管理人さん〆

……頭痛いからベッド貸して。

(呼びかけられてピクリと反応し恐る恐る室内に入るものの、いつもと変わらない様子に眉を潜め、じぃーっと先生をいぶかしげに見つめてから本題へと移り)

…う、うん。どうぞ…？
(「無月」はにこりと微笑み、話は終わりだと言わんばかりに目線を机の上のプリントに移し、向き合う。)

……。

(先生に軽く会釈してベッドまで行き毛布に身をくるむが、昨日の事で胸の内にモヤモヤができて、本人とどう接したらいいのかわからず軽く溜め息をついて)

あ、リチャードだ～！メイク直させてよ～！
(乱暴に保健室の扉が開かれたかと思うと、クラスの中心にいる女子の集団が嵐のように雪崩れ込んできて)
…あ…新島さん達…。…い、いいよ…。
(そんな勢いに押されるように、「無月」はこくりと頷いて女子達を通したのだった…)

ん…？(…うるさ……)

(ガヤガヤとうるさい室内に眠っていた為重たい瞼を薄く開け)

ヤバ、あそこで寝てんの木霊じゃ～ん！
リチャード、もしかして木霊サボり～？
(女子達の一人が貴方を見つけたらしく、笑いながら貴方に指を差して「無月」に問う。)
…ち、違うよ新島さん…。木霊くんは、頭が痛いらしくて…。
(「無月」は至極穏やかに答えるが、彼の背中では無数の女性の腕や足が静かに蠢いていた…。)

>新島

ﾁｯ…(さっきからせんせーのこと、リチャードリチャードって…あいつ何様なんだよ…)

(ヤケに親しげな様子を見せるギャル女に自分を見て笑われたことではなく、ソイツが先生に対しての距離が近いことにイラついて思わず舌打ちしてしまい)

>せんせー

…？(なにあれ…)

(ふと気になって先生の背を見る。昔から何かが見える体質ではあるものの、ジッと目を凝らしても何があるのか分からなくて)

にゃははっ、リチャードマジ優し～い！
そんな優しいリチャードにはこれあげる～！
(新島と呼ばれた女子はリチャードの返答を聞くと甲高い声で笑い、ポケットから飴を3つほど取り出してリチャードに投げ)
じゃ、メイクも直ったし帰るね～。行こ行こ！
(彼女は手をひらひらと振ると、周りの派手な女子生徒達を引き連れて保健室から出ていった。)

…う、うん…頑張ってね…。
…あ？何見てン…これか。
(「無月」は彼女達を見送ったあと、貴方の視線に気付いたのか苛立ったような目線を返すが何かに気付いたらしく自分の背中を見やる。蠢く、透明な無数の女性の腕や足を見つめると苦笑いし)

…それなに？…それに…さっきのギャル共…せんせーとヤケに親しそうでしたケド。

(のそのそとベッドから下り布団を丁寧に畳み。上記の質問を投げかけながら先生の前にある空いた椅子に座り、顔をしかめて)

あァ…あの女連中か？どうやら
「リチャード先生」は舐められてるらしくてな。
友達かなんかだと思ってるらしい。
…背中のこれは…あれだ、怨念的な奴だ。
誰のかは知らねェけどな…。
(「無月」は苦笑いを返すと透明な女性の腕の一本を弄び、貴方に向かって指を差させる。)

ふーん…(友達ねぇ…。)
え…？誰の手足か知らねぇの？！

(先生の言葉にギョッとした顔つきでその手をツンツンつついてみながら(うぇ～‥おっかねぇ……。)と引きつった表情で言ってみて)

知らん。気付いたら生えてた。
まァ…普段は無害な奴らだよ。なァ？
(彼の問いかけに答えるかのように「無月」の背中の腕や足が蠢く。)

へぇ…(‥普段！？)。
ねぇ、せんせーはどうして‥いや、どうやって怪異になったの？

(蠢く手足を眺めながら「あ、そだ。さっき貰ってた飴一つちょうだ～い」と猫撫で声でねだりつつ、唐突に質問してみて)

…なんか気持ち悪ィな。…ほれ。
(貴方の猫撫で声に顔を歪め、彼はポケットから先程の飴を取り出して貴方に放り投げる。)
そこ聞くか？まァ、いいけどよ…。
俺は元々、ここの教師でさ…至って普通のな。
…あれは…3年の春だったか？俺のクラスに
「結城玲」って生徒がいたンだよ。地味で大人しくて、いっつもイジメの標的にされてた…な。
んで、俺は…そいつの未来を読んだんだ。
そしたら「21歳の夏、交通事故で死亡」ってよ。
俺は、それが許せなくて…初めて未来を変えたいって願ったンだわ。…元々の「無月」と契約してな…。お陰で「結城玲」の未来は書き変わって…死ぬことは無くなった。その代わり、「怪異」としてこの学校に縛られることになっちまったよ。
生きてりゃ立派な大学生だったのになァ…。
(「無月」は所々言い淀みながらも過去を語る。
語り終わると彼は夕日の差し込む窓の方に顔を向けてしまった…)

っ……ごめんなさい…。

(先生の過去を最後まで聞き終わると、どこかつらそうな顔つきでぽつりと謝り)

…あー…別に謝らなくていい。
(「無月」は苦虫を噛み潰したような…ばつの悪そうな顔をすると、貴方の頭にぽんと手を置く。)

…(あったかい…。)

(ぽんっと撫でられる行為。最初こそ嫌だったが段々気にならなくなってきて、今はその暖かさにホッとした顔つきで微笑み)

(/主様>先生or無月さん超かっこいいです！あの…なんかやりたいこととか無いですか？ずっと暗い方向でも有りなんですけど、戦闘的なのとか恋愛的なのとかやってみたくて…^^何か提案ありましたら言ってくださると嬉しいです！)

(お褒めいただき光栄です…！
確かに恋愛的なイベントは欲しいですが…
あまり考えつきません、すみません…。)

…で？頭痛は治ったかよ。
(「無月」は悪戯っぽく笑うと貴方の顔をじっと見つめる。)

(/いえいえとんでもない！気にしないでください^^)

あ、そういえば…うん。治ったみたい！……ありがと!!

(きょとんとした表情でパッと何かを思い出すような仕草をとり、治った！と明るく答えると、照れくさそうにはにかみお礼を言い)

…はっ。なら、頑張ってこいよ。
(そう言ったかと思うと、「無月」は貴方の前髪を掻き上げ、額に口付けを落とす。)