さ、攻撃力も先ほどとは比べ物にならない様子だった。
「頼むよ、ユーリ」
その状況に、刹那は一言だけ呟くと銃でゾンビを狙い、淡々と撃ち抜いていく。しかし倒れるかは分からない。何故ならこの最高難易度は、プレイヤーの個人的な力量だけでクリアできるものではない。「シンクロショットでないと敵を倒せない」というルールにもあるように、実力は勿論のことパートナーとどれだけ息を合わせられるかがクリアの鍵を握っているのだった。
>アリスさん
外導「おや、自分の方は位置だけ把握で放置っすか。」
もふ「めへへやー、もふはそう簡単につかまらないよー。」
外導はともかくもふはプレイ経験はあると見れば、順当に考えて…他プレイヤーと被らない位置に逃げていると思われるので、恐らくもふの居場所は反対側だろう。それも、不動ではなくちょくちょく移動してぷちおばけを避けている動きをしているだろう。キャラ固有の索敵スキルを外導の対角側へ使えば、程なくしてもふは見つかるだろう。
>ナツさん、キタアジト
モブたち「闇ネット?いわゆるダークウェブとか深層ウェブとか言われてるアレ的な???」「やべーよ、出来る人かもと思ってたけどこの人そっちもやれるのか…」「俺たちが平凡すぎるだけで、うちって悪の組織だからな…らしいっちゃらしいけどよ。」「住所特定とかウイルス送り付けとかされるん??社会的地位失墜させられるん?勘弁してクレメンス。」
何故か異様に怯えるモブたち。嫌な経験でもあるのか、そもそも未知で危なっかしいものに怯えてるのか、ナツさん関連でネットを介した行為に恐怖心を抱いているのか……なんなら全てあてはまりそうではある。
>銀河さん、アルタイル支部
IX(価値を示さなきゃ、意義を貫かなきゃ。じゃなきゃ俺が、私がやってきたことは---)
銀河さんの推察通り、今のIXの暴走は焦りや動転、ヤケクソのそれだ。が、そこから放たれる攻撃に関しては…常人がしっかり対処しなければならない戦い方になっている。
暴風が止みかけると、暴風となって吹き荒れていた魔力の風が突如として変異……先程の後頭部への座標を指定した攻撃のように、魔力の塊となって四方八方から銀河さんへぶつかろうとしていた。
それはIXが得意とする戦法……移動や殺傷性のない風の魔法の残滓を、害のない余波としてその空気に停滞させ……任意のタイミングで攻撃魔法へ転換させ奇襲させる技。あの時の後方からの風の塊も、その直前にやっていた「風の魔法のブーストをかけたナイフ刺突」の際の余波を銀河さんの背後に残留させ、利用したことが判明するだろう。
その風の攻撃魔法の包囲網で仕留められるかは定かでは無いが……それがいっせいに放たれると同時に、IXが右手で十字を切る動作を取ると、周囲の攻撃魔法とは比較にならない威力の、十文字のかまいたちが放たれる。明らかに人に対してはオーバーキルすぎる威力で放ったそれが、おそらく本命。攻撃魔法の包囲網で仕留められるずとも、それで足止めをして本命の十文字のかまいたちで仕留める……そういう算段らしい。
>外導サマ、もふ、モブズ
バットサーチ!
...そっちね、意外と近いじゃない!
(能力で位置をサーチすることで
もふを発見し追いかけ始める)
>斑鳩刹那さん
自信満々のユーリであったが、ゲームが開始されて暫くするとその表情に次第に焦りが見え始めていた。
通常のゾンビも途中までは体力が増えたとはいえ今まで通りにダメージが通るのだが、最後の一撃はシンクロショットでなければ倒せない。速度も今までとは比べ物にならない程に上昇しているので体全体ならともかく頭部をピンポイントにシンクロショットするのはかなり難しい。
そして極め付けはそよゾンビの数である。
何しろちょっとでもゾンビを倒すのに手間取っていると次から次へと湧いてくるのだから溜まったものではない。
刹那も相当な腕前ではあるのだがやはり個々の実力は高くても二人の完全な息のあった連携射撃というのはこの状況では難しいものがある。
『くっ!』
次第に後手後手になっていく射撃
ユーリも感じていた。
このままではいずれやられてしまう。
なんとかしなければ…………。
その時
ユーリにある名案が浮かぶ。
(『アレならいけるかも……。』)
それは以前テレビで見た事のあるワンシーン。
いつだったか見たスポーツ番組のスポーツ初心者を上級者のコーチが手取り足取りに指導する際の光景。
それはユーリもだが何より刹那にとってはかなり恥ずかしいかも知れない。
だが、この場を凌ぎ切るにはコレしか無かった。
『お願い刹那。協力して欲しい事がある。』
ゾンビを撃ち抜きながら刹那にそそくさと身体を寄せていくとユーリは刹那に一言そう告げる。
次の瞬間
ユーリは空いた手で刹那の外側の肩を自分の方へと引き寄せると刹那の銃口がブレない様に刹那の手と銃に自らの手を添えた。
当然その状態だと互いの顔が必然的に近くなる。
ユーリは刹那を背中から包む様な感じで支え銃を構えた方の手を刹那の顔の横から画面に突き出した。
『刹那。絶対にトリガーから指を離さないで。』
そう、ユーリが言っていたアレとはテニスの指導などである一人がもう一人の背中から動きを矯正するというモノだった。
だがコレは刹那にとってかなり恥ずかしいに違いない。
何しろこれだけの公衆の面前でカップル行為を晒している様なモノなのだ。
二人きりでするのとは訳が違うのだから。
体勢を取ったユーリ。
そこからは正に形勢逆転という言葉がお似合いの展開となる。
二人の照準カーソルが常に重なった状態。
まるで始めから一つしか無いのでは、と錯覚する程に2つの照準カーソルは完璧に動きがシンクロしていたのだ。
そしてユーリと刹那の反撃が開始されていく。
>キタアジト・外導さん
ナツ:
余程の事が無い限りはそこまでしないけど、基本ああいうのに手を出すタイプは怖いもの知らずか余程の大バカかの2択だからね~。ボクの場合は面白そうだから見てるだけなんだけど、たまに見てるだけの人にも噛みついてくるのがいるんだよ。そういうのには先んじて黒幻に個人情報と住所を逆探知してもらって、あとはDMを送り付けてネットから離れたくなるまで猛追。あんまし感情的になりやすい人は向いてない場所だからね。丁重にネットから身を引かせた方が一番いいのさ。
>アルタイル支部・Ⅸさん
銀河:
中々使い勝手の良い魔法じゃあないか!いや、気が動転していても技量が身体に染みついているキミの機転が良いのかな?まあ何にせよ、耐久戦はこう見えて得意なんだゼ!?
(銀河はそう吠えると、右手に握り締めている黒い機械剣を下段に構えた。途端、機械剣の刀身に仄かな星の輝きが纏い始め、それが刃渡り全てに行き渡った瞬間、銀河はその身を捻って時計回りに一回転すると、無数の黒い剣状の斬撃が、銀河を囲んでいた攻撃魔法の包囲網へと向かっていく。
それら全てが、宇宙由来の魔法である事は銀河のような規格外以外に知る術が無い。風の魔法への迎撃にはこれで十分だと判断したようだが、正面から襲ってくる十文字のかまいたちにはまた別の手段を行使した。
左手のブラックホールをかまいたちに向けて翳す。すると、ブラックホールの奥から稲妻のような形を得た真空刃が、かまいたち目掛けて途轍もないスピードで襲い掛かってきた。)
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