神ノ木 集 2020-08-10 21:17:15 |
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「あ、そんなに警戒しないでよ。
別に食べたりしないからさ。僕は花子。
聞いたことくらいあるでしょ?」
(花子と名乗った少年はにこにこと微笑んだまま
周りを見回していたが…ふと、「あれ、カガリビサンいないんだ。」と呟いた。)
花子、って…あの花子、さんか…?つか、カガリビサンのことしってんの?(警戒しないで、と言われても元々苦手であり、警戒しないわけにも行かず注視しつつ相手の事を知ってる様子の花子さんに問い掛けつつ荷物を取る為と着替えるために教室へ入り)
「うん。だって僕、カガリビサンの友達だもん。」
(花子は笑顔のままぴょんぴょんと貴方の周りを飛び跳ね、「ねえねえ、キミはカガリビサンの助手かなにか?さっき一緒に戦ってるの見たよ。」
と屈託なく貴方に問う。)
っ…あの人、は俺の…先生、でもあって、友達…だから…(相手の友達だという花子さんに僅かに警戒心を緩めるも、それでもまだ何処かに信用しづらい、そんな思いが引っ掛かっており、相手との関係性を問われればピクリと肩を揺らし。他人…というよら他の存在に問われて漸く相手へのモヤモヤした気持ちが何なのか…友達であり、生徒指導の先生…それで片付けれる程の存在でないような、それでも他にどういえば良いのか、それが分からずポソポソと呟くように返しつつ着替えてしまわんと花子さんに背を向けながら「つか、これから着替える…から、離れて…」と言い)
「…ふうん。分かった、またね!」
(花子は一瞬だけ興味深そうに瞳を細めたが、すぐに笑顔に戻って夕闇に消えた…)
…何だったんだ…(チラと背後を確認するもそこに先ほどの少年の姿はなく溜め息交じりに呟いてはチャッチャと一人しか居ない教室で服を着替え、荷物を持ち1人でそのまま帰ろうとし)
「…なァ、カガリビサンよ。
話した感じ、中々良い子じゃねぇの?」
(生徒のいなくなった廊下を歩く「カガリビサン」…皆月篝に花子が背後から話しかける。)
え、なに…花子、あいつと話したの?
よく警戒されなかったな。
「…や、勿論警戒はされた。でもお前の名前出したらちょっとは信頼してくれたみたいだぜ。
…色んな奴に好かれてんねェ、お前も。
あの陰気臭い管理人もそうだしさァ…。」
(宙をふわふわと浮かぶ花子はカガリビサンと話しつつ、自らの「居場所」…男子トイレへと消えた。)
…はぁ…今日は色々あって頭ごちゃごちゃしてきた…(特に誰かと会うわけでもなくそのまま学校を後にして、帰り道を歩きながら呟く。しかし、かなりありすぎたせいか、はたまた自分の中の緊張の糸が張り直されて無かったのか、いつもなら一番警戒心を強めて歩く筈の夕暮れが闇夜に染まりつつある時間帯の人気の無い道をほぼ無警戒に歩きながらこれまた人気の無い公園の近くすらも無警戒に歩いており)
…ん、何、ですか…(早く帰ってゆっくり寝たい、そんな緩い思考に埋め尽くされた現状では警戒するという選択肢が消え失せ、背後からかけられた声に特段過敏な反応を示さぬまま振り返って)
っひ、ぁ…!?(背後に居た不気味な怪異の存在、それに漸く気付いてしまえば喉をひきつらせ、明らかな動揺の表情を浮かべつつ慌てて公園の方へと逃げてしまう。しかし、公園は周囲に他の出入口もなく周囲も廃ビルや既に取り壊しの決定しているシートの掛かった家屋しかなく声をあげても誰かが気付く可能性は殆どなくて)
「…ああ…生き…てます…よね…?よかった……」
(その怪異は安堵したような声を漏らすと、ゆっくりと…貴方に近付いてくる…)
やだっ、来んな、来んなよおっ…!(慌ててしまったがゆえに足を縺れさせ転んでしまえば慌てて振り返るも既に怪異は近くにきており、涙を溢しながら子どもの様に手をブンブン振り回し自分から遠ざけようとしていて)
「あっ、こら~っ!」
(どこからか透き通った少年の声が聞こえたかと思うと、怪異はあっけなく消滅した…。声の主は古臭い詰襟の学生服を着た少年…花子だった。彼の手にはお札が大量に張り付いた血まみれの鎖のようなものが握られている。)
っは、っは…(襲われかけたその瞬間、怪異が消え失せ、その奥から少年……花子さんの姿が見えるもそれを確認出来るほどの余裕がなく、やや過呼吸気味になっていて)
「ねえ、君大丈夫?死んでないよね?」
(花子は例の鎖を持ったまま、心配そうな声色を出して貴方に近付いてくる。)
ひっ…く、来るな来るな…(怪異に襲われそうになった事実は予想を遥かに越えて精神を蝕んできて、血塗れの御札が沢山貼り付けられている鎖を見た瞬間、それを持つのが見たことのある存在だと気付けぬ程に恐怖で再び顔をひきつらせ目に涙を浮かべポロポロ溢し、近付いてくるそれを拒むような態度と言葉を向けていて、恐怖から掠れてきた声で相手への助けを求め)
たす…せん、せぇ…助け、てぇ…
「ちょっ…待って待って!大丈夫だから!」
(花子は貴方の涙を見るなりあせあせと額に汗を浮かべながら、「あ、これ?これが怖いの?」と血まみれの鎖を消滅させた。)
助け、てよぉ…せ、んせぇ…(まるで少年の声が聴こえてないかのように涙を溢しながら静かに取り乱したままで、顔を横に振りながらここに居ない筈の相手に助けを求めるのみで)
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