◆Lollipop tart◆

＿＿はい、私には美味しそうな西洋菓子に見えますが…………もしかして、苺はお嫌いでしたか？

(想像とは全く違う反応、質問が返ってきて、戸惑いながらもそう答え。改めて手元のケーキを見てみるが、やはり自分にはお菓子にしか見えない……彼の態度、不満そうな表情から、ひょっとして苺は嫌いだったかと心配そうに眉を下げ)


(/質問なんですが、ルシェル君のお城？お屋敷？には料理人とかそういった役職の人もいますか？
あと、この国の主食はお菓子？ですか？)

シアン、お前が食べてしまえばどうだい
(苺が嫌いなのか、そう問われてまた首を振る。嫌味で言ったことに、彼女は気付いていないらしかった。自分が食べなければこのケーキはどうなるのか、想像するに廃棄処分だろう。それではこのケーキが浮かばれない。遠隔魔法でかちゃんと部屋の扉に鍵をかければ「他にばれぬようにしてくれよ」と呟く、)

(／います…！
普通の食事も取れますが、大体はお菓子が主食って感じです、私らでいう普通の食事が嗜好品、という認識でお願いします！)

私が……ですか？
しかしルシェル様、何か口にしないと空腹で倒れてしまわれますよ？

(どうやら苺が嫌いという訳では無いらしい……が、正直、彼がこれを食べようとする気は感じられない。
他のケーキと交換するか、料理人の方に他のスイーツを作ってもらうか。そう考え一度戻ろうとドアへと身体を向ける……も、鍵を閉められてしまった。
自分が食べてはどうか、と問われたが、元々彼のためのスイーツ。本人からの了解があったとしても、自分の主人の食事を食べるのは気がひける。
食事を抜いたことで彼の健康、体調面に影響が及ぶのは避けたいということで、なんとか食べてもらえないかという思いを込めそう伝え)

(/成程！了解です。ありがとうございました！)

…ごちそうさま
(確かに、今日は、いや正確には昨日の晩からなにも口にしていない。寝る前にホットミルクを1口飲んだだけだ、それでは食べた内にはいらないだろう。そんなことくらい分かっている。でも食欲がわかないのだから仕方ないじゃないか。彼女の様子を見るに、自分が食べなければ出ていかないだろう。諦めたように彼女の手からショートケーキを取り上げ、テーブルに座り直せば、もさもさと、不満げではあるがそれなりの早さで食べ終えては「これで満足？」と彼女をじとりと見、)

(／なにか分からないことがあればいつでもお聞きください！)

…………お下げ致します。

次回のスイーツは如何致しましょうか。
市販のものがお嫌いでしたら、料理人へメニューを伝えておきますが……

(取り敢えず食事は摂ってくれたと一安心。
しかし先程から全く変わっていない彼の不満そうな態度を見ると、やはり今日のケーキは気に入って貰えなかったようだと痛恨する。空になったお皿をトレーの上に乗せ、どうやらお菓子の要望は彼に直接聞いた方が良さそうだ、という考えになり、次の「お菓子の時間」に食べたいスイーツを問いかけ)

(/了解です。ありがとうございます……！)

チョコレートのタルト
(ばさりと、まるで今日のケーキがまずかったのだと言うかのようにそう答える。1番の大好きなお菓子はチョコレートマカロンだが、それを用意させるのは心配で。食べ慣れた、あの味が食べたい。叶わないことだ諦めろと脳が呟いても、彼女に嫌がらせのつもりかこんな無理難題を突き出しては、出来ないだろう？と前置きしたあとで、)
前のメイドと同じ味にして

(／いえいえ、こちらこそ改めてよろしくお願いします！)

先代のメイドさんと、同じ味……ですか

(主からの要望を繰り返す。
彼のリクエスト通りのスイーツを提供する場合、市販の物は必然的に無しになる。
となると残るは手作りという手段。しかし、今日此処に雇われたばかりの自分に、その「味」が分かる筈もなく。
もしかすると料理人なら分かるのではないかと微かな希望を抱き)

……承知致しました。料理人に話を通しておきます。

不味いものを持ってくるなよ？
(今日来たばかりのメイドに、あのメイドが作っていた味なんてわかるわけがない、作れるはずもない。そんなこと、小学生でとわかるというのに。仮にも一刻の王子である自分が、なんと馬鹿らしいことを言いつけたのか。ツン、と上を向いて咲く百合の花のような冷たさを感じさせる態度は崩さず、「不味かったらこの場で捨てるからな」釘を刺すように一言付け足して)

(／名前間違え大変失礼致しました…！
次回から気をつけます、申し訳ございません！)

(/大丈夫ですよー(*´∀`)

この後の展開どうしましょう？
時間飛ばしても、何か仕事頼んでも、会話パートに入ってもいいと思いますが……)

(／ありがとうございます。

そうですね…、なにかやりたいことなどはありますか？時間を飛ばして翌日にしてもいいかな、と私は思いますがどうしましょうか、？)

(/今、一応シアンはルシェル君の過去について詳しくは知らない状態なので、なにかそこに深入りするようなイベント？やエピソードはやりたいです！
しかし、初日でそこまで勘づいて話を聞くのは少々強引な気もするので、時間を翌日に飛ばすのに賛成です！)

(／では時間を翌日に飛ばして、お菓子の時間に部屋に来たらルシェルがいなかった…みたいな流れはどうでしょう？ 探すうちに多少は過去に繋がるなにかを見つけるかもしれませんし、いかがですかね？)

(/おお……良いと思います！
それで取り敢えずロル落としてもいいですか？)

(／はい、お願い致します！)

＿＿翌日

ルシェル様、お菓子をお持ち致し＿＿
(今日はチョコレートのタルトを片手に、部屋へ入っていく。料理人に無理を言って作ってもらったものだ。これは喜んでくれるだろうか……と考えながらそう呼び掛ける……が。思わず言葉が止まる。
部屋の中に誰も居ないのだ。何度か名前を呼んでみるも、全く返事はなく。兎に角彼を探そうと、部屋の中をぐるぐる歩きまわり)

(誰もいない部屋、代わりにいたのは机の上の日記帳と、その隣に置かれた彼女と同じメイド服を着た女性の写真が入ったロケットペンダント。その隣に乱雑な字で"直ぐに戻る"とだけ書かれた紙切れが置かれていて。時間になればあのメイドはきっかり自分のためにお菓子を持ってくるだろう、そう見越して書き置きを残しておいたのだ。それから数十分後、両脇に本を抱えて戻ってきて、)
…ああ、いたのか、

“直ぐに戻る”……
(初めは見落としてしまっていたが、よく見てみれば机上に、彼のものであろう字でそう書かれた紙を見つけ。どうやら無事らしい、と安堵の息が漏れる。ふと隣に視線を向けると本とペンダントが置かれており、よく見てみればそれは日記帳とロケットペンダントということも分かった。ペンダントの中の綺麗な女性の写真＿＿自身の格好と殆ど同じ、ということから、彼が昨日言っていた『前のメイド』だと察し。
そういえば彼がお菓子にわざわざ『前のメイドの味』にするよう言ったのは何か理由があるのか……と脳内に疑問符が浮かぶ。
また、日記帳……この様子だと何か彼に関する事が分かりそうだが、読むべきか何も触れずにおくべきか。勿論これから仕えていく身として、自分の主のことはよく知っておきたい。しかし、これは恐らく、いや確実に彼の日記帳。勝手に読むのは流石にまずいのでは……と躊躇う気持ちもある。長い間一人悩んでいると彼の足音が聞こえたため、一旦机に置いておいたお菓子を持ち直すと、出迎えるように彼の方を向いて一礼し)
お帰りなさいませ、ルシェル様
いらっしゃらなかったので驚きました

わざわざ書き置きまで残したのにか
(とんでもなく早い時間に目が覚めて、もう1度寝てみようと試みたものの全く上手くいかなくて。それならば、心に引っかかる問題を調べようじゃないか。そう思い立ち昔の資料を集めに行っていたのだ、朝方は人も少なくてちょうど良い。あのメイドが来るまでに戻ればいいかと思っていたが、自分が少し遅かったようだ。それでも驚いたという彼女に、メモまで残したのに、とそのままの疑問をぶつけながら机に持ってきた本を置いて、)

私がその書き置きを見付けるまで時間がかかってしまいまして……
(そう言いつつ彼から視線を逸らすように、たった今本の置かれた机を見る。変に意識をしていなくても目に入ってくるペンダントと日記帳。本人を目の前にした今、果たして言及しても良いものかとまだ葛藤は続いたままだ。そうした中、やはり先ずは自分の仕事をこなすべき、と判断し)
お菓子は直ぐ御召し上がりになりますか？