奏歌翔音 2020-03-03 18:33:56 ID:5762b1903 |
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>斑鳩刹那さん、大海原疾風さん
「……フフッ…、アッハッハッハッハッ!!」
疾風の返答を聞いた直後、桐恵の思いも寄らない笑い声が木霊する。
「そうだったな。お前はそういう奴だったよ。」
自分の感じていた不安、それが全くの杞憂と分かり安心感が一気に押し寄せた。
「全く銀司の奴……本質を見る目が皆無だな。こんなに愛情を向けてくれる奴に事もあろうに毒を盛るなんてな。……いかん、思い出したら本気でヤバい。怒りで頭がどうにかなりそうだ。」
嘗ての悲劇。
それは桐恵にとってある意味で家族を失った時以上のトラウマにもなっていた。
瀕死の疾風を必死で治療したあの時の桐恵は今までの生涯でたった一度の………涙を流している。
怒り、不安、恐怖、様々な感情を背負いながらも命懸けの治療を何とか成功させたが、正直生きた心地がしなかったのだ。
彼女が意識を取り戻すその時まで……。
そんな事を考えている内に施設の中に進んでいく一同。
それは紅葉が一度訪れた事のある場所でもあった。
「そういえば紅葉。お前は来た事があるんだったか?」
「ええ。前にありますよ。ユーリや刹那も一緒でした。」
それはユーリの能力により紅葉の命が脅かされた1件。
その1件で疾風は紅葉やユーリにとって命の恩人となった訳なのだが。
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