司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>レオナ
そうですね・・・きっと、全部が新鮮で一生忘れないものなのだと思います。これから先のことも、どこかの国の意地の悪い王子様が司書を外に連れ出した今日のこともね
( ずっと随分と気怠げな生徒だと思っていたが実際のところは表情の変化が分かりやすい青年なのだと改めて思う。メモが消えても脳裏には筆跡も筆圧もそのまま文字の羅列が刻み込まれていて、その単語を思い浮かべるだけで未来のことが楽しみになる。司書は存外単純な人間で、絡んだ視線の向こう側で揺れている宝石のような瞳に己の欲が滲んでいる様子も悪くはないと思ってしまうのだ。文献にも載っていない、この世界に残らない誰かの痕跡を司書だけは覚え続けておくことができる・・・はず。これまで散々魔法やこの世界の暗い部分を見てきたのだから、これくらいの自由は許されたらいい。目の前の生徒がその目で見てきた景色を見れる日が来るかもしれない、少しの緊張と余りある高揚感に少しだけ震える指先で手持ち無沙汰に先程のメモに書かれていた店名をくるくるとテーブルになぞり )
キミが司書をそれとなく気にかけてくれたことは理解しているのだけど──キミの寮に行ってみたかったのも本当なのだよ。だってほら、キミはどこで見ても星は同じだと言うだろうけれど、図書館の窓から見る星とキミの寮から見る星は空気も光の強さも違うでしょうから
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