風都鳴海探偵事務所（相棒のフィリップ募集だ）

……ん、……？ふぃり……ぷ？（それから相手が本を読んでいくなかで目を覚まさず眠っていたが相手に片手を握られてはすうっとまるで自然と長いような長くないような眠りから覚めるように目を覚ましてはまず目の前に何処か複雑そうな表情をしている自分の相棒の姿が目に入り完全に寝起きの少し掠れた声で目の前に見えた相棒の名前を口にして）

物理的に殴ってみるか、この眠れる森の美女の王子みたいにキス…翔太郎？良かった、やっと夢から覚めたんだね（故障した電化製品は叩くと直るとか自分と同じ名前のフィリップ王子はオーロラ姫をキスで起こしたとか端から見れば変かもしれないが至って真面目に検索結果を口にしていれば目を覚ました相棒の声が聞こえ自然と溢れる涙はそのままにプツリと糸が切れたように相棒の肩に頭を乗せ脱力し）

ふぃ、フィリップ…？…何か、心配かけちまったみたいだな…ごめんな、フィリップ…（夢という言葉に思わず小首を傾げるがまるで電池か切れたように此方の肩に頭を乗せてきた相棒に思わず驚くが泣いていた事に気づいては優しく相手の頭を撫でつつどうやら一緒にあのドーパントを倒してからおぼろ気な懐かしく感じる夢見ていた間に心配をかけていたらしい事に気付いて申し訳なさそうに眉を下げてごめんなと口にして）

もうずっと目覚めないかと思った…（優しい手に撫でられる度に大粒の涙がぼろぼろ落ち洋服を濡らすのも気にせ体温を確かめるように手をぎゅっと握り肩を上下に大きく動かし深呼吸を繰り返ししばらくして落ち着いて顔を上げ涙に濡れる頬を乱暴に袖で拭い「おかえり、翔太郎」恐らく何が起こったか理解できてないであろう相手ににっこり笑顔でそう述べては姿を消したファングメモリに心の中で感謝の気持ちを伝え）

……ああ、ただいまフィリップ（そのまま片手を握られつつ呟くように言われた言葉に思わず目を瞬かせるがお帰りと言われては小さく微笑みただいまと優しげな声で言葉を返し優しく頭を撫でつつふと相手の左手を見てはその手にジョーカーメモリに気付き「あ、ジョーカーメモリ…あれ？俺お前にジョーカーメモリ渡したっけ？」と別に相棒が持っているのは構わないのだが自分からジョーカーメモリを渡した記憶はなく不思議そうな表情で小首を傾げて）

（依頼があれば現場へ向かう相棒と何度も交わした挨拶でも今は重みが異なり"ただいま"の四文字がこんなにも嬉しく感じたことは初めてで本当に良かったともう一度コツンと肩に額を当て「え、あぁこれ…君が落としたものを僕が拾った。次にメモリをなくしたら絶交だからね」指摘され左手を見ては持ったままだと気付きファングに支えられながら一人恐怖と戦った間の記憶は相手にはないらしくムッと頬を膨らせ次はもうないと忠告してから本来の持ち主である相棒の手に乗せ）

え、そ、それは嫌だし……ご、ごめんな…次からはちゃんと気を付けるな…（メモリ渡されつつ相棒である相手の口から出た絶交と言う言葉にピシッと固まり少し青くなりつつ渡された黒いジョーカーメモリをそっと握りように受け取っては申し訳なさそう無さそうに謝り次からは絶対に無くさないと心に決めるが果たして一体何処で落としたのだろうかとまるで霧にかかったように思い出せない一部の記憶を無理に思い出すように悶々と考え込んで）

君は約束を破らないって信じてる（何があってもコンビ解消なんてしないし敵の攻撃を受けた相手を攻め立ててもいけないと謝る言葉を否定するように首を横に振り、メモリを手に考え込む様子に「…記憶がないなら無理に思い出そうとしない方がいい、それより身体は大丈夫？熱とかないかい？」相手にとっての幸せな夢が自分と一緒にいる今でなく鳴海荘吉がいた過去というのも切ない話で視線を落とし弱々しい声で考えるのを止めさせハッと思い出しは自分と相手の額に手を当て体温を計り）

…え？あ、ああ…体はもう大丈夫だし、熱もないぜ（相手の言葉に僅かに微笑んではまあそれもそうかと思いつつジョーカーメモリを懐へと仕舞い額に手を当ててきた相棒の言葉にキョトンとなるが微笑んで大分だと告げ何故だかはわからないがこれだけは言わないといけない気がし「あのな、フィリップ、昔俺の師匠である壮吉さんと居たときは楽しかったのは本心なんだ。でも、過ぎてしまった過去は過去だって思ってる。それにな、実は今はお前とこうやって一緒に居て話してる時が一番楽しいんだぜ」と偽りの無い本心を口にしてはふふ、とまた自然と微笑みを浮かべてポンポンと優しく相棒の頭を撫でて）

元気になって良かった。じゃあ君の不調もあのドーパントの仕業だったのかな（変身で身体を使った上に頭をフル回転させたせいか自分の額の方が熱が高く不調でなくなったらしい相手には安心して両手足を脱力させだらっと座り「え…翔太郎どうしたの急に……でも、そう言ってくれて…ありがとう」ドーパントが見せた内容を覚えていないはずの相棒が急に語りだしキョトンとしたが幸せな夢から起こしてしまった後悔が完全に消え失せ今が楽しいとの本心に嬉しさでまた涙が溢れそうになるのを何とか止めくしゃっと皺寄せて満面の笑みを向け）

大丈夫、お前は俺にとって、大事な相棒だし、一緒に居て本当に楽しいぜ（相手に頭を自分の胸元でそっと抱き締めるようにしてはまるで親が子にするような優しげな手つきで頭を撫でつつ相棒を安心させるように優しく頭を撫でながら微笑んでそう声をかけるが「逆にお前は大丈夫なのか？」と逆に相棒の事が心配になり眉を下げて大丈夫なのかと問い掛けて）

照れ臭いけど言っとくと僕も同じことを感じてる（一瞬だけ背中に腕を回しぎゅっとベストを掴みしがみついて相棒の優しさを身に染みて感じて胸元に顔を埋めたまま大事な相棒であり一緒にいて楽しいのは自分もだと述べては身体を離し「正直疲れた。久し振りの外出にファングの変身にいろいろとあっからね」悪夢を見させるドーパントと対峙した後だから眠りたくない気分だが身体はもうくたくたで相棒の肩に頭を乗せ体重を預け）

…はは、そっか、それは嬉しいもんだな（相手の言葉に此方も何故か照れ臭くなるが嬉しいことに変わりはなくふっと笑ってそう言ってはどうやらとても疲れたらしい肩に頭を乗せてくる相棒を見ては頭を優しく少し考えた後「ちょっと待ってろ」と一言残し相手を一旦ソファにちゃんと座らせた後立ち上がって台所に向かい冷蔵庫から牛乳を取り出してはたまたまあったミルクパンを使って牛乳を温め少し蜂蜜を入れてはマグカップに注いで相手の所へと戻り「ほら、これ飲んでみろ」と微笑んでホットミルクが入ったマグカップを相手に差し出して）

二人で一人だからね（たまには照れ臭く言い合うなも悪くないもので左右の手に作ったピースをくっつけＷの形にして、席を立つ相手を目で追い何やら作ってくれている様子をぼんやり眺め「これはホットミルクかい？体内でトリプトファンが幸せホルモンになるとか…美味しい。ありがとう」両手で受け取ったマグカップの中身を問い掛けては軽くウンチク語り温度を確かめるようにそっと一口飲み優しい味わいに頬を緩ませ少しずつカップを傾け）

ああ、ホットミルクだぜ（相手の問いかけに微笑んでホットミルクだと答えては再び隣に腰掛け相手が飲み終わるのを見守りつつ「それ飲んで眠かったら寝ていいからな？」と優しげな声色で相手に声をかけつつ何となしに相手の額に手を当ててはその額から伝わってきた熱さに少し眉を下げ「お前ちょっと熱あるんじゃねえか？も心配そうな表情でそう口にして）

あのドーパントと戦った記憶が新しくて今はまだ寝たくない（ほんのり甘く温かい飲み物は眠気を誘発するが夢は記憶の整理と聞いたことがあり今眠れば倒したとはいえ悪い印象の強く残ったドーパントの嫌な夢を見そうだとポツリと呟き触れられた額は先程自分で触ったときも熱いと感じたが「これくらい問題ないよ。これ、ご馳走さま」多分大丈夫だろうと適当に受け流しホットミルクを飲み終わりテーブルに置いたカップはまだ温かく両手で包み込み）

お粗末様。今少しでも寝とかないと後で益々辛くなるぞ？それに誰かと居れば嫌な夢は見にくいって言うしな（相手の言葉になるほどと思いつつ優しげな声で語りかけるようにそう口にしてはやんわりと相手の頭を自分を膝に置かせ所謂膝枕をしてはこ「うして一緒に居てやるから、少し寝てろよ」ととても小さな声だが落ち着いた優しい声色で声をかけてはポンポンと膝にある相手の頭をとくように優しく撫で続けて）

それは初耳だな、夢について検索しておかなくちゃ（自分の意に反して身体が勝手に傾いた思えばさっきまで隣にあった相棒の顔が真上にあり状況を理解するまでの数秒間瞬きして「…ありがとう。やっぱり君はお母さんだ」照れ臭さもあるが今朝の話題を思い出し面倒見の良さやら行動やら全てを考えてやはりオカンだなんて納得しては定期的なリズムを刻む撫で方で心身共に緊張感が解け瞼が重たくなりすぐに眠りにつき）

ん…おやすみ、フィリップ…（やはりお母さんだと言われては僅かに苦笑いするが眠りについた相棒を見ればそっとおやすみと声をかけつつ頭を優しく撫で続け、それから相手が眠りから目を覚ますまでの間相手が悪い夢を見ないようにとのおまじないも込めて片手で本を読みつつもう片方の手はゆっくりと、だが優しく相棒の頭を髪をとくように起きまるでずっと撫で続けて）

（疲れが押し寄せすぐに夢の中へ入り現実と変わらない相棒との他愛もない日常風景が繰り広げられドーパントに遭遇したり事務所でふざけたりと楽しい夢を見ては口元がゆるりと弧を描き、それから後どれくらい眠ったか分からないがゆっくりと目を開くと未だ膝を貸して頭を撫で続けてくれる相棒がいて「…おはよう」寝起きのゆっくりした喋り方で朝でないが挨拶し相棒の存在を感じ悪夢を見ることなく身体を休めることができ幾分か楽になったような「ありがとう。元気でたと思う」自分で額を触ってみて体温を確かめ）