ジェイド 2020-03-23 23:02:04 |
通報 |
むむむ、君ってばこんな時まで僕を喜ばせてどうするのさ!まあ、君がそこまで言うのなら責任持ってどんな僕でも受け入れてもらうことにするんだからねっ。それに、僕がどんな風に成長するかは君の教育にもよると思うんだよね。だから、君も気を抜かずに接し方を考えた方がいい思うんだ。明るいままなのか、反抗的になるのか、執着深くなるのか…君次第ってね!
僕の誕生日はね、雪の降る寒い日だったんだって。意外って結構言われるんだけどね。日付で言うと1月13日だよ!ただ、誕生日ってあんまり素敵な思い出がないから、僕の方から話題に出すことはないかなぁ。
へへ、それなら良かった!僕の方もぐだぐだ書いてたら長くなっちゃったから真ん中の方は適当に読み流して大丈夫だからねっ。
(刻一刻と命が尽きる、その瞬間が迫っている。ざわざわと吹き荒ぶ風に葉先が重なり音を奏で、不気味に鳴り響く。宛ら黒薔薇が囁き合い、黒き触手を伸ばして彼の地へ誘う哀傷歌。頬に触れた相手の手の感触だけが、自身をこの世に留め置く最後の楔のようだ。残された時間は少なく、諦めにも似た心境でそっと瞼を閉じる。だが、告げられた言葉は予想とは違ったもの。妙な違和感を察知し、怪訝に細めた双眸で彼を見詰めた。翡翠の瞳の奥、激る炎は決意の証か。一体何を…、疑問に開きかけた唇はそっと閉じ、操り人形のように甘く蕩ける声音の言うがまま、再びヴァイオレットの瞳を瞼の裏に隠した。何も見えない世界で、彼の密やかな息遣いだけが鼓膜を打つ。うなじを覆う大きな掌に体重を預けると自然と体の力が抜けていく。大好きだ、と告げられた想いに、口許を和らげ、弾みで目尻から頬へ一雫伝う涙。ああ、なんて幸せなのだろうか。幸福に包まれ、蛍火のように淡く舞い上がる光は命の灯火。ふわりふわりと空へ向け、昇華されていく。微睡みのように安らかな眠りに落ちかけた意識、だが唇から喉元を伝い、心臓へ送り込まれる熱いほどのエネルギーが強引にも魂を引き戻し、身体の中に留めようと作用する。鬩ぎ合う狭間、枯渇していた生命力が急速に補われていくが、浮遊する意識は未だ頼りなく、元いた場所に定着する事を拒んでいるようで。やがて目の前の彼の存在も、触れる手の感触も、自分という個さえ希薄になり、真っ暗な水底へと落ちていく。伸ばした指先さえ見えない暗闇、?けば?くほど手足に触れる水は重く纏わりつく。沈みゆく身体に抵抗するように形振り構わず足掻いた。彼が待っているのだ、戻らないと───自身を太陽だ、と…光だ、と言ってくれたあの人のためにも。彼への想いが溢れた時、一筋光明がさす。その光に向けて、必死に身体を進める。未来を共に生きるのだ。照らす光はより一層輝きを放ち、力強く自身を導いてくれる。ああ…安堵に漏れかけた吐息は、不意に背筋を這い上がった悪寒に凍り付く。暗闇の底で表情は窺えないが、誰かが自分を見上げているではないか。直接頭に響く声なき声は、ノイズ混じりで、不快でしかない。「……いの?ぼ……なが…だ。……しゅ…から……ない。」問いかける内容は穴あきで意味の分からないただの羅列。ただ、それでも戻るのか、と最後に意志を確認された事だけは直感で分かった。「僕は彼の元へ戻るよ!一緒に、生きていく。誰に命令された訳でもなく、僕が、僕自身がそうしたいと願ったから。だから後悔なんてしないよ。」きっぱりと少しの揺らぎもなく言い切り、何処と無く寂しげな影に笑いかけた。「さようなら、僕はもう行くよ。」今度こそ、振り返ることもなく眩い光に向けて飛び込んだ。意識が覚醒する間際、何処かで聞いたことのある声が"君は馬鹿だ…"と、呟いた気がしたが、渾身の力で搾り出されるようにして発された自身の名前の方に注意は向き、さっぱりと記憶からはかき消えていた。「ジェイド──!まさか君っ、何か無茶でもしたんじゃないの!?」彼に食べられる運命だった筈、なのに視界に飛び込んできた彼の姿といったら、呼吸が荒く顔色も悪い、どちらが病人か分からぬほどだ。今にも倒れてしまいそうな身体を支えるべく、慌てて手を伸ばす。まさか彼の方が亡くなってしまうのではないか、そんな嫌な予感が頭を掠めるほど、相手の様子は尋常ではない。「ど、どうしよう…。ジェイド、辛くない?苦しくない?誰か呼んだ方がいい?」自分の身体が病から救われたことなど気付く余裕もなく、ただ彼の身を案じ、表情曇らせては救いを求めるように視線を周囲に彷徨わせ)
トピック検索 |