鳴河崎町にて（〆）

あ。相模くん、こんばんは。いやー、ここ安くていいね。教えてくれてありがとね
（この前知り合った相手の姿を見つけると相手に近づき微笑みながら挨拶をして）

…別に、大したことは。
(眠そうにあくびをしながら返して)

まだ地理の把握出来てないから僕は助かったよ。他に教えてもらったお店も今後行ってみるつもり。あ、そうそう。この前は出来なかった連作先の交換って出来る？　嫌なら無理にとは言わないけど
（相手がどんな反応をするか伺っていて）

……。
(無言のままスマホを取り出し)

ん、ありがと。僕のはこれね
（Lineのバーコードや電話番号、メールアドレスを表示して）

……どうも。
(バーコードを読み取ると自分のバーコードを見せ)

ありがと。暇な時とか気軽に連絡してくれていいからね
（相手のバーコードを読み取り、よろしくと書かれた猫のスタンプを送ると微笑み）

……ん。
(スタンプを見ると制服と制帽を着た可愛らしい犬が敬礼をしているスタンプを返し)

お姉さんに切り絵は渡せた？
（相手はどんな物を買おうとしているのだろうとちらとカゴの中を見て）

……一応。喜んでた。
(少し表情を緩めて)

それは良かったね。お姉さんと仲が良いんだね。僕は一人っ子だからちょっとうらやましいよ。お姉さんとは一緒に住んでるの？
（相手の表情を見て微笑んだ後、何となく尋ねてみて）

……姉さんは普段霞ヶ関で仕事してるけど…時々遊びに来る。
(ぼそぼそと小声で呟いて)

そっか。お姉さんてどんな人？
（活発そうだなぁと思いながら尋ねて）

…警察官僚。……でも俺より子供っぽい。
オムライス好きだし…明るい。
(ぼそぼそと小声で答え)

あ、そうなんだ。かっこいいね。楽しそうなお姉さんだ
（警察官僚と聞くと少し表情がこわばって。元々東京で勤務をしていてとある事件に関わりここへ異動させられることになったため、お姉さんに知られている可能性があるなと考えて）

……別に…鬱陶しいだけだ。
(照れ隠しのように素っ気なく顔を背けて)

ふふ、素直じゃないなぁ……
（顔を背けた相手を見て微笑んで）

…そういえば、あんたは仕事…何してんの？
(ふと思い出したように首を傾げ)

……え？　あー……公務員……えっと、刑事だよ
（公務員だと誤魔化そうとしてみるも、悩んだ末正直に答えることにして。相手はどんな反応をしているか窺いながら）

…意外。見えなかった。
(驚いたように目を見開き)