風都鳴海探偵事務所（相棒のフィリップ募集だ）

（まるで駄々をこねるようにしてまた眠ってしまった相棒にファングはまるで溜め息を吐くように肩を落としそれからまた時間が経ち時刻は６時半となり意識が浮上してゆっくりと目を覚ませば先に相棒の姿が目に入りふっと微笑んで優しく頭を撫ればファングにおはようございますと声をかけられたので微笑んでおはようと返し時計を見ればもう起きる時間帯だったので相棒を起こさないようにそっとベッドから出ては「あ、そうだファング、７時になったらフィリップを起こしてくれるか？」と頼めばファングは一瞬キョトンとした雰囲気になるがわかりましたと１つ頷いたのみれば頼むなと言い台所に向かおうとするがふと思い出したように足を止めては「もし起こしても起きなかったら…朝御飯抜きにするからなって言ってやれ」と戦慄するような冷たい正に母親の笑顔で告げればファングはビクッとなりつつも『は、はい…』と頷きその様子に微笑んで頷けば台所に向かいます朝御飯の支度を始めて）

（それから暫くして７時になったらしく再度ファングに起こされ寝起きでうだうだ言っていたが相棒の入れ知恵らしい朝食抜きの言葉に慌てて起き上がり顔を洗って台所へ向かい「翔太郎、朝から脅すなんて酷いじゃないか」頬に空気入れて膨らませて朝食を作ってくれている背中をぽこぽこ痛くない程度に叩いて抗議して、こうしていれば昨日の悪夢が嘘みたいで相棒と暮らすのが幸せなうちは本当の家族の記憶は必要ないと相棒には見えない所で首を振って）

んー？そうでもしねえとお前中々起きねえからなあ（起きて此方に来た背を軽く叩きながら抗議してくる相棒の言葉に１年後の未来から来た余裕なのかサラリと穏やかな声色でベーコンに少し焦げ目をつけその上に卵を落としながらそう呟きフライパンに少しの間蓋をしては上半身を相棒の方に向け空いている手でポンポンと優しく頭を撫でてはふっと笑い「昨日夢の中でお前の声が聞こえた気がする…ありがとうな。…と、おはようフィリップ」と悪い夢を見ていた気がするがその時に相棒の声が聞こえ気がしその事に対するお礼と挨拶を伝えては再度フライパンへと向き直り）

それは…誰かさんが悪夢なんてみたせいだ（確かに脅されでもしない限り面倒くさいからと起きないが冗談っぽく文句言ってクスクス笑ってから改まって礼を言われてしまうと表情を真面目なものにして「僕らは相棒なんだから当たり前さ」しっかりとした口調で伝えて頷いてベーコンの美味しそうな香りに空腹が呼び起こされせっかく相棒らしく決めたのに腹の虫が騒いでは雰囲気がぶち壊されて恥ずかしそうに目を泳がせながらお腹を叩いて先にテーブルに座って）

…？んー…そうなのか？なら、ごめんな（相棒の言葉にキョトンとなるがフライパンの火を止めて少し考えを巡らせた後小首を傾げるがそれならば申し訳なないと苦笑いしつつ謝り真面目な表情で相棒なのだなら当たり前だと言われては目を瞬かせるが穏やかな笑みを見せ「…ありがとうな」と心が暖かくなるのを感じ一言お礼を伝えてその後に相棒の腹の虫が鳴ったのを見れば思わずクスッと微笑み出来たベーコンエッグを少し大きめの皿へと乗せその横に食べやすく半分にきった焼いたトースト２切れを乗せては相棒と自分の席へと置きその後にお茶とポタージュが入った器を置いては準備が出来たので自分も席へと着き）

ほんの冗談さ。おはよう（朝食抜きと脅されたお返しに何か言ってやりたかっただけで首を振って否定しておきもう一回お腹が主張した頃に朝食が運ばれてきて相棒も席に着いたのを見ればありがとうと頂きますを口にしてトーストにかじりついて「次はどんな依頼が来る予定なんだい？」未来の相棒が経験した過去と変わってなければ次の依頼人も知っているのかとふと気になって玄関の方へ視線を動きて問い掛け）

ん？…ああ、俺が知っている過去と同じなら…二人の親子が来る。…護衛の依頼で（ありがとうとお礼を言われれば「どういたしまして」と微笑み相棒が朝食を食べ始めたのを見れば此方も手を合わせて頂きますをしてベーコンエッグを食べながら玄関に視線を向けながらの相棒の問い掛けに箸を置いては二人の母と娘の親子の事を思い出し天井に目を向けながら自分が知っている過去と同じならば二人の親子が自分達の護衛の依頼に来るはずだと相棒に教えて）

へぇ、護衛とはまた初めての依頼だね（依頼の大半はペットにしろ人にしろ探して欲しいとの依頼のところ護衛は初めて聞いたようなと興味津々で早く依頼しに来ないかそわそわし始めて、半熟でつつけば黄身がとけだす最高の焼き加減のベーコンエッグを食べれぱ頬を緩めてスープも美味しいし脅し文句と言えど「起きて良かった。このご飯を抜きにされたら泣いていたよ」起こしてくれたファングに感謝せねばと一先ず心の中で礼を述べておいて）

そうだなあ、考えてみれば護衛の依頼とかは初めてだな（相棒の言葉に確かに考えてみればこういう護衛の依頼は初めてかもと今更ながらに思い返してはそっと目を細めつつ自分が作った朝食を美味しく食べてくれる相棒の様子と言葉に自然と何処か嬉しそうに頬を緩めて微笑んでは「…やっぱりお前に作ったご飯を美味しいって思ってもらえると、嬉しいもんだな」と相棒に未来の相棒の面影を少し重ねつつしかし感じた本心をそのまま口にし自分もゆっくりと朝食を食べ進めていき）

一体何者から守るのかゾクゾクするね（何の因果かドーパント絡みの事件が集まる事務所へ依頼に来たならばその親子を狙うのもドーパントかと食事を進める手はそのままに不謹慎ながらニヤついて「美味しいものは美味しいと素直に言うよ。ほれで喜んで貰えるなら良かった」お皿に溢れ出た卵の黄身は一口大にちぎったトーストで綺麗に拭って口にぽいっと和食も洋食もレパートリー豊富な相棒のご飯は何度食べても飽きないし美味しくてすっかりお腹いっぱいだと完食して）

（興味を持ったことにはとことん興味を持ついつも通りの相棒の様子に親子の事を知っているがゆえに何処か複雑そうな悲しそうな苦笑いをそっと浮かべ朝食を完食してくれた相棒の言葉に小さく微笑んでは「ああ、嬉しいな。…未来のお前も作った分はどれも美味しそうに食べてくれるから、俺も作りがいがあったんだよな」と未来の相棒も同じようにどれも美味しそうに食べてくれるため作りがいがあったのだと話して飲んでいたスープの器を置いた瞬間急にビデオ再生するように流れ込んできた記憶にピシッと数秒固まり次の事件となる記憶が再生するように脳裏に流れていくのだが最後にはやはりピシリと罅が入りハッとなっては思わず羽織ったケープをギュッと握り）

そりゃ今の僕が少し成長しただけだからね（未来のと言われてもピンと来ないが要は何年か後の自分なのだから当然かと頷いて食べ終えた織機を流しに運んでふと相棒を見れば様子がおかしいような「…どうかしたのかい？」聞いたところで一人で抱え込む癖はそう簡単には直らないだろうけどと内心で苦笑しながら顔を覗き込み「僕の知らない事も経験してるから仕方ないのかもしれないけど、なんだか未来の君は今の君より繊細だね」自分がいつも見てきた相棒は空元気だったとしても何かと格好付けたがる性格だったと不思議に思い首をかしげ）

（相棒の言葉に彼は後にデータ人間だとわかるのだが今は言うことはないと言うか出来ないと感じ「…そうだな」と小さな苦笑いを浮かべつつも１つ頷きこの記憶の最後に入る罅がは一体何なのだろうと考えるがふと気付けば食器を手に自分の顔を覗き込んでいる相棒の姿があり思わずキョトンとなるが小さく微笑んで「何でもねえよ」と穏やかな声色で口にしその後に言われた言葉にそうだろうかと小首を傾げるが「…んー…自分ではよくわかんねえけど…まあ大丈夫だぜ」と自分ではよくわからないと口にしつつ微笑んでそう言っては相棒の食器をひょいっと手に取り自分の食器と一緒にシンクへと運び洗い始めて）

早く君の所まで追い付きたいな（未来を知らないからこの先に数々の試練が待ち受けていると想像もせずにワクワクした気持ちでそう語り「本当に何でもないならいいけどさ」納得出来るようなできないようなモヤモヤ感はあれどいいかと半ば無理矢理に自分を納得させ「服のセンスも違うし、ハードボイルドを目指す君らしくない」どうも違和感がある一番の原因は相棒の着ている上着でないかと気付くが人の好みをとやかく言うのも良くないと口を閉ざしベッドに腰掛け食べ物シリーズの検索をしようかと今日はサンドイッチについて検索し読み耽て）

無理に追い付こうとしなくていい。お前のペースでゆっくり歩いたらいいさ（ワクワクしている様子の相棒にこれから先の未来を思い返しつつも僅かに目を細めてはとても穏やかだが静かな声でそう告げては食器を洗いつつ相棒の違和感を指摘するような言葉に少し考えては聞いているかはわからないがと内心苦笑しつつ「ここではこれを羽織っている方がとても落ち着くからな」とずっと忘れていたのだが此処に来て偶々自分の部屋のクローゼットで見つけたこの昔母から預かった男でも女でも着れるこのケープは今の自分にとってとても落ち着く物になっているのでそう呟くように口にし食器を洗いを済ませた瞬間にノック音がすれば二人の親子が事務所へと入ってきて）

翔太郎が余裕たっぷりの大人になっちゃうなんてね（自分の知ってる相棒と言えば格好つけるのにモテない残念なタイプのはずなのに「あ、もしかして君…恋人が出来たとか。信じられないけど」何の気なしに人が変わるとすればと推理した結果の仮説を呟き、シャツとベストでハードボイルドを気取って欲しい気持ちは大きいが落ち着くと言われてしまうと仕方ないかと此方から話題を振っておきながら聞き流したところに訪問者の登場で扉の方に視線を向け成る程この二人の護衛かと考えながらソファを手で示し座るよう促して）

別に余裕があるわけではねえんだけどな（相棒の言葉にクスッと微笑んでそう呟き未来の相棒と手を取り合って自分は一人前で居られるのだと改めて思い返し相手にのとっては何気ないであろう恋人が出来たのかと聞かれればドキッとし少し考えた後まあ別に言っても言いかと思いゆっくりと口を開き「んー…ああ、出来たぜ。未来が変わればどうなるかはわかんねえけど、何時も一緒にいて擦れ違いも多かったけどそれでも自分達はこれからも二人で一人だって確かめあえて、こいつとなら一緒に居たいし俺の全部あげてもいいやって思える人だ」と穏やかな優しい声色で未来の相棒を思い浮かべつつ微笑んで呟きその後に依頼人が来たのでケープを椅子へとかけては向かい側へと座りその親子、みやび、あすか親子の依頼を聞けば矢張護衛の依頼で話に僅かに目を細めつつもわかりましたとその依頼を承諾して）

（深く考えずに恋人が出来たのかと聞いたのだが答えられた内容が嫉妬しそうになるもので「二人で一人ってフレーズ、僕以外の人に対しても言うんだ」まさかその恋人が未来の自分だとは予想もせず羨ましいような寂しいような溜め息ひとつ誰にも聞こえない音量で呟きその内に恋人が出来れば自分は邪魔になってしまうのでないか不安になるのを首を振って否定し頭から消し去って、相棒の言ったとおりだったと依頼の内容に耳を傾けてあすかの持つスケッチブックが気になり見せて貰えば子供の落書きらしいカラフルな絵で『あすかのパパは仮面ライダーなの』と無邪気に話してくれてまさか相棒に隠し子でも居たのかと疑いの眼差しを向け）

（皿を洗い終わった後に本来なら空気に溶けるはずの声はそこは未来から来た彼の相棒ゆえなのか奇跡的にも聞き取れば僅かに苦笑いし「あのなフィリップ。俺が何時も一緒に居るのはお前ぐらいだし、二人一人だって言うのもお前だけだぜ」と穏やかな声色のまま告げてはポンポンと２回ほど優しく頭を撫で母親のみやびから更に話を聞いていれば相棒の視線に気付き顔を向ければその手に持たれているスケッチブックに気づいては視線の意味を理解し緩く首を横に振り否定しては１枚の紙をそっと相棒の手に握らせ、その紙には"声に出して読むなよ。この子の父親は既に亡くなってる"と書かれておりふとあすかが此方を見ている事に気付けば「どうした？」と小首を傾げて問い掛けあすかは数秒此方を見た後座っている此方の相棒とは反対側に座れば『おじさん知らない人なのに何だが安心する』と笑顔で言われたのでキョトンとなるがふっと穏やかに微笑んでは「…よくわからないけど、ありがとうな」とお礼を言い２回ほど優しく少女の頭を撫でればみやびに顔を向け「ですが、本当に娘さんを連れていくんですか？」と過去と同じ内容を聞いてやはり気になることを問い掛けて）

（ぼやいていれば此方に来た相棒に驚き顔を上げるが穏やかに告げられた内容に更に驚き「え、ちょっと待ってくれ翔太郎…それじゃ僕が…」先程の発言と合わせれば恋人はつまり自分という事になり頬の温度が上がるのを止められずに両手で包んで隠して、視線に気付き否定されては衝撃的な事実をさらりと書かれた紙を素早く読みポケットに突っ込んであすかに見られないようにして相棒とのやり取りを見れば子供特有の勘かと興味を持ち相棒の問い掛けにみやびは『この街の人は政治に無関心すぎるんです』と過去と同じ回答をしたのだが『…ですが、身の危険を感じた時にはあすかは安全な場所に置いていきます』これは過去とは異なるのだが母親らしい顔してあすかの頭を撫で）