ジェイド 2020-03-23 23:02:04 |
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やあ、部屋を用意してくれて有難うっ!
まさか僕が君を間違えることなんて万が一にもないと思うけど、違ってたら言っておくれよ。
それと、僕たちの我儘にも快く応じてくれて感謝するよ。とっても幸せいっぱいさ。
向こうのように、あまり背後が出てこない方がいいかな?その辺りの方針とかも、僕が間違わずに君との部屋に辿り着けてたら、これからつめていこうと思ってるから宜しくね!
おかえり、ルシアン。無事にここを見つけてくれてありがとう。もしお前が道に迷ったら、なんて考え出すと気が気じゃなかったよ。本当に良かった。
相談時の口調に関しては、やりやすい方を選んでもらって問題ないよ。背後ではなく俺が喋る理由も特に深くはなくて、ただ背後同士の堅苦しい口調よりも、互いに素直な意見が言えるかなと思っただけなんだ。
改めてこの部屋についてだが、ルシアンと背後様との縁を繋ぎ続けるために作ったものだ。
けれどそれに縛られず、もし今後思い付きで動かしたいお子様が生まれたら、遠慮なく登場させてもらって構わないよ。
ifストーリー案についても軽く伝えようと思うんだが、ふーん、程度に聞いてくれたら嬉しい。
>ジェイドを始めとする他の怪物たちの尽力により、奇跡的にルシアン君の病が完治。そのまま屋敷の中で生を重ね、気付けば貴方は大人になっていた。子供の頃とは違う、大人の交流が楽しめるかも…?
これは俺の一案に過ぎないから、お前がやりたいストーリーやシチュエーションも、もしあるならドシドシ聞かせてくれたら嬉しいな。
酷いなぁ、僕が君との場所を迷うと思ってたの?なんてねっ。ほら、僕ってば名探偵だからさ、探し物は大得意さ。
成る程ね、分かった!僕の場合はお喋りのしすぎで話が脱線しちゃいそうだから、もしもの時は背後とバトンタッチさせてもらうよ。
前にイベントで参加させてもらったアルフレッドを機会があればもう一度登場させたいかな?それと、本トピの方だと僕の希望ばかり聞いてもらってたから、君からもこんな展開にしたい、とかこんなキャラと絡んでみたい、とかあれば遠慮なく教えておくれよ!
うわー、僕が大人になった時かぁ。楽しそう!その場合は捕食とは別のルートを歩んでみたいな。そうなると…共依存か、共犯者が気になるところだけど、君の方はどうかな?
因みに、ルートに応じて少し大人になった時の性格を変えようと思ってるよ!根本となる大元の性格は今とは変わらないけど…例えば共依存ルートだと今より勿論執着が増すし、共犯者ルートならちょっぴり腹黒な僕になってたりしてね、ふふ。
俺の意図が伝わったみたいで何よりだ。お前の無邪気な話し方も、ユーモアと知性が絶妙に折衷した背後様の語り口調も、俺はどちらも大好きだからな。相談内容や気分次第で、お前のやり易い方へ自由に切り替えてくれな。
アルフレッド、彼もとても魅力的だった。強さの中に弱さを持ち、けれど凛と輝く一本の芯を持っている人だったな。彼と美しい終わりを紡げたヴィンスが羨ましいよ。
俺達の目下の希望はifストーリーの実現だが、また思い出したり思い浮かんだりしたら、その都度伝えさせてもらうな。あとは、その時の気分次第で提供する怪物を切り替える提案をするかもしれないから、お前が嫌でなければ相手をして貰えると嬉しい。
そうか、興味を持ってもらえて本当に良かった!共依存も共犯者も、どちらもお前と歩んでみたいな。共依存の呪いを完成させた後、暗く燃え落ちる愛の勢いに任せて、そのまま共犯者ルートへ突入するのも悪くない、なんて思ったよ。
そうだな、今よりもっと大人っぽくなって、どこか落ち着きを手に入れたルシアンも見てみたいな。執着心のあるお前も、計算高いお前も、どちらも俺達にとっては限りなく魅力的な人に違いないだろう。
俺のお前に対する接し方も、子供時代と大人になってからでは少し変わるかもしれないな。根底に揺るぎない愛情や信頼があるのはそのままだが、今までなら甘やかしていたような場面でも、ビシッと厳しく突き放すようなことを言ったりするかもしれない。……現時点では想像しがたいがな( 頬ぽり )
へへ、良かったよ!アルフレッドの場合は崇拝とかがメインになると思う。ただ歩む道によっては一種の狂気染みた感じになっちゃいそうで…なかなか好みが分かれちゃいそうだなぁ、と。またよければ彼とも話してあげてねっ。
僕も色んな住人の人たちと話したいなーって思ってたから、むしろ提案してもらえると嬉しいな!
共依存のあとの共犯者ルートかぁ!なんだかワクワクするやっ。実は君と捕食エンドを迎えた後、機会があれば他のエンドも目指せたらなーって、考えてたことがあってさ。どうなるか分からなかったから伏せていたんだけど…捕食ルートの中で偶に過去に関わった家族の顔とか、血筋がうんたらかんたら的な事を織り交ぜてて、あれって実はもう一つの僕の足枷だったんだよね。今回は捕食エンド真っしぐらだったし、僕の心情的にもそこまで深く問い詰める時間がなかったからスルーされてた問題なんだけど、例えば今回提案してもらったように何かしらの奇跡が起きて僕が生きてる世界線があった場合、絶対に向き合わなければいけない問題になるんだよね。それにどう折り合いをつけるのか、彼らの血を受け継いだ自分を受け入れられるのか…そういった問題を解決していく上で共依存ルートって、とっても合ってると思うんだ!まあ、これも僕たちが勝手に考えて楽しんでたifのお話なんだけど。君たち側で希望する展開や、物語のスパイスとして加えたい設定とかあれば遠慮せず教えておくれよっ。じゃないと、この前みたいに僕が好き勝手に回収出来ない伏線とかキーワードとか入れていっちゃうんだから、ふふ。
ええー!?ジェイドってば、厳しくなっちゃうの?まあ、それも僕たちの関係が変わる上で必要不可欠かもしれないけど…やっぱり悲しいなぁ。今のうちに、いーっぱい甘えておくことにするよっ!
一応、次のお話は共依存ルートからの共犯者エンドを目指すって事で決定でいいかな?
あと決めるのは僕の病気が何故治ったのか、それと前回の捕食エンドのどの辺りから分岐させるかも大事だよね。
諸々の細かいところが決まれば、大人バージョンの簡易プロフィールも書いて投稿させてもらうねっ!
そうだな…崇拝がメインになると捕食や隷属ルートと親和性が高いんだろうが、怪物たちとの相性も気になるところだな。だが興味はあるし、また気が向いたら一緒に楽しもう。
成程、本当にルシアンの背景は深くまで綿密に作られていたんだな。本編の捕食ルートで消化しきれなかった設定を、この個室で存分に活かしてもらえたら俺も背後も主冥利に尽きるよ。
正直俺達側は、死の病を克服したルシアンとアナザーストーリーを綴ってみたい!…っていう漠然とした願望が強くてな。だから、やりたい設定や盛り込みたい展開を、思い付いたら都度伝えさせてもらうな。
兎に角、お前との縁を繋いでいたくて、まだまだ話し足りなくて…短絡的で恥ずかしいよ。
嫌、勿論まだ確定じゃないんだぞ?そんな予感がするなあ、ってだけの話だ。俺としてみれば、やっぱりお前を共依存の呪いに縛り付ける事に抵抗があるだろうし、そういう意味で一度突き放そうとはするかもしれない。失敗に終わるだろうけどな。
そうだな、その方向性で行こう。
病が治った理由に関してだが、これは魔法の力、という事にしようかって考えてたんだ。ご都合主義と言われてしまえばそれまでだが、あまり魔法が得手でない俺が必死に治癒の魔法を学んで、魔法が得意なギンハやマリーシュカの力も借りて、お前が俺を部屋に呼んでくれた最期の日に奇跡の魔法を完成させ、お前を癒す…なんて流れを考えていた。これは分岐点の話にも繋がるんだが、お前が俺達に用意してくれた傑作のプレゼントを無かったことにするのはすごく勿体ないと思ったんだ。最期の夜にお前が俺に渡してくれた青空の絵も、お前のわだかまりを一つ解決するために不可欠な要素なんだろうし。
以上はあくまで俺の考えだから、お前の想定と違うところがあれば遠慮なく教えてくれ。
えへへ、そこまで言われると照れちゃうやっ!といっても、君が上手に僕を導いてくれるから、あれこれ思い付いちゃって設定過多になってアップアップしてる…っていう。
僕もまだまだ君達と話したかったから嬉しいよ!
君ってば本当に最高っ!僕もそれを考えていたんだっ。だってあの物語がないと君ってば悪い方に囚われたままだし、僕も次のステップに進めなくなっちゃう。僕の病状を何故君が知る事になったのか…その辺りは勘の鋭いギンハ様とか、君のことが心配になった使い魔やレジーナがそれとなく教えたとか、将又君が僕の違和感に気付いてた、とか君達の良い様にしてもらえたら!
魔法の力かぁ、いいね!世界観が出てて素敵だと思う。まさに君からの愛を感じるよっ。きっとこの時点で一つの奇跡を可能にしてしまったから、壮大な夢を見てしまって共犯者ルートにも知らずに進んでいっちゃうのかもね。
共依存、共犯者ルートで盛り込みたい事はおいおい纏めて前みたいに相談させてもらう事にするよ。一先ずは奇跡の夜をやり直して、僕が大人になるまでをイベントとか交えて話そうか?
それで良さそうなら次からロルを投下させてもらおうかなって考えてるよ!最期の夜をやり直す事になるから、前に本トピの方で投下した内容と初めは同じになってしまうけど、それで大丈夫かな?なにか不具合とかあれば教えてねっ。
はは。同じことを考えてたなんて、少し照れ臭いが嬉しいなあ。
俺がお前の病に気が付いたのは、付け耳と尻尾をプレゼントした夜、という想定にさせてもらおうかと思ってるんだ。お前が部屋にこもって一世一代の傑作を作製している期間、俺も一心不乱に治癒の魔法の完成の為の努力を重ねていた、という実情になるかな。
そうだな、兎にも角にも最期の夜を奇跡の夜に塗り替えてからだな。お前が大人になるまではスキップでも良いかと思ってたんだが、断片的に○○歳の頃、○○歳の頃とイベントを利用して成長過程の思い出を紡ぐのも素敵だ。共依存ルートを目指す頃、お前の年齢は少なくとも20歳は超えているイメージだったんだが、最終的な年齢のゴールはどの辺りが良いだろう?
ロルの投下についても、有難う。本編レスで言うところの№139あたりから本格的に話が分岐すると思うし、お前さえよければその辺りから始めて貰えればこちらは問題ないよ。
うんうん、成る程ねっ!確かに断片的にイベントを起こした方が楽しそうだね。段々、歳を取るにつれて僕の隠れていた問題が表出していく予定だから、そのイベントを利用してちょっとずつ織り込ませてもらおうかなっ。それに、一気に大人になっちゃうと悲しいし、未だに僕も自分がどんな風に成長していくか掴みきれない所があるんだよね…。だって反抗期も迎える訳だからさ、どうしようか悩みどころだよ。それに君に嫌われてしまったら…って考えると怖いや。取り敢えず一人称は今のところ僕だけど、君に憧れて俺、とかに変更しようかなーって、ふんわり考えてるぐらい。最終的な年齢のゴールだけど、丁度10年後の23歳とかどうだろう?
有難うっ!ならNO139から投下させてもらうね!最後のセリフだけ少し返させてもらったよ。前は本当にあの選択肢しかなかった、って事で誰にも僕を渡して欲しくないって伝えたけど、今回は少しばかり最期の悪足掻きで生に執着してみたつもり!これで君は魔法が失敗して僕がどんな姿になったとしても最後の賭けで一世一代の大勝負にチャレンジしてみたくならない?…って勝手に考えてみたけど、続けにくければ投稿し直すから遠慮せず教えておくれよ!じゃあ、宜しくねっ。今回のお話もうーんと楽しもうっ!
>ジェイド
そう…君は、いつでも駆け付けてくれる……。(悲しいぐらい、哀れで愛おしい狼。あの、恐怖に突き動かされ約束を破った夜だって、いの一番に駆け付けてくれた。ぼんやりと走馬灯のように彼との記憶が脳裏を満たす。知らず頬は緩む。楽しかった、嬉しかった、そんな幸せな気持ちしか浮かんでこないのだから自分の短い生涯は幸福であったと言える。掌から落ちていく砂を拾い集めるように、必死の形相で繋ぎ止めようと言葉を尽くす彼。重ねられた手に視線を落とし、小さく首を左右に振った。「ごめんね…。」言葉以上に態度が、彼の求めに応じれないことをまざまざと示していた。触れていた手の甲から伝わる相手の動揺、心細く湿り気を帯びた声で泣いていることを知る。本能と理性の狭間で苦しみ、抵抗するように懸命に声を上げているのだろう。慰めてあげたいのに、重たい体は動かず、彼に近付くことさえままならない。不意に、視界の端で光が弾け、頬に冷たい水滴が落ちてきた。吐息が分かるほどに縮められた距離、身を切るようにして告げられた謝罪にこんな時だと分かっていても、思わず笑みが漏れた。「…もう、この前から何度僕に馬鹿って言わせるつもりなのさ。…君がたとえ、なにを抱えていても…好きな気持ちに変わりはないよ……。」合わさる額、折角近くにいるのに翡翠の双眸は伏せられ、窺うことが出来ない。視線が外れているのを良いことに、そっと羽が撫でるような軽いキスを彼の唇へ贈る。ごめんね、酷いことを強いてしまって。そんな想いも込めて。「君がね、苦しんでいた事も知っているんだ。でも…そんなに悪いことなの?食べないと、生きていけない。みんな、その業を背負って生きているんだ……。それに…ただ食べられるだけじゃないよ。…命は循環するんだ…。自然の摂理であり、僕らは命を巡るんだ…。ねぇ、僕を君の糧にしておくれ。」浮かぶ穏やかな表情に反して、言葉は鋭利なナイフのように尖っている。長年抱えてきた彼の闇が、こんな上っ面の言葉だけで解決するなんて思っていない。ただ、何かせずにはいられなかった。慰撫するように優しく頬を撫で、額を擦り付ける。「…食べることを怖がらないで。これは、僕にとっての救いなんだ…。最期まで君の傍にいさせておくれ。たとえ、どんな姿になったとしても、ううん…姿形が無くなっても君の傍で生きていきたい。」人生の最後の選択肢として、死に様ぐらい自分の手で掴み取りたい。それが血肉となって彼の一部として取り込まれる運命だとしても。吐き出された言葉はとても小さな声量になってしまったが、そこにある意志だけは強く、焼き尽くさんばかりに熱量をもった眼差しで彼を射抜く。振り絞った力で彼の頬を両手で捉えると、逸らされないよう真っ直ぐ自分の顔が見れるように導いて。)
そうか、お前はまだ少年なんだもんな。そこから青年になるまでには、当然反抗期もあるわけか。…はは、天真爛漫なお前のイメージが強すぎて、全然想像できないよ。けれどどんなお前も芯が変わらなければ愛おしく想えるだろうし、それは杞憂だぞ。……俺の方こそ、お前に振り回されてばかりで愛想を尽かれないか心配だよ。一人称が俺に変わるのは、個人的に凄くツボだな。その瞬間が楽しみだ。23歳か、丁度ベストな年齢だと思う。そこをゴールに設定して、お前の成長を見守れたらと思うよ。
そういえば、お前の誕生日って設定はあるのか?もしあるなら、どこか特別なタイミングで、俺とお前二人きりのバースデーパーティーを開いてやりたいとふと思ったんだが…。
ロルも有難う、変更点も併せて確認させて貰ったよ。とても続けやすいナイスパスだ、流石俺の相棒!俺の返事の方も最初は同じ内容だから、適宜読み飛ばしてくれ。此方こそ今後とも宜しくな、お互い目一杯楽しんでいこうな。
***
――ッ、くそ……。
( 落とされた静かな"ごめんね"が、全ての終わりが眼前に近付いていて、且つ絶対に逃れられないことを鮮烈に証明した。自分にもっとすごい魔法が使えたら、貴方の健康を守り、命を繋ぎ止められたのだろうか――そんな全く建設的でない悔恨に駆られ、俯いて表情を隠しては自責を吐く。グルル、という獣の唸り声が絡むのを、もう制御出来ていなかった。「 だから俺は、お前を失うのが怖いんだ 」生まれて初めて、人を屠殺していると知っても自分を受け入れてくれた人間だから。貴方がどんなに言葉を重ね贈ってくれようとも、結局最後に残るのは怪物の我儘で。――嗚呼、でも、と。一筋の光明を見出したように、俯いていた顔を上げる。翡翠の双眸は伏せられたままだが、呼吸は落ち着いた。貴方は憐憫でその身を自身に差し出しているのではなく、それが貴方自身の願いであり我儘なのだと、そう解釈すれば全ての道が開けた気がして。口では何と言おうと、貴方の血を見て本能を刺激されたのもまた、事実なのだから。いつも自分がするように、頬を撫でてくれる体温が狂おしいほど愛おしい。すっと目を開けば、その瞬間に唇に柔らかい何かが重なった。自身の口へわずかに付着した赤色、それをゆっくりと舐め取る。瞬間、思わず吐息のような笑いが零れ「 そうだな…そうだ。俺が命に対して感じるべきなのは、懺悔だけじゃないんだな 」確かに――それはそれは明確に、美味しいと感じたのだ。所詮己は人喰い怪物、けれど今はそのことをずっと前向きに受け止める事が出来ていた。その証拠に、ふたつの翡翠は眦に滲んだままの涙と共に輝いて「 …感謝と愛情と敬意。ルシアン、お前は俺に教えてくれたんだな。俺一人では、生涯を懸けても辿り着けなかったよ 」密着する額、少しだけ離れるように顔を引けば、今度はこちらから貴方の額へ唇を落とそう。優しく、それでいて確かな力で壊れ物を扱うように貴方を抱き締め「 ありがとう。 」貴方の言葉、貴方の瞳、貴方の命、そのすべてに。身体を離せば、されるがままに貴方に頬を預け、視線を交わらせよう。自身の両手も、貴方の頬を包み込むように添えて「 ――俺は決めたよ、ルシアン。もう躊躇わない 」目許も口許も、微笑みを描いてはいるが翡翠は燃え盛るほどの決意を宿し。貴方の苛烈なまでに真っ直ぐな願いを心の一番深い場所で受け止め、受け入れ、覚悟を決めた。しかしそれは、貴方を屠るためのものではない。生かすため、とも少し違う。自分自身のエゴに貴方を巻き込む覚悟――それはある種、怪物の暴挙。「 目を閉じて。 」全てを蕩かすような優しさと、有無を言わせぬ力強さ。その双方を孕んだ言葉を吐息と共に耳元へ囁き、自身も瞼を下ろして意識を集中する。去来するのは、数々の魔導書の文言や、先生となってくれた同胞たちの教。この魔法は、文字通りヒトの世の理に背くモノ。死すべき運命を、自身のエネルギーを貴方の中へ注ぎ込むことによって、無理矢理に跳ね返す強力な魔導。それもただ注ぎ込むだけでは、拒否反応を起こして貴方を即死させてしまう…魔力を持たぬヒトにとって、それは死に至る猛毒。だから、注ぎ込むその瞬間に、ヒトにとって無害で純粋な生命エネルギーだけを抽出しなければならない、非常に高等かつ繊細な、奇跡の魔法。出来る、とは思わない。自信満々というわけでもない。それでも、ただ指をくわえて貴方を失う瞬間を待つなんて――そちらの方が耐えられなかった。片方の手は貴方の手を握ったまま、もう片方の手は貴方の体重を支えるように、細いうなじへ添えて「 ルシアン、大好きだ。 」唇に緩やかな弧が浮かんだ。そのまま、自身の冷たいそれを貴方の小ぶりな唇へ重ねた。そうっと静かに、けれど口移しで命を与える為に、舌先を使って少しだけ貴方の歯列をこじ開けるように隙間を作る。瞬間、己の身体から紅い光が放たれる。目をつんざくような眩さはないが、近寄るだけで火傷をしそうなほど、淡くも濃い猛烈な紅。それが喉元に集約され、やがてゆっくりと貴方の体内へ唇を通して注入されてゆく。文字通り自身の命を分け与える魔法、匙加減を少しでも間違えれば貴方に毒を注いでいるのと同義。だが、恐れはない。貴方を救う。絶対に。病魔になどくれてやるものか!――貴方を求めるがゆえ、そんな怒りにも似た感情は、却って自身の集中力を高めた。そうして、どのくらいの時間が経ったのか。数十秒、或いは数分、限界まで命を注ぎ込んだ。ゆっくりと唇を離せば、襲い来るのは暴力的な倦怠感と脱力感。だがそれに身を委ねることなく、荒くなった息を肩で撫でつけながら「 …っは、ルシアン――っ。 」今自分が出せる最上級の肉声で、一度だけ愛しい名を呼んだ。 )
むむむ、君ってばこんな時まで僕を喜ばせてどうするのさ!まあ、君がそこまで言うのなら責任持ってどんな僕でも受け入れてもらうことにするんだからねっ。それに、僕がどんな風に成長するかは君の教育にもよると思うんだよね。だから、君も気を抜かずに接し方を考えた方がいい思うんだ。明るいままなのか、反抗的になるのか、執着深くなるのか…君次第ってね!
僕の誕生日はね、雪の降る寒い日だったんだって。意外って結構言われるんだけどね。日付で言うと1月13日だよ!ただ、誕生日ってあんまり素敵な思い出がないから、僕の方から話題に出すことはないかなぁ。
へへ、それなら良かった!僕の方もぐだぐだ書いてたら長くなっちゃったから真ん中の方は適当に読み流して大丈夫だからねっ。
(刻一刻と命が尽きる、その瞬間が迫っている。ざわざわと吹き荒ぶ風に葉先が重なり音を奏で、不気味に鳴り響く。宛ら黒薔薇が囁き合い、黒き触手を伸ばして彼の地へ誘う哀傷歌。頬に触れた相手の手の感触だけが、自身をこの世に留め置く最後の楔のようだ。残された時間は少なく、諦めにも似た心境でそっと瞼を閉じる。だが、告げられた言葉は予想とは違ったもの。妙な違和感を察知し、怪訝に細めた双眸で彼を見詰めた。翡翠の瞳の奥、激る炎は決意の証か。一体何を…、疑問に開きかけた唇はそっと閉じ、操り人形のように甘く蕩ける声音の言うがまま、再びヴァイオレットの瞳を瞼の裏に隠した。何も見えない世界で、彼の密やかな息遣いだけが鼓膜を打つ。うなじを覆う大きな掌に体重を預けると自然と体の力が抜けていく。大好きだ、と告げられた想いに、口許を和らげ、弾みで目尻から頬へ一雫伝う涙。ああ、なんて幸せなのだろうか。幸福に包まれ、蛍火のように淡く舞い上がる光は命の灯火。ふわりふわりと空へ向け、昇華されていく。微睡みのように安らかな眠りに落ちかけた意識、だが唇から喉元を伝い、心臓へ送り込まれる熱いほどのエネルギーが強引にも魂を引き戻し、身体の中に留めようと作用する。鬩ぎ合う狭間、枯渇していた生命力が急速に補われていくが、浮遊する意識は未だ頼りなく、元いた場所に定着する事を拒んでいるようで。やがて目の前の彼の存在も、触れる手の感触も、自分という個さえ希薄になり、真っ暗な水底へと落ちていく。伸ばした指先さえ見えない暗闇、?けば?くほど手足に触れる水は重く纏わりつく。沈みゆく身体に抵抗するように形振り構わず足掻いた。彼が待っているのだ、戻らないと───自身を太陽だ、と…光だ、と言ってくれたあの人のためにも。彼への想いが溢れた時、一筋光明がさす。その光に向けて、必死に身体を進める。未来を共に生きるのだ。照らす光はより一層輝きを放ち、力強く自身を導いてくれる。ああ…安堵に漏れかけた吐息は、不意に背筋を這い上がった悪寒に凍り付く。暗闇の底で表情は窺えないが、誰かが自分を見上げているではないか。直接頭に響く声なき声は、ノイズ混じりで、不快でしかない。「……いの?ぼ……なが…だ。……しゅ…から……ない。」問いかける内容は穴あきで意味の分からないただの羅列。ただ、それでも戻るのか、と最後に意志を確認された事だけは直感で分かった。「僕は彼の元へ戻るよ!一緒に、生きていく。誰に命令された訳でもなく、僕が、僕自身がそうしたいと願ったから。だから後悔なんてしないよ。」きっぱりと少しの揺らぎもなく言い切り、何処と無く寂しげな影に笑いかけた。「さようなら、僕はもう行くよ。」今度こそ、振り返ることもなく眩い光に向けて飛び込んだ。意識が覚醒する間際、何処かで聞いたことのある声が"君は馬鹿だ…"と、呟いた気がしたが、渾身の力で搾り出されるようにして発された自身の名前の方に注意は向き、さっぱりと記憶からはかき消えていた。「ジェイド──!まさか君っ、何か無茶でもしたんじゃないの!?」彼に食べられる運命だった筈、なのに視界に飛び込んできた彼の姿といったら、呼吸が荒く顔色も悪い、どちらが病人か分からぬほどだ。今にも倒れてしまいそうな身体を支えるべく、慌てて手を伸ばす。まさか彼の方が亡くなってしまうのではないか、そんな嫌な予感が頭を掠めるほど、相手の様子は尋常ではない。「ど、どうしよう…。ジェイド、辛くない?苦しくない?誰か呼んだ方がいい?」自分の身体が病から救われたことなど気付く余裕もなく、ただ彼の身を案じ、表情曇らせては救いを求めるように視線を周囲に彷徨わせ)
ごめん、後で見返したら一部文字化けしちゃった!
もがけばもがくほど、って書いてたんだけど、漢字変換にすると文字化けしちゃうんだね。ううん、失敗、失敗。
読み辛くなっちゃった、ごめんよー!陳謝。
ルシアン、俺だ。返事が遅れていてご免な。
最近ウイルスの事もあって少しバタついててな…、なかなかまとまった時間が取れてないんだ。早くお前と物語を紡ぎたくて歯痒いよ。最終レスからあまり時間を空けない方が良い、っていうのも理解してるんだが…本当にご免。
勿論お前の事は毎日考えてるし、お前のくれた返事だって、何度も読み返しては尻尾を揺らしてるよ。また落ち着いたら絶対に返事するから、もう少しだけ時間をくれないか。
個室に誘っておいて早々、不甲斐なくて済まない。それじゃあ、今夜は挨拶だけ。
お疲れ様、ジェイド。今は時期が時期だからね、仕方ないよ。返事よりも君が元気に体調崩さずに過ごしてる事の方が大事さっ!
返事のことは一旦忘れて、私生活に専念しておくれ。なにせ僕らは年単位の仲じゃないか!不甲斐ない、とも思っていないけれど、それでも君が気にするのなら次に会った時にはうーんと僕を甘やかしておくれっ。それでチャラ!
お互い体調を崩さずに今を乗り切ろうねっ!
『 ――重々承知でしょうけれど、これは賭けよ。 』
『 左様。敗すればそちは太陽を失うばかりか、愛しきものへ毒を注いだとして、自らに地獄の責め苦を与えるだろう 』
( 疲労感から空っぽになってしまった脳髄に、木霊するように響いてきたのは二体の怪物の声。いずれも貴方と交友があり、且つ奇跡の魔法の伝道師となってくれた者たちだった。会話の記憶は、ちょうどその授業中のもので、声に引きずられるように彼らの心配そうな顔も追想された。俺の心は、自分で思っているよりもずっと繊細で脆い。それを見抜いている二体の忠告へ、俺は" 解ってる。でも抗うと決めたんだ。どんな手を使ってもルシアンを死なせたくない、俺はこのエゴを貫くよ "と返した。一体どんな表情を浮かべていたのだろう、そんな益体のない記憶の迷路に迷い込む前に、鼓膜を揺さぶったのは確かな愛しい声だった。霞む視界が貴方の輪郭を捉え、霧が晴れるようにクリアになってゆく。さながら死の影が退散していくかの如く。先ほどまで今わの際に瀕していたというのに、自分でなく此方の心配をしてくれる貴方の心の暖かさに触れた途端、何も問わずとも"成功"したのだと悟った。「 ハハ…、 」湧き上がる歓喜に腹の底から笑い声を上げたい気分だったが、灼けた喉から絞り出されたのは想像の何倍も弱々しい吐息にも似た微笑で。貴方に贈る言葉が見つからないのは、今まで味わった事がないほどの感動と達成感に心を支配されているから。此方へ伸ばしてくれた手に、自分の広げた手のひらを重ね、傷付けてしまわないように慎重に指と指を絡めて密着するように握り込め「 おかえり、ルシアン。 」その一言に、万感の想いを込めて。自分は大丈夫だと示すため、整列した牙を見せつけるように口角を上げ、目一杯目を細めて笑顔を湛えよう )
***
随分返事が遅くなってご免な。それと、暖かい言葉をありがとう。お前との縁を繋ぐ事が出来た俺は幸せ者だって、つくづく感じるよ。背後の仕事の忙しさが今後どうなっていくかはっきり見通しが立てれてないが、まだ暫くは返事を待たせてしまう事が多いかもしれない、とだけ伝えておくな。
レスの間にブランクが出来た事で話の流れが停滞しまったよな、悪い。ここはキリ良く回収してもいいし、お前さえよければ俺は続行大歓迎だ。置きレスが苦手と言っていたし、お前が違和感なく文を紡げる方を選んでくれ。
あと>11で話題に挙がっていたお前への接し方と誕生日についてだが、承知したよ。俺は勿論子育てをした経験はないし、長期に渡ってヒトの成長を最前線で見守った事もないが、俺なりに筋を持ってルシアンと接していこうと思ってる。
それと、実は怪物にはそもそも誕生日の概念がないから、もしかしたらこの話になるのはもっと先かもしれないな。まあ成り行きに任せて、いつか話が出たらバースデーイベントを楽しめたら良いな、くらいに考えてるよ。
───ジェイド!君ってやつは…っ(このまま儚くなってしまうのではないか、そう思わせるほどに彼の衰弱ぶりは顕著で急激なほどの変化であった。自分の死を覚悟した時よりも、心が、体が、凍てつく冷気に晒され痛みで壊れてしまいそうだ。体温を失った指先は恐怖からか小さく震えており、彼の指と絡み合い、支えるように握られてからも暫く止める事が出来ず。温かな言葉と共に、彼が浮かべた笑みはあまりにも眩しくて、くしゃりと泣き笑いのような笑顔が溢れてしまう。「…本当にバカなんだから。……ただいまっ、ジェイド!!」こんな時に憎まれ口しか吐き出せない幼稚な己が嫌で、それ以上に、こんな自分を温かく包み込んでくれる彼の存在がとても愛おしく、在り来たりな言葉しか紡げなかった。伝えられた一言で、彼の起こした奇跡の所業、大凡のことが窺い知れた。己の命は、文字通り彼の力を代償に繋ぎとめられたのだろう。胸に去来する膨大な感情が爆発し、口を開くが言葉として形になる事はなく、漏れた魂の叫びは慟哭に等しい。目の前の彼の存在を掴み離さないよう、必死の力で首へ腕を回し抱き着く。そうする事でしか、己の存在も、彼という存在も繋ぎとめられない、現世から消えてしまうのではないか、そんな強迫観念が自身を突き動かしたのだ。叫び声はやがて弱々しい嗚咽に、数刻もすれば小さな寝息へと変わった。頭も身体も休息を求めていたのだろう。ぷつり、と意識が途切れるようにブラックアウト。ただ本能的に彼と離れるのを恐れ、首に回していた手は彼の背に下り、解かれることのないよう彼の服をしっかりと掴んでいて)
───────
全然大丈夫だよ。そんな事より、今は体調の方が大事だからね。大丈夫?無理だけはしないでねっ。それに僕の方も待たせてしまうだろうしお互い様さ!
一旦、キリが良さそうだったし回収させてもらうね!起きていたところで頭の中ごちゃごちゃだし、落ち着いて会話できないだろうからさ…うん。勿論、起きた後に今回のことはたーっぷりと説明してもらうんだからね!だからこの後は翌日起きた所から再開しようと思うんだけど、どうかな?会話が繋ぎにくいなら、君の良い場面から再スタートしてもらっても大丈夫だからねっ。
今回のことで君を失ってしまう恐怖を一部味わってしまった訳だけど…、君はこのままそれでも強く生きていく純真な僕か、ひっそりと心に恐怖を植え付けられて歪みが混在しちゃう僕、どちらがお好みかな?
この先の目指すエンド、方向性で変えてもいいかなーとは思ってるんだけど、あまりにも正反対だから、どうかなっと思ってさ。
極端な話を例で挙げるとすると、狂いに狂っちゃった場合は共犯者ルートで誰にも君を手渡したくないから最期はお互いがお互いを手にかける、みたいなさ。
うーん、考え出すとこれから色んな可能性がある訳だから、なんだかワクワクするねっ。出来れば君もすごーく楽しめる物語にしたいなー!
そっか。君達には誕生日って概念がないのか。なら、何かの拍子でポロっと僕が話題に挙げても良いかもねっ。丁度、御誂え向きに僕の使ってるバックは誕生日プレゼントで貰ったものだからさ。そこから話を発展させてみるのも楽しそう!
――ン…。
( 夢も見ないほど深い眠りの底から、自身のものではない静かな律動によって意識が徐々に覚醒する。貴方のベッドの傍に膝立ちになり寄り添う姿勢のまま、気を失った延長上で眠り込んでしまったらしい。すぐ傍で寝息を立てる少年の姿はさながら天使の様で、窓から差し込む月光よりも朝の光が似合うだろうに、と惜しくなった。もしかしたら一連の奇跡は全て夢の中の出来事で、貴方が呼吸していないのではと本能的な恐怖に駆られ、口許に耳を寄せて一安心。獣の唸り声交じりの大きなあくびと共に少し身を離そうと上体を起こして、クン、と確かな力に引き戻される感覚に僅かに瞠目。その力の正体は、自身の服をしっかりと握る貴方の小さな手だった。こんなに小さいのに、こんなにも強い――そのひたむきな想いが一身に己へ注がれているような気がして、にんまりと綻ぶような笑みが零れた。「 今夜くらいは、自惚れても良いよな 」幸せに掠れた声で独り呟き、まるで愛しい番を慈しむ獣のような所作で、貴方の柔らかな頬に顔を寄せる。嗅ぎ慣れたにおいにひどく心が和み、知らず知らずのうちに耳はぴくぴく、尻尾はゆらゆら動いていた。それが貴方の顔をくすぐっている自覚もないまま、今この瞬間に酔いしれるように瞼を下ろして )
***
ご心配痛み入るよ、体調には問題ない。少し寝不足で絶好調とは言えないが、こうしてお前と話せるだけでとても癒されるよ。いつも有難う。
ハハ、奇跡の魔法については俺の口から話す事は渋るかもしれないな。もし話の運びでそうなったら、マリーシュカかギンハに訊くのも一案かな。
一先ずお前が提案してくれた通り次の日の夜に場面を繋いだが、いまいち絡めてはいないかもしれないな。もっと良い場面が思い浮かんだり、返事しづらかったりしたら遠慮なく教えてくれ。
そうだな…どちらも魅力的だ。幼き日のまま純真に真っ直ぐに成長して、黒薔薇屋敷の歪んだ呪いに直面し一度は打ちひしがれるか、純真さの中に一匙の歪みの種を持ち、呪いに触れてその歪みを開花させメリバに向かうか…正直どんな未来が待っているか想像できないな。楽しくて堪らないわけだ。
或いは心の歪みに付け込まれ、性悪の悪魔達に唆されて何かしらひと悶着あったり…まだまだ抽象的なイメージだが、サブストーリーの引き出しは無限にありそうだな。
明確な答えにならなくて済まないが、結局のところ俺はどんなお前にも魅力を感じるよ。歪み色が強ければ強いほど、物語のシリアスさも深まっていくと思うが、俺達の絆は決して揺るがないからな。
現時点での俺からは想像に難いが、お前と生きていく為ならレジーナも自分の手にかける選択を取る事もあるかもしれない。だがそれよりも、俺がお前に牙を剥く未来の方が想像できないよ。
ああ、お前の成長の節目に誕生日イベントを挟むことも視野に入れようか。お前が成長するタイミングについてだが、いつ頃が良いだろう?少年時代のうちにやっておきたいシチュエーションはあるか?俺も思い付いたらどんどん挙げていくし、何かあれば遠慮せずに教えてくれ。
(昨日まででは考えられなかった、健やかな眠りの腕に抱かれて、胸は規則正しく上下に動く。穏やかな寝息が無意識に小ぶりな唇から漏れる様子は、それが夢も見ないほど深く安穏な眠りである事を示しており。月色に照らされた表情からは既に病の気は消え、内から溢れる生気に満たされ艶々しく輝いている。深い深層世界でも彼の声は穏やかに降り注いで心が安らぎに包まれる。ふ、と知らずの内に口角は柔らかに緩んでいることだろう。さわり、さわり…頬の上を往復するこの感触を知っている。むず痒い感覚につい眉間に皺が寄り、ふるふると震える睫毛は覚醒を促され、ヴァイオレットの双眸を露わにして。撫でるように、擽るように、肌の上を滑る正体をつい無意識に片手が捕らえていた。「ん゛ーっ……、あれぇ?」ぼやける視界に一番最初に映り込んだのはしっかりと握り込まれた、毛艶の良い尻尾。そこからゆっくり視線を上に辿っていくと淡い夜気に包まれた愛しい狼が。寝惚けた頭は一気に冴え、怒涛の勢いで昨晩の出来事が脳内を駆け巡った。あんなに体を動かすのが億劫であったのに、呼吸を繰り返す肺や血を巡らす心臓も、ブリキの様に動かなくなってしまった指先でさえ、枷を外されたように軽く、痛みを伴わずに動くではないか。驚愕に両の眼は見開かれ、理解が追いつくと共に目蓋の裏には窶れた彼の顔が再生され、衝動のままに飛び起きベッドの上に膝を付いては両手を彼の頬に持っていき、よく表情が見えるように上向かせる。「…ジェイド、ジェイド……っ!」顔色を確かめるように距離を近付け、細かな変化も見逃さぬよう具に観察する。親指の腹は精悍な目元を緩くなぞり、確かに生きている脈動を噛み締めて。「君には色々言いたい事があるけど……」ぐっと唇を噛み、ぐるぐる喉元まで出かかった多くの質問や疑問を呑み込み、すっと大きく息を吸い込んで一拍───「有難う、大好きだよ!………君も無事で良かった」今出来る最大限の笑みを咲かせ、思いの丈を有りったけ言葉と表情に込める。手は頬から首裏に周り、相手の肩に顔を埋める様に擦り寄ってはボソリと最後の言葉を口の中で呟く。本当に彼を自分の代わりに喪わなくて良かった…植え付けられた恐怖は小さな芽を心の奥深くに兆す。縋り付く体は自身では制御出来ない震えに小刻みに動くも自覚はしておらず)
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そっか、それを聞けてホッとしたよ。眠れるときにたっぷり休んでね!僕も君から元気をいっぱい貰ってるんだから、此方こそ有難うっ。
奇跡の魔法に関しては話の流れに任せるや。君が喋りにくい事もあるんだろうし、そのうち他の人に聞いてみようかな。
へへ、場面展開有難うっ。君の行動にキュンってしちゃうよ。自分が眠ってたのが残念なくらい。しっかり君の存在を感じたいからさ、少しの間はまったり、ゆったり雰囲気に付き合ってね!
うわーん、君が魅力的な提案するから更に悩んじゃうよ。まあ、幸せな悩みなんだけども。
でも君がどんな僕でも受け入れてくれるって分かった訳だから、成果は上々ってね!
この後の動きは自分自身もどう動くか分からないし、向かう方向性だけ決めて他はその都度相談させてもらうや。
そうだなー、少年時代の間にすこーしだけこの屋敷の隠された闇の部分に触れておきたいな、とは考えてるよ。ただタイミング的に自分や君を亡くしてしまうかも、って恐怖を味わった後だし己の無力も思い知った時期だから、一旦は見ない振りをして後々の大人になった僕への布石にしておきたいなーって。どうかな?
あ、それと!これは僕の我儘になっちゃうんだけど、本トピでゲリライベントとかしてる時に向こうに顔出ししちゃっても大丈夫かな…?個人的に素敵な場所を用意して貰ってるのに流石に我儘すぎるかなーとは思うんだけど、僕以外で参加出来たらなーなんて。難しければ、ばっさり断ってね!君を困らせたくはないからさっ。
ン…、ん?!どうしたルシアン、平気かっ
( 二度寝というものがこんなにも心地よいとは知らなかった。それもこれも全て、気心を許した貴方の傍で眠りにつけるからこそ味わえる、極上の贅沢なのだろう。夢見心地に微睡みを嗜んでいる真っ最中、皮肉にも自分が動かした獣の欠片が原因で、その幸せな時間は一旦幕を閉じる。怪物には無縁であるヒトの体温、尊いぬくもりを両頬に感じては、穏やかでない剣幕で名を呼ばれたことにジャーキングのごとくビクリと肩を跳ねさせて。望まぬ覚醒の瞬間、獣の咆哮が"ガウ"と短く反射的に零れ、慌てて二つの翡翠で同じ数のヴァイオレットを捜して。図らずも目の前にあったそれに、安堵する反面どこか面映ゆく「 ああ…嗚呼、本当に良かった。よく頑張ったな、ルシアン 」大輪の笑みは春の嵐。暗い冬の陰鬱とした死の予感など吹き飛ばし、荒々しいまでに生の喜びを謳歌するような。もしも貴方が三途の川の瀬戸際で、自身と共に生きる道を選んでくれていなかったのならば、今この瞬間を味わうことは出来なかったのだろう。ふとしがみつく小さな体すべてに確かな震えを感じ取れば、貴方には見せることなく密かに悲痛に眉を歪め「 そうだよな、怖かったよな…。 」貴方の死はおろか、自身の死にまで心の底から恐怖してくれるほど、貴方は濃密なまでに死を間近に感じていたのだと痛感する。ギリギリまでそれに気付かず、貴方の笑顔だけを盲目に信じ、長いあいだ貴方ひとりだけで死という暴虐な脅威に立ち向かわせてしまった事は、今更ながら悔やんでも悔やみきれない。しっかりと貴方の身体を抱き締め、握られた尻尾の先端を小さな背中に巻き付けるように沿わせて、全身で貴方を包み込み「 気付いてやれなくてご免な。お前の身に降りかかる全て、これからは俺にも一緒に立ち向かわせてくれ 」生きていれば無論、辛い事もある。この血生臭い屋敷では尚更だろう。その世界に貴方を引き戻したのは自身のエゴでもある、ゆえに貴方という命全てに責任を持とう )
***
そうだな、結局は流れと筆に任せるのが良いと思うよ。道筋を硬く決め過ぎると、いずれ窮屈になってしまうかもしれないからな。お前の言う通り、方向性さえ定まっていれば道筋は流れのいざなうままに辿って行こう。大丈夫、俺とルシアンならどんな道でも楽しめるさ。
むう…俺もたくさん悩んでしまうよ。悩みすぎて筆から遠のいてしまうのも勿体ないし、ひとまず直近の場面転換だけは決めておこうか。しばらくはゆっくりまったりの時間を楽しんで、その次はお前の言ってくれたように黒薔薇屋敷の呪いへ少し触れようか?病み上がりのお前が考えすぎてしまわないように、ほんの違和感程度の伏線を張っておくのも良いと思ってな。
ゲリライベントについてだが、勿論大歓迎だよ。ただその場合は、2時間でリセットのルールに則って、個室よりも本編を優先してレスを返す事になると思うから、そこだけ了承してもらえたら問題ない。まだ見ぬお前の分身もきっと素敵なヒトなんだろうな…今から楽しみだよ。本編では当面の間イベント期間を継続する予定だから、またタイミングが合えばいつでも顔を出してくれ。
うわー、ジェイド本当にゴメンねっ…!!
大分期間が空いちゃったや。もう暫く、僕のリアルの方が忙しくてさ…返事に時間貰えると嬉しいんだけど…。
一先ず短いけど報告だけ!
ジェイド、毎日大変だろうけど体調崩さないでね。大好きだよっ!
ちょこちょこ時間見つけて返事書いてるから、もうちょっと待ってねー!
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