神ノ木 集 2020-08-10 21:17:15 |
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「参ったなぁ…こりゃ。カガリビサン
呼んでこないとダメかなぁ…でもなぁ…呼びに行ってる間に狙われたりしたら目も当てられないし…」
(花子はどうやら自分の声が聞こえてもいないらしい貴方を見つめ、頬をぽりぽりと掻いて。しばらく考えた後、何を思ったか貴方をぎゅっと抱きしめ)
「ねえ、君。落ち着いてってば。
僕、悪い怪異じゃないからさ。」
っや、だっ…はな、せぇ…!(抱き締められれば大きく肩を揺らし、子どもがイヤイヤと言うように首を横に振りながら身体を捩り逃げ出そうとするも、少年の声に聞き覚えがあるのかその動きは緩慢で到底少年の腕の中から逃げ出せるものではなく)
…あれ、花子じゃん。そこで何してんの?
(そんな花子に、ちょうど勤務時間を終えて帰路に着いている途中だったらしい「カガリビサン」が声を掛ける。)
「あ、カガリビサ~ン!ちょっと助けて~!
この子、怪異に襲われかけて取り乱しちゃってさぁ!」
(花子はその声に安心したようにため息を吐き、
カガリビサンに呼び掛ける。)
っ、先生っ!助けてっ!(相手の声、そして少年の相手を呼ぶ声にピクリと反応を示せば少年に負けじと声を荒げ助けを求め再びジタジタと少年の腕の中で身を捩り)
…あー…花子、ちょっと離してやれ。
「はいよ~。」
(花子は軽い返事を返すと貴方を離し、カガリビサンの方に背中をとんっと押す。)
せ、んせっ…!俺っ、食、われ、るか、って、思っ…!(少年の手が身体から離れ、そのまま背を押されれば僅かに体勢を崩すもそのまま相手の姿を視認すればよたよたと拙い足取りで相手の胸元に顔を埋めるように抱き付いてはスリと顔を擦り寄せて切れ切れの言葉を紡いで)
…よしよし、怖かったよな?
もう花子が消滅させてくれたから大丈夫だ。
(彼は擦り寄ってくる貴方の頭を撫で、ぐずる子供でもあやすように背中を軽く叩く。)
は、なこ…さん…?(相手に抱き付いてると何故だか恐怖感は無くなってくるもので、ひく、ひく、と鼻を小さく鳴らすだけに治まってくれば相手の声が心地よく届き、そこでようやく泣き腫らした顔をオズオズと上げ、確か相手の友人だと話してたあの怪異だよな…と思いながら問い返し)
「そ。いや~、全然気付いてくれないから
焦っちゃったよ。…あー…なんかごめん。
あの祓具が良くなかったんだよね?」
(花子は苦笑いするとまた例の…お札が大量に張り付けられた血まみれの鎖を取り出す。)
…花子のはパッと見のインパクト強すぎるんだよ。
(カガリビサンは呆れたように肩を竦める。)
…その、ごめん、なさい…(声のする方へ恐る恐る顔を向ければ再び見えた血塗れの鎖に肩を再び小さく震わせ。しかし、それを使って自分を助けてくれたのだと分かると、先ほど拒絶してしまったことが申し訳なくなり、無意識に相手への抱き付きを強めつつも目線をやや下に下げて謝罪の言葉を述べて)
「あー、大丈夫大丈夫!
誰かに拒絶されるのはもう慣れてるしさ。」
(花子はにこっ、と年相応に幼い笑みを浮かべると鎖を消滅させて闇へと溶けた…)
…花子は、さ。昔イジメられてて…最後には、トイレに閉じ込められて衰弱死したんだよ。
(貴方の身体を抱きしめながらカガリビサンはぼそり、と低い声で呟く。)
…え、っと、その…(相手から語られる少年の過去に眉を下げ、オズオズと少年の方を見てどう話しかけようかと口ごもると自然と目線が落ちていき。しかし、オズ、と相手の身体を抱き締めていた手を名残惜しげに離しては、少年の側へ歩み寄りその手を取れば小さな声であったが、感謝の言葉を述べて)
その、ありがと…助けて、くれて…
「…へ?」
(花子は感謝されたことに理解が
追いついていないのか、しばらくきょとんとした
瞳をしていて。)
「…その。どういたし、まして?
…ははっ、なんかイイね。こういうの。
昔はこんなの出来なかったなぁ。
…じゃ、今度こそまたね!」
(しばらくすると彼は照れ臭そうにくすくす笑い始め、元気に手を振って何処かへ消えてしまった…)
…その、怪異、にも良いのって、他にもいる?(少年の嬉しそうな笑顔にホッと胸を撫で下ろしつつ何処かに消え去った少年のいた場所を見ながら呟くように問い掛けて)
そりゃな。怪異が皆悪い奴なわけじゃねーし。
まず花子だろ、…まあ、あのいっつも陰気臭い管理人も一応そうだな…後は…「首折りさん」に
「マキちゃん」もそうか。
(カガリビサンはその言葉を聞いてぱっと笑顔になると、指を折り、首を傾げながら怪異達の名前を挙げていく。)
…あと、カガリビサンも、ね?(相手の笑顔を見ると何故だか自分も嬉しくなり頬を緩めては相手の紡ぐ良い怪異の名前に付け加えるように相手の事を羅列すれば少し悪戯っ子のような笑みを浮かべ)
…ね、先生。その、俺の住んでるマンション前まで、ついてきて、くれないかな…?(相手に抱き締められるととても心強く、安心する。けれどここで別れてしまったらまた襲われるかもしれない…そう思ってしまうとジワリジワリと恐怖が込み上げてくれば、相手を見上げつつ首をかしげ問い掛けて)
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