執事 2020-07-30 19:43:59 |
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すぐに朝の支度を始めます、
(彼の身の回りのことなら自分が1番抜かりなくできていると思っていた。まさか寝坊、なんて。自分でも信じられないのかぽかんといつもより間抜けな顔をしたままベッドから降り)
(/ヴィラが14歳、ノエルくんが10歳くらいのときはどうでしょう?
ノエルくんのご両親に引き取られて執事になってすぐくらいのイメージでいかがですか?)
……ふふ
(余りにも慌てた様子に思わず吹き出してしまう。こんな彼なんて本当に稀だろう、朝から珍しいものが見れたのが面白かったのか笑っていて)
(/いいと思います!では、ノエルは少し…かなり心開いていない状態からのスタートになると思います…。どちらから始めましょうか?)
なにを笑っているんです、
(寝心地の良すぎるのが悪いんだと子供じみた言い訳を心の中でしながら、ひとつ咳払いをしては彼の今日の服と洗面器にミントのオイルを垂らした水を張らせる。杖を1振りしただけで同時に作業をさせながら自分はキッチンへ向かい)
(/こちらもかなり冷たい態度かと思われます…。
次レスで私から行きます!)
なんでもない。
(悪戯っぽく笑みを溢してそう伝えると、今日もいつものように彼の準備した服に着替え、顔を洗い、ぐっと伸びをしながら朝食を待つのだった。)
(/承知しました、宜しくお願い致します!)
……息が詰まる
(自分の不注意で両親を亡くしてしまった。地獄の炎のような、あの悪夢から数日後、とある屋敷に引き取られて。今日の朝からこで執事として、身を置かせてもらうことになったのだが。身につけた執事服のきつさに顔を顰めながら自分の仕える"お坊ちゃん"の部屋のドアを叩き、)
(確か昨日やら一昨日やらに、父から「家族が増える」だとかなんとか聞かされていた気がする。きっと犬や猫などの動物かそこらだろう。──だから今のノック音もどうせ使用人だと思いつつ、両手で取っ手を掴むとそのままドアを開き。しかし、その先にいるのは見たことのない姿。その顔を見上げながら、怪訝そうに一言、)
……なんだおまえ
今日からお坊ちゃんの執事です
(そう言うように言われたのだ、彼の両親から。
用意された言葉をさらりと並べては、部屋と彼を交互に見て一言、「今から掃除する」と告げて部屋に入ろうと、)
っ?!──ちょっと待て!
(「新しい家族」がまさかの人、しかも自分の執事だと…?正直、全く状況が飲み込めていない。更に自分が何も言っていないのに部屋に入ろうとする彼…、それを通せんぼするように精一杯両手を広げて彼の前へ)
退いてください、頼まれたんです部屋の掃除
(何をしているんだこの人はと言わんばかりの視線を彼に向ける。服のポケットには何をしたら良いのか、時間ごとに区切られてメモ書きされたものを忍ばせており、彼の腕に手をかければ無理やり手を下げようと)
嫌だ!ここは僕の部屋だぞ!勝手に入るな!
(我儘、しかし、たとえ頼まれたからと言ってそう簡単に自分の部屋へ入れたくはない。力が敵わず、広げた両手はあっさり下ろされてしまうが、抵抗するようにそう大声で)
…では頼まれないように部屋を綺麗に保てば良いのでは?
(杖を振り、窓の桟の部分や窓ガラスを雑巾に拭かせる。まだまだ安定はしていないが、そのまま杖をもう一振してベッドメイキングを初め。うるさく叫ぶ彼に聞こえるよう、盛大にため息を零してはそう一言、)
っ、う……
(今の自分の部屋は、お世辞にも綺麗とは言えない状態。言葉を詰まらせ、そのまま黙りこくってしまう。肩をぷるぷると震わせ、目の端には涙が浮かんでおり)
すぐ泣く。温室育ち、まるで薔薇ですね
(自分より年下に見えたが、まさか嫌味を言っただけで目の端に涙を溜められるとは思っていなかった。ぽろりと敬語が外れた本音を零しながら、掃除を終えればメモを取り出して次にやることを確認し、)
(/なんかヴィラがすっごいやな奴になっちゃってますが大丈夫でしょうか……。
あとノエルくんすんごいカワイイです、ありがとうございます!)
っぐ……、お前なんか嫌いだぁ!父さんに言い付けて…すぐクビになっても知らないからな……っ!
(目の端に溜まっていた涙はぼろぼろと流れ落ち、何度拭っても止まりそうにない。涙いっぱいの瞳で彼を睨み付け、何度か言葉を詰まらせながらそう言い切る。そしてその後、もう堪えきれなくなったのか大泣きで)
(大丈夫です!此方のドM精神がくすぐられております……!最高です。
8年前なので、ノエルは直ぐ泣きます、あと超我儘です(()
そうやって親に言えば済むと思ってるの?
(魔法でやれば済むものの、慣れない仕事はまだまだ山積みだ。自分には我儘を言い付けて甘えられる両親だってもういない、自分の手で亡くしてしまったのだから。わんわん泣いている彼が癪に障り、思わずそう怒り気味で言い返して)
(/両親無くしてすぐくらいでかなりカリカリしてるヴィラです…14歳難しい……。
え~~~可愛いじゃないですか!!
そこにヴィラが煽って負のループですね(()
っ……ぅ、なんでっ、なんでそんなこと言うんだよ……っ
(目の前の彼に親が居ないことなんて知らない、今まで親に頼りきっていたからの言葉……だったのに。いきなり全否定されてしまった。実は、こうして否定されるのは始めてのこと。身内に何かを話せば全肯定されてきた世界、彼の言葉に戸惑いの色を見せ、泣きじゃくるなか弱々しい声で呟き)
(/怒ってるヴィラさんもいいですね…、普段見せない子供っぽさ(過去ですけど)素敵です…!
さてさて、このループがいつまで続くことやら())
私は全肯定なんてしないですからね!
(未だ泣きじゃくりながら弱々しく呟いた彼の言葉すら真っ向から否定する。一人で生きてきた期間は短いものだったが、頼りきりであろう彼の姿をふん、と鼻で笑い。次は彼の朝食を用意しなければと一旦部屋を後にして)
(/今のヴィラに昔カリカリしてたなっていじると照れますよ!!
楽しいのでもう少し続けましょう…!!笑、)
……っぐ、……ぅう……っ
(彼がいなくなっても涙は止まらない。自分に放たれた言葉、一つ一つが心に突き刺さっている感覚。部屋の隅で体育座りをし、自分の膝に顔を埋めて)
(/これは耳より情報…ありがとうございます!
楽しいですよね(笑)了解です!)
…_ご飯!!
(さすがに、大人気なかっただろうかとは思うが、自分にだって思うところがあったのだ。料理人から教えらながら彼の朝ご飯を作り上げていく。焼きたてのクロワッサンとコーンスープ、簡単なサラダ。それらをワゴンに載せては再び彼の部屋のドアをノックして)
(/大体どのあたりまで過去編やりましょう、お互い心を開いたぐらいまでにしましょうか?)
……要らない
(もうドアを開ける気にもならなかった。鼻水をすすって鼻声でそう呟くと、表情を隠すようにより一層深く膝へ顔を近付ける。まだ小刻みに肩を震わせながら小さく踞っていて)
(/そうですね、賛成です!)
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