風都鳴海探偵事務所（相棒のフィリップ募集だ）

どっちも作ろうと思えば作れるが……強いて言うなら和食、だな（相棒の問いかけにそう言いつつ少し思案しては祖母の影響もあってかどちらかと言えば和食の方が得意なので和食が得意と答え「和食はああ見えてレパートリー多いから作りがいあるしな。煮物とか味噌汁とか出汁巻きとか……」と作ろうと思えば作れる料理を何個か挙げるが最後のを洗い終わって水を止めては手を拭き「これ読んでみろよ」と洋食と和食の別々の本、系２冊をどっからか出したのかスッと相手に差し出して）

なら夜食にしよう（和食と聞くと焼き魚とかのシンプルなものが思い付くが作る人がそう言うなら自分の知らない料理がまだまだあるのだろう好奇心をくすぐられ「すごいな、ハードボイルド詳説しか買わないのかと思ってた」目の前のものな食い付いてしまう性分で皿拭きの手伝いもそこそこに受け取った本のうち和食の本をめくりだし少し見ては興味が出てきてソファに座り込みまずは目次から黙ってじっくりと眺め）

ごめん翔太郎、出だしでミスしてしまった。
×夜食 → ○和食 で読んでほしい。（訂正箇所をホワイトボードに書き出してはしょんぼりと肩を降ろし）

………（ソファに座り込んで黙って本を読み始めた相手を見てはこれら暫く読みふけるだろうと確信し台所に再度向かっては冷蔵庫から瓶に入った紅鮭を取り出し炊飯器の中に少し残っていた白米を塩水に少しつけた手で取っては真ん中に作った窪みに瓶の中の紅鮭を少し入れて綺麗な三角の形に握り皿に置いては手を洗って小さなお茶を注いだコップと一緒にそっと相手の前に置き少し離れた所にある事務用のソファに腰掛けては暫くしてうとうとしつつ眠りについて）

わかった。気にするなフィリップ、俺はあんまり誤字は別に気にしないタイプだからな（相手の言葉とホワイトボードに書かれた訂正の字を見ては頷きしょんぼりと肩を落としている相手に気にするなと口にして小さく微笑んでポンポンと２回ほど優しく頭を撫でて）

思ってたよりも奥が深い…後で検索しないと（見たことのない料理の数々に夢中になるあまり差し入れにも気付かずしばらく経ってやっと顔を上げれば夜食の存在に気付き「翔太郎ありが…」うとうとしている姿に開いた口を途中で閉じ嬉しくて食べるのが勿体ないと綺麗な三角を自分の手でも握ってみたり夕食時と同じに手を合わせてぱくりと一口ほんのり塩味のする鮭お握りの美味しさに勢いつけてかっ込みすぎて胸をどんどん叩いてお茶で流し込み）

ありがとう。じゃあお言葉に甘えて僕もあまり気にしないでおく（ホワイトボードの文字を消して軽く頭を下げ）

……んーん…？……大丈夫か？フィリップ…（ウトウトして半分夢の中へと入っていたが何となしにはっと目が覚めふと相棒の方を見ては苦しそうに胸を叩いて置いていたお茶を飲む姿が見え置いていたお握りを食べて詰まらせたのかと半分寝起きながらも心配そうな表情でゆっくりとした足取りで近くへと来ては大丈夫かと問いかけつつ心配そうな表情のままそ背中を擦ってやり）

だ…い…丈夫、ごめん（寝ていたはずの相手を起こしてしまった上に心配まで掛けてしまって何とかお茶で流し込み擦ってくれるリズムに合わせて呼吸を整え落ち着きを取り戻してはがっつきすぎたと恥ずかしく視線を地面に向けたまま小声で謝り残りのお茶を飲み干しようやく相手の方へと向き直り「ありがとう。愛情たっぷりお握り美味しかった」にへっと脱力した笑顔を浮かべ三角に握る動作してお礼を述べ）

そう、か…？なら、いいんだけどな……（相手の呼吸が整うまで背中を擦っていたがお握りを握る動作をして微笑んでお礼を言われれば思わず目を瞬かせるがまさか率直にお握りに対してお礼を言われるとはおもっていなかった為数秒そのままでいたがやはり美味しかったと言ってもらえるのは嬉しいので小さく微笑んで安心したようにそう言うがふと苦笑いしては「…あー…悪いフィリップ、眠気に勝てねえや…」と呟やきふと電池が切れたように相手の隣へと座り込んでそのまま再度眠りについてしまい）

ありがとう、背中を擦って貰ったら楽に…なるほどこれが手当てだね（見守ってもらったおかげもあり長く息を吐いて整えてから礼を述べる最中に過去に検索した事例はこの事かと納得し呟き一人の世界へ入り込んでしまっては隣が静かだと気付き「…翔太郎？この場合僕はどうしたら…このままだと風邪を引くかもしれないし、いやバイラスドーパントの時に馬鹿は風邪を引かないと調べたはず」すっかり寝息を立てる相棒を起こさないようにじっと座っていたが規則正しい寝息の音に自分まで眠気を誘われ少しだけと隣で眠る相棒に凭れかかり目を閉じ）

………ん？……フィリップ？…寝てしまってるのか…（それから暫く時間が経ち部屋がすっかり外の光を無くして暗くなった頃目を覚まして今何時かと思い壁にかけてあった時計に目をやり時間を確認すればもうすっかり夜の時間帯となっており「もうこんな時間か…」と呟き横で自分に凭れかかるようにして寝てしまっている相棒を見ては僅かに苦笑いしてそう呟きどうしようかと考えては相手を起こさないようにそっと抱え上げて彼が何時も使っている部屋へと向かい置かれていたベッドにそっと寝かせれば毛布をしっかりとかけてやり「おやすみ、フィリップ…」と小さな声で呟けばその部屋を後にして先程まで座っていた事務用のソファに再び座れば少し残っている別の仕事を終わらせるべく何枚かの紙を手に取って作業を始めて）

（ほんの少し目を閉じて休むだけのつもりが眠っていたらしく身体にわずかな揺れを感じて目を開けると移動した覚えはないのにベッドにいて状況に寝惚けた頭が付いて来ずに慌てたが面倒見のいい相棒が寝かせてくれたのだろうと納得し作業する姿をぼんやりと眺め、まさか小説じゃあるまいしこんな夜更けに依頼も来ないであろうから欲望に従ってこのまま寝てしまっても問題ないだろう「おやすみ、翔太郎」小さな声で呟き）

（残りの事務作業をしつつ何となく相棒の声が聞こえた気がしたが無意識に「…お休み」と呟き数分後事務作業が終わり伸びをしてはそのまま自分が使っている部屋へと向かい何時も来ているジャケット等を脱いで寝やすい格好に着替えてはベッドに横になって眠りにつき、そして数時間が経ち窓から入ってくる朝日で目を覚ましては「…ん？もう、朝か…早いもんだな」と呟きベッドから起き上がり軽く伸びをしては相棒は恐らくまだ寝ているだろうと思いつつ台所へと向かい手を洗って袖を捲り朝御飯を作り始めて）

（覚えていないが何かいい夢を見たような朝からちょっぴり嬉しい気分で目が覚め上半身起こして伸びをしてそういえば昨日は和食について検索するんだったと思い出しては台所から音がするような働き者の相棒はもう動いているのか驚きまだぼうっとする頭であくびをしながら水でバシャバシャ顔を洗って目を覚ましてから「おはよう。昨日は良く眠れたよ、ありがとう」いい匂いにつられふらふらと寄って行けば相棒の姿が目に入り朝の挨拶して）

おはようフィリップ、ちゃんと寝れたならかった。もうご飯出きるから座っとけよ（起きてきた相手の挨拶に相手の方を向いて微笑んで挨拶を返してそう口にしては再び視線を目の前の洗い物の作業の手へと戻し、その机には自分と相手の朝食用に今出来たばかりの出来立てらしい焼き鮭と2つの仄かに出汁が香る出汁巻き、ほんのり湯気がたつ味噌汁と白米が入ったお碗が置かれていて）

朝から贅沢だね。君はいいお母さんになれるよ（和食の方が得意だと答えた人らしい日本人にうれしい健康メニューはともかく美味しそうで食欲そそるいい匂いのする食事に吸い寄せられ洗い物が終わるまで手足揃えて行儀良く座って待ち、家事の手際の良さだったり寝かし付ける技だったりと何かとハードボイルド探偵を目指すよりもいわゆるオカンキャラと化した方が向いてるんじゃないかと朝からテキパキ動く姿を見てはそう呟き）

いいお母さんって、フィリップ、俺は男だぞ（洗い物が終わりお茶の準備をしているときに言われた言葉に思わず苦笑いして"お母さん"の前に自分は男だと伝えつつお茶の入ったコップを持っていきそれぞれに置きつつ自分も席へと座りつつ「そもそも何で俺がその"いいお母さん"的存在になれるって思ったんだ？」と何故自分はいいお母さんになれると相手は言ったのだろうと不思議そうな表情で首を傾げつつそう口にしつつ手を合わせていただきますと呟けば目の前の朝御飯を食べつつやはり不思議なのか小首を傾げていて）

オカンキャラいいじゃないか（ちょこんと座ってる間に準備が整う流石の手際の良さも含めてやはりお母さんポジションで間違ってないだろうとか何とか相手の問い掛けの返答を考え「料理が美味しくて面倒見がいい」何故お兄さんやお父さんでないのか問い詰められては悩む気もするがそういうことだと適当に流しておき手を合わせ程よい温度の味噌汁をすすり魚の骨をよけて朝から充実したメニューを頬張り）

……？そんなお母さんって言われるほど俺面倒見いい方か…？（相手の言葉に首を傾げるがまあいいかと思いつつ相手にオカンキャラと言われるほど自分は面倒見良いのだろうか疑問に思うが料理が美味しいと言われるのは何だか嬉しいと内心感じつつそう呟き出汁巻きを口にしては「玉子焼きって色んなアレンジがあるからな、今日も地球の本棚で調べ物するならついでに調べてみるといいぜ」と自分で作った出汁巻きの味に頬を緩めつつ相手にそう伝えておいて今日来た依頼の内容を頭の中で纏めていき）

面倒見がいいと言うのかお節介って言うのか（情に篤いハーフボイルドな部分がなんとも面倒見の良さを物語っているが本人は気付かないものだし気付く必要もないかとか「レシピ本に甘い味付けもあれば醤油や出汁の味付けも載ってたね」それぞれの家庭の味が出るものらしい一品を味わいお婆ちゃんの教えが良かったのか翔太郎の腕が良いのか何を食べても優しい味付けの美味しいご飯を食べ進め）