no name 2020-08-12 12:06:44 |
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……あ、うん。
(つい夢中で読み進めた海の写真集をゆっくり閉じ、本棚へと返却すると、お店を出て。ダイビングの器材を買い揃え、後はお祭りが始まるのを待つだけ。行き交う人々の中には浴衣や甚平を着ている人がちらほらと見え、「……浴衣、着てくればよかったね。」と苦笑を漏らしつつ、「……浴衣、着たい?」と相手はどうかと様子を窺い)
……湊くんは、私の浴衣姿、見たいですか?
(一緒にお店を出ると、そっと自分から相手の手を取って手を繋ぎ。それから相手に尋ねられると、浴衣と甚平姿の恋人同士と思われる人達を見てから相手を覗き込み、先程の微妙だった雰囲気を打ち消すかのように、悪戯な笑みを浮かべて逆に問い掛けてみて。正直、自分は浴衣が似合う体型ではないと思っていて自信は無く)
見たいよ。綾愛は、きっと浴衣が似合うから。
(相手から率先して繋がれた手にどきりと緊張しつつ、指を絡めて握り返し。浴衣を着て下駄の音をカランコロンと鳴らしている女性の姿を相手に当て嵌めると、相手の頬に触れて。「……綾愛が着るなら俺も浴衣着るよ。色々な綾愛を見たい。」とふわ、と優しく微笑み)
……私、浴衣は似合わないですよ。
(頬に触れられると、そこから熱が伝わっていくように頬を染め、相手を見上げてポツリと。「でも、湊くんも着るなら、私も着たいです。」と、相手の浴衣姿を妄想しては頬を緩め。男の人と浴衣で出掛けるなんてことも、今までしたことがなく)
……大丈夫、絶対よく似合うから。
(じいっと相手を見つめると、ふっと柔らかな笑みを。話しているうちに相手が浴衣を着ることに前向きだとわかり、嬉しげにそうだね、と頷いて。「まだ時間あるし、せっかくなら自宅に戻って着替えてから行く?車で送るし。」と腕時計を見たあとに車の鍵を見せ、尋ね)
え、いいんですか? …じゃあ、お願いします。
(まさか浴衣でお祭りに行けるとは思っておらず、相手の提案に目を丸くして。しかし、また相手との思い出が増えそうな予感に、表情を崩して素直にお願いして。それから頭の中では浴衣や帯などがしまわれている場所を思い出そうとしていて)
楽しみだね。これからもたくさん思い出作らないと。勿体ないし。
(こく、と頷きながら柔らかな笑みを見せると方向をコインパーキングへと転換し。支払いをして車を開けると、すぐに運転席へと乗り込んでエンジンをかけて相手のアパートへと車を走らせながら、「実はね、"せっかくのお祭りに浴衣着ないでどうするの"って妹に言われてたんだ。準備してもらってたんだけど…やっぱりダイビングの器材買うには浴衣だとちょっとね。」と苦笑しながら肩を竦め)
(相手に付いていき、車の傍まで来て鍵を開けてもらうと助手席に乗り込み。車内で相手が妹から言われたという話を聞くと、「……そうですね。ダイビング用品を買うのに浴衣は着ていかないですもんね。」と、また妹さんへの嫉妬心が僅かに芽生えつつも、心の奥にしまって笑顔で言葉を返し。しばらくしてアパートの近くまで来れば相手へ顔を向け、「湊くんも、一回おうちに帰りますよね?」と確認してみて)
うん。浴衣着替えて一緒に行きたいし。あ、浴衣持ってきて綾愛のとこで着替える方がいいかな。
(相手の嫉妬など知る由もないためか、頷き笑顔で運転をしていき。あっという間に相手のアパートへと近付くと車をアパートに寄せつつ、停車させると少し考えて相手に了解を得ようと尋ね)
はい。もちろん、うちで着替えてもらって大丈夫ですよ。
(相手からの提案に快諾し、笑顔で頷いて。それから送ってもらったお礼を述べて、車から降り、自分の部屋へ。部屋へと戻ればクローゼットへ行き、奥に置いてある衣装ケースを開けて、そこから浴衣など一式を取り出して。着付けが出来るか不安ではあるが、やり方を思い返しつつ、先に髪を簡単にセットしようと洗面台へ)
(快諾をしてくれた相手を送り届けると、自分もマンションへと車を走らせて。駐車場へと車を入れると、自分の部屋へと歩き出し、鍵を開ければリビングに置いておいた浴衣セットの入った紙袋を手に、相手のアパートへと戻ってピンポン、とインターホンを鳴らして)
はーい。
(結局髪型もまだ決まらず、軽くサイドに流した状態で玄関へ。扉を開けて笑顔で相手を招き入れて。「…湊くん、着付けは自分で出来ますか?」と尋ねながらリビングへと相手を通して)
ああ、うん。昔じいちゃんが教えてくれたから。
(髪をサイドに流している相手にドキッと一瞬ときめきを覚えるも、そのあとをついていきリビングへ。祖父は昔の人間で浴衣や着物などが好きだったため、教わっていたことを思い出して答え、「綾愛は大丈夫?何かあれば手伝うからね。」とリビングに紙袋を置き)
私も前に母に習ったことがあるので… やってみてダメだったら助けを求めるかもしれません。
(考えつつ話し、最後は苦笑気味に笑んで。「じゃあ、私はあっちで着替えてきます。」と、寝室を指差しその方へ。寝室に入ると早速着替え始め、胸はサラシを巻いて押さえ、腰にタオルも巻いて体型を整えてから浴衣を着て、丈などを調節して。帯も前で何とか結んでから後ろに回し、姿見で全身を映すとそれなりの形に。髪型はそのままに、化粧を軽く直して)
わかった。
(相手の話に頷きながら、寝室へ消えていく姿を見送ると祖父に習った通りに柔らかなグレーの浴衣を着て、腰紐、そして帯を結んで。暑さを凌ぐためにと扇子を用意し、下駄を玄関へと置くと巾着に携帯やハンカチ、財布などを入れ手にして。相手の様子はどうかと窺うように寝室の扉をノックし、「綾愛、大丈夫?」と尋ねて)
湊くん。…素敵ですね。 …後ろ、変じゃないですか?
(ノックされると扉を開け、ほぼ仕上がっている浴衣姿で。淡い水色を基調とした花柄の浴衣に、表は落ち着いた黄色で裏は赤の帯をリボン型に結び。目に飛び込んできた相手の浴衣姿に暫し見惚れてから、後ろを向いて確認をお願いして。サイドに髪を流して纏めているため、片側のうなじもあらわに)
ありがとう。……うん、変じゃないよ。綾愛こそ綺麗だ。
(相手の浴衣姿に見惚れ、胸の鼓動は高鳴るばかり。必死に言葉を探していたが在り来りな言葉しか出てこず帯を確認しつつ、思わず視線を伏せがちに照れ笑いを。そして、「……準備できたし、行こう。」と玄関へと歩いていき)
……ありがとうございます。
(綺麗と言われれば嬉しくなり、はにかんでユルリと体を揺らして。「あ、…はい。」と返事をしてから、急いで巾着に諸々を入れて追うように玄関へ。玄関横の収納棚を開けて黄色の鼻緒の下駄を出し、それを履いて出て鍵を閉め)
……ちょうどいい時間だね。
(下駄を履き、相手の部屋を出ると腕時計を見るとちょうどよく夕方に差し掛かっていて。まだ少しだけ歩くため祭囃子は聴こえては来ないが、アパートを出ると人は少しずつ増えていき、「屋台で何食べる?」と相手の手を取ると優しく尋ね)
うーん… りんご飴は、食べたいです。あと、たこ焼きとか。
(慣れない下駄は歩きづらく、手を繋いでくれることに笑みを溢し、下駄の音を響かせながら歩き。相手からの問い掛けに、少し考えを巡らせてからニコッと笑んで答え。「湊くんは、何食べたいですか?」と、隣の彼に視線を上向けて首を傾げて)
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