神ノ木 集 2020-08-10 21:17:15 |
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はいっ、分かりました(相手からのお願いに自分が相手に頼られている、その感覚が胸を焦がすほどに嬉しくてフニャリと緩んだ笑顔で頷きプリントを手に抱え相手と共に職員室へ向かい)
よいしょ…っと。
(皆月篝がデスクに最後のプリントをどさりと置く。まるでプリントが巨大な山のようだ…)
これで最後だな。いや~…ホント助かったぜ。
…すごい量ですね(デスクに置いたは良いものの、その量に目を丸くしポツリと呟き。本当なら手伝ったりしたいが、そもそも自分はただの生徒であり教師の身分である相手の仕事を手伝える訳もなく、モヤモヤとした気持ちはどうにも無くならず)
いや~…ついついプリント溜めすぎるんだよ。
また坂本先生に手伝ってもらわないとなぁ。…あ、手伝いありがとな。
(皆月篝は図星を突かれたように困って笑い、貴方の頭をわしわしと撫でる。)
っ…いえ。その、授業、まだあるのでこれで…もし、また、何か手伝えること、あるなら…言って、くださいね?(相手から頭を撫でられるとやはり心地よくとても安心できる…のだが、ドクドクと心臓が煩く鳴りまくり、顔が赤らんでしまう。それを知られたくないと午後の授業を言い訳に早く立ち去ろうとするもふともし相手が他の人を頼って欲しくない、なんていう謎の独占欲に駆られれば職員室を出る前にクルリと振り返り、まだ赤く色付いてるままそう言い残してダッと廊下を駆けて教室へ再び移動して)
ん、午後の授業頑張れよ~。
(皆月篝が呑気に笑顔で手を振って貴方を見送ると、横から花子がひょっこり顔を出し、責めるような口調でまくし立て)
「…あのさ、カガリビサン。まだあの子の気持ちに気付かないわけ?いくら怪異とはいえ、流石に鈍感すぎるってば!」
気持ちって何の話だよ、花子?
今から作業するから、邪魔すんなよ。
(しかしカガリビサンは全くぴんと来ていないらしく、首を傾げて)
(午後の授業中はどうしてもモヤモヤが気になってしまいやや心ここに非ずと言わんばかりにあまり授業が身に入らず。そして放課後、相手と会うのがどうにも恥ずかしく、そのまますぐに学校を後にしてしまい、帰宅途中の道でもモヤモヤとした思考のまま人気の無い道を歩き)
へ?…ぁ(思考に耽っていたタイミングでの背後からの童女の歌声に子どもでも遊んでいるのかと思い至るも、そういえば前にもこんな事があったような…と思うもそれはつい容易に振り返ってしまった後で)
「うふふ、いっしょにあそぼ?」
(貴方の背後に立っていたのは雪のように白い髪に、艶やかな着物を着た童女だった。彼女は口許を押さえて笑い)
っ…や、だ…(背後に立っていたその童女からヤバイ雰囲気を感じ取ったのか、明らかに恐怖に戦きその場にへたりこんでしまい。逃げなくては、その思考が張り巡らされることはないままに童女の接近を許してしまい)
「ふふ…かくりよで、わたしとずぅっとあそぶの。たのしみでしょ?…でも、おにいちゃんはおおきすぎるから、わたしとおんなじこどもにしてあげる。」
(童女はくすくすと笑いながら貴方に手を伸ばす…だが、伸ばされたのはその小さな白い手ではなく、まるで人形の腕のような…不気味な腕で。
彼女のその腕が貴方に触れるなり、貴方の身体は彼女と同じくらいの…まだ10代にも満たないような幼い少年へと変わる。)
「それじゃあ…いっしょにいこう?」
(それを見て満足げに笑う彼女が手を伸ばす…が。貴方と彼女との間にばちんと電撃が弾け、彼女は咄嗟に手を引っ込め)
「…なに、これ…。ねえ、おにいちゃん…おにいちゃんはべつのかいいにきにいられてるの?」
や、やぁだ…(童女の言葉にイヤイヤと首を振るも逃げるという手段の取れぬまま目線が下がり頭の中がグチャグチャと塗り変えられるような気持ち悪さに口を覆って。手を伸ばされ目をギュッと瞑るもバチンという音と共に恐る恐る目を開ければ手を引っ込めて痛そうにしてる童女の姿があり、その呟きから何の事、と戸惑いの言葉が浮かび上がるも幼心に感じる恐怖心から漸く逃げないと、という思考が追い付き慌てて立ち上がり振り返りながら逃げようとするも身長が変わってしまった事からなる身体の違和感、そして服の大きさに気付けぬまますぐに足を衣服に取られ転んでしまい、何で何でと涙を浮かべながら困惑しており)
「…それはさぁ…流石におイタが過ぎるよね?」
(闇から花子の静かな怒声が響き、お札が貼り付けられた血まみれの鎖が貴方の横を掠め、童女の腹を貫く。童女は微かな呻きを漏らしたかと思うと、悲鳴と共に消えてしまった…。)
「さて、と。大丈夫?お兄ちゃんはね、
花子っていうんだ。君のお名前は?」
(花子は学生帽をしっかりと被り直し、貴方に目線を合わせてその場にしゃがみ、子供に語りかけるように優しく微笑み)
…ひぅっ、うぅ…(幸か不幸か背後で何があったのかそれを知らず、耳を軽く小さな手で塞ぎ少しの間そうしてると目の前に年上のようにも見える少年の姿があり、思わずびっくりしてしまうと目尻に涙を浮かべて今にも泣き出してしまいそうで。何故自分は分からない場所にいるのか分からない恐怖、怖い怪物に狙われていた事の恐怖、それらにより目の前の存在が助けてくれた存在だと気付けぬままで)
「大丈夫、大丈夫だよ。もう怖くないからね。」
(花子は安心させるように微笑んだまま、貴方を優しく抱きしめる。)
う、うぅ…(少年に抱き締められればビクリと肩を震わせるも何故か感じる安堵感に少年の服を緩く掴んでヒク、ヒクと声を上げぬままに泣き始め)
…だぁれ、知らない…(涙を浮かべたまま少年の提案を聞くも、幼い記憶に相手の存在など有る筈もなくフルフルと顔を横に弱く振れば不安げに呟いて)
「皆月先生はね、お兄ちゃんのお友達だよ。カッコよくて優しい先生なんだ。…乗る?」
(花子は笑い、思い付いたように貴方を背負う形になり)
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