神ノ木 集 2020-08-10 21:17:15 |
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「よし、それじゃ…ちゃんと掴まっててね?」
(花子は貴方が乗ったのを確認すると、悪戯っぽく微笑んでふわりと宙に浮く。)
ひゃっ!?(少年の身体が空中に浮き上がると少年特有の高い声で悲鳴を上げるも、身体に辛うじて纏ったままのとても大きな服を靡かせ空高く舞い上がり空中からの景色に目を奪われていて)
わぁ…
「ふふ、綺麗でしょ?ここ、お兄ちゃんのお気に入りの場所なんだ。…それじゃ、皆月先生の所行こうね。」
(花子はしばらく空中に留まった後、優しい声を掛けて地上へと降り立ち、皆月篝の住むマンションのインターホンを押し)
…ふぁ…はーい…皆月です。
「はーい、こちら花子でーす。」
(花子の声を聞くなり皆月篝は欠伸混じりの返事をしながら扉を開ける…が、花子が背負っている少年に目を丸くして驚き)
(少年の背にしがみついたまま、やはり見知らぬ場所に到着してはそのままドアの向こうから姿を表した相手の顔を不安げに見ていて)
…花子。これ…もしかして「お遊び」か?
「そ。ま~たあの子の「お遊び」。
も~…ホントどこの誰だよ、今年の封印忘れたの!こっちも面倒くさいんだからさぁ!」
(カガリビサンと花子は何か知っているらしく、カガリビサンは一度貴方の顔を見てため息を吐く。花子は花子で怒っており、頬を膨らませて地団駄を踏んでいて)
「あっ、ごめんね。君は悪くないんだ。
お名前、お兄ちゃんに教えてくれるかな?」
(花子は貴方を背負ったままだったことにようやく気付いたらしく、慌てて笑顔になって謝る。)
「集くんかぁ。お兄ちゃんは花子。
で、皆月先生は篝って言うんだ。」
(花子はようやく背中から貴方を降ろし、同じ目線になるよう屈み込んで笑う。)
…かがり、せんせ…?(キョロキョロと少し不安げに辺りを見回していたが、少年から名前の説明を受ければ子どもらしい丸みを帯びた双眸で相手の元へ今の身体にはとても大きな服をズリズリとしながら側に歩み寄り、相手の事を見上げコテンと首をかしげて。全く知らない人、その筈なのにこの安心する気持ちは何なのだろう、と不思議な感覚を幼心に感じていて)
「懐かれてるねぇ、篝先生?」
(花子が茶化すように笑うと、皆月篝は一度息を吐いて貴方の頭に手を置いてわしわしと撫でる。)
「でも…服とかどうする?篝先生は怪異だから…元々その格好でしょ?僕はこれ一着しかないしさぁ…。」
(花子は自分の学生服の裾をつまんで困ったように眉尻を下げ、皆月篝の服を指差す。)
…いや、ちょっと待っとけよ。
(皆月篝は何か心当たりがあるのか、一度部屋に引っ込むと子供サイズの着物を持って戻ってきた…)
「げ…それマキちゃんの代えでしょ?入るの?」
知らん。子供サイズのはこれしかない。
(皆月篝は投げやりに答えると子供サイズの着物を花子に押し付け。花子は渋々といった表情でその着物を貴方に見せ)
「あー…一応入るっぽいね。着せとく?
ずっとこの制服ってのもアレでしょ。」
(花子はサイズを確認し、皆月篝に伺いを立て。)
ま、着せといてくれ。
「はいはーい。集くん、お兄ちゃんについてきてくれる?」
(花子は軽く返事を返すと着物を持ったまま貴方に微笑みかける。)
ん…!(少年からの提案に頷いては地面にずり落ちて足で押さえつけるようにしてたからこそほぼ全部が土汚れまみれになってるズボンや袖口や裾が地面についたままで首回りも辛うじて肩に掛かってるお陰で落ちてなく、まるでロングコートとワンピースのようになってしまってる上着やシャツなどのまま少年の方へ歩いていき)
「じゃあお着替えしよっか。」
(花子は皆月篝の部屋の中…彼の寝室へと貴方の手を引いていき、汚れた大きな服を脱がせるとそれを洗濯機に放り込み、手に持っていた市松模様の茶色い渋めの着物を手際よく貴方に着せ)
「はい、できた。」
わぁ…!かがりせんせ、ぼく、似合ってる?(手際よく着させられる着物に目を輝かせ、何だか違う自分になったようで楽しげに感嘆の声を漏らしてはクルリとその場で回りながら着物を纏った自分を見ており。そして相手の傍に駆け寄れば見上げながら問いかけて)
…お、結構様になってんじゃん。
似合ってる似合ってる。
(皆月篝は貴方の着物姿を見ると笑い、貴方をひょいと抱き上げてしまう。)
「なんか…篝先生がそうしてると幼稚園の先生みたいだよね。」
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