胡桃 2020-03-23 12:19:49 |
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( ローテーブルの上、淹れたての紅茶が入ったティーカップの横で振動したスマホを手に取って / 画面を見ては驚きに瞳をまあるくし / 「 お家にいるよ 」の文字の後、どうしたの?と問いかけるねこのイラストスタンプを送信 / 両てのひらに携帯を包み、それが再び震えるのをじっと待って )
『いま、胡桃さんの家の近くにいるのですが、少しだけ会えませんか?』
( 返事を打ってから送信し、今度は座席に深く凭れ掛かって。 少し息を吐いては、何となく車窓から彼女のマンションの方へ視線を向けて )
( 「 お部屋来る ? それともわたしが下に行こうか ? 」 / 返信を終え、カーディガンを羽織れば、ティーカップをキッチンに下げ / 忙しい彼が会いに来てくれた理由に考えを巡らせて )
『予定も聞かずに来てしまったので、胡桃さんの都合の良い方で構いません。』
( 突然の訪問は迷惑だったかもしれないと思えば、上記のように返信を。 携帯をポケットにしまい、車から降りて彼女からの返信を待ち )
( 「 じゃあ、お部屋で会えたら嬉しい 」 / ふわふわと幸福そうなねこスタンプも一緒に / ケトルに新しくお湯を沸かしなおしてから玄関へ、彼用のスリッパを準備して )
『了解しました。向かいますね。』
( メッセージを確認すると再び車に乗り込み、マンションの来客用の駐車スペースへ。 以前と同じ場所に停め、記憶を辿り、エントランスへ。 エントランスを抜け、エレベーターに乗ってから3Fのボタンを押して。 取引先との会合があったため、グレーのスーツにダークグレーのネクタイで )
( 画面の新着メッセージにふと柔い笑顔を溢し / 白いボアサンダルを履いて、玄関ドアの持ち手に両手を乗せ、少しの緊張を胸にチャイムが鳴るのを待って )
──────。
( エレベーターが止まり、扉が開けば彼女の部屋へ。 部屋のチャイムを押してから、淡い色で纏められたスイートピーの花束を胸の位置に片手で持ち。 ドアの方へ視線を向けたまま、彼女を待って )
( ゆっくりと玄関のドアを開ければまず、優しい色合いの花束が目に留まり / それから彼のスーツ姿 / 淡い頬と視線を上げて、緩やかに微笑んで )会いに来てくれてありがとう 。お仕事帰り ?
──、はい。 突然すみません。
( 彼女の姿が目に入れば、自然と笑みが零れ )
────…これ、よろしければ受け取って頂けませんか?
( 花束と、小さめの真っ白な紙袋をそっと差し出し。紙袋の中には、上品な白い小箱に入ったマカロンの詰め合わせを )
わ 、ありがとう … 、すごく 、すごく嬉しい …( 差し出された花束と紙袋を、両手でゆっくりと丁寧に受け取って / 泣き出してしまいそうな顔を伏せ、胸に抱いたスイートピーの花びらにそっと鼻先を付け )少しなら 、ゆっくりしていける ?( 彼の手を取り、軽くこちらに引っ張って )
──…では、お邪魔します。
( 彼女の言葉、表情、仕草が愛おしく、今すぐにでも抱き締めたい衝動に駆られるも、玄関先であることに立ち返り、衝動をなんとか抑え。 にこりと微笑んで、お言葉に甘えて室内へと足を進めて )
はい 、どうぞ( 彼の返事に、みるみる表情輝かせ / スリッパに履き替える時も、廊下を歩く間も、ずっと彼の手を離さずに / そのままソファへと案内すれば、そっと紙袋だけをローテーブルに置いて )少し 、待ってて( 繋いだ手に一度力を込めてから、するりと解き、その場を離れ )
こんなに可愛い花束、見たことない( 籐のバスケットに花束を飾り、両腕に抱きながら再びリビングに現れて )
────。
( リビングへと向かう間も手を離さない彼女に微笑し、そっと指を絡め、繋ぎ直して )
………はい。
( 待っていてと言われては、優しい笑顔を向け、手が離れてからソファに座り )
…気に入って頂けたようで、良かったです。 ─────。
( 花束と共に戻ってきた彼女とその言葉に嬉しそうに微笑し。 スイートピー越しの彼女の可愛らしさに、膝に片肘ついて頬杖を付き、見詰め )
…( 彼の視線に気がつけば、じわりと熱を帯びた頬ではにかんで )どうしてスイートピーを花束に選んでくれたの ?( 彼のすぐ隣に腰を下ろし、両腿の上にバスケットを乗せ / 甘やかな香り、淡く可愛らしい花びらの1枚1枚を慈しむように眺めながら尋ねて )
───可憐で儚げで甘い香りで、…胡桃さんに似合いそうだったので。
( 頬杖を付いたまま彼女の方へ顔を向け、スイートピーに視線を向け、空いている方の手の指先でその花びらを優しく弾きながら話し。 伝えると視線を彼女に戻して柔和な笑みを )
( 今の今まで愛おしかった花々に、心の底から嫉妬してしまうくらいの、なんて優しげな指先 / その動きを瞳で追ったまま、彼の言葉にじっと耳を傾けて )… ありがとう 、本当に嬉しい( 横で彼が微笑むのをしっかりと感じてから、目を閉じ甘く痛む胸に両手を重ね / 小さいけれど、心を込めた声で )
喜んでもらえて、良かったです。───、
( ニコッと笑んで。 辛抱出来ずに彼女の方へ身を乗り出すと、その頬に口付けを )
─……胡桃さん、もし、お仕事がお忙しくなければ、どこかに旅行でも行きませんか?
( 体勢を元に戻して、また、唐突な提案を。 視線は彼女へ真っ直ぐと )
( そっと目を開け、両頬を手のひらで包みながら、ほわほわとキスの幸福に浸っていたけれど / 思ってもいなかった彼の提案に大きく瞳を見開いて / 両手を下ろすのも忘れたままで彼を見つめ返し、ゆっくりと口を開き )… 旅行 、行きたい
──、よかった。
( 彼女の仕草に、フッと表情を緩め )
……では、行き先を決めないとですね。
( ソファに深く座り直し、思案を巡らせるように視線を落とし )
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