青年 2020-06-04 22:55:13 |
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颯希さん、今日からお世話になります。
( 扉が開かれ出迎えてくれたのは叔父なのだが、姉弟だけあって笑った顔が亡き母に似ており。入室した途端、母の面影のある叔父の姿に泣くつもりはなかったのだが優しく抱きつくと胸元辺りに顔を埋めながら玄関にてそのまま泣き出してしまい。一頻り泣くとゆっくり離れ「 早々にお見苦しい所を見せてしまってごめんなさい。颯希さんの顔を見たら安心して思わず……」直ぐに謝罪した後軽く頭を下げて)
颯希さんお気遣いありがとう。僕も颯希さんがやりやすいようにまとめて欲しいからさ、長さとか文字数は気にしていないよ。会って早々泣いてしまってごめんなさい。優しい颯希さんの姿に涙が止まらなくなって。
そんなにかしこまらなくて良いよ。大丈夫。(礼儀は必要であるが、それでも堅苦しいのはあまり得意ではない。これから共に過ごすことになるのに距離が遠いのは居心地も良くないだろう。そっと頭を撫でてやりつつ微笑んで。扉をぱたんと閉めた途端に泣き出す彼。天涯孤独、無理もない。誰よりも苦しいはずで、だから自分が支えてやらなければ、と親心らしきものを覚えては特に言葉を掛けることもなく背中をぽんぽんと擦ってやり。「気にしないで。見苦しいなんてことないからね。今はまだ難しいだろうけれど、俺のことを頼ってくれて良いんだよ。我慢なんて必要ない」離れてすぐの謝罪には苦笑いをもって応じ。荷物をリビングへと運ぶとそれらを置いて彼へと視線を向けて)疲れたでしょう、お茶にしようか。蒼眞は何が好きなの?
(一頻り泣いてスッキリしたのか後を追う様に歩いてリビングへと移動し。状況が状況なだけに色々と考える事があるが、今は全て忘れて叔父である彼の記憶について考えようと努めて。ソファに座ると飲み物はどれにしようか悩み、考えて出た答えは「アイスレモンティーがあればそれで。なければ冷たいお茶をお願いします」アイスティーとお茶を注文すると今度は此方から問うて)あの、颯希さん。今日はオフですか? それとも夜に仕事があったり? 役者だと母さんから訊いていたので。
了解。待っててね。(要望を確認するとこくりと頷いて了承の意を示し、キッチンへと移動。紅茶を用意しながら口を開いて「ああ、今日は──夜から撮影だったかな」書いておいたメモを思い返して答えを返す。メモをしたときの記憶はないから仕方無いが、気の置けない仲のマネージャーから今朝連絡が入っていたから間違いない。早速一人にするのは忍びないが、とはいえ彼を仕事場に連れ出すのも良くはないだろう。アイスレモンティーとクッキーを彼の前のテーブルへと置いては、付け足すように話して)ごめんね、時間が掛かったら申し訳ないけれど、料理は作ってから行くから。
颯希さんありがとう。いただきます。(テーブルに置かれたアイスレモンティーの入ったグラスを持ちいただきます、と告げてから一口飲んで。やはり役者は昼夜関係なく撮影を行わなければならないという事に対して、記憶の事もあり叔父は普通の人以上に大変だと内心心配になり。出掛ける準備もしなくてはならず、それだけでも忙しいと思い夕飯については気にしてほしくないのか気を遣い)颯希さん、夕食については気にしないで仕事の方に集中してほしいな。料理なら母さんが存命中からしていたので慣れているし。颯希さんの分も用意しておくね?
いーえ。美味しく出来てればいいけれど。味は大丈夫かな?(アイスコーヒーを片手に持ちながら首を傾げて問い掛け。空いた手にあるのは台本で、こうして合間に眺めるのがルーティンともいえるもの。とはいえ、短期記憶なら問題ない為、どちらかといえば確認の意味合いが強いのだが。気遣ってくれる言葉に顔を上げると、台本を置いて彼の頭をぽんと撫で。知らない間に成長しているんだなあ、なんて親心を刺激されつつ、目元を緩ませて嬉しそうに笑み)そうか、ありがとう。怪我をしないように気をつけるんだよ?
クッキーも含めて美味しいですよ?ありがとうございます。(グラスの中身は半分程無くなり、クッキーも美味しく食べ終えてしまい。頭を撫でられると最後に母から撫でてもらったのはいつだろうかと考えつつ笑みにつられて微笑むと、横から甘える様に抱きついて)父さんがいたらこんな感じなのかな。夕飯は颯希さんのリクエストにするので、何が食べたい?
良かった。安心したよ。(アイスコーヒーを三割ほど飲み終えたところで手を止め、こくりと頷いてみせ。突然の重みと温かさに少しばかり驚くも、愛おしく思って抱き留めてやり。慣れないながらに背中をぽんぽんと擦り、夕飯へと考えを巡らせて。何が良いだろうかと思案するうち、テレビへと映ったオムライスに目を奪われた。思わず口に出すも、子どもらしく思われるだろうかと気恥ずかしくなって口元へと手を添え)まだ父ってほどの歳でもないけれど、ね。オムライス、なんて……どうだろう?
(母親の温もりしか知らずに育ったので父親の事は話には聞いていたが顔は知らない為、父親や兄がいたらこんな感じだろうかと背中を擦られながら考えて。オムライスは大好きな料理のひとつの為、張り切って作ろうと気合いが入り笑顔を浮かべながら卵について問うて)父親又は歳の離れたお兄さん?オムライス大好きだから頑張ってつくるね!卵はふわとろの半熟がいい?それともしっかり焼いた綺麗なオムライスがいい?
(彼が父親を知らないのは無理もない。それを自身に重ねることも。愛を与えることができるのだろうか、自信はない。それでも精一杯支えてあげたいと頭を撫でて。彼にすべて任せるのは申し訳ないと思いつつ、自炊や外食以外の食事は久方ぶり。誰かに作って貰えること自体が既に嬉しく、リクエストを伝えながらもついつい頬が緩んでしまい)そうだなあ……やっぱりふわとろがいいな。
颯希さん遅くなってごめん!
お詫びに気合い入れてオムライス作るのでよろしくお願いします。
( ふわとろと訊いてからソファから立ち上がり「颯希さん、キッチンと冷蔵庫お借りしますね!」久しぶりに誰かに食べてもらうのもあって気合いが入り、弾む足取りでキッチンへと足は動き。冷蔵庫の扉開けると綺麗に整頓されているのもあり、どこに何が置いてあるのか一目瞭然で。早速食材をまとめて出しては先ずは手を洗って)
ああ、勿論。怪我はしないようにね。(ふわとろのオムライス。しかも甥っ子が作ってくれるとあれば、自然とお腹がすくというもの。ぐうと鳴る腹の虫に気恥ずかしく思いながらも、イメージを膨らませるべく台本へと視線を走らせて。それから数分、何となく落ち着かない気持ちになっては、ふわふわと浮き足立つままに台本を置いてキッチンへと。期待と心配をしながら、進捗を見ようと顔を出して)今はどんな具合かな?
颯希さん? 今はチキンライスをつくっているところだよ。あ、そうだ。颯希さんは夕食を食べてから仕事に行くのかな? それとも食べずに仕事へ行って帰宅が遅くなるようならオムライス以外に何か軽めなの作ろうか? サンドイッチとか。( 一口大に切った鶏モモ肉とケチャップで先に炒めた後、温かなご飯を投入し。混ざて炒めているとキッチンへ現れた相手に対し笑顔で対応、食べてから仕事へ行くのか食べずに行くのかわからず手を動かしながら質問し。ご飯がケチャップと綺麗に混ざりあって鮮やか赤に変わると一旦火を消し、お皿へチキンライスを移し替え。軽くペーパーでフライパンを拭いて綺麗にしてはフライパンを熱して油を引いては肝心の卵作りへ工程が変わり) ふわとろな卵のオムライスを作るのは久しぶりだからちょっと緊張するかも。
蒼眞。申し訳ないのだけれど、少し仕事が立て込んでしまってね。遅くなるかもしれないから、連絡だけしようと思って。今週末までには返したいと思っているよ。待っていてくれたら嬉しい。( 眉下げ笑み )
颯希さんお仕事大変なんだね。僕はいつでも待っているから急がなくていいよ。颯希さんのペースで構わないから連絡ありがとう!( むぎゅう )留守中はこの僕が家を守るから安心して我が家へ帰って来てね。( ふにゃり )
有り難う、蒼眞。( 頭ぽん )君に甘えているといつまでも空けてしまいそうだったから少し出てきた。今日のうちには難しいかもしれないけれど、まあ……火曜日には、なんて。だんだん延びてしまったらごめんね。
些か待たせすぎてしまったかな。蒼眞が優しいからつい甘えてしまうよ。( 眉下げ笑み )たまにはこうして短いものだけでも良いかな、なんて思うのだけれど、どうかな?多分、長いものを書いているとペースが落ちると思うんだ。
えっと、おかえりと言って大丈夫かな?( 不安そうに眉下がり )颯希さんの負担になるのなら短めでも平気だけど、ずっとこのまま?せっかく始まったばかりだからあの続きを極力途切れさせたくなくて。( じーっ )
そうだね。ちょっとお腹すいてきたから、食べてからにしようかな。(久し振りの台所から漂う香りに、自然と思い出すのは姉のこと。よく作ってくれたんだよな、と懐かしく思うのは、記憶から消えない程に好みのものだったということだろう。美味しそうなチキンライスを覗き込んでは「わあ、すごいね」と声を上げ。褒めたくなるのは子どもの頃からずっと見てきたから。もうこんなに大きくなったんだ、と感慨深くなり。そっと自身の両手を握って拳を作りながらふわとろの卵にぬるように応援を) きっと蒼眞なら上手くできるんだろうなあ。頑張って。
途中まで書いていたから完成させてきた。待たせてごめんね。俺も書くのは好きなんだけれど、ばたばたしてたら遅くなっちゃった。文章短めになるだろうけれど、それでも良かったら続けてくれる?
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