司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>レオナ
──あは。キミは片一方だけのガラスの靴で人探しなんて非効率的なこと、しないでしょう?オウジサマ
( 足首を縛るように回したサンダルのストラップ、手首に揺れるのは上質過ぎる装飾品、脚に擦れるワンピースの裾、隠すものがなく落ち着かない腕・・・と指の隙間から見える意地が悪い歪んだ緑は気に食わない。己の頬を両手で一度ぱちんと叩いたならいつも通りに小生意気な光を瞳に宿し戻して、目の前の正真正銘肩書きオウジサマに片手を伸ばす。ナチュラルに取られたものだから忘れかけていたが、己の財布はこの生徒が鞄ごと持っているわけで支払うにしたって・・・生憎と図書館から一歩も出ない身故にお金はある方なので構わないが財布が無ければそもそも困る。ガラスの靴を与えてくれる魔法使いには会えないし、眠って知らない王子様に求婚されるなんてもってのほか、知らない人に与えられた林檎を食べる気もない・・・塔から連れ出してくれた血統書付きの王子様は存在したが。オヒメサマなんてはなからガラじゃないのだ。じんじんと痛む頬のお陰で顔の赤さを誤魔化して、引き結んだ唇もいつも通り大人ぶってみせる )
でも、ありがとう。それはもう可愛い可愛い生徒が、その時間を己のために使ってくれた事が嬉しいよ
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