蛇柱 2020-02-26 19:46:51 |
通報 |
これは現実よ、伊黒さん! 頬が痛かったもの。だけど、伊黒さんに甘えられるのなら夢でも嬉しいわ!
伊黒さんの希望なら専業主婦も頑張るわね!料理は得意だし、玄関で旦那様の伊黒さんをちゅーして御出迎えするのはずっと夢だったの。
(彼の膝上に乗っているのが当たり前になりつつあると抱き合うのも自然になっていて。彼女は結婚に対して憧れが強く、不安など杞憂で。夢の結婚生活を思い浮かべながら、その妄想を嬉しそうに彼の耳許で優しく話して。
耳許で話されると敏感なのか、驚いて肩を跳ねさせ。動こうとするも手を掴まれているのもあって大人しくなると変わらず耳迄赤くさせながら愛の言葉を告げ、彼を名前で呼び。話していた温泉旅行が婚前旅行になる事について嬉しくも恥ずかしげに告げては甘える様に彼の首筋へ顔を埋めて)
伊黒さん真面目すぎ!とても我儘になっても、真面目な伊黒さんだったら罰はあたらないわ。伊黒さんが私を抱き締めたい時に抱き締めて欲しかった。キスしたい時にキスして欲しかった……けど、今はこうやって気にすることなく遠慮なく甘えられるから幸せよ。
…私も前世を跨ぐ程、小芭内さんに恋をして…愛しているわ。温泉旅行は婚前旅行になるのね……ドキドキする。
嗚呼、例え夢だとしても嬉しい。甘露寺が同じ思いで居てくれた事もそうだが、何より君の成長を傍で見守っているだけでも幸せだったから…。こんなに幸せでは罰でも当たりそうだ。
………そんなに急いで結婚せずとも、仕事を経験してからでも構わんぞ?
(こうして前世で会えただけでも、傍から見守るだけでも。こんなに幸せな事は無い筈なのに…、今は其の欲を飛び越えて思いの丈すら吐露してしまい。こんなにも幸せな時間を経験してしまったら後から大きな罰でも来るのでは、なんて無意識呟いて。
新婚生活既に夢に描き愛らしい想像馳せる彼女に、真逆の婚前旅行の言葉に驚き。勿論、望むのであれば此方は応える迄であるが、彼女にとって一つしかない人生、経験も大事なのではと問い掛け。
不織布越しの声では、こんなに近くに居るのに其れすらもどかしく彼女の長い髪耳に掛け。沢山不安を抱かせてしまった事申し訳なく思う気持ちと、之からは其れ以上に沢山大切に思っている気持ちを言葉にしようと胸に刻み込んで。婚前旅行と称し嬉々として語らう姿微笑ましく頷き乍、照れてしまったのか頬赤らめ首筋擦り寄る彼女後ろ髪撫で)
今迄寂しい思いをさせてしまった分、それ以上に君を幸せに出来るように沢山努力していきたい。
…婚前旅行、か。では、温泉だけでなく旅行事態も有意義な物になるよう色々と観光地を調べなければ。
甘露…蜜璃との、初めての旅行だからな。
伊黒さん……好き!大好き!
………結婚に憧れはあるけど、急いではいないわ!伊黒さんから見たら、そんな焦っているように見えた? 社会人として経験を積んでからの結婚はとても素敵ね。大人になったみたいだわ!
(愛しい人から見守られるという事がこんなにも尊く、幸せだと実感すると上手く言葉に表せず最終的に好き好き攻撃をして。憧れが強く表に出てしまったのか結婚に対して急いでいるつもりはなかったのだが、彼の目にはそう見えたのか首を傾げて。枯葉今でも大人だが、高校生の彼女はまだ未成年であり社会を知らない子どもなので先ずは結婚よりも社会を知ることを学ぼうとして。
今でも十分過ぎるほどに幸せなのだが、彼はこれ以上の幸せを彼女に対して与えてくれようとするその気持ちだけでも嬉しくて、ふるふると首を左右に振って否定し。髪を撫でられるとこのままずっといたくなるが、さすがにずっと彼の膝の上に乗っていたら彼は重いだろうと考えるもこの一時が幸せすぎて離れがたく、さり気なく名前で呼ばれるとその破壊力に軽く目眩がして。照れ隠しに今度は唇であむあむと隔てている不織布を悪戯し始めて)
私の幸せは小芭内さんの傍らに居ること。其れだけで幸せなの。だから努力とかいらないわ……こうやって些細な何気ない幸せを二人で共有したい。
小芭内さんとの旅行なら、どんな場所でも楽しめそうね。温泉街なら甘味処とかたくさんありそうだわ!しのぶちゃんのお土産は温泉饅頭にしようか色々と迷うわ!
…蜜璃に言われるのは、破壊力が凄いな…。
いや、俺が君を焦らせて仕舞わぬ様に予め伝えて置いただけだ。仕事を経験してからでも遅くは……、其れより、も、一番重要な物が…。
(好きだと告げる彼女の愛らしさに破顔してしまいそうだが、頬赤らめ乍も嬉しそうに瞳細め先程から他人には見せないような笑顔や声色で彼女と接し。仕事経験も大事だろうから、と話を聞き頷いて居ると一番重要な御両親にこの現状をどう伝えるかという問題点思い出して。
多くを望まない彼女らしい答えに胸が締め付けられ、自身も大切に思われている事を実感。こんなに愛しい人が時分を見てくれているのが幸せすぎてどうにかなってしまいそうだが、もう外は暗く余り長居をしてはいけないと思い。名残惜しむ様に抱き締め返しては、唇で悪戯する姿に此方からも布越しから角度変え何度か唇触れ合わせ。布越しから彼女の肌触れる事がとてももどかしいと思うが、歯止めが利かなくなりそうなのでぐっと堪えて時間を確認。大分時間も遅くなってしまい身支度をしようと手に付かなかった資料片手持ち告げて)
では、些細で何気無い幸せを守っていけるようにしていこう。…蜜璃の気に入る店が沢山あるだろうから、旅行の際は色々と見回ってみようか。
もう八時を過ぎる時間帯だ、俺も今日の勤務は大して予定も無い。蜜璃、今日は車で送ってくそろそろ準備を。帰り途中スーパーにでも寄ろう。
(時間について言われる迄気付かなく、何時の間にか暗くなっていた景色に名残惜しくも離れて。鞄の中を見て忘れ物がないか確認した後『小芭内さん!私、校門前で待っているわね?』お互い普通に名前で呼べる様なると恥ずかしさがまだあるが、嬉しさの方が勝っており笑顔で手を振って出て行き。軽い足取りで昇降口へ来てはローファーへ履き替え、暗い中帰るのは久しぶりなのもあり、誰かに気付かれぬよう緊張しながら校門前で愛しい人が来るのを待って)
小芭内さんが来るまでスーパーで買う物リスト決めておいた方が良いわね。牛乳と食パンが無くなりそうだから買って、他は──野菜ね。人参とキャベツ。あとは夕食用のお魚も安かったら買って……。
(空き教室適度に片付け彼女待たさぬ様其の儘直行した職員室にて鍵を定位置の場所へ預け適度に同僚へ挨拶済ませ。纏めて居た髪結後残ってしまう為解かずに白衣脱ぎ上着を羽織って彼女の元へ。暗くなった門の前一人立たせてしまい申し訳無く思うと自身のマフラー肩掛け彼女の荷物受け取り、誰も居ない様子伺い筒共に駐車場向かい。
車迄近付くとリモコン片手に先に扉開き助手席開け、彼女座った様子確認しては後ろに自身の荷物と彼女の物を置いて運転席に腰掛け。鍵を差し込みエンジン掛けては、苗字呼びから中々慣れないまま時間確認し近場のスーパーより普段良く行く少し距離のあるデパートを提案。其の儘ハンドルを持ち車前進、)
待たせてしまって済まない、甘…蜜璃。
寒くは無いか?、やはり、近場のスーパーではなくデパートに行こうと思うんだが大丈夫だろうか、もし他の場所が良ければ言ってくれ。
待ってないから大丈夫だよ!それから、小芭内さんがまだ名前呼びに慣れていなかったら苗字でも構わないからね!
(すぐに来てくれたので暗い中でも怖くはなく、マフラーを肩に掛けられると直ぐにお礼を告げ。愛しい人のマフラーなので嬉しそうに笑って触りながら駐車場まで向かって。到着し、助手席座るとシートベルト締めてから呼び方に慣れていない様子もあり、苗字呼びでも大丈夫だとそっと優しく告げて。デパートの件は予想外だったが嬉しくて行き先をデパートへ)
デパートは小芭内さんがよく行くところ?私はデパートでも大歓迎だから嬉しいわ!
長年甘露寺呼びだったせいか余り慣れないが、だが蜜璃と二人の時は名前で呼んでいたい…。
(子供が我儘を言うかの如く気持ちを吐露してしまい、運転している為視線は前を向いたままだが恥ずかしそうに声は段々と小さなものに。担任基、元柱の仲間に腐れ縁として車に乗せ使いっ走りにされる事は良くあるものの、彼女隣に乗せ運転する事に中々慣れず。目的地到着すると駐車場にて後ろ確認し乍慣れた手付きで止め、自身の鞄から財布のみ取り出し彼女が降りたのを見て車鍵を掛け)
普段良く行くのはスーパーなんだが、此処はペットショップもある為鏑丸の餌を買いに来たりしている。他の生徒に鉢合わせないよう、一応少し距離のある場所迄来た。
蜜璃、着いたぞ。荷物と財布は俺持ちで、何が必要か支持してくれ。
学校では誰に聴かれているかわからないから苗字で呼ぶわね。二人きりの時はもちろん名前だけど!……名前の呼び方とか二人だけの秘密でドキドキするわね。
(段々声と小さくなる彼の声は何処か恥ずかしそうに聴こえ、それが可愛いと感じてしまい胸がキュンとなり。到着して外に出ると彼の発言に対して驚きを示して首を左右に振り『これ以上小芭内さんにお世話になる訳には行かないから、 掛かった費用は私が全て払うし荷物も私が持つわ!』住まわせてもらいお世話になっている身で彼に荷物を持ってもらったり、支払ってもらうのは性格上申し訳ない気持ちでいっぱいになり。だが、買う物のリストは伝えておこうと先程車内でメモ帳にてメモしたリストをおずおずと手渡し)
でも、買う物のリストは小芭内さんにも伝えておくわね。これなんだけど……このデパートは来たことがないから何処に何があるかわからなくて。小芭内さん場所わかる?
構わないが、間違える事の無いようにな。卒業迄は乗り切らねば…俺は君の人生に悪影響を与える等…想像するだけで…。
そんな事があれば、二度と君の親御さんに顔向け出来ん。
(隣歩く彼女が自分のせいで退学処分等想像するだけで切腹待った無しに、予め彼女に苗字と名前呼びに関して間違えない様伝えておき。流石に自分の食費迄賄っていては彼女の小遣いも早々に底を尽きてしまうだろうと思い、年頃の彼女が食費だけに小遣い使わせてしまうのは…と譲らずに首を振って。「食費に関しては気にしなくていい、君の親御さんから生活費と共にある程度援助金として頂いているのもあるから」ある程度貰っては居るものの実は其れも彼女の為に手を付けて居なかったりするのだが。頂いている事に嘘は無い為そう告げるとリスト手に取り食品関係は一階にある事説明し、手を繋ごうと差し出して)
嗚呼。何度が来ているから大抵はわかる。
何かその他必要な日常品等は欠けてないだろうか、もしあれば其れも買って行こう。
しのぶちゃんと話している時も気を付けるわね!私の所為で小芭内さんが教師を辞める事になったら一番悲しいから……それくらいの覚悟を持って。でも、卒業したらもう遠慮しなくて良いのよね?
両親は特にお父さんは小芭内さんの事を信頼しているから平気よ?でも……小芭内さんの方が色々と気にしちゃうか。正義感が強くて優しく、真面目で……そういう所が愛おしくて大好き!
(一人の問題ではなくこれからは二人の問題になってきて、彼の言葉が身に染みると真剣に覚悟を持って。両親も彼が大好きという気持ちをさり気なく伝えると最後は惚気のようになり、頬を両手で押えて。食費云々只でさえ彼女だけで何かと出費がかさむので素直に甘える事ができずにいたのだが、両親から援助があったり将来結婚となると甘えるのも大切だと考える様になり、ここは素直になって甘えることに。差し出された手に指を絡めて握るとリスト以外で消耗品を思い浮かべつつ歩き始めて)
小芭内さんって何時でも頼りになるかっこいい男性よね!ありがとう。
うーん……買うとしたら消耗品かしら? 固形洗剤がもう少しで無くなりそうだから買って、CMで観た新発売の柔軟剤も買っていい?使ってみたくなって!
其れは勿論、卒業したら俺も遠慮しない。…胡蝶は察しが良いから何かと心配だが…。
そうだろうか…、こんなに愛らしい愛娘を信頼して預けて下さったのに結婚します、なんて言われたら…俺が父親の場合斬りかかって行くだろう。
(しのぶ、の言葉に胡蝶姉妹浮かび、何かと察しの良い彼女達思い浮かべ心配が傘増しされるが元柱の同僚の方が面倒臭い為彼女を守らなければと純真な笑顔を見て決意。御両親への不安無くそうとフォローしてくれる姿愛し気に眺めては、愛情深く育てて下さった感情想像して申し訳なくなり。何時頭を下げに行くべきだろうかと思う一方でそう悩む事もこうして共に居られる幸せがあるからだと感じて。
格好良い男性、彼女にはそう見えてくれているのなら其れを無闇に否定する必要も無く、自身も礼を告げ。指先絡まり手を繋ぐと歩き出し彼女の言葉耳を傾け、一階までエレベーターで降りると手は繋いだまま片手で荷物積むカート押し。てきぱきと指定された雑貨の元へ向かい)
其れは此方こそ。俺も毎日蜜璃に癒されてる、家事も食事も日々確り熟してくれて。疲れて帰った先に誰かが笑顔で出迎えてくれるのが凄く幸せだ。
それなら一階で食品と日用雑貨どちらも済ませられそうだな。先に固形洗剤と柔軟剤…
しのぶちゃんはしっかり者だから寧ろ心配してくれるかもしれないわ。私がうっかりしないように!
そうよ!お父さんならきっと私の嫁ぎ先が見つかって、小芭内さんにとても感謝すると思う。……今からそれだと娘が産まれたら大変ね。お前なんかに娘はやらん!とか言って交際相手に殴りかかりそうだわ!
(一階フロアにて探しながら歩き続けると彼の発言に対して嬉しそうに微笑みかけ、将来娘が産まれたら溺愛して大変そうだと考えるとその光景が微笑ましく握る手に少し力が強まり。
改めて御礼を言われると当たり前のことであり、彼女にとっては料理や掃除などは実家にいた時も普通にしていた事なので御礼を言われる程の事では無いのだが、愛しい人に言われると嬉しさは倍になって恥ずかしそうに頬は紅く色付いて)
……小芭内さん、こちらこそ私を好きになってくれてありがとう。お嫁にはいけないと覚悟していたから、小芭内さんは私には勿体ない程に男性として魅力的だしとても素敵で……結婚したらこうやって買い物するのが当たり前になるのね。幸せすぎて怖いわ!
確かに胡蝶は無闇矢鱈に告げ口をする様な奴ではないが…、其の情報を逆手に色々と頼まれたりしそうだ。
そうだろうか…何れ、蜜璃に恥を?かさない様御挨拶にいかなければ…。愛する人との愛娘なんて、嫁に出す事を考える事すら嫌になりそうだ。
(昔、…前世から甘露寺への悩み相談云々に関して胡蝶に世話になった事もあり信用はある方なのだが、隣呑気に笑う彼女が隠し通せるとは思って居らず。胡蝶は胡蝶で此方に条件を引き合いに出し冨岡に関しての情報云々の提供を求めてくるのでは…と先走る考え首振り掻き消し。
彼女の父の考え方は少し楽観的過ぎるのではと心配になり筒も彼女がそう言ってくれるならそうなのだろうと頷き。自分が父になる話をされると、未だ先の事ではあるが之以上の時間等、どんなに愛しくて幸せな時間なんだろうかと思いを馳せ。
慣れた手付きで日々行う家仕事、長女であった彼女にとって当たり前だったんだろうが一人で適度に生活して来た為か日々疲れて帰って来た時の彼女笑顔も暖かな食事も大切な時間で。どれだけ感謝しているのか述べては、ふと肝心な相棒を忘れている様な発言訂正し。日用雑貨喋り乍揃えては其の儘食品コーナーへと)
蜜璃が待っていてくれるから、今は家に真っ直ぐ帰りたくて仕方がない。
遅い時間に帰って来る事もあるし勿論無理をして欲しいわけでは無いんだが、寂しく帰って来ていた家に…誰かが居るのは其れだけで幸せな事なんだと感じる。
だが、鏑丸も傍に居てくれては居るんだがな。
しのぶちゃんは聡いから多分気付いているかもしれないけど……冨岡先生からしのぶちゃんには内緒で主に恋愛相談をされていて。教師と生徒だから先生なりに色々考え葛藤している姿を見たら小芭内さんもこんな感じだったのかな……って思うと胸が締め付けられて。
お父さんの事なら小芭内さんも知っているでしょう?きっと拍子抜けするくらいあっさり認めてくれそうな気がするわ……って、もう!今からそんなんじゃ、先が思いやられるわ。娘が私そっくりに成長したら大変どころではなさそうね……。
(情報を逆手にと言われると親友の恋人から恋愛相談されているのを思い出し、彼にうっかり話すも本人は自覚がないのか気にしておらず、会話は続けられて。反応から将来親馬鹿になりそうで微笑ましく思うと『親馬鹿まっしぐらな小芭内さんも大好きだけど、そうなったら娘にちょっと妬いちゃうかも。娘に対して心配で色々言う小芭内さんの姿を想像したら娘に盗られたみたいで妬けちゃうわ』結婚もまだでその先のことはわからないが幸せな未来が待っていると期待して。
食品コーナーへ移動すると牛乳と食パンをカゴに入れていき、彼の本音が訊けると嬉しさから口元が緩みにやついてしまい。鏑丸が会話に登場すれば何か思い出したのか伝えて)
私が専業主婦になったら行ってらっしゃいとおかえりなさいのちゅーが毎日できるのね!幸せだわ。……あ、そうだ。鏑丸ってとっても優しいのね。小芭内さんの帰宅が遅い時、私が寂しがらないよう擦り寄ったりして甘えてくれるのよ。だから鏑丸にも毎日感謝だわ!
…成程な。冨岡から相談を…、俺はてっきり胡蝶から聞いているものだと。何となくは察していたが、…彼奴等は進展を目処に考えて居たのだろう。冨岡は見た目の割に頼り無いが胡蝶が相手なら問題無い。
…俺の場合は浸隠す丈の物にしようと押し隠していたからな…、それが蜜璃の幸せに繋がると信じて。何をどう相手の幸せとして捉えるかその考え方の違いによるかもしれん、俺は君の…蜜璃の傍に居られるだけで幸せだった。
知っては居るが…唯の同居人から結婚相手は訳が違うぞ?、幾ら友好的な君のお父さんと言えど…。其れは一理あるだろうが俺の一番は死んでも、其の先もずっと君が一番だ。其れは何があろうと変わらない。
(前世からの物か毛嫌いしている冨岡の名前に複雑さ覚え眉潜めるものの、自身も同居始めた頃にやたら胡蝶にちょっかいを出されて居り。まるで何か知っているかの様に、蜜璃と少し上手く行かなくなる度に授業の後こっそりと文句言いに来た彼女と言い合いになったのを思い出して。胡蝶なりに彼女の気持ちを汲み取っていたのだろうと今更乍理解し筒。気持ちは膨らむ一方だったが好きな人の傍に居られる時間何より幸せだった事告げ。
未来の愛娘に妬いてしまいそうな愛らしい彼女、調味料の棚の前にて人気が無いのを確認して握る手を引き寄せ。カートを止め彼女に見えぬようマスクずらすと上記耳元で呟き耳朶口付けては見られる前にそそくさとマスク戻し再び手を引いて振り向かないまま「愛しいあまり、すまない…」と零し。
慣れた手付きで食品入れる姿見て、ある程度リストに乗った品物入れ終え。最後に野菜置き場の位置指差し乍、他に必要な物は無いか確認、鏑丸の話になると微笑ましく目尻細め)
そう、か。そんな未来を俺も楽しみにしておこう。…リストに乗っている物は野菜で最後か?
鏑丸も大抵は俺が帰って来るまでは一人だからな、一緒に待っていてくれる相手が居ることが嬉しいみたいだ。
しのぶちゃん真面目だから冨岡先生との事相談してくれなくて。その分、先生は私を信頼してくれているからか、すぐに相談してくれたわ。不器用だけどしのぶちゃんの事を大切に想っているのが伝わってきて相談されている私の方が照れてしまう程にね!
小芭内さん……私もきっと、小芭内さんの立場だったら気持ちを考えたり、傍に居られるだけで幸せだから気持ちは伝えないで同じ事をしていたかも。
もしも反対されたら、その時は私が両親を説得するわ!小芭内さん以外考えられないし、私もこの命が尽きるまで……来世でも人に産まれたらあなたと再び出会い、夫婦になるのは必然ね。それで、娘が産まれたら小芭内さんみたいな男性と結婚してほしいわ!じゃないと私も結婚は許せないかも。
(親友は真面目で一人抱え込む所もあり中々相談してくれず、親友なので悲しいと呟いて。しかし、相談を受けているとある教師がその彼女に対して大切に想っているのは強く伝わってきて、それは恥ずかしくなる程であり。彼の立場になり交際についてなど今回の事を真剣に考えると、必然的に同じ事をしていたと素直に伝えて。もしものときのことは考えたくないのだが、何が起こるかわからないのでもしもの時のことを想定して。来世など壮大な事だがこの見えない赤い糸はきっと来世でも繋がっているだろうと考えると左手の薬指を指すように左手を見せつつ娘について想像しながら話して。
完全に信頼しているのもあり、耳許で話されるだけでも敏感なのだがマスク越しではなく直接唇で耳朶へキスをされるという不意打ちに対して瞬時に耳朶は赤く染り『 ……んっ! 』と思わず敏感な甘ったるい声が零れると暫く顔が見られず俯いたり逸らしたりしてしまうが否定するどころか嬉しく強請りそうになって。
野菜売り場にて欲しかった野菜をカゴに入れると、魚が安かったら夕食に魚も欲しく生鮮コーナーに行きたいと訴えかけてから鏑丸も大好きだが前世から嫉妬している事をさり気なく伝えて)
お魚は安かったら夕食のメニューに欲しいから見てもいいかしら? 鏑丸の事は前世の頃から小芭内さんと同じくらい大好きだけどその……常に一緒にいるからちょっと妬いていたわ。羨ましくて。
胡蝶の気持ちはわかる。…言わないだろうな、蜜璃も同じ様な悩みを抱えている以上、迷惑を掛けたくないのだろう。冨岡は冨岡で生徒に相談する等何を考えているのか。全くあの馬鹿は…何かと面倒を起こしそうだから見ておいてやってくれ。
もし逆の立場であったなら、どうなっていただろうな…、其れこそ互いにすれ違っていそうだが…。
其れは俺も手伝おう。君だけに任せるのではなく、俺自身も共に努力して認めてもらいたい。もし蜜璃に再び出会えるのなら、俺の人生を捧げよう。勿論、今世も。
娘も息子も愛しい事には変わらんが、息子とは大人気なく蜜璃の奪い合いになりそうだな…。
(カートを押し乍、不意に蜜璃の隣並んで歩く胡蝶の視線が冨岡へ向けられているのを思い出し。其の視線は自分が蜜璃へ向ける物と同じ物で、誰かに相談をするには迷惑を掛ける危険性も伴い出来なかったんじゃ無いだろうかと告げ。前世からの腐れ縁なんぞ投げ出して彼女独り占めしたい気持ち山々だが、なんだかんだ見捨てる事も出来ず冨岡へのフォロー彼女に頼み。
左手差出し来世も共に過ごしたいと思っている姿に嬉しそうに頷き、将来必ず娘が産まれるとは限らず息子の場合も想定し乍ぽつり零し。
口付けに零れる声聞き逃す筈が無く、愛らしさに思わず一目を忍んで口付けてしまったが逆に甘ったるい吐息悶々と思い出してしまい自身も手を引いたまま咳払いし冷静さ取り戻そうとして。
そう言えば昼休みに自身が夕飯に頼んだ事もあり、確り覚えてくれて居た事嬉しく思い筒山積みになるカート押し御礼にデザートを提案。其の儘生鮮食品の元へと方向変え、品定め彼女に任せ。鏑丸の名前と嫉妬の言葉が出ると思わず喉鳴らし笑い零してしまい、想定外の嫉妬先にカート止めて頭部一撫でしてからカート寄り掛かり分かり易い言葉探して。迷わず人として蛇を例える自身を見て彼女にどう思われてしまうだろうかと少し心配抱き)
…わかった。魚は一番奥だ、蜜璃、序にデザートも買って行こうか。
………ッく、く…、…ふは、…鏑丸は雄だが…そうだな、俺にとっては唯一の家族と言っても良い。蜜璃は一番可愛くて、俺の愛すべき人で、鏑丸は時として支えてくれる兄であり、世話の焼ける弟だ。
……そっか。しのぶちゃんも私と同じく、先生の事で悩んでいるのね。あの二人ならきっと幸せになると思うわ……私たちみたいに。でね、冨岡先生は教師だからこそ相談できる相手は限られていたのかも。もしかしたらああ見えて冨岡先生は気付いていたのかもね……私たちの関係に。勿論!これからも冨岡先生の力になりたいから任せて!
──小芭内さんが生徒!?……か、可愛い…っ!!
……ありがとう、小芭内さん。心強いわ。いつかウエディングドレスを着てバージンロード歩けたらいいな。今世でも来世でも!
む、息子……まぁ、どうしましょう!? 小芭内さんそっくりの息子に成長したら大変だわ!可愛いが2倍になるわね!!
(同じ境遇だからこそ、相談できる内容でないからこそ誰にも頼れないのだろうと実感させられると胸が締め付けられて。早く二人も幸せになって欲しい。それが彼女の願いだがそっと見守るだけで何もしてあげられない現実が歯痒く、尚更二人は結ばれるべきだと強く感じて。彼の方からお願いされるのは珍しくて驚くが笑顔で頷き。もしもの場合で生徒の彼を想像すると可愛さに胸がキュンとなり、思わず言葉にしてしまって。
密かにウエディングドレスに対して憧れがあったので心の声が思わず言葉になり、来世まで誓って。息子の場合も考えてはいたのだが、敢えて考えないようにしていて。だが彼の方から言われると、彼そっくりに成長した場合2倍の可愛さになると興奮してしまい。キスの後も変わらずに手を引かれたまま生鮮食品へ移動すると、忘れようとしても感覚はそう簡単には忘れられる訳がなく、変に意識してしまうと動きが固くなり。魚は鮭と鯵をカートに入れ次はご褒美のデザートを選びに移動するとフルーツタルトを選んで。その後直ぐに珍しく声に出して笑う彼の姿に目を見開くと発言が微笑ましく、握る手に力が少し加わって)
鮭と鯵を買えて良かった。デザートはこのフルーツタルトが良いなぁ……って、もう。笑いすぎよ!!結婚したら鏑丸は私の義兄になるのね!お兄ちゃん……嬉しい!鏑丸は私の家族でもあるから嫉妬しちゃって。だっていつでも小芭内さんに抱きつけるし……羨ましい。
俺はどちらでも構わんが、まぁ、やたら蜜璃に近寄られるのも気に食わないだけだ。妙に目敏い奴だからな、感謝のつもりか何か知らんがととろ昆布が俺の職員室の机に置いてあった…。色々と裏から俺も策略を練っておこう。
…男に可愛いとは何とも複雑なんだが…。
これくらいは当たり前だ。結婚迄に色々と準備をしないといけないな、式を上げる教会もドレスも気が早いかもしれないがゆっくりと決めていかなければ…。
俺と同じ身形になるのは些か複雑だが…、俺の様に成らず真っ直ぐ誠実に育って欲しい。そう育って行ける様な環境を作ってやりたい。
(不安そうな顔をする彼女見て、彼女の返答とは逆に余り気にして居らず。どちらかと言えば今の彼女悩ませる原因となる二人が腹立たしいくらいだが確かにあの二人が共に居ない姿は想像出来ずに表から彼女に支えてもらい自分は色々と策を講じておく事告げ。幼い自分を想定して発された一言めが可愛いとはなんとも複雑な感情抱き、もしや身長差余りなく自分が低い事も相俟って可愛いと思われて居るのではと視線向け。
来世も幸せにしたいと思う一方で、今一番大事な今世、男には結婚に関してどのような願望や好みがあるのかわからずに、卒業と同時に差し出す積もりの婚約指輪のデザインも探しておかなければと内心悩んで。再び発される可愛いの言葉は単に子供が可愛いのかはっきりさせたい所だが余り大人気なく問い詰めるのも違うなと子供伸び伸び暮らす環境作っていきたい事伝え。
硬くなる彼女の動き何が原因なのか分かりやすく、再び押し寄せる笑い口元手を当て抑え。偶にはこうして彼女を困らせて愛らしい姿眺めるのも悪くは無い、なんて意地の悪い考え過ぎらせて内心で謝り。一通り必要な食品揃えデザート売り場移動し並ぶ一覧色鮮やかな甘味からフルーツタルトの指名に頷くとホールで五個籠上綺麗に乗せ、手早くレジに向かい支払い済ませ袋に纏め)
すまん…、蜜璃の発言につい和んでしまった。
…鏑丸を家族として見てくれて有難う、今は妬かずとも蜜璃の好きな様にしてくれて構わない。ただ、俺の歯止めが利く範囲で願いたい。
トピック検索 |