執事 2020-07-30 19:43:59 |
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どうだ、これで一先ず落ち着いた…か?
(自分で出したお化けスポンジがぐんぐん水を吸っていくのを横目に、辺りをぐるっと見渡して。もう水が増えていくことは無いだろうか、周りの人々は落ち着いたか、などとを確認していく。取り敢えずこれで落ち着いた──ように見えるが、まだ何か引っ掛かるものがあって)
危ない、ですねッ…
(自分の気の所為だろうか、しかし彼も何か引っかかっている様子だ_と、再び辺りを見渡したその時。彼の背中めがけてテスラコイルのような眩い火花がパリパリと走るのが見え、杖を振っていては間に合わないと瞬時の判断で彼を自分の体で隠すように引き寄せては己の背に焼けるような熱さを感じ、)
はあッ_、!!
(ああ、やはり火だった、改めてそれを認識してはかたかたと体が震え、)
危ない、ですねッ…
(自分の気の所為だろうか、しかし彼も何か引っかかっている様子だ_と、再び辺りを見渡したその時。彼の背中めがけてテスラコイルのような眩い火花がパリパリと走るのが見え、杖を振っていては間に合わないと瞬時の判断で彼を自分の体で隠すように引き寄せては己の背に焼けるような熱さを感じ、)
はあッ_、!!
(ああ、やはり火だった、改めてそれを認識してはかたかたと体が震え、)
─っ?!、ヴィラ!
(何が起きたか分からなかった。気付いたとき自分はもう彼の腕の中。状況を読み込もうと執事の顔を見上げる─も、彼の表情は何時もの冷静さを失って、自分と触れる身体も心なしか震えている気がして。更に、彼の背中には燃えたような跡。こんな短時間で一体何があったのか、彼の様子が明らかに違うこともあり、自分の中で不安が積み重なっていく。落ち着かせようと彼の両肩を掴むと必死に名前を呼び)
(/いえいえ、大丈夫です!)
…何です? 私はまだ**ていないですよ
(ああ嫌だ、思い出すのは幼き日の悪夢のようなあの光景。だから火は怖いし嫌なんだ。まるで冷たい大蛇が背を昇る感覚に、思わず呼吸が浅くなるものの、彼を守らなければ、何度も呼びかけられしらっとした顔でいつもの嫌味を言い返せば、ひりついた魔も消えているのに気づき)
(/ありがとうございます!
勝手に進めてしまい申し訳ございません、!)
!、良かっ……た
(何度も執事の名を呼ぶ中聞こえてきた、聞き慣れた声での、何時もの彼の嫌味。今はなんだか不快な気分にはならず、安心感が心の底からふつふつと湧いてきて。緊張から解き放たれたのか、肩を掴む手の力がふっと抜けると、そのまま彼の方へ凭れかかり)
(/寧ろ助かりました……!
やり取りが尊過ぎて、背後は一人悶えております……っ)
ちょっ…と、! どうされたのですか、!?
(いつもの自分なら、彼が安堵感から自分にもたれかかってきたのだと分かるはずなのに。まさか体力の限界を迎えたのかと間違った判断をしてしまったのは、やはりそれなりに精神力を奪われたらしい。心配そうな表情と、切羽詰まった声でそう問いかけて、)
(/いや………私こそノエルくんが可愛くて可愛くて辛いですッ…!!!)
、どうも、してない…っ
(彼に自分の全体重を任せ、胸辺りに顔を埋めて呟く。目頭が熱くなって、気を抜いてしまえばいつでも涙が零れてしまいそうで。そこまで彼のことを想っていたなんて自分でも知らなかった。こんな表情見せられない、とより一層深く顔を埋め)
(/そう言って頂けると嬉しいです……!
これからも宜しくお願い致します!)
…ほら、その美しい顔を上げてください
(やっと、彼の態度が安堵感からであるものに気付く。と同時に、そんなになるまで彼は自分を想っていてくれたのだと察しては、じんわり胸の中が温かい気持ちで満たされていくのを感じて。呆れたように呟くものの、とんとん、と彼の背を叩いてやり)
(/こちらこそお願いします…!
やりたいことなどがあれば遠慮なく教えてくださいませ!)
…………、
(涙を彼の服に擦り付けて拭った後、ゆっくり顔を上げて彼の方を向く。泣かないようにと目に力が入っているため一見睨んでいるようにも見えるが、その瞳の中にはまだ心配の色が残っているように見えて。)
(/ありがとうございます!
早速提案なのですが、是非どちらかの誕生日イベントをやってみたいです…!)
泣くのは映画を観たときだけにしなさい、
(なんだその微妙な顔は。睨んでいるのか、怒っているのか、はたまた心配しているのかのどれかにしてほしい。ポケットからハンカチを取り出せば彼の目元を拭ってやり、街が収まったのを確認してからいつもよりも優しい声色で、)
…美味しいアップルパイの店があります、行きますか?
(/誕生日イベント良いですね…!!
私はどちらでも大丈夫ですよ! どちらにしましょう…!?)
っ、泣いてない
(必死に我慢したというのに、彼には一瞬でバレていた。自分では認めたくなく、見え透いた嘘をついて彼の身体から離れ、ふんとそっぽを向いて。彼からの誘いには行く気満々のようで、若干目を赤くしながらも大きく頷いて)
答えはイエスだ、行くに決まってるだろ
(/どちらでも楽しそうなんですよね……
いっそのこと続けて両方やるとか((殴 )
意地は意地でも、食い意地だけは人一倍ですね、
(ふん、と鼻で笑うように彼をあしらって。誘ったのは自分だというのにも関わらず、こんなことを言ってしまったのは彼に早くいつもの調子を戻して欲しい…なんて願いも込められていた。さりげない動作で彼の手を引き、路地を進んでいけば可愛らしいケーキショップが見えてきて)
(/全然いいですよ!!
盛大なノエルくん誕生祭の後日、仕事と彼の世話で自分の誕生日を忘れていてそこをノエルくんに祝われる、なんてどうでしょう? これじゃなくても、やりたい流れがあればそちらに合わせますので…!)
五月蝿いな、食べない理由が無いから食べる。それだけだ
(何時も通りのやり取りで、此方としても元気を取り戻してきたようで。彼の嫌味のような発言に反論するも、こんな会話が実は少し、いやかなり楽しかったりもする。口では色々言っているが、ちゃんと彼から離れないようにしっかり手を握り返して)
(/それは名案……!賛成です!)
はい、ご褒美です
(店に入るなり彼を席に座らせ、そこで大人しく待つように告げる。それから数分後、アップルパイをホールでひとつと、見るからに甘そうなバニラアイスを浮かべたチョコレートドリンクをテーブルの上に並べれば、最後に彼を見つめてにこりと微笑み、)
(/ありがとうございます! では、これが終わったら飛ばしますか?)
おお……!
(運ばれてきたスイーツの数々を見ては瞳を輝かせる。一口アップルパイを齧ると、今までの疲れが全て吹き飛ぶかのようで。家で食べるアップルパイも美味しいが、お店で食べるものもこれまた美味しいと幸せそうな表情になって)
(/ですね、そうしましょう!)
先程はよく頑張りました、
(えらいえらい、いつもの丁寧な口調を崩して、まるで付き合いの長い友達に接するような態度で彼の頭をぽんぽんと撫でてやる。疲れた時には甘い物、そう信じてやまないのは子供だろうか。食べきれなかった分は持ち帰れば良いと、スタッフにケーキ箱を用意するよう頼み、)
(/食べ終わった辺りで飛ばしても大丈夫ですか、?)
ふふ…
(やはり撫でられるのは嬉しい。甘いものを食べて幸せなところ、彼から撫でられたものだから、幸せ一杯のとろけそうな表情で笑みを溢す。大体全体の三分の一程アップルパイを食べた辺りでお腹が一杯になってきたのか「残りは帰ってから食べる」と執事に告げ。ごきゅごきゅとチョコレートドリンクを飲み干すと、ご馳走様でした、と両手を合わせ)
(/大丈夫です!ありがとうございます……!)
*
…いよいよか、
(街の視察から数週間後。彼の世話と教育、それと雑務に追われる忙しい日々の中で、今日のために抜かりなく仕上げた彼の誕生日会の計画書とタイムテーブルに最後の確認として目を通す。まずは広間のセッティング、それから彼の世話の間に誕生日ケーキも確認しなければ。彼の部屋まで歩きつつ、頭で一日の流れを作りあげながら彼の部屋をノックして、)
お坊ちゃん、起きておられますか?
(/いえいえ…! では背後は一旦失礼します、またなにかあればお呼びください!)
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