幽霊くん 2020-08-10 15:19:26 |
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徹さん…、怖い……
(家に帰ろうと言われ、彼の後をふわふわと付いていく──が、辺りはもう真っ暗。行きは太陽が出ていて周りがよく見えていたが、帰り道、光といえば十数メートル間隔で外灯が立っているだけで、月明かりなんてものはない。もともと人間だった頃から怖いものは大の苦手…、いつ不審者が出てもおかしくないこの状況に怯えるように、彼の近くに寄ってそう呟いて)
…え?もしかして朝陽クン…怖いの苦手?
(近くに寄ってきた彼を見つめると不思議そうに首傾げ、幽霊でも怖がりは居るんだな…と察して。安心させる為か自分もそっとそばに近付いて)
家がすぐそこで良かったね、、そろそろ着くと思う。帰ったら録画してあるバラエティとか見よっか~…!
(暫く歩いているともう少しで到着。と言うところまで来て彼に視線を向けると少し微笑み提案して。それは日中一人にしてしまった事への想いが篭っており)
うんっ
(気遣ってくれる彼の優しさが身に染み、つられるように笑顔を見せる。二人でこうして並んで歩くだけで自然と恐怖も和らいでいき、「徹さんとなら怖いのも大丈夫かも」と思い始めて。少なくとも数年の間は感じたことの無い大きな安心感を得ていて。もっと沢山話をしたい、もっと一緒にいたい、という想いで頭が一杯になり)
…ふふっ…、やっぱり可愛いなぁ、朝陽クン…、
(クスッと笑った後、見惚れたように本音を漏らす。数秒後、「…あ、」と言ってしまった事に気付くも別に伝えておいても変わりないだろうと思い特に気にする事はなく。)
ただいまぁ~…、疲れた
(マンションの住んでいる号室に入ると倒れ込む様に座り込み、靴を脱ぐと「着替えてくる…」と言い自分の部屋へ行きサクサクと普段のシャツ&黒色カーディガンに着替えてリビングへ戻って)
かわ…いい……
(そんな事言われたことがなく、少し戸惑いながらも照れ臭そうに頬を紅く染めて。この気持ちは素直に受け取ると「ありがとう」と微笑んで)
おかえり、お疲れ様!徹さん
(着替えてリビングへと戻ってきた彼を満面の笑みで改めて出迎え、すーっと近付いて。今日一日側で見守っていたため、彼が頑張っていたことはよく分かる。労いの言葉を掛けこれから二人で過ごせることがとても楽しみのようで、落ち着いていられないようで)
ヴー…ありがと…、
(低く喉を鳴らした後、嬉しそうにペコリと頭下げてストンとソファに座って。テレビの録画記録を再生して行き「これで良かった?」と彼に確認して)
あの…さ、朝陽クンって生きてた時幸せだった…?
(コント内で幽霊をネタにしていて少し真剣な眼差しで話して、「もし幸せじゃ無いなら俺がずーっと幸せにしたい」と告白に近い様な台詞を言い出し)
(彼が操作した番組を見て「合ってるよ」と笑顔を向け、彼の隣でふわふわと浮いて)
んー…幸せだったら、僕は幽霊になってないよ
(人間だった時のことを思い出すと、どうしても当時の辛かったことも一緒に蘇ってしまう。小さく苦笑いして。彼の口から発せられた言葉に目を丸くすると、「…でも、今は、徹さんと逢えて幸せ」きゅっと目を細めて、この幸せを噛み締めるように呟いて)
…そっか、辛い事思い出させちゃった…かな、、
(申し訳なさそうに手を合わせ、擦り寄る様に彼にぴったりくっつく…事はないが近くに移動して。目を丸くしている彼に「ありがとう。俺も朝陽クンに会えて幸せだよ、」と言うと少し恥ずかしい&照れているのか頬を赤くし頬緩め)
会えたって意味では…、幽霊になってくれて感謝してるよ。勿論朝陽クンは迷惑だと思うけどね、あはは…
(上記を言うと苦笑いして。じっと見つめてずっと一緒に居たいけど、成仏させる約束だもんね。と思い少し切ない感情が襲ってきて)
運命…なのかも
(奇跡だとか宿命だとか、そういったものを信じるようなタイプではないのだが、こうして二人が出会えたのにはまさに「運命」という言葉がピッタリな気がした。聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟いて。何だか先程より彼の表情が曇ってきたように感じ、話題を変えようと「あ、僕この人たちの漫才好きなんだよね」とテレビの方を指差し)
…っ…、運命かぁ、じゃあ俺に会う為に幽霊になったのかもね、、なんちゃって…、ふふっ。
(相手から発せられた言葉は小さかったのにも関わらずしっかりと聞き取って/テレビに視線を向けながらも言い、表情も明るくなってきて)
ん、そーなの?俺知らないなァ、、でも面白いっ!ふふふふ…、
(彼に言われると暫くその漫才を見ていて/こてんと首傾げるも声を上げて笑い出し、「…あははっ、俺も好きだよ。」と主語がハッキリしていない言葉を言い出して)
そうなの?僕も好きだから…一緒だね!
(彼の言う、曖昧な「好き」をその漫才の事だと自己解釈し、それに同意するよう大きく頷いて。まあ何はともあれ、同じジャンルのテレビが好きという共通点が見つかったことは嬉しいらしく、きらきらした瞳で彼を見つめ)
…!やっぱり面白いのが良いよね~…、ホラーとかも録ってあるよ、見る?…
(ぽかーんと数秒見つめていたが頷き返して、どこか彼の目が変わった様な…、と思うが気にしない事にしてニコニコと笑い。
悪戯気に笑うと今見ている録画を停止しホラー番組を再生し始めて、一旦停止すると彼の方をふっと向いて)
…?、っえ、ちょ、ちょっと待って──いやぁぁあああ!!!!
(突然バラエティーの楽しげな音楽が止まって、パッと心霊番組に切り替わる。慌てて彼の手を抑えて止めようとするも幽霊のため、簡単にすり抜けるだけでなんの効果も無く。怪しげな音楽と共に画面には心霊写真等の恐怖画像が次々と映し出され、軽く絶叫。面白可笑しそうに彼は再生を止めてくれたが、その一時停止の場所が諸に心霊写真と被っていて、TVにはそれがずっと映っているまま。涙目で彼の方を向いて、「ガッツリ見ちゃったじゃんっ、徹さんの馬鹿ぁあ……」と文句を垂れ)
あぁ、ゴメ…っ…!?
(彼が絶叫したのを見かねて急いでバラエティ番組に切り替えると彼の方をバッと見て。するとほぼ泣きそうなくらいに涙目になっており慰める様に頭を撫でる素振りをして、「ここまでとは…本当に嫌いなんだな…、」と呟くと申し訳ない様な、可愛い一面が見れて嬉しい様なよくわからない感情に陥り。)
ごめ…ん、もう寝るぅ…、疲れた…、
(暫くテレビを見ているともう深夜12時。やはり気を張っていたせいか一気に疲れが押し寄せてきて、ぽむっとソファに寝っ転がるとウトウトと目蓋が下がり始めた様で。「おやすみ…、」と言うと完全に眠りに落ちていて)
あ、うん、おやすみ──あ、
(幽霊になってから身に付いた能力で、側に置いてあった毛布を浮かせると「…風邪ひいちゃうよ」と、そのまま寝てしまった彼のお腹へと掛けて。彼の寝顔を見ていると、昼間のように胸の鼓動が大きく、激しくなってきて。触れられないけれど、幸せそうに眠る彼の顔にそっと手を添え小さく微笑むと、自分も眠気が襲ってきたのかソファの真横に移動して目を閉じて)
…むぅ…、
___翌朝
…ん、おはよぉ…、って、、。…ふふ。
(パチリと目を覚ますと身体の上に毛布がかかっており、どうしたものかと起き上がってみると隣に彼が寝ていて何となく察すると優しく微笑んで。彼が起きるまではそばにいようと思いゴロゴロしながら様子を見ていて)
(/これからの展開どうしましょう(・ω・`))
すぅ…………ん、
(何か気配を感じ取ったらしくゆっくり伸びをして目を擦ると、先に起きていたであろう彼の姿が目に入って。1つ大きな欠伸をして寝起きの状態から意識をハッキリさせると彼の方に向き直って)
おはよう、徹さん
(/前回はお忍びで徹さんの後付いていったので、今回は単純に二人で出掛けてみるのは如何でしょう?)
(/なるほど! ではそのまま続けていきますね)
あ、おはよう。朝陽クン、毛布ありがと…!でもこれどーやって持ち上げたの?
(ぱぁっと表情を明るくすると抱きつく様に近付いて、毛布を摘まむと彼に見せて「幽霊は物とかすり抜けるんじゃ…?」と理由を付け足すとコテンと首を傾げて。まぁ何はともあれ嬉しいは確実の様で。)
…あ、そうそう。今日はお休みだからさ、どっか行ってみない?水族館とか…、カフェとかさ!何処でも良いよ。
(ぽんと手を叩き、日にちを見ると今日は休みの日だと言うことを伝えて。ずっと家でもつまらないだろうと考えて出掛けることを提案し、彼に問いかけるとニコニコ期待の籠った眼差しで見つめて)
(/ありがとうございます…!)
あれ、言ってなかったっけ?えっとね──
(辺りをキョロキョロ見渡し、近くのリモコンを見つけると、それを持ち上げるように手を動かし。その動きと同時に机上のリモコンも浮かび上がって、「僕、物には触れないけど動かすことなら出来るみたいなんだ」と微笑んで)
徹さん今日お休みなの?!やった!
(彼がこの後仕事が無いことを知って、まるで子供のように無邪気に喜んで。二人で何処かに行きたいとは思っていたが、まさかこんなに直ぐに願いが叶うとは。散々万歳して喜んだ後、何処に行こうかなとわくわくしながら考え、彼が始めに挙げた水族館…なんていいかも…という思考にたどり着き)
一緒に水族館行きたい!
おっ…おぉ!浮いてる…、
(ふわぁっと浮いたリモコンに目をやると本当に浮いている様で。少し立ち上がってキャッチすると仕掛けが特に無いことを確認すると「凄いなぁ…」と言葉を溢し。朝陽クンは俺に意外には見えていない、と言う事は他の人からは急に浮いている様に見えているのか…と思っていて)
うんッ!水族館行こうかっ!この辺ので一番大きいのは…此処かな、、どう?
(ニコッと返すとスマホを取り出して検索を始めて。数秒後この辺りで一番大きな水族館の色々な魚がいる大水槽が写っている写真を見せて、首を傾げるともしかしたら【幸せになりたい】という未練を無くして成仏してしまうかも__という考えが脳裏に浮かんだが、今は楽しい方へ行こうと思い。)
……!、此処がいい!
(流石彼の言う「一番大きな水族館」。一度スマホの画面に表示されている写真を見ただけでも、そこに写っている魚や内装に心奪われ、瞳をきらきら輝かせ。文句なんてある筈がなく、「どう?」という問いに対してはこくこく何度も頷いて肯定。これから1日ずっと一緒にいられることが嬉しくて、楽しみで、わくわくした笑みが顔に出ていて)
えへへ、良かったぁっ!んじゃ…あ、朝陽クン、車って乗れる…?
(嬉しそうに笑うが数秒後、車をすり抜けてしまうなら危ないのでは無いか、と考えて顔が引き攣る。確認は一応しておきたい、一応此処からは10分~20分なのだが楽しくドライブというのもしてみたいらしく)
んー…、多分大丈夫だと思う。前に電車乗れたし
(幽霊になってからの記憶を辿る。数年前、確か一度実家に帰ってみようとかで電車に乗ったことを思い出して。彼を安心させるように微笑んでそう伝えると、待ちきれないようで「早く行こう」と彼に呼び掛け)
…ホント!?やったぁぁぁっ!分かったっ、ちょっと準備するから少し待っててね~…、
(バッと立ち上がり、嬉しそうに跳ねるとキッチンの方へと早足で向かい。中からお茶とコーヒー缶を取り出すとバックへ、車の鍵を小物置から摘んでポケットの中に入れて、)
うっし、準備完了っ!行きましょうか!
(テキパキと作業を進めたおかげですぐに行ける状態になり。彼に声をかけると玄関の方へ歩き出して)
うんっ、
(彼が準備しているのをわくわくしながら眺め、呼び掛けには元気よく答え、後ろを着いていって。よく考えれば、こうして何処かに二人で出掛けるのは初めてかも……などと考えていて。その中、これってもしかして「デート」なんて、自分でもビックリするような単語が出てきて、何を考えてるんだと首を振って)
よいしょっと…よし、行くぞー!
(車に乗り込み、彼の方を向いてグーにした手を上に上げて、これから水族館に行く事にワクワクしていて。そういえば一人暮らし始めてから誰とも遊園地とか行った事なかったな…と思い出してみて、)
おーっ
(彼の隣、助手席でふわふわと浮きながら、彼の掛け声に合わせるように拳を上に上げ。生前、自分は車の免許を持っておらず、移動はバスや電車などが主だったため自動車に乗るのも久し振りで。新しいことや久し振りのことが沢山出来る!とまだ水族館に着いてもいないのにノリノリで)
あはは、俺こういうのは初めてだからなぁ…ちょっと緊張しちゃう。
(ケラッと笑うと車を発進させて道路に出て水族館へいざ出発。これから何が出来るか考えているとハッと思い出し運転の方に意識を向けて。だいぶ商業施設…まぁ本屋や駅前のケーキ屋などが増えてきていて、そういえばこんな所まで見てなかったなぁ…と思いつつも信号で一旦停止して。)
そろそろ着くよ~!っと、、、降りよっか、
(出発してから十分後、混雑していなかったので早めに着くことが出来た。駐車場で車を停めると彼に視線を向けて、下りる様に指示して)
徹さん、楽しみだね!
(ドアをすっと通り抜けると、彼の横へと移動して、きらきらの笑顔を向けて。目の前の大きな水族館を見上げ、一人テンションMAX、まるで子供のようにはしゃいでいて)
あ…うん、楽しみだね!…にしても、今日は空いてるなぁ。なんか静か…だし。
(ドアを開ける前に通り抜けて出て行った彼を見て、それ程楽しみなのか…!と嬉しさに浸かり。入り口の方を向くと先ほど見た水族館とは全く違う雰囲気、館内のスタッフか、もしくはお客様かが何人か出入りするだけで。ゆっくりと入口の中に顔を覗かせて『今日って空いてますよね…?』とスタッフさんに声をかけてすると『はい』と返ってきた事に安心して中に立ち寄り)
ほんとだ、んー…、でも混んでるよりはいいんじゃないかな?
(確かに彼の言う通り、写真で見たときよりも人が少ない気がする。しかしまあ、自分の姿は他の人には見えないため、彼と会話する際周りから変な目で見られることはないだろうと、安心している部分もあるようで。彼の後に続いて水族館内へと入っていき)
そうだね…!んじゃー…どこから行こっか?
(ほっとして頬を緩めて、パンフレットを手に取ると開いて彼に見せて、個人的には…とクラゲの展示室をトントンと叩き。前を見ると半径5m程の水槽の中に小魚が円を描きながら泳いでいるのをボーっと見ていて)
クラゲさん?……うん、いいと思う!
(彼からの提案ににっこり笑って肯定し。所々に設置されている水槽に視線をやれば、優雅に泳ぐ魚達に凄い凄いと目を輝かせ)
良い…っ、やったぁっ!んじゃ、早速レッツゴー!
(意見を認めてもらえて嬉しそうにニコッと笑って、車内と同じ様に手を挙げて。エレベーターの位置を確認すると「行こっか、」と歩き出して。)
徹さん、やっぱり水族館って楽しいね!お魚さんも綺麗だし、なんか癒されるって感じ
(後ろから彼の横へと移動し、ついていく。水族館の幻想的な雰囲気に浸りながら、わくわくした様子ではしゃいでいて)
ん…そうだね~、でも出来れば1人じゃなくて____
(少し考えた後『出来れば二人で』と言うところで視線を逸らして言葉を詰まらせて、エレベーター内へ入ってポチッと階数を設定して。ワクワクしている彼を見ると此方まで笑いたくなる、…まるでデート、なんて想像してしまい)
…っ、、
──どうしたの?徹さん
(突然言葉を詰まらせた彼の反応に不思議そうな顔をして。まさか自分が何かやらかしたり、変なことを言ったりしたのではないかと嫌な汗が背中を伝い)
だ、大丈夫……?
…、出来れば二人で…デートみたいに…したいなって、、
(視線を外したまま頬を紅く染めてポツリと呟くと彼の側に寄って。''大丈夫だよ…、''と言うと丁度目的地に到着、外に出ると電気が付いておらず真っ暗な状況。良く分からず進んで見るとパッとイルミネーションの様にクラゲの入った水槽が明るくなり。赤、青、黄色…様々な光の色に目を輝かせて)
デー……ト、
(彼の言葉を聞いて、驚いて繰り返す。顔を赤くしながらも、目の前に広がったきらきらの空間に彼同様瞳を輝かせれば、あまりの綺麗さに思わず声を洩らし。それと同時に小さくコクリと頷いて)
僕、デート…とかやったことないけど……、それでもよかったら。
…そ…れじゃあ、よろしくお願いします。
(口元を少し抑えつつも彼を見つめて。暫くクラゲを見つめて考えていると【あれ、これ…告白に近い…よね…ドキドキするし…、可愛すぎる…っ、、】と悶々、黙々と思いが湧いてきて、心臓の鼓動が早く、何も考えられない状態になっていて)
朝陽クン…、反則だよ…っ…、
(なんだか本当にカップルみたい……そんな言葉が頭から離れない。目線は水槽の中の海月でも、無意識にずっと隣にいる彼を気にしてしまっている。徐々に激しくなってくる胸の鼓動。抑えきれないこの想いを口に出さずにはいられなくて)
どうしよう……っ、徹さん、
なんか、すっごいドキドキする……っ
え…、な、なんでだろー…、、
(ドクン、ドクン、と顔が紅くなる。しかし周りのお客様も居るからには変な行動が取れない、一度人気の無いところへ行こうと出口の方へと手招きをして進んでいき)
…、、今日行けそう…?
……帰りたくないっ
(出口……何を勘違いしたのか、きゅ、と自分の服の袖を掴んで子供のように首を振って。相手の目を見て訴え掛けるように口を開き)
徹さんと一緒にいるとドキドキする、けど。
やっぱり、今日は二人で水族館って約束したもん、
…んぇ…?いや、帰る気は…、
(背後からの声に反応するとしゃがみ込み、彼に視線を合わせる様にして。此方も一緒に周りたいと言う思いは強く、帰る気は満更無い…のだが勘違いされた事を察するとニコッと笑い「分かった、今日はもうちょっと遊んで行こっか。」と優しく言い)
(彼の言葉に安心したのか、ふにゃ、と柔らかく笑い。まだ胸のドキドキは治まっていないが、さっきの胸が締め付けられる気持ちよりは全然良い。今はなんだかこのドキドキが心地よくなってきて、彼の隣に移動し)
もう大丈夫…だから。行こう、徹さんっ
ん、りょーかいっ!次はどこ行こっか、やっぱり大水槽…?
(ビシッと敬礼をした後、パンフレットを彼に見せて。今度は決めてもらおうかな、と思っているのか彼の返答を待っていて。少し暑くなったのかお茶を取り出して一口飲み、息を整える。…中々見つめられずに目を逸らして)
(パンフレットを覗き込む。どの場所も楽しそうだが、やはりここは彼の言う通り、メインである大水槽に行くのが無難だろう。地図の中央辺りに指を指して、彼の方を向いて、視線を合わせられるよう少し移動し)
うん、そこがいい。いろんな種類のお魚さんがいるんだって…!
ほぇ~…んじゃ此処にしようか、この通路をまっすぐ行けば水槽が…ってうわぁ…!
(視線を合わせられると恥ずかしそうに見つめ返して。ふむふむ、と相槌を打つとスタスタと進んでいって。しばらく進むとトンネルの様に下をくぐるドーム型の水槽を通り抜けて。目を輝かせ周りを見渡すと様々な魚が見え、手をかざす。キラキラと水が反射していてガラス細工の様に美しく)
すごいっ……!
(辺り一面に広がる水槽に、思わず息を飲んで。優雅に泳ぐ魚達を目で追いながら、水槽に近付いて手を伸ばす。触れるかな、なんて微かな期待を抱きながら触れるも、やはり身体はすり抜けるだけ。こんな身体になったことを少し後悔する……。しかし、やはり今は彼と二人でこうして出掛けられているという嬉しさのほうが大きい。本人は気付いていないが、ほんの少し、身体の透明度が高くなっていた。)
…、そうだね!
(心なしか彼の体が薄く見える。しかし水の反射でそう見えるだけだろう。と解釈をすると満面の笑みで頷く、再び前に進むと今度は大水槽が見えて来て、中には大きな魚や貝殻などが展示されている。子供の様に駆け寄り近くで見ようとして)
あ、待って徹さん!
(慌てて彼の後に着いていき、一緒に水槽を眺める。堂々と泳ぐ魚や、波と共に揺れる磯巾着など幻想的で出来上がった空間が広がっていて、また目をキラキラと輝かせ)
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