左翔太郎 2020-04-13 07:59:31 |
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(彼は此方に恐る恐るといったように伸ばされる手を無言で眺めていたが片手でスイッとそのまま相棒の膝に下ろさしては「オレじゃなくて翔太郎にしてやるんだな。…あー…メモリのジョーカー、と言えばいいのか。…少しのバグで奇跡的に生まれた紛い物の意思と思えばいい。心配するな、アイツは今精神の中で眠っているだけだ、オレが数分して消えれば直ぐに戻る」と自分の事を説明した後自分の胸元をトンと指して"翔太郎"は眠っているだけだと伝えた後何処か真剣な真顔になり「オレは前々からお前に確認と言うか聞いておきたいことがあってな…ああ、勘違いされないように言っておくがお前を責めるつもりもなければ喧嘩を売るつもりもねえ。ただ、一応確認して置きたくてな」と軽く片手を振って意思表示をした後無表情に戻り「…お前は昔照井竜に"僕と組む気はないかい"と聞いただろ。あのままコイツが力をつけて着いてこれなければ…本当にコイツをそのまま見棄てる気だったのか?」と問い掛けた後続けて「まあ別にお前の考えは間違ってはいないがな。ましてやお前は狙われていた…いくら相棒でも着いてこられない奴よりも着いてこられる奴の方を選ぶ…別に変なことではねえし世間では良くある事だ」と何でもないように淡々とそう言い)
ジョーカー…眠っている翔太郎の変わりに現れた意思…(メモリを作った経験のある自分にも分からない事があるとは正直驚いたが膝に下ろされた手を見れば顔は同じなのに行動が全く違うと混乱しては膝の上でぎゅっと拳を握り真剣な顔付きとなったジョーカーの前置きに何を聞かれるのかと怪訝な顔になるが続いた言葉に胸が締め付けられる様な心臓にぎゅっとした痛みを感じ服の胸元を握り「…違う、翔太郎が僕に追い付けるだけの力を身に付けたからまた一緒に変身したんじゃない…亜樹ちゃんに言われて、それでWのあるべき姿に気付いて…」答えながら息苦しさに小声となるが自分の言葉にもし亜樹子がいなければ翔太郎を見捨てていたのかと気付き途中で口を閉ざし「…僕は…僕は…翔太郎を…」相棒の顔した別のものに言われた言葉が胸に突き刺さり泣きそうになるのを唇を噛み締めて必死にこらえ)
(ジョーカーは口を閉ざして唇を噛み締めている相棒を無表情を数秒じっと見ていたがゆっくりと口を開き「…ああ、あの成海亜樹子と言う人間の言葉が泣ければお前は確実にコイツを捨てて照井竜とWになっていただろうな。そしてコイツは昔突然両親を失った時と同じようにまた"独りぼっち"だ」とただスラスラと淡々と事実を突きつけるがふと真剣な表情になり「まあ前置きが長くなったが過去は過去だ。今更変えられねえ。要は俺が聞きたいのは"今"のお前はコイツと一緒にこれからもWを続ける気があるのかだ。はいかいいえだ、自分は酷い奴だとかそんなことは一旦忘れて本当にコイツとWを続けて一緒に居る気があるのか正直に答えろ」と何時もより何処か低い声で告げた後また声色を戻し「因みにコイツはお前が願うなら一緒に居る気でいるしWとして何処までも相乗りする気で居るぜ。…コイツはお前の事が大好きだからな」と最後はポツリと呟くように口にして)
…そう、だろうね。僕には否定する権利はない(自分で気付いた事柄だとしても他人の口からしかも当の本人である相棒の姿で突かれ胸の痛みに呼吸が荒くなり肩を上下させていたが過去でなく今の自分に問うと聞かれた内容は考えるまでもなく答えが決まっていて噛み締めて切れてしまった血の味のくる唇を薄く開いては「僕の答えは、"はい"だ」何処までも優しくて弱さがあるから人を守れる強い翔太郎と共に組みたいと強く願い「大好き、か。ありがとう、翔太郎…」過去はどんなに悔やんでも変えられるものでなく今を大切にしなければと感じては"大好き"との言葉に次に瞬きをすれば零れる程に涙の溜まった目を隠そうと下を向けば膝の上で握りしめた拳にポタポタ数滴涙が落ち)
(相棒の返答を聞いたジョーカーは無表情は変わらないが先程よりはほんの少し穏やかな声色で「……お前が気付いていたかは知らねえが、お前が照井竜に"僕と組む気はないかい"って言ってたの、コイツ離れた場所で聞いてたんだぜ」と暴露するように話した後視線を相棒から正面へと向け「オレは別に意思なんか持たないただのメモリだからな、ご都合主義でたまにコイツの精神を見てたんだよ。その時のコイツの精神は見たことないぐらい脆い鏡のようだったな。なんで、と言うほんの僅かな思いと、…そうだよな、俺じゃ力不足だし、当たり前だよな…。と言う大半が占めていた諦めにも似た気持ちが渦巻いていた」と告げた後再度相棒へと視線をやり初めてほんの僅かに苦笑いしては「表では泣かないくせに自分の精神ではボロボロ泣いてるコイツを見ててな、お前には悪いが当時は"一噌のこと忘れてしまえばいいのに"って思ったな。…コイツならお前の涙を拭ったんだろうが…生憎オレにはそう言う心は持ち合わせてないからな」と苦笑いしたまま口にしては僅かに俯き)
え…翔太郎が?(あの時の事を思い返してみても鮮明に覚えておらず変身できない上に相棒に裏切られては絶望しただろうと川から引き上げた時の相棒弱々しい顔が浮かび「…データ人間だから人の気持ちを理解する力が弱いなんて言い訳にすぎない」後悔しても何の役に立たないと分かっていてももっと相棒に配慮すべきだったと悔やんで爪が食い込む程強く拳を握り締め「…な、泣いてなんか…ないさ。翔太郎に酷い事をしたのは僕なのに…僕が泣いていい訳ない」俯いたまま首を横に振り何も言い返す余地のない会話から今すぐ逃げ出したいのに無表情の圧迫感なのかその場を離れられず声も顔も間違いなく相棒なのに心を抉られる発言に胸の痛みが止まらず呼吸が難しくなるのを噛み締めた唇の痛みを感じる事で何とか耐え)
(ジョーカーはそんな唇を噛み締めている相棒を見れば1つ溜め息を吐き少し申し訳なさそうな表情で「……ついお前を責めるような言葉になってしまったのは、悪い……謝る……」と小さく頭を下げて相棒に謝った後ガシッと片手を相棒の片方の肩に置き「あのな、オレが言いたいのはな、お前がさっき言ったコイツとWを続けたいって意思が本物なら、これからもコイツを側で支えてやってほしいんだ。お前も知っての通りコイツは悩みなんかがあっても一人で解決しようとする傾向が強い。だから、お前にそんなコイツを支えてほしいんだ。コイツもこれからもお前の力になってささえていきたいって思ってる」とゆっくりとした口調で口にした後頭を下げて「お前が嫌ではないなら、頼む…」と何処か咲ほどとは違い懇願にも似た声でそう相棒に頼んで)
…君にその気がなくても、事実としで僕の行いは責められて当然だよ(謝られる事でないと首を横に振って否定し涙で濡れた顔を見せたくなかったのに肩に置かれた手でジョーカーの方へ向かざるを得ず紫がかった瞳が妙に綺麗で一度目が合えば反らせなくなり「翔太郎と一緒にWを続けたいのは本当だ。そうでなきゃ1年間メモリの中から見守ったりしない。僕は自分の罪を数える…その上で翔太郎と一緒にいて彼を支え、もう二度とひとりぼっちにさせない」頼まれなくとも翔太郎の側に居たい気持ちは強く過去の自分を棚に上げないよう鳴海荘吉の言葉に従い罪を数えもっと相棒を大切にするのだとメモリとして相棒を心配する気持ちを安心させるべく強く頷き)
(その強い頷きと言葉にジョーカーは安心したように顔を上げて1つ頷けば元の、しかし何処か穏やかな無表情に戻り「ありがとうな……オレのこの紛い物の意識はもうすぐ消える、後はただのメモリとしてコイツの力になるだけだ…オレに言った言葉、言えるならコイツにも言ってやれよ…」と何処か穏やかな声色で言った後持っていたジョーカーメモリを懐へと仕舞い目を閉じればその数秒後に菜にかが消えたような感覚が広がった後ゆっくりと目を開き「…あれ?俺……なにして…、って、フィリップ、何で泣いてるんだよ…何かあったか…?」とはっと気づいたときのその雰囲気は"左翔太郎"そのもので記憶がないのかは首を傾げるが横に居た相棒に涙があることに気付けば慌てたようにそう問い掛けて白いハンカチで優しく拭ってやりつつ本当に心配そうに改めてなにかあったのかと控えめに問い掛けて)
…いつも力を貸してくれてありがとう。またいつか話そう(相棒よりも鋭く思った事を的確に言葉にするタイプだが何処かに優しさがありやはり相棒と相性のいいメモリなのだと微笑みジョーカーから左翔太郎に戻ったらしい様子を見守っては眠っていた間のメモリとのやり取りを知らない様で此方を心配し涙を拭ってくれる温かさに胸の痛みも収まり「…別に、泣いてなんかない。ちょっと、その…目にゴミが入っただけだよ」強がってみても明らかな嘘だが記憶のない相手にいきなり本当の事を伝えるのもどうなのかと反対側向いて目元を見せないようにして血の滲む唇を舐め)
………、本当に、大丈夫なのか?(涙を拭った後に反対側を向いた相棒にふと意識が切れる前にジョーカーに言われたことが蘇り本当に大丈夫なのかと顔は覗きはしないものの明らかに泣いていたのは事実で本当に心配そうな表情で大丈夫なのかと問い掛けて)
…大丈夫、問題ない(泣き顔を見られたくないからと顔を背けたが泣いた事が見てとれるのに何も言わず顔を会わせないままでは心配させるだけだと小さく深呼吸しては相棒の方に向き直り意識が消える直前にジョーカーに言われた言葉を思い返しては「翔太郎、僕の罪はね…ひとつ、自分で考えようとしなかった事。ふたつ、君を見捨てようとした事。みっつ、君を独りぼっちにしてしまった事。こんな僕だけど君と一緒に居たい…この先も悪魔と相乗りして欲しい」ゆっくりと確実に言葉を紡いでは真剣な顔付きで相棒の手に自分の手を重ね)
……、勿論、お前が望むなら俺は何処までもお前と相乗りするぜ(手を重ねるようにして真剣に言われた言葉を思わずじっと聞いたいたが小さく微笑んで勿論何処までも相乗りすると伝えた後僅かに眉を下げ「あの時の俺は事実お前の役に立てない力不足だったし、お前がパートナーを変えても変じゃなかったしお前が謝ることじゃねえよ」とただ小さく微笑んで相棒は別に悪いことはしていないと伝え「それに独りぼっちにしたって、お前は自分の家族を助けたかっただけなんだし尚更謝る必要はねえだろ?」と首をを軽く横に振り独りぼっちにしても相棒は自分の家族を助けたかっただけなのだから謝る必要はないと伝えて)
…翔太郎、ありがとう(数えた罪を許してもらい心が幾分か軽くなり"家族を助けたかったから謝る必要ない"との発言に「家族なら君だってそうだ。君は僕の家族のような存在なんだから」本当の家族とはもう本棚でしか会えないが血の繋がりはなくとも相棒も家族だと伝えてはジョーカーのおかげでハッキリと意思を言えてもしまた会えるならお礼を言おうとメモリの収納されている相棒のベストを見て「さっき不思議な体験をしたんだ」自分のサイクロンメモリを取り出し)
(自分も家族なのだと言われては目を瞬かせ思わずキョトンとなるがふっと小さく微笑んで「ありがとうな」と家族と思ってもらえているのとへのお礼を言い不思議な体験をしたのだと言われサイクロンメモリを取り出したのを見れば此方も同じくジョーカーメモリを取り出し「俺もな、何か不思議な夢観てたきがするんだ。知らない声なのに何だか懐かしい感じの声でさ…。何か色々説教された気がする…」と最後は何処か苦笑いにもにた微笑みを浮かべてそう言うが「でも…悩みがあるなら1回でも相談してみろって言われたのは覚えてるんだよな…」と最後は天井を見つめながらその言葉を思い返すように呟いて)
(大好きで大切な家族とこれから先も一緒に探偵をしてWになれると緩い笑顔を向けジョーカーメモリを見て今もメモリに見守られているかと考えたら少し恥ずかしくなるがまあいいかと置いておき「え、説教を?僕も怒られたような宥められたような…何だったんだろうね」ジョーカーは相棒にも怒ったのかと目をパチクリさせるが強気で感じた事は口にするタイプなのだろうと苦笑いして
「君は…何でも一人で抱え込み過ぎだ」悩み込まず相談して欲しくて天井を眺める視線を追って同じ場所辺りをぼんやり見て)
んー…いや、説教と言うか、何でお前の精神がこんな割れかけの鏡のように脆くなるまで悩みを誰にも言わないとか静かに言われたと言うか…(何処か言いにくそうに相棒から顔を逸らして誤魔化すように苦笑いするが言葉を紡ぐ歯切れは悪く相棒もなのかと少し驚き夢の中で誰かに言われた言葉と同じように相棒からも抱え込み過ぎだと言われてはそっと相棒の方を見て目を何回か瞬かせるが「……、けど、悩みって言ったって、たいした悩みでは、ねえし…それにお前にはあんまり気苦労をかけたくねえしさ…」と言い少し顔を俯かせて誤魔化すが実際はあんまり相棒の気苦労をかけたくないと言う気持ちが一番強いのでそう呟くようにして言葉にし)
全くだよ。本来意思を持たないメモリにまで心配かけるなんてね(ジョーカーの雰囲気は冷たかったが根本に優しさを感じさせ二人で一人の探偵の絆がより一層強くなるように的確な言葉を掛けたとはデータ人間の自分より余程人間っぽく紫の相棒に対し憧れに似た感情を抱き「翔太郎、僕の事をいつまでも子供扱いしないでくれたまえ。確かに僕は人の感情に疎く気の効いた事は言えないけど、君の悩みを一緒に抱えて君を支える事は出来るかもしれない」何を言っても一人で悩もうとする相棒に強めの口調で身を乗り出して迫れば俯く顔を軽く覗きこみ)
(全くだよと言う相棒に「あー……」と誤魔化すようにそっと視線を逸らすが数秒後そっと戻してはただ「あはは…」と苦笑いを浮かべるが顔を俯かせるようにしていたところに此方に身を乗り出すようにして顔を覗き込まれた為驚いて一瞬肩を揺らすがその後に言われた事を聞いてはほんの少し驚いた表情になるがその後にまた少し俯いては数秒後ポタリと一粒の涙が自身の手の甲へと落ち「……ただの、夢なのに………あの時、あの自分じゃ、何時か、こうなるかもって事は…わかってたの、に……何で、今に思い出して、今でも…納得、できないんだろ………」ととてもギリギリ聞こえる声で今朝見た夢とその昔経験した事が重なって思い出してしまい独り言のようにそう自分を何処か責めるような口調で涙をポロポロと流しながらそう呟き)
(こんな時亜樹子なら相棒を慰め元気付ける言葉を掛けられるだろうがデータの塊で人の心をイマイチ理解できない自分には今の相棒に適切な言葉が見つからずどうするか困ったが手に落ちた涙に思うより先に身体が動き気付いた時には相棒を抱き締めていて「…翔太郎。泣きたい時は我慢せず泣いたらいいって、君が僕に教えてくれた。相棒であっても踏み込んで欲しくない事はあると思う。でも、心の内を打ち明けるのも気が楽になるかもしれないよ」そこから先は考えずにすらすらと言葉が出てきて茶色の髪を撫で頬を濡らす涙を手で拭い伏せられた瞼に優しく口付けを落としては今は泣いてもいいのだと諭し)
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