神ノ木 集 2020-08-10 21:17:15 |
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……大変だなぁ、集も。
ほら、着いた…
(と、彼の言葉を遮るかのように…微かな声が貴方の後ろから聞こえた。)
「…ねえ、君。僕の友達になってくれる?」
あ、アザッ…っ!(着いたことを言われれば感謝の言葉を述べつつ顔を上げようとするも背後から聴こえた声にビクッと大きく肩を跳ねさせ相手の肩を掴む手に思わず力が入ってしまうのにも気付かずバッと背後を振り返り)
…っ!
(痛みに一瞬顔を歪めるが、すぐに振り返り、敵意に満ちた瞳で「カガリビサン」を見つめ)
…はっ…お前、良い度胸してんじゃねぇの。
それ、「本人」の目の前でやるなんてさぁ。
え、先生、今な…っ(怪異や妖怪が怖い、その恐怖に顔を歪ませかけた瞬間、相手の方から聴こえた言葉の真意が恐怖に支配された脳内で汲み取れずそちらへと視線を移せばかなりの敵意を剥き出しにしてる様子に思わず目を丸くして少しオロオロと相手へ相手の睨むそれへ視線を忙しく移動させ)
…うちの生徒だ…手は出させねぇぜ?
(その言葉と共に篝の瞳が赤く染まり、
右手の平に青白い炎が燃える。「カガリビサン」はその姿を見るなり怯えたように目を見開き、後ずさりして姿を消した…)
あ、え…?せん、せ…?(戸惑う自分をよそに相手の瞳が赤くなりチラと見えた相手の掌には青白い炎が燃え、明らかに人間のそれとは違うと脳内で理解が追い付いてしまえば、震える声を漏らしつつ相手から手を離して怯えの表情を浮かべつつ相手から離れるよう後退り)
あー…怖がんなくていい…って、無理だよな…。
…そうだよ、俺が「カガリビサン」だ。…じゃ。
(ばつの悪そうな顔をした「カガリビサン」は貴方に手を伸ばそうとしたが、悲しそうな顔をして
踵を返してその場から立ち去ろうとし)
あ、せ…せんせっ…!(相手の悲しそうな顔にハッとなり、名を呼びつつ痛む足首を気にせずよたよたと相手の元へ歩み寄りその服の背の部分を掴んではまだ震えと怯えの止まらぬ声色でポツポツと言葉を紡ぎ助けを求め)
そ、の、せんせ…俺、を助けて、くれたんだよな…?なのに、俺、俺…震えも、怖い気持ちも、止まらねぇんだ…先生、助けて…
……なぁ…俺が、怖いんだろ?…ははっ、無茶すんなって。もう、お前には関わらねぇから…な?
(「カガリビサン」は一度だけ貴方の頭を撫で、優しく微笑むと…静かに消えた。)
………はぁ。やらかした…。
(「カガリビサン」…皆月篝は、静かな職員室の片隅で頭を抱えていた。)
「…どうしたんだよ、カガリビサン。
珍しく浮かねェ顔してんな。」
(そんな彼の背後から気だるげな男の声が響く。
彼の友人…トイレの怪異「花子さん」だ。)
…なんだ、花子か。いや…やらかしたんだよ。
俺の偽物がいたもんだからさ、「本物」の力見せてやろうと思ったら生徒に見られてさ…。
「……その生徒とさ、一回話してみればいいんじゃねーの?夢でも見てたんじゃないか、とか言ってよ。」
(その時の皆月篝を端から見れば、誰もいない空間に向かって話しかけているような姿…だが、彼は花子さんの言葉で決心が付いたらしい。)
…ん。…もっぺん、話してみるわ。
(その場で僅かな間立ち尽くしていたがすぐに足首の痛みで、怪我をしていて相手に手当てをして貰う筈だったんだ、と思い出せば誰か他の先生に、と思って職員室の扉をあまり音を立てずに開けて。しかし、授業中の職員室は幸か不幸か誰もおらず静かで不安げにキョロ、と辺りを見渡して)
っあ…せ、んせ…(相手の声にピクリと肩を小さく揺らしては職員室の隅の対話スペースにいるのに気付き、怖い思いよりもまた会えたという安堵が強まりホッとした表情でそちらを向きながら頷きゆっくり相手の方へ向かい)
…集は、さ…「俺の友達になってくれる」?
(怪我の手当をしていると、彼は穏やかな微笑みを浮かべながら…火事で死んだ生徒の霊、「カガリビサン」は貴方に問う。彼の瞳は泣きそうなほど…心配そうに揺れていた。)
そ、れって……(相手に自分の捻った足首に湿布を巻いて貰ってると不意に問われたあの友人との間で噂になってた言葉。それに気付いて口を開きつつ少しだけ相手の方を見れば悲しそうで、ほぼ無意識の間に口は「俺、カガリビサンと、友達に、なりたい」と紡いでおり)
…へへ、先生は良い大人なんだから泣くなよな?(無意識の内にカガリビサンと友達になると言ってしまったものの、相手の涙を溢すその様子にこれで良かったんだ、と思えばニイッと笑いながら相手の目に浮かぶ涙を指で拭ってあげ)
…はっ、バーカ…俺は大人なんて、
もうとっくに通り越して怪異だぜ?
(いつもの調子を取り戻したように、彼はくすりと笑って貴方の頭を撫でる。)
…よし、あの「偽物」…成敗するか。
…あのな。俺、ホントは…ただの友達が欲しい
孤独な霊だったんだよ。願いを叶える力はあったけどさ…「大事なものをひとつ失う」なんて、あの「偽物」の後付けなんだぜ、酷くね?
(その時の「カガリビサン」の眩しい笑顔は…かつての彼、火事で死ぬ前の生徒「皆月篝」に戻ったように見えた…ような気がした。)
先生の時は大人なの!(いつもの調子が戻ったようでホッとしながら相手に撫でられればそれが何だか心地よくて笑いながらそう返し。そして相手からの話によれば大事なものを失う、それは偽物の後付けというだけ……ただ本当に友達が欲しかっただけ……そう話す相手は見た目は大人なのに何故だか自分と変わらない歳の生徒に見えなくもなくて。でも成敗するなら……手伝いたい、その思いが胸の奥から溢れてくれば相手の方を見ながら自ら引き寄せる囮になる、自分なら他にも引き寄せるかもしれないが、それでも相手が偽物の不意をついて倒せる手助けになると思いその事を話して)
なぁ、カガリビサン…俺の事、囮に使わないか?俺、今までも色んな妖怪とか、怪物に襲われてきたからさ…多分そういうの集めちゃう体質だと思う。もしかしたら、他にも別の何か呼び寄せちゃうかもだけど…それでも、もし偽物が俺の方に来たらカガリビサンが不意つけるだろ?
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