左翔太郎 2020-04-13 07:59:31 |
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………わかった。…お前の家族は5人居る。父は園咲琉兵衞、母は園咲文子…姉は二人、長女の園咲冴子…次女の、園咲若菜…長女の婚約者である園咲霧彦…猫のミック…そして、長男で末っ子の……園咲来人…お前だ(途切れ途切れの絞り出したような声で言われた答えにそっと立ち上がってはブレスレットをする左手をそっと置きポンポンと優しく頭を2回ほど撫でて癒しの力を与えつつ落ち着かせてはわかったと頷き向かいの椅子へとそっと座らせては自分も向かいの椅子にゆっくり腰掛けては家族構成について静かな声で話し「……お前が本当に記憶を取り戻したいと願うなら、一応記憶は戻させることは出来る……けど、相当な覚悟がいる」と手の中のメモリーメモリを見つつ静かな声で相棒にそう伝えて)
待ってくれ翔太郎。園咲ってあの…?しかも若菜さんが姉だなんて信じられない(現時点での園咲の認識は単なるお金持ちの豪邸に住む謎の家族でガイアメモリとの関係は知らず若菜も単なるラジオの人気アイドルとしか知らず、自分があの謎に包まれた家族の末っ子とは驚いたが「そうなると、組織に狙われる僕の家族という事は園咲の家族も危険って事…?」"組織=園咲"との真実を知らない為の純粋な疑問が浮かび記憶を戻したいかどうか胸に手を当て自問自答して「家族の記憶…わからない。取り戻したいかどうか、わからないんだ」首を振りそのまま頭を抱えて俯くが相棒が頭を撫でてくれたおかげで取り乱すことはなく)
…ああ、あの園咲だぜ。…信じられないのも無理ねえな…けど、若菜さん…彼女はお前の実の姉だ(相棒の言葉にコクリと頷き肯定しては信じられないのも無理ないだろうと理解しつつ若菜は相棒の実の姉だと呟くように伝え相棒からの疑問には僅かに眉を下げて「…それは今は俺の口から言う事は出来ねえ」と静かな声のまま言うことはできないと呟き頭を抱えてわからないと首を横に振る様子を見ては再度手を伸ばして優しく頭を撫で「…今はまだ時間はあるから焦る必要はない。取り戻したいのか取り戻さないのか…ちゃんとお前自身で決めろ。…俺はお前がどちらの答えを出しても、受け入れる」と自分は相棒がどっちの答えを出しても受け入れると口にした途端急に頭痛が頭に響き膝から崩れては両手で頭を押さえて抱え込むようにし「…頭………いてえ…」と急にきた頭が割れるような頭痛にか細い声で思わずそう呟き)
じゃあ何で僕は今園咲家で暮らしてないんだい?君と園咲の関係は?僕は何故、ガイアメモリを作っていたのか(華やかでミステリアスな家族との記憶は一切なく覚えているのは自分が運面の子と呼ばれガイアメモリを研究していた事と家族とおぼしき人達と海岸沿いを楽しそうに歩く断片的なイメージだけで次々に浮かぶ疑問を口にする内に真実を知る事が底知れない恐怖を伴う気がして「…ごめん、さっき言った疑問には答えなくていい。今はまだ探偵でWで君の家族でいたい」撫でて貰った頭を大きく左右に振ってまだ教えて貰わなくていいと表情を失った顔で呟き俯いた瞳から涙が水滴零れ呆然としたが相棒の異変を察知し顔を上げ「…翔太郎!?」痛みに崩れ落ちるのをただ眺める事しかできず泉の影響が考えられどうしたものか焦る気持ちばかりが先走り)
(次々と出てくる相棒の疑問に教えるにしてもそれは相棒の知ると言う覚悟が必要で今の相棒に教えるのはまだ早いと感じて眉を下げたまま僅かに俯くが急に来た頭が割れそうなほどの頭痛に相棒の言葉に答える事は出来ず治まらない酷い頭痛に頭を押さえるように両手で抱えたままギュッと強く目を閉じ膝をついて丸まっていたが此方の膝の上に来たファングに『翔太郎様。ゆっくり深呼吸してください。そう、ゆっくりです』と声をかけられれば痛みが酷いながらだがゆっくりとゆっくりと何回か小さく深呼吸を繰り返せば頭を抱えつつもほんの少し痛みが和らいだと思えば『…翔太郎様。申し訳ありません…今は少し眠ってください…』と申し訳なさそうに口にしたファングは此方の額に小さな自身の額を当て、その数秒後まるで強制的に眠りにつくかのようにバタリとその場に倒れてしまい)
(失った記憶と本当の家族との繋がりを考えようと頭を働かせれば強制的に思考がシャットダウンされるような思い出してはいけないと虫の知らせなのか落ち着かないのだが今は自分の事に構っている場合ではなく相棒の頭痛をどうにかすべきなのだが呆然としてしまいファングが何か喋ったと思えば相棒は突然深い眠りについてしまって「…僕は役立たずだね」悲しそうにポツリと言葉をつむぎ床に眠らせておくのも申し訳なく肩を貸して半ば引き摺るようにベッドまで運んでは「……暫く一人にしてくれ」ファングに聞こえるか否かの声で告げてガレージへ入っていき)
(ファングに小さな額をチョンと当てられたかと思えば急激に意識が遠退き深い眠りにつき、相棒によってベッドへと寝かせられファングは此方を運んだ後に相棒に一人にしてくれと声をかけられてはガレージへと行く相棒の背中を悲しそうに見つつ『…フィリップ様。マイナスの感情を持ったままでは何時までたっても前に進めませんよ…』と悲しげな声で相棒がガレージに入る前にポツリとその背中に告げるがこの言葉は恐らく今の相棒には聞こえないだろうと感じてはまた俯くがファングは此方へと顔を向けては『…翔太郎様。どうか一刻も早く元気になってください』と本当に祈るように頭を垂れてはそう口にして)
(ガレージへ入ったはいいものの何をどう検索すれば相棒を助けられるか分からず暫く床に座り込んで頭を抱えていたが動かずじっと悩んだとて前には進まないと気付いては先程ガレージへ来る時にファングに同じ事を言われたようなと苦笑して、しかしながら前向きになろうと考えたとしても解決策が思い付くものでもなく「…翔太郎はデータの泉に落ちて…メモリーというメモリが生まれて僕の名前を忘れてしまって…でも、僕の存在は覚えてくれている」改めて相棒なしには何も出来ない事を痛感し早く元気になってくれる事を願うしか出来ないが事務所へ戻りベッドの側に行き)
(深い眠りにつき静かな寝息をたてて眠っていたが夢の中で気付けば白い空間に一人ポツンと一人で立っていてキョロキョロと辺りを見回すがふと名前を呼ばれた感じがして後ろを振り返れば名前を忘れてしまったが自分の相棒と言うことは理解しているあの少年が居たのだがあの先程まで話していた少年を善とするのならば今目の前に居るこの少年はどちかといえば悪の雰囲気が漂っていて思わず目を瞬かせるのだがそのまま1歩後ろへと下がれば少年、夢のフィリップはにやりと笑って此方に近付いてきて腕を掴まれ思わずビクッと肩を揺らせば夢のフィリップは益々面白そうに口元ににやりと笑みを浮かべ『ねえ翔太郎、僕と一緒に来て、僕のものになりなよ。今の君なら僕と釣り合うはずだからさ』と誘い込むように耳元で囁かれた言葉に困惑した表情をして危ないと感じ離れようとしても離れることが出来ず何故か声が出せない状況にいて、現実で眠っている表情は夢とリンクするように何処か苦しげになっていて)
(今の自分に出来るのはベッドの近くへ椅子を持っていき眠り続ける相棒を見守る事だけで寝転がるには窮屈かと少しだけ背中を持ち上げそっとケープを脱がせ事務椅子の背中に掛け帽子をガレージの隠し扉に戻して、そうこうする内に相棒が夢の中で自分に似た悪者によって脅かされているとも知らず一通り片付けをすませベッド再度に置いた椅子に座り直せば先程までは静かに眠るだけだった表情が苦しげに変化しており「…翔太郎?ねぇ、しっかりしてよ」悪夢に魘されるなら無理にでも目覚めさせる方がいいのかと肩を揺さぶり名前を呼んで)
(現実では見ている夢とリンクするように苦しげな表情へと変わっていて、相棒が此方を起こす為に此方の肩を揺さぶればフェザーメモリが一瞬キラリと光ったかと思えば相棒を自然と此方の夢の中へと送り込み、その夢の中では夢のフィリップは変わらずに此方に話しかけていて『翔太郎、もう一回言うよ。僕と一緒に来て、僕のものになってよ。僕は君の事結構気に入ってるし……いいだろう?』と相棒が夢の中へと入ったときにまず最初に聞こえるであろう言葉をとても顔が近い距離でにやりと微笑みつつ此方の頬を片手で撫でながら言われるのだがそれを声が出ないので否定すると言うことも出来ず困惑した表情のまま本当に少し夢のフィリップから顔を反らしていて)
(相棒の手首にはまるメモリが光ったと思った瞬間意識を失い相棒に覆い被さるようにして上体を倒し眠りにつき、何が起きたか分からないままに辺りを見回せば自分の姿をした何者かが相棒に迫っている場面に出くわし急いで駆け寄りたいのに何者かに阻まれているのか足が鉛みたいに重く思うように動かず「翔太郎!それは僕じゃない!君の相棒は…フィリップはここにいる!」声だけは発する事が出来て叫べば叫ぶほど無意識に涙が流れ頬を濡らし悪意に満ちたもう1人の夢の自分から相棒を守ろうと何とかして重い足を動かして)
(声を出すことも出来ず動くことさえも出来ないまま此方に誘い込むようにして告げられる夢のフィリップの言葉に徐々に思考が塗り潰されていくような感覚を覚えて困惑したまま眉を潜めていたがふと相棒の声が聞こえた気がして二人してはっと顔を上げれば一瞬とても懐かしい女性の声が聞こえた気がたと思えばこの空間に不思議な力が広がったような感覚が広がった後「ぇ…ぁ…」と気付けば声を出すことも動くこと出来るようになっていたので夢のフィリップから距離を取るが片腕を強く掴まれているためあまり距離はとれず相手は変わらずに面白そうににやりと笑っていて、相棒の身体も不思議な力のお陰が動くことも此方に触れることも出来るようになっていて)
…動ける(張りつめた空気が一瞬にして変わり重たかった身体は信じられない程に軽くなりその場から駆け出し二人の側へ行けば相棒の腕を掴むもう一人の自分を思い切り殴った衝撃でやっとこさ相棒は悪から解放されて「翔太郎、君の相棒は僕だけだろう?」涙に濡れた頬も気付けば乾いて優しい微笑みを浮かべ穏やかな声色で相棒に呼び掛け「さあ戻ろう。街のみんなが君を必要とし、君を待ってる」悪夢から逃れる為に片手を差し出して)
……ああ、…フィリップ。やっと、思い出せた、お前の名前(此方に来た相棒に殴られて数歩よろけた夢のフィリップを驚いたように見ていたが相棒の呼び掛けに応じて顔を上げれば優しい微笑みを浮かべた相棒が此方に手を差し出してきていて、その手を数秒見ては自然と欠けていた記憶の一部にカチリとピースが嵌まったような感覚と共に記憶が蘇り何処か泣きそうな安心したような笑顔で相棒の名前を口にしては手を握り返し、一方で殴られた夢のフィリップは特に意に返した様子はなく、あーあ。と言うように肩を竦めるが『結構気に入ってるっていうの、嘘ではないんだけどねえ』とクスクスと笑ったまま強ち嘘でもないと言うように二人を見つつそう口にして)
あぁ、そうだよ翔太郎。僕はフィリップだ(失った名前を漸く取り戻しあとは夢から覚めるだけなのだが夢の自分はかなりしつこく解放してくれる様子はなく「翔太郎、これは君の夢なんだろう?君の意思で出られないだろうか。自分の顔を見続けるのは正直気持ち悪い」握手して友情を取り戻して万事解決といきたいところだが何が面白いのか笑っている諦めの悪い夢の自分を消し去る事が出来るのは相棒だけだと勇気づける為に相棒の肩をぽんと叩き)
…ああ。…悪いけど、俺の相棒は、隣に居るフィリップだけだ、お前の元に行くことはできねえよ(肩に手を置き勇気づけてくれる相棒の様子にコクリと1つ頷いては面白そうに此方を見る夢のフィリップに向かって静かなに告げれば夢のフィリップは更にクスクスと笑い『君ならそう言うと思ってたさ。まあ、今回のところは引いてあげるよ、…でも翔太郎、君のその純粋なまでに強い意思、何時まで持つか見物だね』と最後は何処にやりと面白がるように微笑んで告げては此方の意思により夢のフィリップは消えて夢からは覚め、現実の自分はまだ眠っているが苦しげな表情は消えて穏やかな寝顔に戻っていて)
(まるで自分の中に悪魔の自分が居て翔太郎を誘い込んでいるような居心地の悪さも覚えるが相棒が夢の自分でなく此方を選んでくれる事で救われる気がして「それは捨て台詞かい?」クスクス笑って嫌味をお見舞いして消え行く様を見て、夢から覚めなきゃと思う反面まだ眠っていたいとも思えて先程までの緊張感はないままに休日に二度寝する感じのダラダラした幸せな心地でもう少しだけと相棒に折り重なったまま眠りにつき)
(実はその時間帯はもう風都タワーから帰ってきてきて夜になっていたので二人はそのまま眠っていた状態で深夜になっており相棒は1回だけ目を覚まして再び眠りについたので更に時間は過ぎていき、窓から朝日が入る朝日6時の時間帯になってずっと二人を見守っていたファングは先に此方に折り重なっている護衛対象の相棒を起こそうとベッドの上へと乗っては相棒の顔の近くまで行き『フィリップ様。朝ですよ、起きてください』と相棒にそろそろ起きるようにと機械的だが穏やかな声色で声をかけて)
…んー、もう少しくらいいいだろう?翔太郎が起きたら僕も起きる(ほんの少しの居眠りのつもりがいつの間に長く眠ってしまっていたのかファングに起こされ目をゆっくり開いて何度か瞬きして身体を少しだけ起こして穏やかな寝息を立てる相棒の顔を見るなりまだまだ眠たいのだと駄々こねて欠伸をしたらもう少しだけと身体をズラして相棒に折り重ならない位置に頭を置いてせっかく開けた目を再び閉じようとして)
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