奏歌翔音 2020-03-03 18:33:56 ID:5762b1903 |
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>天笠牡丹さん
「……ありがとうございます。しかしこれ、どう使うんだろ」
優しい雰囲気、と言われたことに喜びお礼を言うと、手にしている大幣を不思議そうに見つめる。とりあえず神主さんがやっているように両手でそれを持つと、以前のように水の魔法を使うイメージをしながら大きく振ってみた。
「……!?綺麗……!」
振った大幣から出てきたのは、おびただしい数の水の結晶。それらは月の光に照らされ、さながら宝石のようにきらきらと輝く。天から降ってくるそれらは、那由多と天笠先生ももとにも降り注いだ。
しかし結晶が体に当たったとき、少しひんやりとした感触こそあれど痛みはない。むしろ疲労感や痛み、苦しみが癒され、邪念や悪意すらも清められていくように感じるだろう。結晶は二人の周りにしばらく降りつづけていた。
「……とりあえずこの変化のことは、ボスに聞いてみます。何か教えてくれるかもしれませんし」
悪役の少女に宿った、癒しと清めの力。それは神からの皮肉か、それとも祝福か。
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