左翔太郎 2020-04-13 07:59:31 |
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何処までも優しい相棒にへにゃっと脱力した笑みを浮かべくっついたまま存在を確めていれば眠いとの言葉が聞こえ「え、ちょっと待って…」よほど疲れていたようで眠りに落ちた相棒を起こさないよう注意して手を伸ばしソファの端に丸めていた毛布を広げて掛けてやり「…本当に君はずるいな。好きだよ、翔太郎」寝顔が綺麗だと見とれてしまい小声で呟いては唇へそっと触れるだけのキスをして)
(スヤスヤと静かな寝息をたてて眠っており唇への暖かい感触を感じては僅かに身動ぎするも何処か表情を緩め、久々に見た夢の中で今は大切な相棒で大好きな人でもあるフィリップと初めて会った時の事を夢に見、師匠である鳴海壮吉が倒れてしまい泣きそうになりながらも残った連れ出したフィリップを連れて階段の影で敵からの攻撃を凌いでいると言う場面の夢を見ていて)
…どんな夢、見てるんだろう(穏やかな寝息が耳に届き悪い夢ではないだろうが少し気になるものの身動き取れず本棚に入れない状態では相棒の夢を覗けないか試すことも出来ないと諦めて、本当なら疲れた身体を癒すべくベッドで寝て欲しいと小さな溜め息ついては普段自分の世話をしてくれる相手と立場が逆転した不思議な気分に今はただじっと動かず相棒が起きるのを待つとして)
……、……ぁれ、ぁ…悪いな、フィリップ…動けなかっただろ…(ふとその約10分後目を覚ましてはゆっくりと目を開いて相棒の肩から寄りかかっていた体を起こしてはまだ全然眠いのか目を擦りつつ眠りにつく前の事を思い出しては相棒の方を向いて寝起きの少し掠れた声ながらも申し訳なさそうにそう口にして)
気にすることないさ。でも風邪を引いたら困るからベッドへ行った方がいい(思ったより早い目覚めに驚き首を横へ振って謝ることなかれと伝えまだ眠り足りない様子に頬を緩めいつも相棒がしてくれる真似をしてそっと髪に指を通し頭を撫で座ったままの居眠りでは身体が固まってしまうだろうし疲れが取れるまで横になった方がいいと勧め)
そう、だな…風邪引いたら俺もお前も困るし…お前の言う通りベッドで寝ることにするぜ…(ぼんやりとした眠い頭の中で相棒の言葉を聞いては確かにと思い素直に1つ頷いてはまだ眠そうな顔でふっと微笑んでそう言っては撫でてくれる相棒の手に心地よさそうな顔をしていたが最後はそっと此方から優しく頭を撫でれば立ち上がって直ぐ近くのベッドへと向かい横になっては早々に再度眠りについて)
僕も行くよ(疲れた様子は心配だが助言に従い立ち上がるのを見てはほっと胸を撫で下ろし一緒にベッドまで行き横になるなり眠るのを見守りしばらく側に居たが少しして立ち去り何を検索するでもなく地球の本棚へ入り適当に一番前にあった本を手に取り現実へ戻ってはベッドの近くへ椅子を引きずり持って行って腰を下ろして読書して)
(直ぐ眠りについては先程と同じようにスヤスヤと静かな寝息をたてておりそのままたまに鳥なのどの静かな囀ずりと共に静かに時間が流れていくのだがふと呻き声など表情は穏やかなままなのだが何か怖いのか悲しい夢でも見ているのか穏やかな寝顔の頬には目を閉じている片目か一筋の涙が流れていていて)
…翔太郎?(暇潰しに読んだ情報はあまり面白くないもので興味を持てずペラペラ捲っていれば様子に変化がある様な嫌な予感がして本を閉じ視線を落とせば涙が見え、嫌な夢を見ているのだろうか心配になり何も出来ないままでは不甲斐なく力になりたくて指で涙を拭っては以前昏睡状態の女性に行った方法で相棒の夢に入り込めないかと相棒の手を握り地球の本棚へと意識を飛ばし)
(そして相手の目の前には何時ものように地球の本棚の本がズラリと並んでいるのだが所々本が欠けておりその本棚の1つにはまるで閉ざされているように大きく鎖がバツ印の形でつけられていてその真ん中の鍵のような部分にはWであるフィリップと自身が持つガイアメモリと同じ形の穴がありその穴の真ん中にはうっすらとだが相棒が持つサイクロンメモリの真ん中に描かれている模様と同じ「C」の模様が浮かんでいて)
(果たして目の前に広がる景色は相棒の夢なのか本棚とも違う光景に戸惑い慎重に歩みを勧め「翔太郎、いるのかい?僕の憶測が正しければ此処は君の夢のはず」姿の見えない相棒を探し不安を押し潰すように拳を握り締め呼び掛ければ例の鎖が掛かった本棚を見つけ駆け寄れば鍵穴を触り「…サイクロンメモリが鍵なんだろうか?」右手を開くといつの間にかメモリを握っていて"サイクロン"の音を鳴らし一か八かその鍵穴に差し込み)
(鍵穴にフィリップが差し込んだサイクロンメモリがセットされればそのセットされたサイクロンメモリが強い緑色の光を放ち本棚につけられていた鎖がまるで経ち切られるようにバラバラになって消えればその鍵穴があった場所には黒の背表紙に黒いジョーカーメモリに施されているのと同じ「J」と言う紫色の文字があり本当に僅かにだがその本からは誰かが泣いている、しかし相手にとってはもっと聞き覚えがあるであろうすすり泣くような声が聞こえてきていて)
(強い光を感じ反射的に顔を反らし目元に腕を当て光が止むのを待ち鎖の落ちる音に反応して視線を本棚へ戻せば目の前に現れた見覚えのあるマークが書かれた本を手に取り「…ジョーカーメモリ、やはり翔太郎の精神状態に何かあったのか」手にとった本を閲覧しようとした時手元から泣き声が聞こえて「…この声、翔太郎なのかい?何故泣いているんだい。僕に君を救うことは出来ないのだろうか」一人で抱え込む癖のある相棒を支えられないかと"J"の本をぎゅっと胸元に抱き締め)
(すると不思議な事にフィリップが抱き締めた「J」と背表紙に描かれた本はうっすらとだが何処か暖かみのある紫色の光を放っておりその光は相手を此方の夢へ導いては、その夢の中は何もない真っ白な空間で相手が数歩歩けば近付けるであろう場所に何かを抱き締めて座り込んだ状態で俯きとても小さな声だがギリギリ聞き取れる声で「……どこに、行っちまったんだよ……フィリップ……」と涙声に近い声で呟き、この真っ白な空間で呼んでも誰もおらずぽつんと足元に残されていた相棒が何時も持っている本を見付けて昔両親を失って独りぼっちになったことを思い出してしまい夢か現実かわからず本を抱き締めて泣いていて)
ジョーカーが僕を導いている…翔太郎、すぐに行くよ(不思議な夢の世界で次から次へと何が起こるか分からないが相棒を助けに来た自分が不安がってはならないと両手で頬を叩いて気を取り直し紫色の光に従い次の夢へと足を踏み入れ、真っ白な空間に探し求めた人物が本を抱き締め泣く姿を見つけ「…翔太郎!僕はここにいる。もう何処にも行かない…もう二度と君を残して消えたりしない」相棒の元へと駆け寄れば自分は此処に居るのだと正面から強く抱き締め「……すまない。君には辛い思いをさせてばかりだ」弱々しく泣く姿に過去の出来事が次々に脳裏に過り相棒に回した腕に力を込め)
…ぇ……あ……フィリップ…?(夢か現実なのかわからずただ1つぽつんと残されていた相棒が持っていた本を胸元で抱き締めて泣いていたが突如正面から抱き締められたかと思えばかけられた声と言葉に一瞬涙が引っ込んで目を瞬かていたがゆっくりとそれが誰なのか理解してはまた涙が滲むが「……本当に、フィリップ、なのか……?」とまだこれが夢なのか現実なのかわからず混乱しているのか抱き締めてくる力が強くなるのを感じそっと片手を相手の胸元より少し上に置いては何処か上の空に近い声で呟くようにそう問い掛けて)
あぁ、僕だよ。君を迎えに来た(抱き締めた際の温もりに此方まで夢か現実か分からなくなりそうで握られた自分の本へと視線を落とせば相棒を悩ませ悪夢を見させる原因は己にあるのだと胸が痛むが同時に会いに行けるのも自分しかいないと頭の中で言い聞かせ「…さぁ翔太郎、もうこんな夢から出よう」身体を少し離し涙で濡れる頬を撫でながら長袖で拭ってやり静かに立ち上がれば優しく微笑みかけ座り込む相棒へと手を差し伸べ)
(涙を拭われ優しく微笑んで一緒に夢から出ようと手を差し伸べられてはほんの数秒じっとその差し伸べられた手を見詰めるがふっと小さく微笑んで「…ああ」と1つ頷いては此方からも手を伸ばしてその手を握りゆっくりと同じように立ち上がれば白い空間は鏡のように割れて先程と同じ所々本がかけている場所へと戻れば自身の手には「C」と言う文字が書かれた緑色の本、そして相棒の手にはさっきまで持っていた「J」と文字が書かれた黒い本があり思わずキョトンとなるも「何か本当に"W"みてえだな]ふっと普段は見せない何処か子供のような笑みを浮かべて)
(ようやく笑顔が見れたことに心の底から安心すると同時に悪夢から覚めるまでこの手を絶対に話さないと握る手に少しばかり力が入りまた姿を変えた空間にきょろりと辺りを回らせば最初の場所に戻ったのかと分からないなりに理解して互いに相棒の本を持つ様子とその発言に頬を緩ませ「当たり前さ、僕達はWなんだから」珍しい表情に此方もつられて笑い相棒のメモリが表紙となった本を胸元に当て「…さぁ、帰ろう」静かに呟き目を閉じて)
(相棒の笑いを浮かべた発言に此方もクスッと微笑んで「はは、そうだったな」と改めて再確認するように口にしては帰ろうと言う言葉にコクリと1つ頷いて同じように緑色の本を胸元に当てるようにしてそっと目を閉じ、ふとゆっくりと目を開ければ見慣れた事務所の天井が目に入り先程まで見ていた夢を思い出してはそっとよこのほうへと目をやり自身の手を握った状態で眠りについたようになっている相棒を見れば思わず「……フィリップ」と名前を呟くように口にして)
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