通りすがりさん 2020-08-10 15:27:28 |
通報 |
は‥!?な、んでき、キス!?
(先生の言葉にもちろん!と意気込むつもりで顔を見つめていたのに、いつの間にかキスされておりそういうことには疎い面があるためた“ぶわぁああっ//”っと分かりやすく真っ赤になりながら驚いて)
…なんとなくだよ。悪ィか?
それとも何だ、口の方が良かったかァ?
(「無月」は口角を吊り上げ、意地の悪い笑みを浮かべると何処からか取り出した煙管を吹かす。)
はぁ!?んなわけないだろ!
もういい!行ってくる!
(先生の言葉に拍子抜けしたように驚きからかわれていることにムッとなりながらも、授業行ってくる!とぷいっとそっぽを向きながら室内から出ていき)
くぁぁ…っ……。
(授業終わりのベルが鳴りみんなが早々と帰宅、又は部活の準備に取り掛かっている中6時間目が体育だった為、制服に着替えようかと一人別室に向かってのろのろと歩きながら目尻に小さく涙を溜めてあくびをして)
…あァ?何だよテメェ…。
(「無月」の腕の中のひとつが彼にこう教える。
「ねえ、無月先生…私ね、さっき見たの。
廊下を肘で歩いてた、下半身のない人影…あれ、
「テケテケさん」じゃあないのかしら…?」と。
「無月」はその言葉を聞くなりがたっと椅子から立ち上がり、保健室から飛び出して行く。)
「…あ…しィ…」
(貴方の背後から呻くような女子生徒の声が聞こえてくる…)
え…誰?女の人…(っ…足が!?)
なっっ!?うわぁああーーっ!!!
(すぐ後ろでヤケに低い声が聞こえ振り返れば、小顔で案外美人な女の人が此方を見ており…しかしよく見れば(見なくても)その女の人には下半身が無く、顔面を蒼白にして叫び声を上げながら、目の前の教室へと走り込み迷うことなく鍵を閉めて)
「わたし、の…あし…ィ…しら、ないの…?」
(彼女は肘で歩いているというのに、凄まじい速度で廊下を走り回る。彼女は貴方の閉じこもった教室の扉を腹立たしげにがんがんと叩く…)
…今の悲鳴…!
チッ、手間かかるガキだなァ…全くよ。
(保健室を飛び出した「無月」は貴方の悲鳴を聞き、舌打ちをすると無数に生えている女性の腕や足の何本かに命じる。「なァ…お前ら。化けモン、拘束してきてくれ。…頼むわ。」命じられた彼女達は答えるように一度だけ蠢くと、彼の背中から分離してぺたぺたと廊下を這いずっていく…)
はぁっはぁ…っなんで‥!
(昔から何かしらが見えていたものの、今回のような殺意がにじみ出た化け物に追いかけられるなんて初めてで、もしヤツが入って来たときの為に、教室の隅にあるロッカーに入って息を殺しつつも、死への恐怖感から震えやら涙やらはとめどなく流れており)
「…あ…しィ…!」
(彼女はぺたぺたと廊下を這いずってくる「無月」から分離した女性の足に気付いたらしく、歓喜の声を漏らしながら肘で走ってくる…)
(「無月」の足達の間にくすくす…くすくす…と
嘲笑の波が広がる。
「あら、この子私達を捕まえるつもり?」
「うふふ…身の程知らずねぇ。」
「同感だわ…私たちはあの「無月」様の
手足なのにねぇ。」手足達は口々に嘲りの言葉を口にしたかと思うと、彼女の手をするりと逃れていとも容易く彼女に絡み付いて拘束してしまった…)
(っ……あ、れ?静かになった…?)
(突然ピタッとドアを叩く音が止み、頭にハテナを浮かべて、出来るだけ音を立てないように静かにロッカーから出て)
「あ…あし…ィ…」
(彼女は手足達に拘束されながらじたばたともがく。手足達はそんな彼女を嘲笑うかのようにぎちぎちときつく締め上げる。)
……悪ィな…お前ら。
…さァて…「化けモン」。お仕置きだな?
(遅れて到着した「無月」は腕の一本をするりと慈しむように撫で、悪意に満ちた笑みを浮かべると…拘束されている「テケテケさん」の頭を掴み、力を込める。すると彼女はまた蝶に変化し…「無月」はその蝶を口に放り込んで咀嚼した。
その後、鍵の閉まった教室の扉をノックし…)
…あ。
せ、せんせー…。
(ドアの硝子越しに先生の顔が見えすぐ鍵を外し、周りをきょろきょろと警戒しながら見つめつつ、何も居ないことと先生がそばに居ることに安堵し、その場にへたりこみ)
…ん。無事だったか?
(「無月」は素っ気なさそうに貴方の頭に手を置いた。…が。
「ふふっ、「無月」様ったら足が怪異を見たって言った瞬間に急いで保健室から飛び出すんだもの。私、驚いて置いていかれそうになっちゃった。」彼の無数の手足の内の一本がくすくすと笑いながら答える。)
え…?それって…。
(その手足の言葉を聞いて、自分のことを心配してくれた…なんて淡い妄想を抱いて良いのだろうかと、驚いた様子で先生を見つめて)
…チッ、余計なこと言うんじゃねェよ…。
勘違いすンなよ?お前は「視える」から
狙われやすい。一応生徒だしな…俺の目の前で
死なれたら迷惑なだけだ。
(「無月」は不機嫌そうに顔を歪め、その腕を軽く小突き、吐き捨てるように告げる…が。
「あら、本当のことじゃないの。それとも…
「無月」様は照れ臭いのかしら?」
彼女は尚もくすくすと微笑んでいた。)
ふ~ん?(笑)
まぁでも、助けてくれたのは事実だし?一応、ありがと…!
(先生の、自分の(?)手足に対する言動に、思わず顔がほころびつつも、助けてくれたことに立ち上がってしっかりお礼を言い、コソッと、先生をからかっている彼女にも「教えてくれてありがとうございます!」と少年らしい真っ直ぐな表情でお礼を言って)
…ふん。ホントうざったいガキだなァ…
とっとと帰れよ、門閉まるぞ。
(「無月」は厄介者でも追い払うように手を動かし、くるりとそっぽを向く。
「ふふっ。どういたしまして、少年。」
彼女は貴方のお礼に嬉しそうに答え、また「無月」の背中で蠢く無数の腕や足の中に紛れ込んでしまった…)
あははっ!じゃ、さよならせんせー!
(皮肉をつける元気があるならもっとからかってもよかったかな~なんて自分にしては微かに意地悪なことを思いつつも、帰る時刻の気遣いをしてくれる先生のご厚意に甘えて素直に挨拶をして、手を振りながら走って行き)
…また明日、な。…で、だ。
(貴方に手を振って見送ったあと、「無月」は先程彼をからかっていた腕をがっと掴む。
「あら、「無月」様。何するのよ、痛いわ。」)
元はと言えばお前の所為だろうが…。
(「私は事実を言ったまでだもの。」彼女は飄々と答える。「無月」も諦めたのか、ため息を吐きながら保健室へと帰っていった…)
トピック検索 |