風都鳴海探偵事務所（相棒のフィリップ募集だ）

……そうする。ありがとう（無理に解決しようとして相棒との関係がギクシャクしては探偵の仕事に支障が出そうで困ったものだし心配かけまいと普段通りの行動を取ろうと意識したつもりが出来てなかったようで申し訳なく感じるものの今は素直に助言を受けようと渡された本の背表紙を見てはこんなに分厚い本を読む趣味があったとはと少し失礼な感想を抱きつつ事務机横にある本棚を見ればびっしりとハードボイルド小説が並んでいて、受け取った読みごたえのありそうな厚みの本を手にベッドに腰下ろして早速読み始め）

（冷蔵庫を見れば餃子の皮があったので餃子を作ろうと思い必要な材料を揃えて手際よく包丁で切っていってはボールの中で肉と一緒に混ぜて出来たタネを餃子の川に乗せては包んでいき全て包み終えてはフライパンで餃子を焼いていきその本は何回も読み込まれたのか後ろまで紙を広げられるほど柔らかくなっていて大まかな本の内容は"田舎に住むまだ幼いとても仲の良い少年のカイとルキの二人が親に許可をもらって近くの小さな直ぐに開けた場所に出る森へと遊びにいくのだがカイのある不注意から迷子になってしまいまだ短い時間とはいえさ迷って心の限界が来てしまったルキはその勢いのままカイを責め、カイの困惑にも気付かず思ってもいない幾つもの暴言を吐いてしまいルキが気付いた時にはカイは声を上げずに泣いたまま森の奥へと行ってしまいルキはカイに思ってもいない酷いことを言ってしまったと落ち込んでカイを追いかけることは出来ず日が暮れるのだが二人の親がそれぞれ迎えにき次の日にまた会うのだがカイは昨日言われたこともあってかルキが話しても直ぐに会話が終わり二人はギクシャクするのだが最終的にお互いに謝って仲直りする"と言う二人の少年のある日の喧嘩からの仲直りの話になっており）

…これ、今の僕たちの状況に似てるって言いたいのかな。喧嘩とはちょっと違うんだけどね（子供達の冒険と喧嘩と仲直りのストーリーは今の相棒と自分の気まずい空気を物語っているような気がして時折登場人物を自分達に置き換えたりなんかして読み進め気が付けばあっと言う間に読み終えて相棒もこの本を何度も読み込んだのだろうと背表紙を撫で、ルキがカイに暴言を吐いたことを謝りカイは不注意で迷子になったことを謝りお互いに気持ちをぶつけ合い仲直りするシーンをまた読み返して「…調子に乗り過ぎたって後でもう一度謝ろう。それと……全部が全部ふざけた訳じゃないってことも」今夜８時に屋上へ来て欲しいと言われた旨を思い出しフィクションの子供達に勇気付けられ何とハッキリは言えないが相棒に対する自分の気持ちに少しばかり変化が生じそうなことを相談してみるのも良いかもしれないと二人がお互いに謝るセリフを指でなぞって何度も読み）

（餃子が入ったフライパンに火をかけてはコップに入ったぬるま湯をかけ回して蓋をすれば時々様子を見つつ焼いていき暫く焼いて蓋を開けて良い焼き色がついたのを見れば小さく微笑み自分と相手の皿に半分ずつ餃子を入れてふとベッドに座って渡した本を読んでいる相棒へと視線を向けてはどうやら本を読む前より幾分か気持ちに余裕が出来たらしい相棒の様子を見ては少し安心したように僅かに微笑み「んー……後はちよっとしたスープを作るか」と付け合わせを考えつつそう独り言を口にしては餃子が乗った２つの皿をテーブルに置いて次はスープ作りに取りかかり）

（セリフを覚えそうな程に読み込み気分転換にもなり自分に響いたようなスッキリしたような気がして本を閉じほんの一瞬だけ寝転がっては夕食のいい匂いがしてきてベッドから立ち上がれば餃子が視界に入り美味しそうな匂いはこれかと納得しては相棒の大切な本を本棚のちょうどさっきまで入ってたであろうすき間に収納してはその場で目を閉じ軽く深呼吸してその足で台所へと向かい「…まだ何か作ってるの？」いつも通りのトーンといつも通りの距離感を意識して背中にくっついて手元を覗き）

…ん？ああ、餃子の付け合わせで卵スープを作ってるんだよ（簡単に出来る卵スープを作っていた所後ろから聞こえた問い掛けに一瞬キョトンとなるが僅かに微笑んで自然と何時も通りの声で付け合わせの卵スープを作っているのだと答えては仕上げにと溶いた卵をスープの入った鍋の中に落としてはふんわりと少しだけかき混ぜ出来たところで火を消しては用意していた器の２つの内の１つに出来た卵をスープを入れ「はい、これお前の分な」と微笑んで相棒に卵スープが入った器を差し出して）

今夜は中華だね（同じくらいの身長の相棒の肩に顎を乗せ鍋に卵を入れる様子なんかを眺めて和洋中どれも簡単に作ってしまう相手はやはり凄いと内心尊敬に近い気持ちで見守りつつ渡されたスープを受け取り「…ん、ありがとう」温かいスープを溢さないようゆっくりと運んでは自分の席に置いて箸とスプーンに餃子用の醤油を垂らす小皿を用意しては台所をちらっと見てもうじき相棒も来るだろうと先に腰を下ろして待ち）

たまには中華もいいかと思ってな（相棒の呟きに小さく微笑んでそう言っては白米が入った茶碗を置いて最後にお茶が入ったコップを置いては席に座り何時もと同じように手を合わせて「いただきます」と小さな声で口にしては箸を持って餃子を一口ゆっくりと食べて飲み込めば「餃子って中国じゃ春秋時代から食べられてた凄く歴史ある食べ物らしいぜ」と昔から料理をする上で何となく知った事柄を口にしては小さく微笑み「そんな昔からある食べ物が今でも食べられてるって何か凄いよな」と食べ物のゆかりは奥深いなと自然と明るい笑みを浮かべてそう呟いては再び夕食を食べる手を進めていき）

そうだね。いただきます（餃子のひだのサイズがまちまちなところが相棒らしいなとか焼け目がいい塩梅で美味しそうだとか観察していれば正面に着席するのが見えて一緒に手を合わせて卵スープを一口飲んで熱さに目をぱちくりさせては餃子を口に運び味わって「それは知らなかった。歴史の過程でいろいろ進化したりもあるのかな、検索してみよう」当たり前に食べられている家庭的な料理がそんな歴史を持っているとは驚きで「美味しいね」野菜と肉のたっぷり入ったタネが手作りならではの美味しさで昼食を食べ損ねたこともあり食べる手がどんどん進み）

料理の歴史は奥が深いよな（教えた餃子の古い歴史驚いた様子だがどうやら検索対象として興味が出たらしい相棒の様子に何だか安心し見守るような微笑みを浮かべては餃子とスープ、白米を交互に食べていくなかで相棒から美味しいねと声をかけられればふっと口許を緩め「ああ、美味しいな」と同意しては昼食を食べ損ねた影響かよく食べる相手の姿を見ては自分の餃子が後３つ残っている皿を見てはじっと見て数秒考えた後３つの内１つを白米と一緒に食べて飲み込んでは２つ残った餃子の皿を相手の方へと置き「いるか？」と小首を傾げて問い掛けて）

ねぇ、次また餃子作るときは僕も一緒に包むのやりたい（歴史や上手な作り方に至るまで餃子の全てを検索し閲覧をしてからが良いのだがまたいつか作るとなれば一緒にやりたいのだと述べ検索中や何かに集中している時は全く空腹を感じないのに食べ始めたらお腹が空いていたのだと自分でも驚く程に食べられるから不思議だなと最後の１つを頬張れば相棒の皿がこちらへと置かれ「え、いいの？じゃあいっこだけ」１つ箸で摘まんで美味しいのだから自分で食べた方がいいと皿を相棒の方へと戻しいつもながらペロリと完食しては程よく冷めたお茶を飲んで「ごちそうさま」と手を合わせた時視界に入った腕時計で時刻を確認しては「片付けたら防寒対策して屋上に行こうか」ゆっくり洗い物をすれば約束の時間になりそうで相手は覚えているかと小首傾げ）

ん？ああ、いいぜ。今度は一緒に作るか（次に餃子を作る時は一緒に作りたいと言う相手に微笑んでは勿論だと頷き今度は一緒に作ろうと告げて相棒から残りの1つは食べろと言うように此方に皿を渡されたので素直にそのまま最後の餃子を食べ終えては皿を持っていき相棒と一緒に洗い物をして相棒から言われた言葉に自然と壁にかけてある時計を見れば片付けをしていれば丁度約束した時間になる時間帯だった為「だな。夜は冷えるしちゃんと防寒してから屋上に行くか」と少し微笑んで同意をしてそう口にしては洗い終わった皿をザルへと置いていき）

綺麗に作れるようにあらゆる餃子に関する本を読んでおくさ（勿論との返事ににっと笑い手慣れた相棒より上手く作れるように知識を詰め込んでおかねばと対抗意識を燃やして地球の本棚へ入るポーズを取っては声を上げて笑って相棒が洗った皿を拭いて元の場所に戻すといういつも通りの分担で皿洗いを素早く終わらせ、話というのは今日助けた調査対象の夫のことだろうかとか思考を巡らせ家事が終われば薄手のマフラー巻いて上着を羽織ってこれだけ暖かくすれば大丈夫かと相棒へ視線を送り）

得た知識を使って料理を何回もすれば個人差はあれど自然と上手くなっていくぜ（地球の本棚に入るポーズをとって笑う相棒を見てはクスクスと楽しげに笑いアドバイスのようにそう伝えては相棒の手伝いもあり早く皿洗いを終わらせては此方も灰色の上着を着て防寒対策をし「じゃあ屋上に行くか」と同じく防寒を終えている相棒に視線を合わせて微笑んでそう言っては数秒優しく頭を撫でた後屋上に続く階段をゆっくりと上がっていき扉を開けて入ってきた風に目を細めるが柵の方へと歩いていっては相棒が来るのを待って）

（やはり相棒の手は優しくて撫でられる度に落ち着くと微笑み浮かべ小さく頷き屋上へ行く前に事務所の窓から外を見たところ今夜は風が少し強そうで頭を冷やすには丁度いいのかもしれないと「あぁ、すぐ行くよ」先に事務所を出た背中へと語り掛け風で飛ばないようにとマフラーをしっかりめに結んでは階段を昇る足音を追い掛け自分も屋上へと到着し細く浮かぶ月といくつか光る星を見上げ今夜も風都の街は綺麗だと目を細め遠くを眺めては先に着いて此方を待っている相棒の元へと歩いて行き）

………フィリップ、俺さこの街がやっぱり大好きなんだなって、今日改めて思ったんだ（此方へと来た相棒の気配を感じつつ数秒黙って景色を眺めていたが少しして静かに口を開き自分はやはりこの街が好きなのだと改めて思ったと言葉にしては柵に両手を置き「風都には色んな人々が居るし中には悪い人だって居るかもしれねえけど…改めてこの街と人々を守りたいって強く思ったんだ」と静かな声で告げては相棒の方へと顔を向け「多分これからもお前を悩ます事はあると思うけど…それでも、お前は一緒に相棒で居てくれる、か…？」と横顔が月に照らされ少し儚げに見えつつも静かな表情で小首を傾げては問い掛けて）

僕も、君に連れられて此処へきて気付けばすっかり街が好きになってた（同じように柵を掴んで遠くに見える風都タワーを見て訳も分からないままに風都へ来て相棒と探偵をしてＷになって様々な人と出会い長い年月をこの街で過ごす内に大好きになっていて「何が正しくて何が悪いなんて分からない。でも、大好きな街を守るために敵を倒すって決めたんだ」助けるべき人間なのかと疑問に思ったことは今日が初めてでなく自分達の行動が間違ってるのでないかと悩んだ日も多々あって「…何度も同じことで悩んでさ、君と違って僕は成長してないんだね」話を進めれば自分が同じ所で躓いているのだと自覚させられ"一緒に相棒で居たい"と答えたいのに言葉に詰まってしまい小さく開いた口を閉じその場にしゃがんで柵を強く掴み下を向けば涙が零れそうになり顔を伏せぎゅっと目を瞑り）

（相棒から紡がれる話を相棒と同じように風都タワーに目を向けて静かにしっかりと聞いていたがその話の中で"自分は成長していない"と言う言葉を聞けばそっと横にいる相棒に視線を向けてはその場にしゃがみこんで俯き柵を強くつかんでいる相棒の姿を見れば隣に静かに寄り添うように来て同じようにしゃがんでは優しく頭を撫でながら「何度目でも躓いたっていいし、泣きたい時は泣いてもいいんだ。お前がいいならだけど、俺がその間こうやって隣に居るからさ」と静かに頭を撫でながら何度つまづずいてもいいし、泣きたい時は泣いていいのだと伝えては相棒が落ち着くまで隣に寄り添い優しく頭を撫で続けて）

……僕には地球から授かった知識があって検索すれば大抵の事は知ることが出来て…でも本棚では人の感情だとかそんな事は載ってなくて…（相棒の話を聞き相手と同じ意見だと同調したいはずなのに自分が今何を思いどうしたいのか混乱し面倒臭く絡んで申し訳ないと感じる反面いつもと変わらぬ優しさについ甘えてしまい柵から離した手で相棒の上着を握り「泣きたい時は泣いてもいいって言うのも良く…分からないんだ。僕は今泣きたい…のかな…ごめん、こんなのウザったいよね…」そのまま相棒の胸元へ顔を埋め自分でも自分の感情が分からない感覚に陥り今はただ大好きな相棒の傍に居たくて居て欲しくて優しい温もりを感じながら呼吸を整えていき）

……そうだな、人の感情ってのは本でとかは表せないほど複雑だ（相棒の言葉に普段の声色でゆっくりとした口調で語りかけながら頭を優しく撫で続けつつ自分の感情がわからないのだと言う相棒の言葉を聞けば胸元に顔を埋めてきた事に一瞬キョトンとなるが時折背をトントンと落ち着かせるように優しく叩きつつ頭をを撫でながら「勝手に涙が出てくる、尚且つ心が痛いと感じるなら…それは自分が泣きたいって言う証だ」とゆっくりと語りかけるような優しい声色でそう告げては「泣くのを我慢するってのは別に悪いことではねえけど我慢し続けても結局は心が更に痛むだけだからな」と呟き頭を優しく撫でる手はそのままに片方の手で頭を胸元で抱き締めるようにしては「だからもし勝手に涙が出てくるなら…出てくるのに任せて我慢しない方がいいぜ」とふっと優しく微笑んで口にして）