司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>ラギー
( 曇り空のような目をした生徒は相変わらず生意気で、ただ──引き摺る度に鈍い痛みがやってくる足を可能な限り庇いながら進む道は長く面倒だろうに文句を言わないこの生徒に今噛み付くのはお門違いというやつなのだろう。内緒話をするように、あるいは口枷を着けるように、立てられた人差し指に倣うように・・・ネズミだなんて失礼なハイエナだと思いこそすれ、実際小生意気な司書を快く思わない生徒も多くいるだろうし、数だけ見れば海底の寮長より少ないに違いないが報復という名の元で危険な目に遭う可能性は十分にあるのだからいただけない。仕方がないから大人しくしているしかないか、と別の意味で冷や汗が滲みそうなことを思いながらの道中、ほんの一瞬生徒の瞳が資材運搬用の機材に向けられたことには気が付いたものの、なんてことは無いように不満を )
嫌ですよ、歩けますし──見世物じゃないんですから
>レオナ
( 生意気な──そう噛み付きたくなるのは性質的な問題で、もはや相手が王族だとか寮長だとか生徒だとか・・・己が司書であることすら些細なこと。青筋を立てるわけではないが、むすっと──それはもう、私一応怒っているのですが、納得いっていないのですが?と傍目からもわかるような真っ黒な気配を纏いながらも目だけは吸い込まれるようにエメラルドグリーンを見据えたまま。いつもの偉そうで高慢で、自信に満ち溢れた若者らしい煌めきを放つ笑みとは別の・・・どこか習ったものを複製したような笑みは似合わない。そう言おうとして、言葉が消えてしまった。差し出された言葉が、あまりにも、現実離れしていて、何よりもその提案に縋ろうとした己に一瞬でも気が付いて、驚いて──司書になった日のことを思い出した。目の前の王様の浮かべたやわらかい笑みを真似るように微笑みを作ったなら首を振り )
司書は泳げないし、空も飛べないんですよ王様──鴉が許してくれない、ので
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