風都鳴海探偵事務所（相棒のフィリップ募集だ）

（未来から来た自分はずっと相棒と一緒に居たが果たして自分は何のために過去に来たのだろうと今はわかるはずもない考えが頭を過るがミーナに左手に触れられる感覚を感じ顔を上げてその後に元気付けるように言われた言葉にキョトンとなるが小さく微笑み「…ありがとう、ミーナ」と感謝の気持ちを一言で伝え、眉間に皺を寄せるリーダーの様子を見れば１つのuseメモリを何も言わずに彼の掌へと握らせ『いやね克己ちゃん。私はこれでもサブリーダー何だからそこは理解してるわよ。ちょっと可哀想と思ったのは本当だけどね』と克己こ言葉と様子に肩を竦めてそこは理解していると笑って口にし克己に手招きされてマリアがやって来たのを見れば口を開き『いや、確信と言うより１つの謎が解けたと言った方が良いわね。私が偶々探偵君の手からブレスレットを通して治癒されたのと元々私が死んでるからわかったんだろうけどね、あのフェザーメモリ、探偵君自身から直接誕生したみたいなのよ』と前置きした後に思い出すように呟き、それを聞いたマリア『…え？』と驚きの表情を浮かべて）

（小さな微笑みを見て安心して頷いて『貴方は優しい人なのね。克己も貴方みたいな人の仲間になれたらいいのに』かつて自分を救ってくれた悲しき傭兵の姿を思い浮かべ視線を地面に落として呟き、泉から言われた内容を理解するには少し時間を要し口を開けたいいもののどういう事かとポカンとして『…どういう事だ？人体からメモリが誕生するなんて事があるなんてな…流石はミュージアムの代物だな』財団Ｘからの支援を巡ってガイアメモリはどうやら常識の範囲を遥かに越えているらしくメモリが特別なのか生み出した人間が特別なのかにわかに信じがたいと首をゆっくり横に振り『いやお前の情報が間違ってるとは思わないさ。ただ少し驚いてしまって』信頼の置ける泉が間違うはずはなく受け取ったUSBを端末に差し込んで）

…優しい人なんて俺以外にも沢山居るさ（ミーナから優しい人と言われては苦笑いして首を横に振りそう口にし克己の話を聞けば昔彼女から聞いた克己の悲しい過去の事を思い出しては相棒のフィリップと彼女には何時までも元気に居てほしいと感じており左手を彼女の頭に指先だけ置き少し俯き「…ネバーの奴等や…大道を助けてやりたいって思うのは…変、なのか…な…」とこの世界で初めて克己と出会った時の事を思い出し気付けばそう呟いていて、どうやら驚いているらしい克己の様子と言葉に苦笑いを浮かべ『私も驚いたわよ。人間の身体からガイアメモリが誕生するなんて私も聞いたことないから』と自分も知った時は驚いたのだと告げ此方が渡したUSBが端末へと挿し込まれれば端末の画面に今のフェザーメモリと此方の繋がりがデータとして映し出されておりそれを見たマリアは『……泉君の言った通り、このメモリとこの子の命は完全に繋がっているみたいね。…そして、恐らくこのメモリはこの子しか能力を使用する持ち主として認めないわ』と端末のデータを見ていきながら自身の推測を口にした後最後はフェザーメモリの得られたらしいデータの１つを指で指しながら呟くようにそう口にして）

（苦笑いして発言を否定する相手に『いいえ、私には分かるから』特殊な能力のおかげで人の本質を見抜けるのだと静かに告げ『…探偵さん、なんでしょ。それならお願い…克己達を助けて欲しいの』ネバーの人々を助けたいと思う気持ちは変でないと首を振り地面から顔を上げ真っ直ぐ向き合えば探偵である翔太郎に依頼とまでは頭を下げ克己達の事をお願いして、泉が調べたデータをマリアと共に読み『へぇ、なら自分で作り出したメモリに自分の命をくれてやってるって事か。使い続けりゃ当然…だよな』いっその事メモリを使わせ生命力を全て奪い取ってからネバーにするのもアリかとほくそ笑みちらりとマリアの方を見れば流石は親子で同じ事を考えていたらしく此方の視線に小さく頷き）

（ミーナの静かな言葉を聞けばそう言えば彼女には特殊な能力があったのだと思い出しその彼女から頭を下げてネバーや克己を助けてほしいのだと言われては思わず目を瞬かせるが「…俺に、大道やネバーの奴等を助けれるかなんてわかんねえけど…、けど、助けたいって心の何処かでずっと思ってたから…やれるだけやってみるぜ」と自分に助けられるかはわからないが助けたいのだと明確な強い意思を彼女に伝えそれを聞いた彼女が安心したような顔をしてその場から離れたのを見送り、そんな親子を見ていた泉は自分が言えた義理ではないが怖いものだと肩を竦めデータを見ていたマリアは１つの映像を見付け『…これは、今のリアルタイムのあの子かしら…』と少し此方が映っている映像がありそう呟き、その間に此方はメモリへと変わって目の前に浮くフェザーメモリから伝わってくる意思に首を横に振り「…わかってる、どっちにしろもう時間はねえんだ」と周りから見れば独り言のような呟きはマリアが持つ端末を通して克己達にも聞こえていて）

（本当は優しい克己も心の底から優しい探偵と関わればきっと変われるはずと信じて『ありがとう。未来から来て大変だと思う…でも未来を知ってるからこそ今をもっと素敵に変えられるはずよ』フェザーメモリのはまる左手を取り両手で包んで微笑んでからミーナは暗闇へと帰っていき、マリアの呟きに端末を見ればメモリの形したフェザーメモリがあり『…時間がない？』何を言ってるのかと独り言を拾い上げ『まあ何でもいいか。こいつ自身メモリの全てを理解してないんじゃ今はこれ以上有益な情報は得られないだろう』死人故に疲れは感じないが今日はもう止めだとして１人先に部屋を出ていき）

（部屋を去るリーダーにマリアは息子に対して、泉は仲間として『おやすみ』と声をかけ、暗闇へと再び姿を消したミーナを見送った後フェザーメモリから伝わってくる意思にもう残された時間は着実に減ってきていると感じまだ星が輝く深夜の空を数秒見上げた後もう寝ようと屋敷の中へと戻り与えられていた豪華な１つの部屋へと入ってはそのままベッドへと横になり眠りにつき、それから数時間が経ち朝の６時に目を覚ましてはゆっくりと起き上がって伸びをしつつ今日が受け持った依頼の勝負所かもしれないと感じつつ起きているかはわからないがと苦笑いしつつスタッグフォンを取り出して相棒に１通のメールを送れば部屋を出てゆっくりと廊下を歩き、同じ頃事務所ではメールの受信音でファングが咲に目を覚まし１つ欠伸をしては『フィリップ様、朝ですよ』と寝ている相棒に声をかけて）

（翔太郎と一緒に依頼をこなす夢を見ていれば何か音がした気がして次にファングの声が聞こえたが正直まだ寝ていたい気持ちが勝り「…まだいいじゃないか。起きても翔太郎は居ないんだし、こういう日は寝るに限る」眠たい目を擦って細く開けて腕時計を見ればまだ朝の６時だと判明し相棒が不在の時にそんなに早起きしたって新しい依頼は受けられないし何もいい事ないとファングに背を向け二度寝する体勢に入り）

（どうやらまだ眠いらしく二度寝するきまんまんの様子のフィリップにファングは１つ溜め息にも似た小さな息を吐き『二度寝するにしても７時にはちゃんと起きてくださいね』と機械的だが穏やかな声で告げた後先程の音の正体であったスタッグフォンを見付ければ小さな身体を使って上の部分を開き入っていた此方からのメールをゆっくりと読めば二度寝するきまんまんの彼の変わりに足を使ってメールを打ち込んで送信しておき、廊下を歩いている途中で来たメールに気付けば再度スタッグフォンを取り出して書かれていたメールの内容に苦笑いを浮かべつつ返信を打ち込んで再度送信すれば懐に仕舞いふと台所を見付けて何となしに覗いてみればシェフの姿があったのでどうやら珍しく寝坊して慌てている様子だったので手伝うことにし中へと入り）

（相棒不在の日なら満足いくまで眠れるかと思ったがメモリのくせして小うるさく言われ不貞腐れたまま返事はせず二度寝し次に目が覚めたタイミングで時計を見ればあと数分で７時のタイミングで渋々起き上がって「…起きたよ」寝ぼけた声でファングに話し掛けそういえばスタッグフォンが鳴っていたようなと手に取り相棒へ『おはよう。依頼は順調かい？』単文だが潜入調査を頑張る相棒を労る気持ちは自分なりに込めて送信してはのそのそベッドから立ち上がり大きく伸びをして）

（メールを送信した後枕元に置かれていた此方の帽子に気付けば帽子の裾を後を付けないように慎重に小さな口で持っている為起きた相棒からの挨拶を聞けば顔をだけを向けてはふっと微笑みを浮かべ『おはようございます、フィリップ様』と一言挨拶を返せば帽子を持ったままベッドを降り部屋を出てガレージの扉にある１つの帽子かけにかけては部屋へと戻り伸びをする相棒を見てはポツリと『…フィリップ様、どうかこれからくる運命に負けないでくださいね…もし翔太郎様が、居なくなったとしても…』と普通なら聞き取れないであろうとても小さな声で独り言のようにそう呟き、シェフの手伝いが終わり広間へと向かっていた所で再びスタッグフォンに鳴ったことに気付けば手にとって内容を読み『おはようフィリップ。ああ、依頼は大丈夫だぜ、恐らく今日が勝負所になる。よく寝れたか？』と相棒が心配になる気持ちは強くそう打ち込んで送信すれば僅かに苦笑いを浮かべつつ広間へと向かい先に居た琉兵衛に気付けば「おはようございます、琉兵様」と挨拶をして）

（寝惚けた頭で洗面所へ向かい顔を洗って目を覚まし人間が１人だとこうも事務所は広いのかと周囲を見渡した時ファングの独り言が耳に届き「…そんなの、本棚で調べて何とかするさ」大人びた未来の翔太郎が消えて元いた場所に帰れば今のうるさい翔太郎が戻ってくる可能性はあれどいくら運命だからって１人になってたまるかと「…僕はいつまでも運命の子じゃないよ」なんてファングに返答するというよりは独り言として呟き相棒からの返信が届いたため『ぐっすり安眠さ。勝負所が終われば直ぐに帰って来てくれるんだろう？ファングの小言にはもう飽きた』と返し、挨拶を受けた琉兵衛はにっこりと笑みを浮かべ『やぁ、おはよう。よく休めたかね。さてと、今日は何が起こるのやら心配だが君に全て任せるとしようか』心配との言葉とは裏腹に幾分か楽しそうな声色で手を後ろに組んだまま自席へと近寄りメイドが椅子を引くのに合わせて着席し）

（相棒の返答と独り言のような呟きにファングは内心これから起こるであろう数々の試練を思い出しそっと目を伏せ何も言わずにいたがふと顔を上げれば『私、翔太郎様の事好きなんですよ。あ、この方も貴方と同じようにお守りしたいとか見守っていたいとかそういった意味合いでの好きですよ。まあ、未来の貴方に流れで伝えたら私はただのメモリなのにライバル視されてしまったんですけどね』と本人は懐かしむようにいきなりのことを暴露するように口にし、琉兵衛の笑みと言葉を聞けば僅かに苦笑いしつつ頭を下げ『はい、琉兵衛様。琉兵衛様方には御迷惑はかけませんので』と真の隠った声で伝えそれを聞いた琉兵衛が笑ったのを感じ顔を上げれば若菜達を呼んできてくれないかと頼まれたので、畏まりました。とお辞儀をして了承しメイド達に若菜と冴子を任せた後自分は霧彦を呼びに行こうと部屋に向かう途中メールの返信に気付き内容を見れば僅かに苦笑いしつつ『よく寝れたなら良かったぜ。ああ、勝負所が終わって何事もなければ直ぐに帰れるぜ。ファングはああ見えてお前が心配だからな、って、そんなにファング小言言ってるか？』と返信した後そっとスタッグフォンを閉じて懐に仕舞えば霧彦の部屋へと向かい、扉の前に立てば３回扉をノックし「霧彦様、おはようございます。起きていらっしゃいますか？」と扉の向こうにいるであろう部屋の主に声をかけて）

（ファングの突然始まったカミングアウトにどうしたのかとキョトンとするが「そっか、そうなんだ。僕もきっと翔太郎の事が大好きだと思う」相棒が居ないと寂しく感じるのは相棒の事が大好きだからなのだろうとファングの頭を指先でツンツンして相棒からの返信を読んで『そっか、分かった。ファングは小言ばかりで君そっくりだよ』冗談混じりの文面を返して、ノックの後に聞こえた仕事モードの喋り方に『あぁ、起きているよ。入って来ても構わない』朝食に向かうため身支度を整えている最中だったが妹から貰ったスカーフを巻いて準備が整いドアに向かって返答し）

（指先でツンツンされつつ相棒の返答を聞いたファングはふっと機械この表情を柔らかくし『翔太郎様がおっしゃった通り、今すぐその気持ちに答えを出す必要はありませんから、じっくり向き合ってみてください』と穏やかな声で伝えた後再び窓の外に広がる青空へと目をやり、部屋の主から返答がくれば「失礼します」と一言断り扉を開けて中へと入れば部屋の主である霧彦の姿を確認し扉を閉めては「おはようござ……、おはよう、霧彦」と再び敬語で挨拶を変えそうとするが一瞬沈黙しては少し小さめの声で普段の喋り方で小さく微笑み再度挨拶をして）

気持ちと向き合う、か…（感情的な問題となると良く理解できないのは自分に人の感情に知識がないからだろうかと首を傾けそういえば昨日残した夕飯があったと冷蔵庫から取り出しレンジに仕掛けて、身支度は終わりいつも通りのスタイルとなり『あぁ、おはよう。昨日は遅くまですまなかったね』フランクに話す相手ににっこりと微笑みを掛けて『起こしに来たという事は朝食の時間かな？』窓を開け放ち朝の爽やかな空気を部屋に取り入れてから振り返って問い掛け）

（昨日の夕飯の残りをレンジにかける様子を見守ってはスタッと相棒の肩に乗り『フィリップ様、１つだけ助言を。感情とは調べただけで全てがわかるとは限らないんですよ』と静かな声で伝えた後何事もなかったようにスタッと机へと降り真ん中へと立ち足を畳んで座っては事務所の天井を眺め、霧彦の言葉に緩く首を横に振っては此方も微笑み返しつつ「俺はお前とゆっくり話せて楽しかったから、気にしなくていいぜ。寧ろ俺こそごめんな、何か迷惑かちまって」と最後は苦笑いしつつごめんと相手に謝り開け放たれた窓から入ってくる空気に頬を緩めつつ「ああ、琉兵衛さんに霧彦達を呼んできてって頼まれたからさ。……、」と相手からの質問に１つ頷いて答えた後何か言いたげにじっと霧彦の顔を見るがふっと僅かに俯いた後顔を上げて笑い「若菜さんと冴子さんは他のメイドさん達が呼びにいってるはずだぜ」と穏やかな声色のままそう付け足すように伝えて）

機械の君に助言されちゃうなんてね（普段あまり考えない内容は分からない事だらけで難しく考えたところで答えは出なさそうだと早々に諦め温めが終わった音に反応しレンジから取り出してテーブルに置いたら両手を合わせて食べ始め、『離したかったのは此方も同じさ。だから謝らなくていいし私から誘ったしね』首を振って謝るのを否定し屋敷の主によって全員が集まるのはいつもの事でそんな当たり前の流れを聞いていたが何か言いたげに顔を見られどうしたのか首を傾けるが話さず誤魔化され『言いたい事があるならハッキリ言っていい。園咲の人間としてでなく私個人として何でも聞こう』肩をぽんと叩いてどうしたのかと尋ね）

（フィリップの一言にファングは苦笑いにも似た雰囲気を纏いつつテーブルに置かれた昨日の残り物を食べる様子を見守りつつ『フィリップ様は、執事と言えばどんな風に思い浮かべますか？』とふと何気なしに食事を取るフィリップにそう呟くように問い掛けてみて、霧彦の本来あったのであろう優しさに一瞬苦笑いしつつ小さく微笑んで、ありがとうな。とお礼を言い此方が何か言いたげに顔を見せに観ていたことに気付いていたらしく肩に手を置かれて告げられた言葉にスッと浮かんでいた笑顔は消え今にも何処か泣きそうな表情へと変わってはそっと置かれていた霧彦の手を恐る恐る、しかしぎゅっと両手で握っては俯き「………怖い…」と数秒沈黙した後小さな声で一言怖いと呟き）

（カルボナーラをゆっくり食べていれば急に聞かれた内容に何を言いたいのかとキョトンとして「何でもしてくれる人、かな」主人に仕え奉仕する仕事とイメージを口にして人の命令に従うなんて大変そうだと肩を竦め、急に笑顔が消えたかと思えば泣きそうになって手を握られ『何が怖いって？口に出せば軽くなる事だってある』極力優しい声にしようと努め距離をつめ空いてる方の手で背中をポンポンと軽く叩くように撫で）