執事 2020-07-30 19:43:59 |
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…3時にまた来ますので、
(ぐ、と思わず口を噤んだ。彼があまりに素直に受け取るものだから、笑いそうになるのを堪えているのだ。抱えていたスピネを彼の近くの床におろし、今日の仕事を終わらせに行こうと部屋を後にして、)
(/背後失礼します、!
過ぎてしまいましたが、よければクリスマスネタをやりたいなと考えています…、どうでしょうか、?)
分かった、……スピネ、お兄ちゃん頑張るからな
(彼の手から離れたスピネを抱き抱えると、自分の目線まで持っていき。小さな声でそう話し掛けるとにこにこ笑顔を見せ)
(/背後としてはお久しぶりです!
クリスマス良いですね……、賛成です、!始めるとするとやはりイヴからでしょうか?)
失礼します、
(約束通り、3時に再び彼の部屋を訪れ。今日のおやつであるラズベリーのムースと桃のフレーバーティーをワゴンに載せ、こんこん、とノックして)
(/ありがとうございます、!
そうですね…、イヴ~クリスマスの流れでいきたいです!)
いいかスピネ、この問題はな……、っ!
(スピネを机の上に座らせ、問題集を一人と一匹で覗き込んでおり。自分が先生気分で夢中になって問題解説をしているところに彼の声が聞こえ、慌てて誤魔化すようにスピネを膝の上に抱え)
(/了解しました、!先レスはどちらから致しましょう?)
お邪魔でしたか、小さな先生
(部屋に入ると、聞こえてきたのは彼の解説。スピネにしても分からない…と思ったのだが、その内容を聞いていればそれは彼が前に躓いていた問題であり。解説ができるまでに理解が深まったのだと嬉しく思ったのは顔に出さず、ふんふんと自分も解説を聞くフリして彼をからかい、)
(/区切りが着いたらこちらから回します、!)
ち、ちがっ、……何の話だヴィラっ
(もしかして聞かれていたのか……、恥ずかしいところを見つかってしまった、とみるみる顔が赤くなっていき。もう遅いであろうが、からかわれに対する抵抗として、そうとぼけて誤魔化し)
(/分かりました、ありがとうございます、!)
はて、なんの話でしょうか?
(しっかり、ばっちりとこの目と耳で見て聞いた。明らかに彼は先生気分だったはずだ。どうやら恥ずかしかったようで、「私はムースを届けに来たのですが…」なんてすっとぼけ、)
(/では背後はこれで失礼します、!)
っ?!、な……何でもない
(彼の様子を見るに、まさか勘違いだったのか……?との考えが脳裏に浮かび上がる。正直予想外の彼の反応に明らかに戸惑いつつもそう否定して)
(/了解です!また何かあれば遠慮なくお呼びください……!)
出来るようになったのですね、
(なんでもない、と否定した彼にぽそりと一言。嫌々ながらやっている毎日の勉強は、割と彼の力になっているようで。かちゃかちゃと心地好い音をさせながら紅茶の準備をし、)
…………、
(彼の口から溢れた自信に対する誉め言葉に、声には出さないものの、明らかに嬉しそうに口角を上げ。彼がおやつの準備を始めたのを見ると、机上に広げられていた問題集を片付け始め)
今日はラズベリーのムースです、どうぞ
(明らかに嬉しそうな彼の表情には、あえて触れずに、淡々と今日のお菓子の説明を初め。あえて酸っぱいラズベリーを選び、ムースとして仕上げることで優しい甘さがふわりと広がるようにしてみた。ムースをテーブルに置き、彼のために椅子を引いて、)
頂きます、
(引かれた椅子に座り、フォークを手に取るとムースを一口分切り取って口に運び。口の中一杯に広がる酸味に始めは驚いたものの、それから直ぐにやってくる柔らかい甘味。勉強の疲れが吹き飛ぶほど美味しいそれに心を奪われ、意識しなくともいつの間にか二口目にフォークが伸びていて)
紅茶もどうぞ、桃のフレーバーティーです
(無意識のうちに二口目に手が伸びていく彼。余程美味しかったのだろう、その彼の嬉しそうな姿を見るのが嬉しくて。ムースが半分ほどになったところで熱過ぎずぬる過ぎない程度の温度のフレーバーティーを彼に差し出し)
……んっ、
(もぐもぐとムースを頬張っていたところ、焦って食べたのかむぐ、と喉に詰まらせてしまい。差し出された紅茶の入ったカップを両手で手に取れば、ごくごくと喉に流し込んで)
お坊ちゃまの目にはムースに足が生えているように見えるのですか?
(要するにもっと落ち着いて食べろ、ということだ。こんなに焦る様な食べ方では、クリスマスのケーキは喉に詰まらせるかもしれない。やれやれ、とわざとらしく肩を竦め、)
……、
(危うくむせる所だった、ギリギリそれを免れては数回深呼吸をして息を整えて。彼の言葉に反論したいも、もっとも過ぎて返す言葉もなく。一人口を尖らせては、またムースを口に入れ)
…スピネも、どうぞ
(伝わるのだろうか、兄が1人でおやつを食べているのが。たしたし、自分の足を柔らかいなにかにつつかれていると気づけば足元を見下ろし。そこにはスピネが機嫌悪そうにしており、ポケットから個包装のおやつを取り出してはスピネに与え)
……な、
(残りのムースもぺろりと平らげてしまった。満足そうに息を吐いてふと彼に視線を向けると、スピネにおやつをあげているではないか。見たい見たい、と椅子から立ち上がって急いで彼の方へ歩き、おやつを食べるスピネを眺め)
お坊ちゃん、スピネの教育もお忘れなく
(はぐはぐと小さなからだで満足気にお菓子を食べるスピネが愛らしくて。彼が食べ終わったのなら皿を下げなければ、とスピネから目を離しては皿をワゴンに載せながら一言、)
分かってる
(口でそう答えていても、視線や意識はスピネの方へ一直線。可愛い可愛い、と夢中になっておやつを食べる様子を眺めた後、スピネを抱き抱えてはその頭を撫でて)
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